SamSuka
ハセトム(旧:HI)
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芽吹く季節

 春は目覚めの季節である。  おれはいま、それを体感している。  目の前ではスーツ姿の若リーマンが、ちんぽと金玉だけを取り出して、「ああん♡ああっん♡」と喘ぎながらシコっている。  ――春だから、仕方ないな。  おれはくるりとリーマンに背を向けて、通学途中の駅への道を迂回することにした。 「いぐっ♡いくぅぅぅっっ♡ああ、だめだっ! 逃げてっ……きみもおれと同じに……ぐはああああっ……んっ♡んほぉっ♡出るっ♡出るっ♡精子出るぅぅぅっ♡」  ビュッビュッと音が聞こえた気がして、とっさに振り返った。  おれの顔に生温かいものが降り注いだ。  リーマンのちんぽからは、ありえないくらいに大量の精液が噴射していたのだ。 「マジかよ……」  顔と制服をザーメンまみれにされたおれがボーゼンと立ち尽くしているあいだに、いつしかリーマンはいなくなっていた。  さて、そのときおれはシコるリーマンという衝撃的な映像に気を取られていて、気づかなかった。  リーマンのちんぽの先から、緑色をした触手みたいなものがちろちろと出たり入ったりしていたことに。  学校についたらすでに一時間目が終わっていた。 「おまえなにやってたんだよ」  後ろの席のヨシがそう言ってから「しかもなんか精子の匂いするぞw まさか抜いてたのか?」 「おれじゃねえよ」おれは答えた。 「なんか変態に遭遇して精子ぶっかけられた。駅のトイレで拭いてたらこんな時間になった」 「うわ…それはゴシューショーサマ……」  心の底からあわれむ目つきでヨシはおれを上から下までじろじろ眺めた。  ちょっとドン引きされてる気もするけど、おれが悪いわけじゃないんだから勘弁してくれ。 「ほらおまえら席つけー」  二時間目の数学の教師が教室に入って来た。  この男はワイシャツのうえになぜかいつも白衣を着ている。  おれはテンションが萎えたまま席について教科書をかばんからひっぱりだした。   「なあ」  数学のあと、ヨシが遠慮がちに声をかけて来た。 「言いにくいんだけどな、結構、その、匂いしてるぞ」 「マジで?」  ヨシはこくんとうなずいた。 「保健室行って着替え借りたら?」 「なんて言うんだよ」 「いや、そこは変態に襲われたって言うしかなくね?」 「面倒なこととかにならねえかな」 「ならねえだろ。男同士なんだし」  うちは男子校だからか保健医まで男だった。 「わかった。着替えてくる」  おれは席を立って保健室へと向かった。 「え、また?」  おれが学ランの替えがないかをたずねると、保健医は開口一番にそう言って驚いたところ 「今日だけで5人目だよ。みんないったいなにやってるの?」  保健医はぼやきながらくたびれた学ランをロッカーから取り出した。  ちょっと変質者に遭遇しました。なんてやはり言いたくはなかった。おれは礼だけ伝えて上着を受け取り、それをはおって教室に帰った。  教室に帰るとヨシが「もう匂いはしねえな」と言った。  それがおれにはなんでだかすこし物足りなさそうに見えたが、そのときはまだ深く考えなかった。  事件は昼休みに起きた。 「……もう我慢できねえ」  黙ったまま飯を食ってたヨシが、急に立ち上がり、制服のチャックをおろしてビンビンに勃起したちんぽをさらけだした。 「おれももう無理!」  隣にいた男子もそれにならっていきなりちんぽを露出した。  おれの前の席の、ガリ勉で有名なメガネのやつまで、顔を赤らめて立ち上がり、ひょろりとした見た目のわりに立派なイチモツを取り出して、しごきはじめた。 「おい!なにやってるんだ!」  他の生徒たちが騒ぎはじめた。 「むりっ♡ああっ♡だって、おまえからすげえ雄のいい匂いがっ♡ああっ♡ダメだ♡出るっ♡イクゥ♡」  ヨシのちんぽから勢いよく精子が飛び出した。  隣の席の男子も、前の席のガリ勉メガネも、ほぼ同時に射精した。  おれは絶句して黙っていた。わけがわからなかった。と、ヨシのちんぽの先端から、緑色の植物のツルみたいなものが高速で出たり入ったりしているのが見えた。 「おい、なんだよそれ」  おれが恐る恐るたずねると、ヨシは快感で惚けた顔をしながら「ああ…これかあ」と答えた。 「これは…種が発芽したんだよ…おまえの学ランについてた種が鼻からおれに入ってさあ…金玉に植えられたんだ…もうおれはおれじゃねえ…金玉に根をはったこの植物のいいなりなんだ…でも最高に気持ちいいよ…お前も早く目覚めろよ…」  そこから次々と連鎖がはじまるように、校内のあちこちから男の叫び声が聞こえた。  廊下を見ると、白衣の数学教師が満面の笑みでちんぽをしごきながら闊歩しているのが見えた。 「なんだよこいつら」 「やべえよ。おかしいって」 「おれらも逃げないとまずいんじゃね?」  生徒たちがざわめき出した。  おれもつられて立ち上がり、後者の出口へと駆け出す人波につづいた。  その背後では、ヨシが隣の男子とちんぽを兜合わせにして、もう何も考えられなくなったようにまたシコりはじめていた。    廊下や階段のあちこちでちんぽを扱く男を見かけた。  男たちは暴発のように射精し、その精液を浴びたものは「嫌だ…嫌だ」と言いながらも、数秒後にはカチャカチャとベルトを緩め、ちんぽをさらけ出し、その先端でのたうちまわる触手に操られるように金玉を揉みしだきはじめていた。  保健室の前を通ると、保健医が一人の生徒の尻を犯していた。 「まったく♡みんなぼくのところに種の付いた学ランを持ってくるから、僕が1番たくさん発芽しちゃったじゃないか…♡これは生徒の尻穴で発散させてもらわないとおさまりがつかないよ」  尻を犯されている生徒は泣き叫んでいたが、彼のちんぽは膨張して先端から先走り液を垂れ流していたので、それは快楽の涙だった。  遅かれ彼もそのちんぽの先端から触手を生み出すことだろう。おれたちのように。  ……おれたちのように?  そこまで考えて、おれははたと足を止めた。  考えてみれば、おれが最初に変態リーマンの精液を浴びたのだ。なのになぜ、おれはまだなんの変化もないのだろう。  おれは自分を確かめるように、ズボン越しに股ぐらを握った。  これまで経験したことのないほどの快感が全身をつらぬいた。 「んぉぉぉおおおおっ…!」  おれの呻きに、保健医が気づいてこちらを見た。 「ああ、君かあ」  保健室は腰を動かし続けながら言った。 「なんだ。まだ気づいてないのか。まったく鈍感だなあ」  保健医に犯されていた男子生徒のちんぽから、白い濁流が噴出した。それと同時に、何本もの触手が、彼の亀頭の先端からはいでてきて、ニョロニョロと蠢いた。  おれは急いでズボンを下ろした。  おれのちんぽからも、同じ触手が三本生えていた。 「おまえこんなとこにいたのかよぉ♡」  肩を叩かれて振り向くとヨシがいた。 「はやくそのちんぽでおれの尻に種付けしてくれよお♡もっと仲間増やさなきゃだろ?」  ヨシがおれに向けて尻を突き出した。おれはいつのまにか硬くなっていたちんぽをその中心に突き刺した。ヨシが悲鳴のような喘ぎとともにトコロテンして射精した。  誰が始まりだったのかはもうわからない。  春は芽吹きの季節だ。  おれに植えられた種は校内に蔓延しただろう。  逃げていった男たちの手で、それは街中にばら撒かれるにちがいない。  おれたちは変態に生まれ変わる。  そこまで考えて、あとがなにもわからなくなった。  金玉からくる繁殖の指令で、おれの頭はいっぱいになった。  いつのまにかヨシではなく、保健医の尻穴におれのちんぽは出入りしていた。  保健医は数学教師を犯していて、その隣ではヨシが後輩の男子生徒を犯していて、さらには体育教師が別の生徒を……  おれたちの金玉に根をはった、この未知の触手たちは、ひたすらに仲間を増やしつづける。  それがどこまで男だったらつづこうとしているのか、おれにはわからない。


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