SS スライム倒して300年 マンドラゴラ
「サンドラはシャルシャ、ファルファの妹の様なポジションに着いている。もしかすると……本当に双子姉妹の妹なのではないだろうか? アズサさまの3人目の娘なのでは?」
ライカはマンドラゴラのサンドラの出生について疑問を抱いた。
彼女は妄想、もとい論理的思考力を働かせて、シャルシャとファルファがアズサの実の娘であることを証明してみせた。
ライカの推理に拠れば、男慣れしておらずチョロインだったアズサはチャラ男に騙され純潔を捧げてしまい、散々に身体を弄ばれた。騙されていることに気付かないアズサは喜んで受け入れてしまっていた。
やがてアズサは妊娠し、産むことを決意。だが、チャラ男に父親になる気はサラサラなく、男は酷い本性を露にした。アズサは激怒してチャラ男を焼き尽くし、失意の中で出産。双子の赤ん坊を育てることに心が耐えられず、当時滞在していた村長一家に2人を預けて村を去る。それでも失意の念が絶えなかったので、自分に記憶操作の魔法を掛けてチャラ男のことも娘たちのことも忘れてしまった。だから、50年経ってシャルシャたちが訪ねてきた時に全く覚えていなかった。それが、ライカの導いた結論だった。
そして彼女はサンドラを見ながら、この容姿幼い少女もまたアズサの実の娘ではないかと考えたのだった。
「人の良いアズサさまのことだ。マンドラゴラの共同研究を持ち掛けられて深い考えもなく参加を引き受けたのだろう。そして……若手イケメン研究者に出会ってしまったんです」
ライカは目を大きく見開きながら妄想の世界へと突入していく。
「チャラ男のこと、娘のことを魔法で忘れ去っていたアズサさまはイケメン研究者を見て一目惚れしてしまうのです。メスの顔を見せてしまうのでした」
ライカの中ではアズサは惚れっぽい女として認識されている。もっと言えば、惚れて全てを相手に委ねてしまう男にとって都合の良い女になっていた。
「研究を通じて2人の距離は急速に縮まっていき、アズサさまはイケメン研究者の寝室で寝泊まりする仲になっていったのです」
ライカの頭の中で、アズサはチャラ男に騙された時と同様に疑いを抱くことなくイケメン研究者に身体を許していった。・
「イケメン研究者は、チャラ男の様にアズサさまの身体だけを無責任に貪る人間ではありませんでした。けれど、特殊過ぎる性癖と奇怪な研究目標を抱いていたのが大きな問題でした」
ライカは目を瞑りながら脳内でイケメン研究者の設定をアップデートしていった。
「研究者はアズサさまを抱く際に段々と性玩具を使うことが増えて行きました。アズサさまもはじめは寝屋の刺激に程度に考えていましたが、頻度が上がるに連れて戸惑うことが増えていったのです」
ライカの頭の中で、マンドラゴラを男性器の形に切って裸のアズサに迫る研究者の姿が思い浮かんでいた。
「研究者には夢というか野望がありました。マンドラゴラを超えるマンドラゴラを創りたいという。その為には魔女であるアズサさまの助力というか献身が必要だったのです」
ライカの中で、研究者はアズサを愛することと研究成果を出すことを分けなかった。むしろ積極的に統合させようとしていた。
マンドラゴラがアズサの体液を吸収することでより強い種になるのではないかと、マンドラゴラに手を加えたディルドがセックスの際によく用いられた。
だが、結果は芳しくなかった。不老不死の魔女の生命力はマンドラゴラを枯らす、或いは弱らせるだけだった。
そこで研究者は考え方を変えてみた。アズサにマンドラゴラの子どもを産んでもらおうという突飛な発想だった。そして実現は極めて困難だった。
マンドラゴラのディルドでアズサの膣を幾ら刺激しようと、マンドラゴラの子どもを孕むわけもない。そこで研究者は危険な方法を通じて実験を成功させようとした。
「加工していない毒性の強いマンドラゴラを体内に自ら取り込み、精液の成分にマンドラゴラ成分を含ませてアズサさまを孕ませる。アズサさまから産まれてくる子にはマンドラゴラの要素が含まれている。そんな様々な意味で危険すぎる実験計画だったのです」
ライカは自分の妄想の中身に冷や汗を流した。
「適切に加工されていないマンドラゴラは人間にとっては猛毒でしかありません。文字通り、研究者は自らの命を削って実験に臨み、アズサさまを抱いたのです」
壮絶な覚悟でのセックスにライカの全身が震えた。
「アズサさまはもちろん研究者の体調がどんどん悪化していったに気付いていました。でも、その原因や目的については知らないまま抱かれ続け……やがて彼の子を身籠ったのです」
ライカは大きなため息を吐いて肩を深く落とした。
「でも、研究者がアズサさまの子を、マンドラゴラと人間と魔女のハイブリットを見ることはありませんでした。マンドラゴラの摂取を続けたことで猛毒が全身を回り、アズサさまのお腹が目立ち始めた頃にこの世を去ってしまったのです」
ライカは研究者が死に、アズサが泣いて崩れる様を想像して涙した。
「アズサさまの受けた心の傷は深く、研究者の死因がマンドラゴラの過剰摂取によるものだと知って大層悲しみました。マンドラゴラに深い憎しみを覚えてしまうぐらいに」
ライカは拳を握り締めてみせた。
「しばらくしてアズサさまは娘を出産しました。ところが、魔女の目は、感知スキルは、生まれてきた娘にマンドラゴラの気配を多聞に見てしまったのです……」
絶望するアズサの表情を思い浮かべて胸が痛んだ。
「アズサさまは研究者を殺したマンドラゴラの気配がする娘をどうしても愛することができませんでした。アズサさまは産まれた娘を魔族の帰属に預けて、遠くへと旅立ち、魔法を用いて、研究者や娘のことを全て忘れてしまったのです。本人に覚えはありませんが、チャラ男とシャルシャ、ファルファの時と全く同じ経緯を辿ったのです……」
ライカは悲しみながらも、妄想、もとい推理が現代へと繋がったことでホッとしていた。
「ライカ……何だか随分盛り上がっていたみたいだけど。一体どうしたの?」
アズサがライカの前に現れた。切ない過去(妄想)を体験したアズサの姿を真正面から見るのは少女レッドドラゴンには辛かった。どうしても目を背けてしまう。
「アズサさま……」
「何?」
「イケメン研究者がマンドラゴラの毒で亡くなったのは辛かったと思います」
「何の話?」
ライカは悲しみに負けない様に足を踏ん張ってアズサを真正面に捉えて言った。
「だけど、サンドラのことちゃんと見てあげてくださいっ! シャルシャ、ファルファ同様にアズサさまの実の娘なのですからっ!!」
「シャルシャファルファに加えてサンドラまで私の実の娘って……一体、何のことぉおおおおおおおおおおおぉっ!?」
絶叫する高原の魔女。
アズサにはライカの言葉の意味が全く分からなかったという。
ビッチ♡サグメ
2025-05-17 12:54:18 +0000 UTC