SS ガンダムSEED ルナマリア・ホーク いつまで
「シンはさ、この戦いがいつまで続くと思う?」
世界平和監視機構コンパスが所有する宇宙空間上の小惑星を改造した某基地内の官舎。シンの部屋を訪れて一緒に入浴しているルナマリア・ホークは恋人に尋ねた。
「…………いつまでも、だろうな」
シン・アスカは先日まで繰り広げられた地球を全て破壊し尽くしかねない激戦を思い出しながらため息を吐き出した。
「ファウンデーションみたいな自意識過剰な野心に駆られる者は後を絶たないもんね」
シンの返答はルナマリアににとっても予想したものであった。
何十万、何百万の軍人、民間人がごく短い期間に死んでいった戦いがつい先日行われたことを思えば楽観的意見が戻ってくるとは思えなかった。地球とプラントが戦争を始めてから人の命はあまりにも軽くなり、平和は常に踏み躙られてきた。
「いや、変な超能力もどきで自分たちが人類の支配者だと勘違いしていたファウンデーションみたいな小国が問題じゃなくてだ……もっと恐ろしいのはコンパスのパトロン側。地球とプラントの正規の代表の方だろうな」
シンは固く目を閉じて苛立ちに耐えてみせた。
「地球側は凝りもせずに核兵器を大量に生産して実戦配備しやがった。プラントはレクイエムを再建してやがった。アレのせいでどれだけ多くの人が苦しんで哀しみの果てに散っていったのか分かっている筈なのにっ!」
シンは荒れていた。
一般人を無差別に殺傷する大量破壊兵器。条約で禁止されている筈のものがこの戦いではあまりにも堂々と使用されていた。テロを憎み平和を謡っている筈の者たちの代表がそれを準備していたのだから始末に負えなかった。
「議長が亡くなった戦いからまだ1年しか経ってないのにね……」
首を縦に振ってみせるルナマリアにも思うところはあった。
大量破壊兵器の恐怖、無慈悲さを世界中に知らしめたギルバート議長のレクイエムの使用。並びに地球側の核兵器による攻撃。死と恐怖と怒りと絶望をもたらすそれらの大量破壊兵器が壊されてからまた使用されるまでの期間があまりにも短すぎた。戦争が終結した直後から大量破壊兵器が作られ始めていたと結論付けるしかない人の業の深さだった。
「コンパスのスポンサーになっている連中は、俺たちにテロリストを掃討させている一方で、核だのレクイエムだの人類すべてを滅ぼせる悪魔の兵器を平然と作り続けていたんだ。やってられるかよっ!」
「そうよね。復興だって都市部の表面だけしかなっていない。まだまだ進んでいない段階でお金も資材も大量に費やして大量破壊兵器を秘密裏に作り続けていたなんて……やっぱり、納得できないよね」
「非力ながらも正義の味方にようやくなれた。そう思っていたのはほんと錯覚だったさ……」
シンに続いてルナマリアも落ち込んでしまった。
先日の戦いで地球とプラントを救ったのは間違いなく彼らだった。けれど、自分たちの支援者がその戦いを拡大、殲滅戦へと向かわせた大きな元凶だった。そして、地球もプラントも戦局を覆す為に大量破壊兵器を躊躇なく使用してみせた。それを想えば、普段は明るいルナマリアとて凹まざるを得なかった。
「…………コンパス辞めて、軍関係から一切足を洗って、どこか戦争と無縁そうな山奥に籠って暮らす?」
厭世的な気分になったルナマリアの提案に対してシンは首を横に振った。
「俺たちが抜けてしまったら……この薄氷の平和さえも守れなくなってしまうさ。ベテラン有能パイロットが少な過ぎる」
「確かに。赤服、元赤服のベテランパイロットもほとんど戦死しちゃってるしね」
「生きているのはもう指揮官職ばかり。俺たちみたいに前線で戦ってる方が本当に珍しいさ」
地球とプラントの長きに渡る戦争で、数多くのエリート、ベテランパイロットが喪われていった。イザーク・ジュエルら、生き残ってザフトに籍を置いている者たちは指揮官職に就いている場合がほとんどで、前線にはもう滅多に出て来ない。地球側も事情は似たようなもの。今、戦場でMSを操っている者の大半はまともな実戦経験を有していない。
武装とOSの著しい発達により、パイロットが素人でも通常の運用なら問題はない。けれど、判断力とマニュアル操縦テクニックが問われるテロリストとの戦いとなると話は別になる。激戦を生き延びて戦果を挙げてきたシンやルナマリアの代わりはいなかった。そして、代わりがいない状態でコンパスを辞めれば、テロリズムの好き勝手を許すのと何も変わりがない。シンにはそれがよく分かっていた。
「……じゃあ、私たち。いつまでパイロットを続けるんだろ?」
シンの話にルナマリアは急に将来に対して不安を覚えた。
だが、シンが心に抱えている闇は漠然とした不安を遥かに凌駕していた。
「いつまでっていうか……戦死、殉死ってなっちまったら、それまでだからなあ」
シンが思い出しているのはファウンデーションとの国境付近での戦闘だった。
その戦闘自体はファウンデーションの謀略によるもの。コンパスの無力化、世界から非難の対象として迫害されるようになることを目的としていた。
シンもまたコンパスの一員として参戦したが、超能力もどきを使うファウンデーション軍に敗北。撃墜される憂き目に遭った。
ギルバード議長からはザフト最高の戦士として褒め称えられ、勲章までもらった。しかし、機体性能が劣れば、或いは敵に未知の兵器や戦法があれば、名前も知らないパイロットにさえも撃墜されてしまう。
シンは自分が介入する戦場が、自分が絶対的な強者ではいられず、いつ死ぬことになるのか分からないものであることを認めずにはいられなかった。
「議長との戦いでアレだけ無双したキラ隊長のフリーダムだって1年したら旧式の機体扱いだった。俺の新型デスティニーだっていつまで強者でいられるか分からないな」
「武装自体はともかく、電子戦はアップデートを繰り返していかないとあっという間に使えなくなるからねえ」
ルナマリアも同意した。
今は無類の強さを誇る機体も、1年後には電子戦に負けて敵をロックオンできなくなってしまう可能性が十分にあり得た。天才パイロットであるキラ・ヤマトの操る機体が幾度となく時代遅れになって乗り換える必要性が生じたのはシンたちの記憶に新しかった。
「だから、今は新しい機体で無双できたとしても。それがいつまで続くかは分からない。俺たちは、いつ死んでしまうことになるのか分からない……」
「怖いこと言わないでよ~っ!」
ルナマリアは頬を膨らませて抗議した。
オーヴの戦火で家族を喪って以来、陰キャで負の感情に囚われ易いシンは常に死を身近に感じていた。それを忘れるには図に乗って有頂天になるしかない。そんな因果な少年だった。
「……まあ、OSやらAIが更に発展して完全自動操縦化が実現すれば、俺たちパイロットはいずれ全員お払い箱になるだろう。それまで生き延びれば良いだけさ」
「それって、生き延びても望まない形でクビになるってことでしょ? フォローになってないわよ~っ!」
ルナマリアは頬を更にパンパンに膨らませてみせた。
けれど、シンが死ばかりではなく生も見据えていることが分かってホッとした。
「そろそろ上がろっか」
「そうだな」
2人は裸のままバスルームを後にした。
そしてベッドへとそのまま雪崩れ込んでいった。
「…………やっぱり、私が妊娠しちゃうのが、私たちが新しい生き方を模索する上で一番大きな分岐点になると思うんだ。あああっ♡」
シンの腰の上に乗って小刻みな上下動を繰り返しながらルナマリアは現状打破について語ってみせた。
彼女の子宮には既に正常位で膣内射精してもらった精液が入り込んでいる。けれど、今日の話し合いで妊娠に対する想いを強くしたルナマリアは更なる精液を欲していた。
「子どもが欲しいっていうルナの気持ちも分からなくはないけどさ。俺たちコーディネーター同士って子どもができにくい……」
「うちもシンのところも2人ずつは産まれたんだから。私たちだって頑張れば子沢山大家族の道が開けるかもしれないでしょ」
ルナマリアは腰を振って、シンのペニスをよりどん欲に咥え込んでいった。
スタイル抜群の美少女であるルナが自ら積極的にセックスする様は、シンにとっては今日もまたドエロい光景だった。
先ほど出したばかりの精液が再び今にも体外に飛び出しそうだった。
「千里の道も一歩から……出しちゃえ、シン~~~~っ!」
ルナマリアがシンのペニスをお腹の奥深くまで咥え込んで、臀部をグルッと回す動きを取ってみせた。
「うわぁあああああああああああああああぁっ!」
快楽に耐えきることが出来ず、シンは彼女の中に全てを吐き出してみせた。
「そう……それで良いの♡」
本日二度目の射精を体内に受けながらルナマリアは悦に浸った。
「…………アンタには私が付いてる。だから、大丈夫よ」
少女は眼下の少年に向かって優しく微笑みかけてみせたのだった。