SS 俺いも 五更瑠璃 ハロウィン2 2024
高坂瑠璃(旧姓:五更)にとっては幼い妹たちの為の大事な家族サービスイベントでもあるハロウィン。瑠璃は何の仮装をするか悩んだ末に、試しに義妹である桐乃のコスプレをしてみせた。
夫である京介を驚かすことには成功した。だが、一度きりのインパクト勝負のコスプレを事前に披露してしまった為に本番では使えなくなってしまった。新しいコスプレを考える羽目になった。そこで瑠璃はハロウィン本番では何のコスプレをするのか秘密にすることにした。
そして迎えた10月末日、ハロウィンの夜。京介は瑠璃の妹である日向と珠希と共に、松戸の五更家近所の公園に来ていた。
「さてさて、ルリ姉は何のコスプレをして来るんだろうねえ?」
日向は瑠璃のコスプレを心待ちにして待っていた。
「日向ちゃんのその恰好は……サリフィ王妃か?」
「そうだよ。魔族の王に無理やり嫁がされてから、ライオンキングな王様と恋に落ちた恋愛勝ち組なサリフィ―ちゃんのコスプレだよ♪」
瑠璃と共にハナザーボイスの一員である日向はサリフィ―(CV:花澤香菜)の白いドレスのコスプレをしていた。
「ルリ姉には黒猫か神猫のコスプレを勧められたんだけど……全力で拒否したよ」
「幾らハロウィンとはいえ、その選択肢はないわな」
京介は義妹の決断に苦笑しながら賛成してみせた。
ちなみに珠希(CV:小倉唯)は山ガールな青葉ここな(CV:小倉唯)のコスプレをしている。
「あら? 貴方が惚れたかつての私のファッションに散々な言い様だわね」
日向と同じ声が暗い夜道から聞こえてきた。
「おおっ、瑠璃。準備が終わったのか」
京介は期待がよく分かる上ずった声を出しながら声の方向へと顔を向けた。そして驚いてみせたのだった。
「そっ、そのコスプレは……っ!」
「これが私の今年のハロウィンコスプレよっ!」
京介の驚愕を見て瑠璃は笑ってみせたのだった。
一方で日向は瑠璃のハロウィン仮装を見て呆れてみせた。
「それ、コスプレっていうか……あたしのいつもの服じゃん」
日向の言葉通り、瑠璃のコスプレは日向の普段着と同じものだった。
「そうよ♪ 今夜の私は日向のコスプレをしているのよ♪」
「桐乃の制服コスにも驚かされたが、本番では日向ちゃんのコスプレとは♪ 妹繋がりで驚かされたぜ♪ あっはっはっは」
シスコン京介は大満足だった。だが、自分のコスプレを披露された日向の方は複雑だった。
「いやさ。あたしのコスプレっていうのも微妙なんだけどさ。もっと複雑なのは……その服、元々はルリ姉ので、あたしにはお下がりじゃん」
瑠璃が日向のコスプレだと称している服装は、実際には瑠璃が小学生の時に着用していたものだった。
「そうよ♪ 妹のコスプレというのは、実は小学生時代の自分のコスプレ♪ 知的ジョークに富んだ素敵な衣装だと思わない?」
瑠璃はドヤ顔を浮かべてみせた。
「そのジョーク、通じるのがあたししかいないじゃん……」
日向はドッと疲れを感じた。
「小学生の時の服は、ナイスバディに成長した今の私には着ることができない。だから、全く同じものをサイズを大きくして新たに作ってみせたのよ♪」
「無駄な労力を掛け過ぎだよ……身長は伸びても、胸のサイズはそんなに変わらないじゃん。見栄、張っちゃってさ……」
日向は更に呆れてみせたが、瑠璃は聞いていなかった。
「さあ、商店街でお菓子をもらえるパレードに参加するわよ♪」
瑠璃は予め参加の申し込みをしてある、ご近所のハロウィンイベントへの参加を宣言してみせた。
「……あたしたち3姉妹、元ネタが微妙過ぎてコスプレしてるって気付いてもらえない気がするけどね」
「美少女三姉妹が普段とは違う姿を見せてくれている。俺はそれだけで満足さ♪」
京介は朗らかに笑っている。三姉妹のコスプレを楽しんでいるのは間違いなかった。
「ほんと、この夫婦……バカップルだよねぇ」
日向は疲れが溜まって行くのを感じながら大きく肩を撫で下ろしてみせたのだった。
***
**
*
「たくさんお菓子を貰えて珠希が喜んでくれて良かったわ♪」
「あたしにはルリ姉の方がはしゃいでいた様に見えたけどね♪」
ハロウィンイベントが終わり、五更家に戻った瑠璃と日向は一緒に入浴していた。
「そうね。私は本来お菓子を配る側なのに。何故かいっぱいもらえたのは嬉しい誤算だったわ」
姉妹はハロウィンイベントについて語り合っていた。中でも、瑠璃自身がイベントを楽しんでいたこと。それは、お菓子を貰う側になったというサプライズによって生じたことが話題の中心だった。
「私の美少女ぶりがお菓子をあげずにはいられなかったのね♪ 人妻だというのに困ってしまうわね♪」
瑠璃は上機嫌だった。ただ、妹の方は別の見解を抱いていた。
「……ルリ姉がお菓子を貰えたのは、実際に子どもに見えたんだと思う。小学生の時の服を着てたんだし……」
「何か言ったかしら?」
「ううん、何でもないよ」
JK人妻となり、背は伸びたが胸の成長はさほどでもない姉を見ながら妹は首を横に振ってみせたのだった。