SS 俺ガイル 鶴見留美、リリーベイカー 海1
「この海での一泊二日の旅行を通じて次回作の構図が決まらなければ……この夏の新刊は落とすことになってしまう」
「夫婦の慰安旅行の筈だったのに。なんか凄いプレッシャーだな……」
7月中旬の土曜日。期末試験を終えた俺はJS愛妻留美と共に房総半島南部の秘密穴場スポット的な砂浜を訪れていた。留美が見つけてきた場所だが、酷暑の週末だというのに人がほとんどいない。いや、本当は遊泳禁止とかカラクリはあるんだろうけど。
元々は夏休みの始まりを利用しての夫婦の慰安旅行の筈だった。(正確には留美はまだ1学期が残っているので、週末を利用した旅行)
だが、夏コミの原稿作業が遅れてしまい、この旅行は冒頭部分の取材も兼ねることに変わってしまったのだった。
「八幡……私を見て」
留美は俺を見つめるとパーカーを脱いでみせた。
水色のかなり際どいビキニ水着だった。
「小学生が着るにはエロ過ぎる水着だろ。アニメキャラの水着、いや、二次創作なエロ水着だろ」
「私は人妻だから、夫に肌を見られるのは別に構わない。それに、ここを選んだのはこの水着で動き回るには人気のない場所が良かったから」
愛妻は色々と考えての過激水着の着用だった。
色々と考えての中身が夏コミ原稿の為というのが、この旅行が既にお仕事モードであることを物語っている。でも、悪くない。
「まだ幼い肢体に対して過激な水着で攻めるのは悪くない、な」
相手は小学生だが、正式な自分の妻。欲望を素直に表して良いのは既婚者の強みだった。
「そう。その欲望に素直な反応が大事」
留美は大きく頷いてみせた。
「今回の新刊の冒頭部分を改めて語る。男の下卑た欲望について何も知らない無垢な私は、年上の彼氏である八幡に言われるままに過激な水着を購入して海デートに向かう。けれど、浮かれる私に対して八幡は体目当ての偽交際だった。八幡は私の水着姿を堪能して性欲が盛り上がったところで人気のない場所に連れ込んで処女喪失レイプ。下卑た欲望が満たされるまで何度も何度も膣内射精を繰り返す」
「レイプシーンを動画撮影した八幡は、それをネタにして私を脅迫。恋人ごっこは止めていつでも自由に使える肉便器として扱う様に変わる。毎日好き勝手犯されて深く傷つく私。でも、私はそれでも希望を捨てないで八幡を更生させる道を模索し始める。それが前半パート」
「今更言うまでもないが、薄い本の俺は毎回毎回どうしようもない鬼畜野郎だな……」
「最後は、改心した八幡と私がボテ腹ハッピーウェディングエンド」
「入り方は違ってもラストは同じってのもすごいよな……」
留美の語るストーリーに今日もまた額から大量の汗が流れ出る。俺がコミケでは鬼畜変態の代名詞として扱われていることは言うまでもない。
そして、妻が語ってくれたおかげで、この砂浜で何をしなければならないのか改めて分かった。
「海岸シーンがまだできてない、だったよな」
「そう。リアリティのある構図が欲しいから私がモデルになりにきた」
留美は髪を掻き揚げてみせた。
「偽りのデートシーン。それからレイプシーン。両方撮らないと」
「前者はともかく、後者はマズいだろ……」
周囲を見渡す。ここはプライベートビーチではない。少ないが他に海水浴客もいる。
「金髪洋ロリと美人母の親子連れが見える。この海岸は無人じゃないぞ」
遠くに外国人観光客と思しき水着姿の母娘が見えた。2人とも美人だ。小学校高学年か中学生と思われる娘の方は綺麗というよりも可愛いという表現の方がピッタリだ。
「年下好きの八幡はブロンド洋ロリを欲望の瞳で見ている」
「何を、言ってるんですか……留美さん?」
妻がムッとした声を出したのでちょっとビビる。確かに美人親子だなとは思った。日本人にはない異文化な色気を感じる。けれど、鼻の下伸ばすなんてことはない、筈だ。隣にエロい水着を着てくれた愛する妻がいるのだから。
「八幡のその下衆な表情を見れば分かる。漫画の構図にベストショットな顔立ち」
留美はサムズアップしてみせた。
「そこは、活用するんだな……」
妻は商魂たくましかった。比企谷家は将来に渡って安泰だろう。
と、考えていたらまた表情をムッとさせた。
「八幡は今きっと、頭の中であの洋ロリに襲い掛かって処女喪失レイプしているに違いない。私の純潔を情け容赦なく散らした時みたいに」
「俺はそんな鬼畜じゃない。理性の化け物と呼ばれたことがある、ような気がする男だぞ。大体、俺たちの初体験は合意の上、だったろうが」
「合意だろうとあの時はまだ婚前だった。未婚の小学生とのセックスはロリペド撲滅法違反。私が通報していたら、八幡は今、流刑地ヤッターキングダムで強制労働中」
「うぐ……」
言葉に詰まる。洋ロリを脳内レイプているとか言い掛かりも甚だしい。けれど、留美を嫁にもらう前に抱いてしまったのは事実なわけで。いや、肉体関係を結んだからこそその後で速攻籍を入れたのだが……
「まあ、私にとって夫になる男は八幡しかいない。だから、初体験が未婚でもレイプでも私は別に構わない」
留美は俺の腕に頭を預けてきた。
怖いことを言ってきたかと思ったら急に可愛くなるから困る。
「俺は一生結婚とは無縁と思っていたからな。留美が嫁に来てくれて嬉しかった。心の底から幸せだと思っているのは本当だ」
頭をくっ付ける留美と共にしばしの間海を眺める。
「デートシーンの構図、いただき」
留美が手に持ったスマホから電子シャッター音が鳴った。
俺たちが密着して海を眺めている構図を写メしたらしい。
「俺の嫁は年下だけど本当に逞しくて……ほんと、頼りになるよ」
11歳の嫁に全幅の信頼と愛情を感じながらもうしばらく海を眺め続けたのだった。