SSS 俺いも、まったく最近探偵 中西真白、五更瑠璃 依頼
「このままじゃあ、家賃滞納で名雲探偵事務所が潰れてしまうの~っ! 瑠璃ちゃん、お願いだから依頼して~っ!」
9月某日日曜日昼過ぎの高坂家のリビング。JK人妻高坂瑠璃の元にハナザーボイスヒロイン仲間で、名雲探偵事務所の探偵助手を務めるJK中西真白が訪れていた。真白は両手を合わせて拝みながら、探偵の依頼を行うように瑠璃にお願いしていた。
「探偵への依頼って何十万円も掛かるものなのでしょ? 高校生夫婦である私にそんなお金ないわよ」
瑠璃は金銭的な理由から真白のお願いを断った。だが、真白は必死だった。
「5千円で良いから~っ!」
「…………それでも高いわね。京介に申し訳ないわ」
「じゃあ、千円っ!」
「それなら頼まなくもないけれど……千円では貴女のバイト代にもならないのではなくて?」
「美少女JKからも依頼が来る可憐な探偵事務所ってことで宣伝するから良いの~っ!」
真白は瑠璃に依頼をお願いに来た真の理由を叫んでみせた。
「なるほど。つまり、探偵に解決してもらわないと困る様な依頼でなくても良い訳ね」
瑠璃は目を瞑ってしばらくの間考えてみせた。
「それなら……体力自慢の貴女にピッタリの依頼があるわね」
瑠璃はクスッと笑ってみせた。
扉の影から2人の会話を覗いていた黒い影の人がビクッと震えてみせたのだった。
***
瑠璃と真白は、瑠璃の実家である五更家へと場所を移った。2人は入浴していた。
「何故にお風呂? 千葉まで走って来たから昼間からお風呂に入って汗を流せるのは嬉しいけれど」
「依頼とその犯人について話をする為よ」
瑠璃は悠々と構えながらのんびり入浴している。
一方でジッとするのが苦手な真白はお湯に浸かって早々にジッとしていられなくなっていた。
「そう言えば、依頼についてまだ聞いていなかった」
瑠璃は大きなため息を吐いた。暴走しがちな元気キャラには心当たりがあった。
「依頼したいのは……下着泥棒を捕まえること」
「下着どろ!? 女の敵、許せ~んっ!」
真白は右手を突き上げながら息を荒くした。
「しかも、下着を盗られているのは……この家に住む私の小学生の妹2人のパンツよ」
「犯人はロリコンかっ! 重ねて許せ~んっ!」
真白は左手も突き上げて更に鼻息を強めたのだった。
「それで、犯人に心当たりはっ!? 近所のロリコンっぽい見た目の男を片っ端からぶっ飛ばしていくっ!?」
「貴女が傷害罪で捕まるからよしなさい。でも、犯人に心当たりはあるわ」
瑠璃は大きく頷いてみせた。
「それは、誰なのっ!?」
「妹たちは遊びに出掛けて留守。私と貴女が入浴して出て来られないと思って油断してこの家に侵入しているに違いないわ」
「なんとっ!? なら、早速捕獲だぁあああああああああああぁっ!」
真白は全裸のまま浴槽を出ると勢いよく脱衣所へと続く扉を開けてみせた。
「……犯人が男だったらどうするつもりなのかしら? 恥ずかしくないの? まあ、今回その心配は杞憂なわけだけど」
「怪しい人影が洗濯籠を漁っている。貴様が犯人だな。御用だぁああああああああぁっ!」
真白は黒い影の人を指差しながら叫んだ。真白に存在を認識されたことで黒い影がなくなり犯人の姿が露になる。黒い影から出てきたのは全裸の美少女だった。正確には全裸に子ども向けのパンツを無理やり穿き、頭にかぶったJC少女だった。
「貴様ぁあああああぁっ! 少女の癖に幼女のパンツを狙うとは何者だぁああああぁっ!?」
「……やっぱり、貴女だったのね。この女の名前は高坂桐乃。私の……義理の妹よ」
瑠璃は犯人像があまりにも予想通り過ぎたことに大きなため息を吐いてみせた。
「くっ! バレてしまっては仕方ない。でも、今穿いている日向ちゃんのパンツ。被っている珠希ちゃんのパンツは絶対に返さないっ!」
桐乃はパンツを被り、穿いたきりの服装で全力ダッシュを敢行。屋外へと出て行った。
「さあ、体力自慢の探偵助手さん。着替えて桐乃を追っ……」
「私から逃げられると思うなよ~っ! 中学生の小娘がぁあああああああぁっ!」
「ちょっ!? 貴女もまだ全裸じゃないのっ!?」
瑠璃の制止を聞かずに真白は全裸で桐乃を追い掛けて出て行ったのだった。
「下着泥棒待てぇ~~っ! 未来の名探偵真白ちゃんが捕まえてやる~っ!」
「ふっ。短距離で県記録を持っているアタシに競走で勝てるとでも?」
「だったら……お前が疲れるまで持久走で追い詰めてやるだけだってのぉ~っ!」
2人は全裸のまま住宅街を駆け抜けて行ったのだった。
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「全裸罪で捕まった桐乃と真白の身元引受人になって欲しい? ……分かりました。これから警察署に向かいます」
1時間後。瑠璃は掛かって来た電話をため息を吐きながら切った。
「桐乃と真白を引き取る……これじゃあ、私の方が探偵みたいじゃない」
瑠璃は面倒ながらも義妹と同じ声仲間の犯罪者を引き取りに出掛けることに決めたのだった。