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枡久野恭(ますくのきょー)
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SS デレマス 鷺沢文香 ふみの日


SS デレマス 鷺沢文香 ふみの日


「ああぁっ♡ 駿輔さんの……すごく、凄く、感じてますっ♡」


 十月で二十歳を迎える幼な妻武内文香(旧姓:鷺沢)は、夫に子宮をノックされてベッドの上で激しく乱れていた。


「ああっ♡ あああっ♡♡ あああああっ♡」




 文香は夫を感じて愛情と安心感で満たされて喘いでいる。

 文香を知る者ならば、人妻になった彼女が乱れる様というか、気持ち良さに大きな声を上げてしまうことを知れば驚くに違いなかった。文香が大声を上げるなんて経験を一度もしたことがないのだから。


「文香……そろそろ」


 夫である駿輔の腰の動きがより早くなった。限界が近いことを示していた。


「はい♡ いっぱい、愛情を注いでくださいね♡」


 文香は微笑みながら夫に返してみせた。愛情表現であり子作りの為のセックスではあるが、膣内射精して良いのか夫は妻に確認を取っていた。妻の返事はいつも微笑みだった。


「あぁああああああああああああああああああああああぁっ♡♡」




 夫が精を解き放ち、幼な妻の膣へと流れ込んで行く。精液を子宮で受け止めた刺激で文香は盛大にイってみせた。

 新妻は幸せの絶頂を覚えながらしばしの間意識を手放したのだった。



***


 文香が目を覚ますと腕枕した夫が隣で寝ていた。そのことに彼女は安堵した。

 夫である武内は忙しい。結婚前とは2人の環境が大きく変わったことで、以前も忙しく過ごしていた夫はより忙しくなっていた。


「目が覚めたんですね」

「はい。駿輔さんの腕枕のおかげで気持ち良く眠ることができました」


 目を瞑っていただけで実は起きていた夫に礼を述べる。


「これから……すぐにお仕事、ですか?」

「ええ。人手が、足りていませんので」


 駿輔の返事に文香は少し落胆した。けれど、仕方なかった。


「宇宙アイドル、軌道に乗せてみせます」

「応援しています」


 文香は夫の手を握りながらエールを送った。

 

 2人が今いるのは東京ではなかった。別銀河に向けて移動中の巨大移民船団のとある居住艦の中の居住エリアの一画の小さな部屋の中だった。

 文香と武内は結ばれるのに当たって、渋谷凛の追撃を躱す為に駆け落ち。地位も衣食住も捨て去って地球に戻る予定のない宇宙船団に搭乗したのだった。




 夫である武内は、前職の経験を活かして、宇宙船団内でもアイドル産業を興そうと0から始めて走り回っている。新しい試みで担い手が足りない為に武内自身の仕事量が増えるしかない状況だった。

 一方で文香は、シンデレラガールというアイドルの頂点にまで上り詰めた存在だったが、宇宙に来てからはアイドルとは距離を置いている。

 専業主婦として当初は生活していたが、彼女の場合も、アイドルを始める前からの趣味と再び向き合い始めていた。


「文香は執筆活動、ですか」

「はい」

「頑張ってください」


 夫にエールを送られて妻は嬉しそうに頷いてみせた。


 元々は本不足から生じた変化だった。

 文香は無類の本好きアイドルとして有名だった。プロ歌手になっても、暇があれば本を開いていた。

 だが、突然の宇宙への駆け落ちは本を持ち出す余裕を与えてはくれなかった。船内に持ち込めたのは鞄に入れていた3冊の文庫本のみ。スマホは船内で充電はできるが、地球のネットには繋がらない。ダウンロードして端末に入っていたのはやはり数冊だけだった。

 結婚したことでアイドル業界からは手を引き、重度のコミュ障なので、ほぼ全ての乗組員が宇宙人という環境で接客の仕事などもできない。専業主婦として過ごすも子どももいない状況ではさほど忙しくない。

 読書は文香にとって最適な時間の過ごし方だったが、蔵書がないのではそれもできなかった。そこで文香は考え方を少し変えてみた。

 まず、スマホ端末にダウンロードしていた本の内容を、宇宙船団内で普及している端末内に書き写すことから始めた。スマホが壊れてもいつでも読める為の措置だった。

 次に、文香が内容を覚えている作品をできる限り忠実に復元して端末に入力してみた。ただ、この作業はあまり上手くいかなかった。好きな場面は細部まで思い出して記述できたが、そうでない部分はどうしてもぼやけてしまう。一作品を全部書き起こしてみると、濃淡の差がハッキリしてしまい、自分の起こした文章にのめり込むのが難しかった。

 そこで文香は自分で作品を作ってみることに切り替えた。満足できる本が少ないのなら自分で作ってしまえば良いという発想だった。

 最初は好きな作品を繋ぎ合わせた様なほぼ二次創作作品だった。描き慣れていく内に段々とオリジナル要素の比重が上がっていき、今ではオリジナル小説を手掛ける様になっていた。

 小説を船団内のネットに上げて好評を博せばそれなりの収入を得ることも可能。文香の執筆活動は、彼女の本好きを満たす為のものであり、武内夫婦にとっては新たな収入源を模索するものでもあった。文香にとって執筆活動は新たなライフワークだった。


「多くの人に読んでもらい、喜んでもらえる作品を書いてみせますから」


 文香はベッドから立ち上がってペンを手に取ってみせた。




 文香の場合、執筆自体はタブレット端末で行うが、構想段階ではメモするスタイルを取っている。日常生活を送りながら瞬間的に閃いたことを忘れない様に紙に単語で記述する。後で単語を基に閃きを思い出しながら手書きで文章化してより具体化する。文章化したアイディアが増えてきたら端末に入力して更に整理に掛かる。アナログとデジタルの使い分け。それが文香の現在の執筆スタイルだった。


「私が、小説家文香の最初のファンになります」

「駿輔さんに心から楽しんでもらえる作品、手掛けてみせますね」


 文香は重ねて微笑んでみせたのだった。




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