「雄二、今日こそ私をお嫁にもらってもらうから」
11月11日深夜坂本雄二の部屋のベッド上。文月学園2年A組代表の才女霧島翔子は幼馴染の少年の腰に跨りながら決意を表明した。
両想いの筈なのにじれった過ぎる。一日でも早く坂本雄二との関係を確かなものにしたい翔子としては我慢の限界を迎えていた。
「待て、翔子っ! 早まるんじゃないっ!」
眠っていた隙に完璧にマウントを取られて身動きが取れない雄二は叫んでいた。
翔子はどうやって調達したのか雄二のワイシャツを羽織っているのみで後は裸。パンツも穿いていないことがズボンに淡い茂みが当たっている感触があることから分かった。
「待たない」
翔子の秘所からは愛液が流れ出ていることがズボンが濡れていく感覚で分かった。
彼女は性的なことに対しては全くの無知であることは間違いない。けれど、雄二のことを長年一途に想い続けたその身体は女としての機能を十二分に備えていた。
「俺たちはまだ高校生だぞっ! こっ、こんなことをするのはまだ早いぞっ!」
雄二は翔子の誘惑に焦っていた。
翔子と雄二が相思相愛の仲であることは文月学園の2年生なら誰もが知っている。だが、雄二はそれを頑なに否定する。照れ隠しでしかないことは周知の事実。けれど、雄二はそのワイルドな見た目に反して、エロスには消極的な面があった。エロ本や動画には積極的に反応するが、生身の女子に対しては奥手だった。特に翔子に対しては禁欲が過ぎる対応をしていた。
「瑞希や島田は吉井と乱れ切った性生活を謳歌している。高校を卒業するまでにお母さんになっている可能性が大」
「明久の奴うぅううううううううううぅっ! 色んな意味でふざけたことをしやがってぇえええええええぇっ!」
高校生にセックスはまだ早い理論は、2人の共通の友人たちの爛れた生活によって意味のないものとなってしまった。
雄二にもはや貞操の危機を乗り切る術はない。その筈だった。だが──
「…………これからどうしたら良いのか分からない」
翔子は雄二の腰の上に乗ったまま動けないでいた。
文月学園一番の天才であることは疑う余地のない彼女だが、世間一般の常識には疎い。妊娠のメカニズム自体は熟知していても、教科書や参考書にはセックスの具体的なやり方は書かれていない。情報源を他にほとんど持たない彼女には裸ワイシャツで誘惑までが精いっぱいだった。
「あああっ! もうっ!」
雄二は全身全霊の力を込めて上半身を起き上がらせると、逆に翔子を押し倒す形を取った。
「俺だってなあ……ここまでやられると、もう収まりがつかねえんだよっ!」
翔子が着ているシャツのボタンを外して生の胸を露にする。
僅かな光源に映し出される少女の乳首を見て、男は興奮が止められなくなっていた。
「翔子っ! 俺はなあ、もう止まらないからなっ!」
「うん。全て雄二に任せる」
少女は優しく微笑んでみせた。雄二に全てを委ねている。表情を物語っていた。
「ちっ、畜生ぉおおおおおおぉっ!」
雄二は焦っていた。押し倒せばどうなるのかは分かっていた。翔子は怯えず雄二を快く迎え入れることを。
そしてあまりにも美しく、自分を一途に想う少女に対して、雄二の理性はもう降参した。降伏するしかなかった。
「お前を嫁に貰う覚悟が固まるまでは……って、思っていたけど、もう我慢しないからなっ!」
「私は、いつだって雄二の元にお嫁入りする覚悟を決めている」
「ああっ! 知ってるさっ!」
雄二は半ば自棄になりながらも翔子への覚悟を決めた。
だが、覚悟を完了する前に男の準備はできていた。翔子を欲してピクピクと震えていた。
「いっ、入れる、からなっ!」
雄二は大声で宣言すると、己の分身を少女のスリットに押し当てて恐る恐る中へと押し込んでいった。
「…………ひっ」
亀頭が少しめり込んだところで翔子が小さな悲鳴を上げた。雄二はその声に反応して動きを止めた。
「…………続けて」
「いや、しかしだな」
覚悟を決めた筈だったが、雄二は再び怖気づいていた。けれど、翔子は違った。
「私は、雄二に全てを委ねる。だから、最後までシテ欲しい」
痛みに堪えて目を細めながらも翔子は笑ってみせた。笑わない少女のレアな笑顔だった。
「分かった」
少女に覚悟を決められては雄二もビビったままではいられなかった。
慎重に、けれど確実に奥へと進んでいった。そして──
「……痛い。でも、幸せ」
雄二のペニスは翔子の最奥まで達した。
翔子は明らかに痛がっていた。けれど、その表情は満面の笑みを浮かべていた。
「俺なんかのどこが良いんだか……たくっ! キャンセルは受け付けないからなっ!」
「うん♡ 一生離れない」
翔子が改めて笑顔を浮かべると雄二はゆっくりと腰を前後に振り始めた。
「痛い。でも、止めないで。とても幸せ」
翔子は正直に感想を述べた。処女にしていきなり感じるということはなかった。けれど、雄二とセックスしているという喜びが勝って痛みを意識から遠ざけていた。
「こうやって抱いちまったからには……ほんと、もう、お前は俺の嫁だからなっ! 絶対、他の男にはやらないんだからなっ!」
「私は小学生の時から雄二のお嫁さんになることをずっと夢見てきた。それが叶うならとても嬉しい」
雄二が果てるまで翔子は痛みに耐えながら微笑み続けた。
口調には大きな差があったが、2人の想いは一致していた。
雄二と翔子が恋人になった、いや、夫婦になることを認め合った日の出来事だった。