SS ひぐらし 北条沙都子 抱えているモノ
「圭一さん♡ もっと、もっと激しく突いてくださいましっ♡」
綿流し数日後の夕暮れの教室の片隅。俺は2歳年下で高校の後輩で恋人である沙都子を全裸にして激しく愛を貪っていた。
この1年間ですっかりセックスの味を覚えた沙都子は気持ち良さそうな表情を浮かべながら俺の腰の動きに合わせ、快楽をより深く味わっている。
でも、それでも何だかまだ物足りなさそうで、もっと無茶苦茶にピストンする様にお願いをしてきている。
セックスに溺れている筈の沙都子が、心の中を満たせない理由については心当たりがないわけではない。でも、それに安易に踏み込んではいけないことを俺は、俺たちはよく知っていた。
「そんなに激しいのがお望みなら……足腰立たなくなるまで激しく突いてやるぜっ!」
代わりに深い点は述べずに彼女の望みを実行する。
俺のピストン速度は既に限界を迎えているが、愛しい恋人の頼みとあれば聞かないわけにはいかない。
何より、セックスでも何でも沙都子の心を満たしてやらないと、彼女がどこか遠くに行ってしまいそうで不安だった。
「うぉおおおおおおおおおおおぉっ! 1秒間に16連打ぁああああああぁっ!!」
「何ですの、それっ? でも……激しくてグチャグチャして……満たされますわぁ」
沙都子は俺の限界を超えた腰つきを涎を垂らしながら満足げな表情を浮かべてくれた。
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「まったく、最後は外に出してくださいと毎回言っていますのに。こんなに垂れ落ちてくる程にいっぱい子宮内に出すなんて。圭一さんは私を子持ち女子高生にしたいんですの?」
教室でのセックスを終え、沙都子は膣から溢れ零れてくる俺の精液を指で掬ってみせながらお小言を述べてきた。
「いや、注意してても何度も中出ししちまう俺に問題があるのは確かだけどさ。沙都子の膣内が気持ち良過ぎるんだよ……」
俺の言い訳に沙都子はジト目を向けてきた。
彼女の不満はもっともだ。だが、考えてみて欲しい。
セックスは気持ち良い。去年初めてできた恋人との愛情行為でもあるのだから尚更だ。
そして沙都子は俺の限界を超えた腰遣いを求めてくる。腰を振るのに必死で、射精の管理ができないのだ。気付いた瞬間には出してしまっている。
だからこそ口先の魔術師、というか、青春を謳歌する少年としては言っておきたい提案があった。
「えっと……コンドームを使うというのは……」
「却下、ですの」
指で掬った精液を舌を出して舐めてみせながら沙都子は目を閉じた。
「私は受験生だった時に圭一さんに処女を捧げてから、貴方と一生を共に過ごすと決めているんですの」
「おっ、おう……」
話がちょっと重い。
いや、俺も沙都子と結婚するつもりではいるが、沙都子の覚悟は別次元に重い。
それは、沙都子が単純に貞操観念を大切にしているからというのとは違う。彼女の母親が何度も男を、夫を、沙都子にとっては父親を替えてきたことにより不遇な人生を歩んできたことに大きく起因している、と思う。でも、それだけでないこともまた事実だった。
「私にはもう……圭一さんだけですの」
重過ぎて返答ができなかった。
俺だけ、というのは、裏を返すと沙都子にとっては最も身近な人間だった梨花ちゃんや悟志と関係が良くないことを示している。
俺やねーねーを自称する詩音、そして魅音たちが沙都子に踏み込み難い理由がここにある。
沙都子が梨花ちゃんと不仲な理由、目覚めた悟志を避けている理由が分からないのだ。
そもそも、俺と沙都子が結ばれた過程からしてちょっと妙だった。
『これで私は圭一さんのモノ。一生を捧げる殿方ができたのですから……もうルチーアには未練ありませんわ』
沙都子が俺に近付いて結ばれた背景には受験ノイローゼがあると思っていた。嫌な言い方をすれば、精神的に弱っている沙都子を俺が励ましている内に良い雰囲気になって流されるまま肉体関係を結んだ。そこから始まった恋というのが俺の認識だった。
でも、そうでない面が存在していた。
『どんな世界を渡り歩いても……これだけは徒に手を出しませんでしたの。私の処女、どうでした?』
『…………えっと、最高でした?』
沙都子は俺や詩音たちの知らない何かを、それも長い間体験してきたようなのだった。
それが何かは分からない。でも、その体験が沙都子と梨花ちゃんを別々の道に歩ませることになったのは確かだった。
2人はルチーアに入学する為に中学生になって早々に勉強を頑張っていた。同じ目標に向かって歩んでいた。
ところが去年、沙都子はルチーア受験を諦めた。梨花ちゃんはそのまま県外のお嬢さま学校への受験を続けた。
雛見沢に残ることを決めた沙都子は俺と結ばれた。多分、ここに残る大義名分というか、心の支えみたいなものが欲しかったんじゃないかと思う。
そして、その役目は本来であれば兄である悟志が果たすべきもの。ところが、沙都子は兄である悟志ともギクシャクしていた。
『……私は、ずっと私を守って来てくれたにーにーのことをすっかり頭から忘れていたんですの。忘れて愚行を何度も何度も、数えきれないぐらいに繰り返して……合わせる顔がありませんの』
沙都子の言葉の意味はよく分からなかった。詩音にも分からなかった。そして、俺も詩音も怖くて踏み込めない。
今、悟志は詩音と同棲という形で妹とは離れて暮らしている。
あんなに仲が良かった沙都子と梨花ちゃんが、兄妹がおかしなことになってしまっている。その原因がよく分からず、踏み込めないというのが何とも歯痒かった。
沙都子たちに何があったのか分からない。でも、俺が何をすべきかはよく分かっていた。
「沙都子……もう一度抱かせてくれ」
裸の彼女を力強く抱き締める。抱き締めたまま耳元でささやく。
「たっぷり中出ししたい」
「……私を妊娠させたいんですの?」
「沙都子の全部が手に入るなら……人妻女子高生になってもらうのも悪くないかもな♪」
もっと力を込めて抱き締めながら唇に熱いキスをかます。
沙都子が俺に見せようとしない部分まで全部ひっくるめて、彼女の全部が欲しい。離したくない。それが俺のやりたいことであり、やらなければならないことだった。
俺たちの恋仲の馴れ初めは歪だったのかもしれない。俺は可愛い後輩の巨乳にムラッときたし、沙都子は梨花ちゃんや悟志から逃げる為に俺を選んだ。
でも、今は違う。曲がりなりにも1年間、恋人として道を歩んできたのだ。その時間の厚みが、俺の気持ちを確固としたものにしたのだった。
「俺はもう、何があっても沙都子を手放さないからな」
「…………期待していますわ……あなた♡」
俺は沙都子を床に押し倒して、完全下校時刻になるまでセックスに没頭してみせたのだった。