SS デレマス 新田美波、アーリャ、アーニャ
19歳の誕生日を明日に控えた新田美波はドラゴンボールを7つ集めて神龍を呼び出して願い事を述べていた。
「明日の誕生日のお祝いにアーニャちゃんが欲しいの~っ! アーニャちゃんを性的に滅茶苦茶にしたいの~♡」
美波は欲望に素直だった。
だが、その素直さをアナスタシア本人にではなく神龍に願いを強制的に叶えさせる形でぶつけていた。
(幼女を性的に滅茶苦茶にしたいというのは神のコンプライアンス的に認められない)
神龍は美波の願いを却下した。
だが、美波にしてみれば変だった。
「アーニャちゃんが幼女? そんな訳はないわ。アーニャちゃんは15歳で大人びていて、時々ロシア語でボソッと喋るのが可愛い最高の女の子なんだから♡」
美波はアナスタシアの魅力について力説してみせた。
(どうやらお前が述べているのはアーニャ・フォージャーのことではないのだな?)
「誰、それ? 私のアーニャちゃんはフォージャーという苗字ではない筈よ……」
美波はアナスタシアのファミリーネームを知らないことを思い出して冷や汗を流していた。
(分かった。よく分からないが、幼女でないことは分かった。何とかしよう)
「本当? 明日1日で良いから、アーニャちゃんに欲望の限りを尽くせるように調整してね」
(アー×ャだったな。任せておけ)
神龍は大きく頷くと光となって消えていった。だが、その様子を美波は満足して見送っていた。
「これで……明日こそ、アーニャちゃんに欲望の限りを尽くしてお嫁さんにもらうことができるわ♪」
最初からお嫁に貰えるように願った方が早かった。
美波がそのことに気付くのは翌日、誕生日を迎えてからのことだった。
明けて7月27日朝。美波は仕事で温泉を訪れていた。
撮影は順調というか、あっという間に終わってしまい、美波は他に仕事もなく、そのまま温泉宿に泊まっていくことになった。不自然さを感じさせる展開に、美波は神龍の仕込みが始まっていることを悟ったのだった。
「つまり、こうやって温泉に浸かっていれば……アーニャちゃんがやってきて、欲望の限りを尽くせるということなのね♪」
美波は上機嫌で温泉に浸かりながら目的の少女が訪れるのを待った。
その時はすぐに訪れた。女湯と露天風呂を隔てる扉が開く音がして足音が近づいてきた。
「…………Помоги мне(助けて)」
ロシア語、それもアナスタシアの声そのものだった。
「アーニャちゃん♡ 早くこっちにいらっしゃい♡」
美波は野獣と化してしまいたい欲望を必死に抑えて、花嫁の到着を待った。
足音はとてもゆっくりしたものだった。それだけではない。すすり泣くような声がずっと聞こえていた。
美波も疑問を覚えたが、それでも必死に欲望を抑えて目を瞑って少女の到着を待った。
そして、ゆっくりとだったが、少女は遂に美波のすぐ近くまで到着した。美波は満を持して目を開いて到着した少女をガン見してみせた。
「いらっしゃい、アーニャちゃん♡ …………えっ?」
両手を広げて歓待を全身で表した美波だったが、固まってしまった。目の前にいたのは目的の少女ではなかった。
「アーニャちゃんじゃ、ない?」
目の前の少女はアナスタシアではなかった。
美波の前に裸で立つ少女は15歳の美少女で、銀髪で、大人びた雰囲気を纏い、時々ロシア語をアナスタシアと同じ声で発していた。
けれど属性が幾つも被っているだけで、アナスタシア本人ではなかった。
「私の名前は、アリサ・ミハイロヴナ・九条、です。朝、神龍がいきなり私の前に現れて……私は、今日一日、貴女の生贄として過ごせって……」
「えぇええええええええええええええええええええぇっ!?」
美波は大声を出しながら顔を引き攣らせた。あまりにも予想外の展開にそうなるしかなかった。
「あの……アリサさん?」
「私は、親しい者からはアーリャと呼ばれています……」
「アーリャ? 神龍ったら、アーニャとアーリャを間違えたのねっ!」
確認を怠った神龍が適当に仕事をした結果、別の少女が美波の誕生日プレゼントして贈られることになってしまったのだった。
「うっうっうっ」
アーリャは泣いていた。自らの不遇を儚んでいた。
「私には心に決めた男の子がいるんです。だから、だから……処女だけは、奪わないで、ください。清い身体のままでいさせてください。グスッ」
「えぇえええええええええぇっ!? いや、これは意図せぬ状況というか、神龍の勘違いが引き起こしたもので貴女は全然……」
アーリャに泣かれて美波は顔を強張らせて困っていた。
「処女だけは、処女だけは奪わないでください。他のことなら何でもしますから。お願いしますっ!」
アーリャは泣きながら懇願している。
少女の到着まで欲望に胸を膨らませていた美波だったが、本気で泣いているロシアJKを前にしてはドン引き状態になるしかなかった。
「ええと、アーリャさんだっけ? 私は、貴女に対して欲望の限りを尽くす気は……」
アーリャに手を出すつもりはない。そう言おうとしたまさにその瞬間だった。
「…………美波っ! 他の女の子に欲望の限りを尽くそうなんて酷いですっ!」
「あっ、アーニャちゃん……」
全裸で温泉へと駆け込んできたのは美波の本来の待ち人だったアナスタシアだった。
アナスタシアは美波を見つめ直して頬を膨らませていた。
「美波が欲望の限りを尽くして孕ませてお嫁さんにしようとするのは私だと思っていたのに。おっぱいの大きなロシアJKなら他の子でも良かったなんて……ガッカリです」
「ちっ、違うのっ! これは違うのよ、アーニャちゃんっ! 話を聞いてぇ~~っ!」
美波は一生懸命に誤解を解こうとする。ところが──
「つまり、お姉さんの性欲はとても強くて、そっちの銀髪の女の子だけじゃとても収まりきらない。私も交えて3、3ぴ……3人でえっちするつもりだったんですねっ! マサチカ~っ! 私、貴方に一番大切なモノ、あげられない……извини(ごめんなさい)」
「美波はムッツリで性欲の塊であることは、シンデレラプロジェクトのみんなが知っています。やはり、美波の狙いは、強すぎる性欲を私が相手するだけでは満たすことができないと考え、そちらの貴女もペロッと頂いて2人とも娘を孕ませることにあるんですね」
アナスタシアの表情は厳しい。美波の正妻を自認していた分だけ怒っていた。
「……処女を奪われるどころか、お腹に赤ちゃんまでデキちゃったら……もうマサチカに合わせる顔がないわよぉ……」
アーリャの表情は沈み切っていた。元々責任感が強い反面打たれ弱い性格で、想いを寄せる少年と結ばれることがない未来に絶望し掛けていた。
「2人とも、落ち着いてっ! 神龍がミスしただけで、私はアーリャさんに手を出すつもりなんて毛頭ないのよぉおおおおおおおおおおぉっ!」
美波は声を張り上げて叫び誤解を解こうとした。
けれど悲しむアーリャ、怒るアナスタシアとはコミュニケーションが上手く取れず狙いを果たせない。
結局、美波はアナスタシアに欲望の限りを尽くすどころではなく、2人のご機嫌を窺うのに1日を費やしたのだった。
「本当だったら……アーニャちゃんに欲望の限りを尽くして孕ませてお嫁さんにもらっている筈なのにぃいいいいいぃっ!」
美波は神龍に願い事を述べてしまったことを激しく悔やんだのだった。