SamSuka
ハセトム(旧:HI)
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男子独身寮の寄生生物

 管理人室のインターフォンを鳴らすと、30過ぎくらいの筋肉質な男が出てきた。 「加瀬さんですか?」  男に尋ねられて加瀬は「はい」と頷いた。  男はニカッと音がしそうなくらいの笑顔を浮かべて、「管理人の山下です! よろしくお願いします」と言った。  加瀬はこの春に大学を出たばかりで、来週からはじめての職場への出勤が待っていた。  ここはその会社の独身男性寮だった。 「加瀬さんの部屋は305号室ですね」  鍵を持った山下が部屋から出てきた。 「こっちです」  案内された部屋は、普通のワンルームマンションの居室と同じだった。  ただ一つ珍しいのは、風呂とトイレがついていないこと。 「風呂トイレは共有なんですよね」  山下がベランダへとつづく窓を開けながら説明した。 「1階と3階に共有のトイレがあります。風呂は管理人室の隣に大浴場ってほどじゃないけど、一度に10人くらい入れるのがあって、昼の清掃時間以外はいつでも入れますんで」 「なんか、他にルールとかありますか?」  加瀬が質問すると、山下は「とくにありません」と言ったあと、「いや、あるっちゃあるけど、それはたぶん明日の歓迎会で教えてもらえますんで」とつづけて笑ったが、その笑みはなんだかいやらしいものがあった。 「とりあえず、寝具セットだけはあるんで、これ使って寝てください」  山下がクローゼットから布団セットを引っ張り出した。 「明日の入寮歓迎会は夜8時からです。管理人室の、風呂場の反対側の隣にミーティングルームがあって、そこではじまるんで、忘れないでくださいね」  それだけ言って、なにか困ったことがあればいつでもどうぞと言い残し、山下は去っていった。  スーツ姿の加瀬は、自分が歓迎会で浮いている気がしてならなかった。  寮に居住する先輩社員たちはみんな私服姿で、それもTシャツにジーンズとかスウェットみたいなラフな格好ばかりで、それに気づいた加瀬は「着替えてきます」と部屋に戻ろうとした。 「いい、いい。大丈夫だよ」  それを名前も知らない先輩から止められたのだ。 「どうせすぐにわけわかんなくなるんだから」  加瀬はその言葉を酒に酔うということだと理解した。  男だらけの独身寮。みんな20代と30代ばかり。大学の飲み会でさえ、めちゃくちゃになって雑魚寝なんか当たり前だったのだ。ここもさぞかしむさ苦しい空間にすぐに変貌を遂げるのだろう。  歓迎会は時間通りに始まった。加瀬の他に3人の新入社員がいた。みんなスーツ姿で、なんだか居心地が悪そうだった。自己紹介を最初にさせられた。 「4人だったらちょうどいいな」  誰かがそう言った。 「おれらのとき3人でしたからねえ」 「まあ3人なら3人の良さがあるけどな」  その言葉の意味をはかりかねているうちに、歓迎会は進んでいった。 「飲んでるか?」  30くらいの先輩がビールを注いでくる。 「飲んでます」  もう何杯目かもわからないビールをコップに注がれる。加瀬は全身が熱くなっていた。こんなに大量に酒を飲んだことは人生でなかったので、そのせいだと思った。  隣では同期たちも同様にふらふらになりながら先輩方から注がれる酒を飲み干している。みんな顔が真っ赤だ。 「そろそろいいんじゃねーの?」  誰かがそう言った。 「そうだな」 「もう大丈夫だろ」  そんなことを言いながら、つぎつぎと先輩社員たちが服を脱ぎ捨てていくのを加瀬はぼーっとした頭で眺めていた。  先輩社員たちは、みな筋肉質な体をしていた。ジムででも鍛えているのだろうか。やがて、躊躇もなしに全員がパンツも脱ぎ捨てた。グロテスクなまでに巨大な陰茎が天に向かってそそり立っていた。その先端では、緑色の蔓のようなものがミミズのようにのたうち回っているのが見えた。  なにかおかしい。  そう思って逃げようとした時には手遅れだった。  加瀬は二人の男に体を押さえつけられていた。  他の同期たちも裸の男たちに囲まれて取り押さえられていた。 「加瀬だっけ? おまえが今年は一番美味そうだなあ」 「なんかスポーツやってたのか?」 「サッカーですけど、なんですか、これ。変ですよ。離してください」  加瀬が身をよじって暴れても、男たちは笑うばかりでびくともしなかった。そこそこ筋肉があると自負していた加瀬の身体をもってしても、揃いも揃ってガチムチな男たちの拘束から逃れることはできなかった。 「ぜんぜん変なんかじゃねえよ」 「そうそう。おまえもすぐに金玉に種を植えてもらえるからさ。そしたらおれたちの仲間入りだぜ?」  加瀬は混乱した。そうこうしているうちに、いつしか裸になった山下が目の前にあらわれた。 「おまえが一番美味そうだと思ってたんだよ」  山下の陰茎も勃起していた。25センチはあるだろう。皮が剥けて、剥き出しになった亀頭は人の拳くらいはある。どす黒くも真っ赤に腫れあがった亀頭の先端からは、緑の触手がグチュグチュと卑猥な粘り気のある水音をたてて出入りしていた。 「ご主人様もそう思いますか」  加瀬を押さえつけていた男の一人が言った。 「ああ。おまえらも最初はヒョロガリだったけど、おれが株分けしてやったら即座にガチムチに生まれ変わったもんな。こんな最初から美味そうな雄ははじめてだ。どう変化するか楽しみだぜ」  ご主人様、ひでえ。おれたちをディスんないでくださいよ。男たちが猥雑に笑う声がする。 「ほら。おまえのちんぽを向けろ」  山下の手が加瀬のスーツの股間へと伸びた。チャックをおろされ、中のふにゃふにゃの陰茎を引きずり出される。 「やめろお!!」  加瀬が叫んだ。 「無駄無駄。ここ防音設備もあるんだぜ」 「そうそう。おれたちが休みの日に交尾しまくるためにご主人様が改装してくださったんだよ」  加瀬を抑える男たちが笑っている。  加瀬の陰茎を握った山下が、自身の勃起とそれを兜合わせにして握る。と、山下の陰茎を出入りしていた触手が、急にその動きを変えて、加瀬の陰茎の方へと這いずりより、加瀬の尿道にその身を押し込みはじめる。 「いってええ!!」  加瀬は痛みで体を震わせるが、取り押さえる男たちのせいで逃げることができない。 「すぐに楽になる」  山下がそう言ってニヤリと笑う。次の瞬間、加瀬の心臓がドクンと音を立てて、脳が急激に冷えていく。 「あ」  加瀬はそう言ったきり首をパタンと下に俯け、だらりと全身の力が抜けて動かなくなった。 「大丈夫か!? 加瀬! しっかりしろ」  加瀬の隣で取り押さえられていた別の新入社員が声をあげた。眼鏡をかけて、真面目そうな男だ。奥田と名乗っていた。  加瀬はその声に応えるかのようにむくりと顔をあげた。  加瀬を取り押さえていた男たちがニヤニヤ笑いを浮かべながらその手を離した。  加瀬が奥田を見た。そしてニカッと音がしそうなほどの笑みを浮かべていった。 「奥田ぁ! おまえいい奴だな! おれのこと心配してくれて」  加瀬は奥田の前に立った。 「加瀬?」 「でも大丈夫。おれもご主人様から株分けしてもらえたからさ。定着したらすぐにおまえにも分けてやるよ。もうすぐ、おれの金玉に根がはって、ホルモンが分泌されておれも生まれ変われると思うから……ぁああああっっっっっ!!」 「加瀬!」  加瀬はうずくまった。その体が急激に膨張して、着ていたスーツをビリビリと破った。  加瀬は雄叫びを絶叫しながら、全身を痙攣させて自身の変貌へと耐えている。あたりに精液の濃い匂いがただよった。加瀬の陰茎が勃起し、白濁液を撒き散らしていた。  加瀬が次に顔をあげたとき、その姿は変わり果てていた。  ジムで鍛え尽くしたような、マッチョなガチムチの男がそこにいた。一気に放出された男性ホルモンの影響で、髭が伸びて口の周りや顎を濃く覆っている。 「奥田ぁ」  加瀬は奥田に抱きつき、舌をねじこむキスをした。  驚いた奥田が口を閉じようとしても、生まれ変わった加瀬の舌の筋力にはかなわず、口内を好きなだけ蹂躙された。  やがて、加瀬が奥田のスーツの股間に手を伸ばした。そこはすでにうっすらと勃起していた。 「おまえ、男いけんな?」  加瀬が舌を離してニヤリとした顔でそう尋ねると、奥田は茫然とした顔つきで否定も肯定もせずに熱いまなざしで加瀬を見つめ返した。  奥田のちんぽが引き出される。加瀬と奥田の兜合わせがはじまる。  その隣では、他の二人の新入社員の恐怖の叫びと、それらを塗りつぶすような男たちの卑猥な笑いが渦巻いている。  歓迎会はまだつづいていた。  しかしもはや誰も酒など飲んでいなかった。  喉が渇いた者は、適当な男のちんぽにむしゃぶりつき、その我慢汁と精液をすすった。  加瀬と奥田は互いのアナル を犯しあっていた。もう何度目かもわからない射精で2人の体は精液に塗れていた。奥田の体も、ここに来たときとはうてかわって、ガチムチになり汗で光っていた。 「だから言ったろ? 4人だといいって」  1人の男がそう言った。  加瀬たちの隣では、もう2人の新入社員も変貌した肉体を絡ませあいながら喘いでいた。  新入社員たちの陰茎からも、山下や他の男たちのものほどではないが緑色の紐のような触手が出たり入ったりしていた。 「まあ、出社すれば全員仲間だからな。人数なんてどうでもいいだろ」  別の男が笑った。それもそうだなと男は答えて、相手の男の睾丸に舌を這わせた。 「奥田っ! 奥田っ! 奥田ぁっ!!」 「ああんっ! 加瀬っ! 加瀬っ! 加瀬ぇっ!!」  加瀬のちんぽからふたたび精液が噴出した。それが奥田の眼鏡を汚したが、奥田はそんなことを気にせず加瀬のいまや巨根となった肉棒に跨って腰を振り続けた。  ここは男子独身寮。管理人の男がいつどこで、男たちを狂わせる寄生植物を身に宿してきたのか、そもそもその男がどこから来たのか、誰も知るものはいない。  来年の新入社員も、取引先の顔のいい男も、この会社と関わり合った男たちは皆、睾丸に緑色の職種の根が張っていることも、気づかれていない。  触手に睾丸を乗っ取られた男たちに次に襲われるのは、あなたかもしれない。  


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