SS かぐやさま 伊井野ミコ、石上優
それは恋人同士である石上優と伊井野ミコが一緒にお風呂に入っている3月半ばのある日のこと。
「…………優って誕生日が3月3日だよね?」
「そう、だけど?」
「私の誕生日は5月5日」
「うん。知ってる」
「つまり……優よりも私の方が1歳近くお姉さんってことだよね♡」
満面の笑みを浮かべてみせるミコを見て石上は悟った。ミコはマウントを取りに掛かっているのだと。
ミコは、彼女のことをよく知る、石上を含めた同級生からはいずれも妹キャラ扱いを受けている。誕生日だけで言えば、いずれもミコより後に生まれた者たちに対して。
普段はそれを受け入れているミコだが、元々の気質は負けず嫌い。妹扱いに我慢できなくなってお姉ちゃん風を吹かせたくなる時が時々起こる。今がその時なのだと石上は悟った。
「…………確かにミコは僕よりもお姉さんだね。今は同い年だけど」
「そうなの。私はお姉さんなの♡」
ミコはお風呂の中で強調して誇らしげに語ってみせた。
「だから優は……私のこと、お姉ちゃんって呼んだ良いんだよ♡」
ミコはニコニコを重ねている。お姉ちゃんと呼んで欲しくて堪らない。そう顔に出ていた。
「う~ん……」
優は素直に応じるか迷っていた。
ミコは褒められるとすぐに有頂天になるチョロい子として優を含めたみんなに認知されている。お姉ちゃんと呼んであげるのが彼女の機嫌を取るには良いことは間違いない。
けれど、素直に応じすぎるとミコは簡単に図に乗って戻らなくなってしまう。それに、石上自身のプライドもあった。
「素直にお姉ちゃんって呼んで、甘えてくれて良いんだよ~♪」
石上は返答のタイムリミットが近いことを悟った。時間切れを迎えればミコは自動的に不機嫌になってしまう。
素直に応じるか。それともマウントを取り返してミコを言葉巧みにやり込めてしまうか。今夜の彼女と良好な関係を続けるには2つに一つ。石上は間もなく決断を下さなければならなかった。
「え~と……」
「あっ、迷ってるな~♪」
ミコはドヤ顔を浮かべてみせた。
「お姉ちゃんって呼んでくれたら……優にいっぱいご褒美、あげちゃうからね♡」
「ご褒美とは?」
「えっちなご褒美♡ いっぱいいっぱい甘えさせてあげて、今夜は全部お姉ちゃんがリードしてあげるからね♡」
ミコは前屈みになって巨乳を強調してみせた。
「いっぱい、甘えさせてくる、かあ」
石上はファイナルアンサーすべく考えてみた。正確には考えるふりをして、もう答えは出ていた。
「…………ミコお姉ちゃん♡」
石上は己のプライドを捨ててお姉ちゃんと呼ぶ道を選んだ。
性欲有り余る男子高校生として、ロリ巨乳な彼女からのえっちなご褒美を断るなんてできなかった。
「うん♪ 優は素直で良い子だね~♪」
石上はミコに頭を撫でられた。
幼い頃からインドアヒッキーとして育ち、親や兄に褒められた経験の少なかった石上にとってそれは稀少な経験でもあった。
「…………悪くない、感覚かな」
石上は自分でも予想していなかった感覚にちょっと感動していた。
「それで優はお姉ちゃんにどこで何をして欲しい? お風呂でおっぱいに挟んで舐めて欲しい? それとも、ベッドでお姉ちゃんが上になってリードしてあげようか?」
お姉ちゃん認定されて気分が良いミコはえっちなご褒美の内容を語り始めた。今夜は弟であることを認めた石上はそれを心地良く聞いていた。
「なら、お風呂でミコお姉ちゃんに胸でご奉仕してもらってぬいてから、ベッドで改めてご奉仕してもらおうかな♪」
石上はたんまりご奉仕コースをありがたく頂戴することにしたのだった。