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ニリツ
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横濱SIKTHアナログ話


 筆致(挨拶)


 膝の靭帯は大分良くなってきました、ニリツです。

 『横濱SIKTH ーけれども世界、お前は終わらないー』が無事発売されました。書店様に並んでいるのを見て、いつもの挿絵仕事の時とは違う気持ちを味わう事ができました。今日は秋葉原に出向いて書店様を巡ってくる予定です。


 さて、上の画像。今回物語の舞台となっている横浜駅周辺の書店様に色紙を展示していただいております。


 こんな感じです、ありがたいですね……。

 こちら、色紙なのでもちろんアナログでペタペタ描いております。普段はデジタル作業ばかりなのでほとんど機会はないのですが、たまーにこういった形で画材を引っ張り出してやったりします。

 そこで、デジタルで描ける人はアナログでも描けるのかというとそうでもなくてですね、元々は美術予備校でデッサンから入ってるのでアナログ発ではあるのですが、そんなのは遠い昔な上に鉛筆で描く石膏像や静物と、マッキーやインクで描くキャラクターイラストは全然質が違いまして、私も一時期アナログの練習したりしてました。それこそ同人誌なんかではGペンでの漫画や、鉛筆での作画。商業でも一時期線画をアナログでーなんて事も試した時期がありまして、その経験が生きております。

 絵を描く上で基本となるような筆の動かし方は共通っちゃ共通なんですが、影の取り方や主線の扱いまで、媒体によって全て違います。ですので自分の基礎を軸に、毎度媒体が変わるたびにその媒体なりの文法のような物を取り入れる形で対応していきます。結果やれる事が少しずつ増えていったりするわけでして、最初から全部できるようなタイプでは決してなかったりします。むしろ応用に時間がかかる不器用なタイプです。


 さて、そして今回「小説」というものにも手を伸ばしてみたわけですが、有難い事にツイッター上でお褒めの言葉もいただいております。その時に感想として見かけるのが、恐縮なのですが「多才」といった内容です。そう見えるだろうなと思います。

 しかしながら、上記の例のごとく実は多才とも器用とも本人は思っておりません。絵の媒体が変わるように、過去の経験としてデザイナーやミュージシャン、そしてイラストレーターなどの物を作る仕事をしてきました。デザイナーの時分にはWebの制作や印刷物、UI、写真加工など、様々な事をやる必要があり対応してきました。ミュージシャンにおいては演奏だけでなく曲にドラムをつける、作詞作曲をする、メンバーの衣装の調整、それにステージパフォーマンスなど、これまた必要になるので色々と体験する事ができました。

 こういった経験の結果、形は違いこそすれ、物を作るという行為に共通の、根幹のような物を実感する事ができるようになりました。正確に言うと、元々存在するだろうなと思ってたその根幹を、様々な仕事をするうちに体感して実感、信用する事ができるようになったという感じでしょうか。

 ですので、小説のご依頼をいただいた時にも実は抵抗は無く、媒体は変るけれども根幹は絵を描いたりドラムを叩く時と同じように、小説なりの文法や技術を適切に取り入れればなんとかなるだろうという気持ちで向かいました。

 いうてもちろん楽とかではなく、難しかったり出来なかったり、苦労したりする事ももちろんあるのですが、それも織り込み済みというか、大変だろうなぁと思いながら取り組みましたので、そんなに苦痛な事はありませんでした。

 そして今回小説の発売までなんとかこじつけまして、上記のような形は違えど表現物、という自分なりの概念はより一層確信に近づきました。そして私は天才ではないという意識もより強固な物となりました。今後も隙あらば新しい事に挑戦していけそうです、よかったよかった……。


 さて、なんでも出来るよーといった話なのですが、怪我ばかりはどうしようもなく、膝の靭帯損傷とは折り合いをつけつつやってくしかありません。ここで言う折り合いとは、通常生活での痛みは大体収まったので、サポーターでガッチガチに固めて、特定の動きをしないよう制限つけつつ、上半身をがっつり鍛えつつ楽しく壁に登るという事でございます。ボルダリング楽しー!まずは筋肉の復旧から、イエーイ!


 横濱SIKTHは、現在2巻の執筆中です。そう遠くないうちにお届けできるのではないかと思います。どうぞ1巻をお読みになった上で、お楽しみにお待ちくださいますと幸いです。


 それではまた、ニリツでした。


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