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枡久野恭(ますくのきょー)
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SS 俺ガイル 比企谷小町 いいにいさんの日


SS 俺ガイル 比企谷小町 いいにいさんの日


「やはりToLOVEるの結城美柑は理想の妹なんじゃないかと思う」




「ごみぃちゃん、頭が湧いてるんじゃないの? いつもだけど」


 11月23日勤労感謝の日。リビングのソファにだらしなく寝転がって漫画を読んでいる兄の呟きに比企谷小町は呆れてみせた。

 中学3年生でもうすぐ受験が迫っているのにも関わらず、小町は今日も家事に勤しんでいた。両親は休日出勤が普通であるほどに多忙。兄は口ばかりで手を動かさない。手を動かしても家事スキルは残念なレベルの専業主夫希望者だった。


「いや、美柑は忙しい両親に代わって家事をしっかりとこなして偉いなと思ってな」

「小町も同じじゃん」


 間髪入れない小町の一言に八幡は声を詰まらせた。だが、屁理屈屋の男は素直に負けを認めたりはしなかった。


「美柑は兄をよく立てているぞ」

「美柑ちゃんの兄の結城リトは自発的に家事を分担して毎日働いて偉いよね~♪」


 小町の一言に八幡は眉を顰めてみせた。

 こと、家事において働き者の小町が八幡に負ける道理はなかった。


「今日は11月23日でいい兄さんの日なんだから。お兄ちゃんも少しはお兄ちゃんらしいところを見せたら?」

「俺が何もしないで邪魔しない事こそが最大の貢献だと思うんだが」

「何もしないことを正当化しようとする屁理屈だよ、それは」


 小町の口から大きなため息が再び漏れ出た。


「では、俺も結城リトを真似して何かするか」

「何かって、具体的には何さ?」

「そうだな……」


 八幡は小町を見つめた。

 小町は働き者。だが、一つだけ普通の働き者の娘とは違う点があった。それは──


「お前は今日も全裸なんだな」

「全裸は機能美だよ、お兄ちゃん」




 小町は家の中ではいつも全裸で過ごしている。いわゆる裸族だった。

 兄にちっぱいを見られても気にしない。その点は普通の乙女とは明らかに異なっていた。


「美柑も兄に裸を見られても気にしないよな。一緒に風呂、入ってるし……」




「そうかっ!」


 八幡は目を大きく見開いてみせた。


「よし、一緒に風呂に入ろうぜ」

「何を言ってるの?」


 小町は兄の提案が理解できず大きく首を捻ってみせた。


「結城リトは美柑と一緒に風呂に入っている。兄からの妹孝行だな」

「どこが孝行なのか全く分からないんだけど……」

「身体を洗ってやるさ。よし、風呂に行くぞっ!」


 八幡は小町の右腕を掴むとバスルームへと移動していった。


***

**


「急に一緒にお風呂とか。妹を欲情の目で見る変態になったのかと焦っちゃったよ」




 兄と妹は共に湯船に浸かっていた。2人で入るには手狭だったが、小町たちはあまり気にしていなかった。

 一緒に入浴するのは数年ぶりだったが、2人とも特に取り乱してはいなかった。特に小町は、裸族をしている為に、兄に裸を見られても今更特に恥ずかしがることでもなかった。


「そこは結城リトと同じだ。実の妹に欲情したりはしないさ。まあ、ToLOVEるの二次創作ではリトは美柑に欲情してイチャラブ近親相姦がデフォルトだけどな」




「お兄ちゃんは二次創作側の人間じゃないの?」

「俺はいつだって現実だけを生きているのさ」

「みんな、お兄ちゃんはどこか別の世界を生きてるって思ってるよ」


 小町は目を細めて今日何度目になるのか分からない呆れの表情を浮かべた。


「まあ、でもだ。たまには妹と入浴というのも悪くないもんだな」

「昔は毎回一緒に入っていたもんね」


 2人は共に小学生時代のことを思い出していた。

 比企谷家の両親は当時も忙しい日々を送っていた。八幡は妹の面倒を見なければならず、まだ幼かった妹を風呂に入れることは特に大事な役割だった。


「幼くなかったロリっ子小町が、今では爆乳という表現がぴったりなセクシーJCに……」

「嘘を吐くな。そのちっぱい、小学生の時から変化がないだろ」

「べぇ~だぁっ!」




 小町の舌を出して不服を示してみせた


「小町は高校デビューする予定なんだから。その頃にはおっぱいも爆乳になっている筈だって」


 小町は自分の胸を揉みながら悦に浸ってみせた。だが、兄は冷ややかだった。


「貧乳が巨乳になるのは、髪の毛を染めたり、口調を変えて陽キャを気取ったりするのとは次元が違うぞ」

「もぉ~っ! 夢ぐらい見させてよ」

「その夢で傷つくのは小町自身なんだぞ」


 八幡は湯船から腕を伸ばして小町の胸を触ってみせた。


「ちょっ!? 何するのさぁっ!?」




 兄に突然乙女のデリケートを触られて小町の顔は真っ赤に染まった。


「まあ、なんだ。胸はなくても小町は可愛い。お前を嫁にやるなんてことは絶対に俺が許さないから心配するな」


 兄は妹の乳首に触れながら淡々とした口調で顔色を変えずに語ってみせた。


「可憐な乙女の胸を堂々と触って……そこは薄い本みたいに欲情してみせないと何かプライドが傷つくところでしょうがぁっ!」


 小町は欲情しないで乙女の心を傷付けた兄に照れ怒ってみせた。

 川崎大志であれば大興奮して鼻血出しそうなシチュエーションでも平常心。

 比企谷兄妹は今日も平和だった。







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