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絵描き話 ~続・ラノベ仕事の話~

こんにちは、ニリツです。  前回のラノベ話から一週間、ブリッジ時点と言った通りあの後もう一冊分の作業をして、昨晩完了しました多分。  もう一冊と言っても頭のキャラデザからまるまる一冊分の作業というわけではなくて、まぁその、先週の段階でカバーは発表されてたはずなので、途中からなんですが(どこからかは濁す)。  このラストの追い込み作業になると事務所に泊まる事も多くなります、通勤片道一時間弱とかなので、往復の二時間分も作業に回さねばーと。というか追い込みでも泊まり込めばなんとかなると思ってる節があり、先日確認した所5月の休日が1日だけだったという事が判明し、非常に良くない。進行感修正しなければいけないなと痛感している次第でございます。  いつもは大体週に一日は休日を取るようにしています。二日や三日連続で休むと筆が鈍るというか、線が上手に引けなくなるので難しいんですよね。なので基本二日以上の連休は正月のみかな現状、という感じです。生き方として色々おろそかにしている感があるので、筆の鈍りも計算に入れた上で生活改善していかないといけないなと思っています。  さて、前置きが長くなりましたが、続・ラノベ仕事の話。 先日ツイッターを見ていて、「誰が為にケモノは生きたいといった」の榊一郎先生がRT等していました、「ラノベのカバー程度の画力」的話をタイムリーなので取り上げたいと思います。  ラノベのカバー絵の仕事、つまり書店に並んだり出版社のHPで掲載されて沢山の人に見比べられる、その本の顔となる絵を作り出す作業ですね。これがまた色々とクリアすべき課題がありましてね、私は専門学校で月に一度の講師をしていて、去年は課題として、月一回の授業全六回で最終的にライトノベルのカバーを描くというのをやったのですが、まー想像よりも教える事や伝える事が多くて、自分でも「あー、こういう事考えながら描いてるんだなー」と、改めて確認できて勉強になりました。  整理すると膨大になるので、ちょっとつらつらとクリアするべき点を並べていきたいと思います。  まず、基本的な部分なのですが「目を惹く絵でなければならない」です。当たり前なんですがこれが難しい、良い絵ではなく目を惹く絵です。更には目を惹いた後に興味を持ってもらってレジまで本を持っていってもらわなければならない。地味ではいけない、派手であればいい訳でもない。描き込みがどれだけ凄くても、ラノベカバーのA6サイズでは細かい所は見えないしごちゃごちゃしてしまう。かといってシンプルすぎると目は惹いても情報量が足りなくて世界観に引き込めない。この塩梅を計算しながら描きます。  次に「CMYK」です。ここはまぁ絵の仕事をする上では弁えていなければならない部分ですが、モニターで見るRGBの画像と印刷されたCMYKの画像では使える色が全く違います、RGBの6~7割くらい?かな?すげえ雑、違うと思うけど、そんなイメージの色表現ですCMYK。その制限の中で効果的な発色を見せるために色相や明度、彩度、印刷の癖など、更にはカバーと口絵では紙質が違い、カバーにはPP(薄いビニールの膜のようなもの)がかかってイエローが濃くなる、とか。ネットで見ると綺麗な絵を描くのに、印刷物だとなんか見栄えしないねーという場合はこういった点をクリアできていないからだと思います。これは知識と経験が物を言うので、トライ&エラーですね。モノクロなんかも非常に癖があるので、自分は印刷後の状態をシミュレーションするエフェクトファイルなんかを用意してあって、毎度確認しながら仕上げたりしてます。  他にはラノベの定番、表紙にかかっている帯。これによって下部三分の一が見えなくなります。よって見て欲しい部分や絵の肝の部分は上三分の二に配置する必要があります。加えて、これはデザイナーさんの領分ですが、自分が元デザイナーという事もあり、タイトルロゴなどの配置スペースも計算します。ここら辺の事を加味すると、カバーイラストで全く隠れずに使える部分というのは大体財布に入ってるクレカやポイントカードくらいの面積がせいぜいといった所でしょうか。機会があったらお手持ちのラノベの表紙にカードをあててみてください。この部分を想定して、そこにたっぷりと魅力と目標を達成するための要素を入れ込みます。重くなりすぎないように、かといって不足もしないように。  さて、少々最初の項目と被る部分がありますが、更にはカバーイラストによって、特に一巻の場合は物語の世界観を伝える必要があります。以前失敗したのですが、SF物で戦うヒロインの装甲が騎士甲冑的デザインというのがありまして、カバーから受け取れる情報に混乱が起きてしまったという事があります。結果、絵を見る人の「こういうのを読みたい」というどのイメージともずれてしまって、あまり上手くいかなかったなと反省しています。これはキャラクターデザインの段階での私の技能不足だったなと思います。ちょっと言い訳すると、カラーリングと質感に関してカバー等での見栄えを考慮して作者の方に調整の提案をしたんですが受け入れて貰えなかったというのも原因の一部でした。そこらへんの対話も上手くやっていかねばならないと思います。  世の中には「こういうのを読みたい」という人が居て、そこにきちんと届ける、加えて沢山の種類の「こういうのを読みたい」にリーチする必要があります。そこを蔑ろにしては、大切な物語を沢山の人に伝えるための顔たるカバーイラストの役割を果たせないというのが私の考えです。  これらは画力や絵自体というより、あくまでコンセプトというか、設計段階で考慮すべき話ですね。こっからそれらを実現するための画力~という話になるかと思います。勿論これが正解という訳ではなく、基礎画力や表現力に不足を感じている自分が、ラノベイラストの世界で戦うために構築している戦術理論って感じの話です。他の人の戦術や、沢山の技術をこれからも習得していきたいですね。  さてさて、今回はこのくらいで。次回は何にしましょうか。「よもやま話」ないし「キャラデザの話」なんてとこでどうでしょうか。未定、未定。  話して欲しい内容もリクエストあったらコメントで言ってくださいね。 それではまた、ニリツでした。


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