SS アイマス 如月千早、天海春香 夫婦喧嘩
如月千早と如月春香(旧姓:天海)は仲良しJKアイドル百合夫婦として有名。特に春香は結婚後も夫と呼ぶ千早に熱烈な愛情表現を隠そうとしない。人前で抱き着いてみせるのは当たり前。対する千早はクールな反応に終始していた。
だから、あの百合夫婦を見ている大半の者は騙される。或いは勘違いしてしまう。春香の方が千早を熱烈に愛しており、千早の方はそれほどでもないと。
実際は少し違う。精神的に深く依存しているのは千早の方だった。
「千早ちゃんはミリオンライブの最上静香ちゃんにばっかり構って、妻である私をちゃんと見てくれない。当分、実家に帰らせていただきますっ!」
春香は千早が他チームの優秀かつ不器用な新人アイドルにばかり構っていることに嫉妬して、2人の新居を出て行ってしまった。
「どっ、どうしよう……?」
千早は怒る春香を追い掛けることができずに立ち尽くしていた。
そして歌以外では積極的な行動に移れない千早は、春香の実家まで連れ戻しに出掛けるという初期対応を行えなかった。
「春香が帰って来ないまま夜が明けてしまったわ……」
春香が戻ってこないまま1日が過ぎた。千早のメンタルはボロボロだった。一睡もできなかったので体力面でも辛かった。
「相談……って、できるわけがない……」
千早はがっくりと肩を落とした。
重い話を気軽に相談できるような友人を持っていなかった。
千早自身は周囲の尊敬を勝ち得ており、友人自体は少なくない。けれど、彼女のメンタルは自ら周囲の人物に相談するという風にはなっていなかった。悩みがあると春香や赤羽プロデューサーたちの方がお節介な介入を試みてきた。
今回はその春香と喧嘩してしまった。しかも、夫婦喧嘩。千早の中で友達に相談という選択肢は早々になくなったのだった。
「専門家……弁護士に相談すれば……離婚調停というあらぬ方向に話が進んでしまうかもしれない……」
専門家の介入も千早には恐ろしいことだった。
「やっぱり、私が自分で色々と調べて自分で解決しないと駄目だわね」
千早はネットの力を借りて自力で春香を連れ戻すことに決めたのだった。
「…………この資料によれば、えっちな恰好をして誘惑すれば夫婦の仲は修繕できる。そういうことなのよね」
千早は『大人 夫婦 仲直り』で検索してアダルト漫画な解決方法に辿り着いた。普通であればフィクションの中のことと思う性的な誘惑による円満解決というやり方を疑うだけの判断力を彼女はもはや有していなかった。
「性的な誘惑をしてくるのはいつも春香の方だったけど……今回は私が頑張らなくちゃ、だよね」
千早は自分に言い聞かせながら春香を誘惑する衣装の選定に入ったのだった。
「ねっ、猫は……どうかしら?」
千早は動物に心癒される系の女子なので、衣装は自然とアニマル系のものとなった。
「はっ、恥ずかしい……でも、春香が喜んでくれるのなら」
「いっ、犬なら……」
「牛娘って……」
「世間で流行っているっていううま?娘は……
千早は様々試してみせた。
「でも、結局、頭の飾りと尻尾の部分の違い、なのよね……えっちな誘惑だから後の部分は裸なんだし」
試行錯誤の果てに千早は一つの結論に辿り着いた。
アタッチメントの違いはあるものの、裸で誘惑という基本的なコンセプトは同じである以上さほど大きな違いにはならないと。
「だったら、奇をてらい過ぎるよりも、春香が見てすぐに分かる誘惑用の衣装の方が良いわよね」
千早は動物コスプレのド定番で勝負を挑むことに決めたのだった。
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春香が千早の元を去ってから3日が過ぎた。
「久々に地元に戻ったら……地元の友達と話がはずんじゃって3日も家を開けちゃったよぉ」
春香はケロッとした表情で千早との愛の巣に向かって歩いていた。
彼女は友人が多く、悩みごとの相談相手に事欠かず、実際に相談することに躊躇がない。
泊まり込んだ友人宅で複数人に相談に乗ってもらい、気分はスッキリしていた。
千早から家に戻って来て欲しいと連絡を受けて今は鼻歌交じりで帰宅の途についていた。
「たっだいま~♪」
3日ぶりの我が家に元気よく入っていく。千早からの出迎えはない。
「お帰りなさい……寝室の方に入って来て」
扉越しに千早の声が聞こえた。
こちらの声には緊張の色が見て取れた。
「寝室に? 分かったよ」
春香は特に疑いを抱くでもなく千早の声がした寝室へと脚を踏み入れた。
幼な妻が扉を開く。
「…………この間は、ごめんなさい。最上さんへの指導に夢中になって春香のことを放っておいた様な形になったことは反省しているわ」
千早は動物のコスプレをして春香に謝罪の言葉を口にした。
「千早ちゃんが……バニーさんのコスプレをしてるぅ~~~~っ♡♡」
春香は千早バニーを見ながら瞳を輝かせていた。
そのキラッキラな瞳は千早に急激に恥ずかしさを催させたのだった。
「こっ、これは、反省と仲直りの意味を込めてのバニーコスプレであって。けっ、決して、私の趣味という訳じゃ……」
千早は無性に恥ずかしくて堪らなかった。
だが、恥ずかしる様が春香のツボに嵌った。
「千早ちゃ~ん♡」
春香は衣服を全て脱ぎ去ってみせた。
「千早ちゃんの赤ちゃん、絶対産むっ♡ 千早ちゃんの赤ちゃんを産んで良いのはお嫁さんである私だけなんだから~♡」
春香は千早バニーに抱き着いてそのままベッドへと押し倒した。
「千早ちゃん……大好きだよぉおおおおおおおおおおぉっ♡」
「私も、春香のこと……愛してる」
キスの嵐を交わしながらお互いを強く抱き合う。
仲直りした百合夫婦はそのまま熱すぎる一夜を迎えたのだった。