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ハセトム(旧:HI)
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ホモ・セクシャル検定

 ホモ・セクシャル検定(通称:ホモ検)、近年、江戸時代以来の流行を見せている男色(ホモ・セクシャル)に関する知識や実技を問う検定だ。  就職や進学の際にも有利に働くことが多いらしく、受験者数は年々数を増やしている。  就職活動に連敗し続けている大学生・悠馬は大学の就職課まえの掲示板に貼られたそのポスターを仁王立ちで眺めていた。 「なにやってんだよ」  同級生の遼がそんな悠馬の肩を叩く。 「これさ、ほんとに履歴書に書いたら有利になんのかな」  悠馬はホモ検のポスターを指さして遼にたずねた。 「なるんじゃね? このまえのセミナーでもどっかの講師みたいな人が言ってたじゃん」 「いや、そういう話じゃなくて、実際に持ってる人の話が聞きたいんだよ」 「ネットでも試験のホームページ見れるじゃん」 「だからあ、そういうんじゃなくって。生の声を聞いてみたいんだよ」  生の声って、なんかエロいな。そう言って遼は笑った。悠馬はあきれて肩をすくめた。 「まあ、おれ持ってるけどね」  つづく遼の言葉に悠馬は目を丸くした。 「え、嘘。マジで? 何級?」 「一応2級」 「え、それすごくない?」 「んー、どうなんだろ。でもまあ、おれホモだからさ。経験あったし、たいした勉強しないでも受かったよ」 「それ履歴書に書いてる?」 「そりゃね」 「そういえば書類で落ちたことないって言ってたよな」 「そういえばないね」 「内定もかなりはやくに取ってたもんな」 「まあ、選ぶ余裕があるくらいにはね」  悠馬は遼の足元に土下座した。 「これから師匠と呼ばせてください」 「え、なんで」  遼は戸惑ったような顔をして土下座する友人を見ている。  一人暮らしをしている遼の部屋が1番都合がいいとのことで、二人はパンツ一枚の姿になって遼のベッドで向かい合って正座していた。 「まず3級だ。それを取るだけで印象はおそらく変わる。履歴書にもだいたいの資格がそこから書けるしな」  遼は人差し指を立てて説明を始めた。 「3級ってなにすれば合格なの?」 「5級が相互オナニー、4級で兜合わせ。3級はフェラを互いにできれば問題なさそうらしい」 「兜合わせってなに…?」  ホモの経験のない悠馬は恐る恐るといった具合でたずねる。 「ちんこを二つくっつけて扱くこと」 「ちんこをくっつける…」  ホモの世界に免疫のない悠馬は戸惑っている。 「ちなみに2級とか1級ってどんな…?」 「準2級はアナルセックスができればOK。2級はタチウケ両方しなきゃいけない。1級と準1級はおれもよく知らないんだけど、トコロテンさせたら合格らしいよ。1級だと自分もトコロテンでいかなきゃいけないみたい」 「なに…トコロテンって」 「チンコに触んないで射精すること」 「そんなことできるの?」 「前立腺ってのが尻穴のなかにはあってさ。そこを刺激するといけるようになるらしい。でもおれも何人かと試したけどトコロテンはまだないんだよな。この辺の知識は筆記試験でも出るから、覚えておいたほうがいいぞ」 「そうか…筆記もあるのか…」  悠馬は絶望したような顔になる。未知のものを1から覚えられる自信がないのだ。それにそもそも内容が刺激的すぎる。 「とりあえずさ。5級の対策からはじめよう。で、実際の試験は3級合格相当の実力がついてから受ければいいよ」 「なにすればいいの?」  二人は向かい合ったまま固まっている。悠馬はホモの経験がないし(しかも童貞でもある)、遼はこれまで単なる友人だった相手にどうセックスを仕掛けたらいいのかわからず、たがいに途方に暮れているのだ。 「とりあえず…触るか」  遼が悠馬のパンツの膨らみに手を伸ばした。手を触れた瞬間、悠馬は「ひゃんっ!」と甲高い声をあげて飛び上がりそうになる。 「おっ! いいんじゃね? 感じてる声とかって加点になるらしいよ」  遼が悠馬のイチモツをパンツ越しに揉みしだくと、しだいにそれは硬さと大きさを増してくる。  やがてパンツからこぼれるように悠馬の屹立したペニスが姿をあらわす。 「結構でかいのな…」  そう言う遼の目はうっとりと潤んで、悠馬のペニスに釘付けになっている。遼がこれまで見てきたもののなかで、それは1番長く太かったのだ。 「触られて嫌な感じはない?」 「…ないよ」 「じゃあさ、ちょっと飛ばして兜合わせからやってみようか」  遼が自分のパンツをずり下ろすと、綺麗な形をした勃起したペニスが姿をあらわす。悠馬はそれを盗み見して、この異常な興奮が密かに渦巻く空間の熱気にあてられて、ひそかにさらに興奮する。  二人のペニスが亀頭でキスするように合わせられた。悠馬は思わずため息をつく。遼は二本のペニスを兜合わせにして扱きはじめる。 「なんかこれやばいかも…すげえチンコが熱い…」  悠馬が声を漏らす。  遼は無言でペニスを扱きつづける。夢中なのだ。そのまま時間がしばらくすぎる。鈴口から溢れ出た我慢汁がネチャネチャといやらしい水音を立てていく。 「なあ…フェラもおれいけるかもしんない」  もはや二人は興奮で我を忘れていた。悠馬はおもむろに遼のペニスに手を伸ばし、それに舌を這わせた。 「ああっ…」と遼がうめき、腰をのけぞらせてパンパンに張り詰めたペニスで悠馬の喉を塞ぐ。  それでも悠馬はすこしえずきながらも口からペニスを離さない。彼もまた、男色の虜になりはじめていた。  やがて遼は「ごめん、いきそう」という声とともに射精した。悠馬の口のなかに生暖かく男なら誰もが嗅ぎ慣れた臭気が満ちる。 「ごめん。口に出しちゃったな…」  謝る遼を無言で抱きしめて、悠馬はその体をベッドのうえにうつぶせにひっくりかえす。そして尻穴に向けていましがた放たれた遼の精液を口から垂らしていく。 「おまっ、なにやってんだよ!?」  驚いた遼が叫ぶのを、悠馬は制した。 「男同士だとここ使うんだろ? なんかおれいける気がする。このままヤラセろよ」  そう言う悠馬の顔は、普段では見せない雄の顔になっていた。遼はその迫力に押されてうなずく。悠馬の指が、遼の精液を潤滑剤にして遼の尻穴へと潜り込んでくる。その指の無骨な逞しさと熱さにやられ、遼はすぐに喘ぐことしかできなくなった。 「ああっ…! ああっ…! いいっ…!!」  遼の尻穴に悠馬が腰を打ちつけている。  悠馬の逞しくいきったペニスが出入りするたびに、遼は快感でおかしくなりそうになり、一人暮らしの安マンションの壁が薄いのも忘れて大きな喘ぎ声をあげる。  もはや二人はホモ検の3級をとうに合格できるレベルに達していた。  いな、それどころか知らぬ間に2級の境地にまで手を伸ばしていた。  そしていま、知らず知らずのうちに悠馬のカリ高のペニスで刺激された遼の前立腺は熱く熟れて、未知の快感を彼らにもたらそうとしていた。 「ごめん、ちょっと待って。なんかケツの奥変かも」  遼が悠馬をとめようとする。  しかし悠馬はキスでその口を塞ぎ、制止の声を止めてしまう。  童貞だったはずのこの男のどこにそんなテクニックが眠っていたのか。それは永遠の謎である。古来より密かに連綿とつづいてきた男色の血の記憶が目覚め、悠馬をそうさせたのかもしれない。  悠馬のペニスのひときわ膨らんだ部分が遼の前立腺を引っ掻いた。 「ああっ…ああっ…なんだこれ…やばい…いくっ、いくっ、いくぅぅぅっ!!」  その瞬間、遼のペニスからは触れてもいないのにもう何度目ともわからない精液が溢れ出てきた。  それと同時に尻穴は妖しく蠢いて引き締まり、耐えられずに悠馬も精液を遼の胎内に撒き散らす。  二人は荒く息を吐きながら、いま自分たちに起こったことを反芻していた。 「トコロテンしちゃったよ…」  遼が微笑んで悠馬に手を伸ばす。 「おまえ、準1級も合格できちゃうんじゃねえの」 「それを言ったらおまえもだろ」  二人はそう言って笑い合い、舌を絡めるキスをした。  数ヶ月後、二人はホモ・セクシャル検定1級の合格証書を手に入れることになる。  それに合わせて遼は就活をやりなおし、悠馬とともに男色家のエリートたちがひしめくことでひそかに有名な某大手商社への入社を二人同時に決めることとなるが、それはまだ先の話だ。


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