SS デレマス 渋谷凛、橘ありす 夏コミ1
「凛ちゃん、何を熱心に描いているんですか?」
夏休みが始まって何日か経った346プロ本社ビルのシンデレラプロジェクト詰所。島村卯月はノートパソコンに向かって熱心にタイピングしている渋谷凛へと尋ねた。凛はパソコン画面から顔を離さないまま答えてみせた。
「夏コミの小説原稿」
「そう言えば、もう締め切り間近でしたね」
「うん。発注した挿絵の方はもう納入されているから。後は、挿絵をより効果的にするために文章表現の細かいところを直したりぐらいかな」
「それで、今回はどんな本なんですか?」
「無垢で世間知らずな私がプロデューサーに騙されてアイドル業界入りして性的に弄ばれながらも改心させて結婚エンドに至るまで、だね」
「あっ、ああ。なるほど……」
卯月は額から冷や汗を流したが、それ以上は驚かなかった。凛が出版した前回の同人誌も内容はほぼ同じだった。
卯月は横目で恐る恐るパソコンの液晶画面を覗き込んで文章を確かめてみた。
***
{……脱いだわよ}
パンツも脱いで生まれたままの姿を晒す。昨日も一昨日も、その前の日も私の裸を見ているのに。プロデューサーは私を見てドヤ顔を浮かべていた。
{今日の公演を見て、今夜も多くの男性ファンに自慰のおかずにされるに違いない渋谷凛の肢体を好きに弄ぶことができる。私は実に運が良い男ですよ}
{アンタ、本当に最低……ファンを何だと思ってるのよ}
{私もファンは大切に思っていますよ。私の懐と自尊心を満たしてくれる素晴らしい道具です}
私が睨みつけると武内Pは更にニヤニヤしながら近付いてきた。そして私の腰に腕を回すと有無を言わさずに唇を奪ってきた。
{あなたはその最低男に今夜もまた滅茶苦茶に犯されるんですよ}
プロデューサーは畳の上に私を乱暴に押し倒すと前戯もしないで挿入してきた。
{くひっ!?}
大き過ぎるモノが濡れてないアソコに強引に捻じ込まれて思わず悲鳴を上げてしまう。まるで私を気遣わない自分勝手な挿入。しかも力任せに奥まで一突きでだ。
だけど、この男のスカウトを受け入れてから数か月。毎晩の様にコイツのモノを咥え込まされてきた私のアソコはすぐに順応してしまった。
{こんなにもすぐに濡れてくるとは。凛はすっかり淫乱な身体になりましたね}
プロデューサーはふてぶてしい笑みを浮かべながら私の膣内を乱暴に突き回してくる。
{勝手なことを言わないでっ! これは、アソコが壊れない為の防衛反応が働いただけなんだか……あああっ♡}
濡れないと壊れてしまうから濡れているだけなのに。感じないと辛すぎる現実に頭がおかしくなるから感じて現実逃避しているだけなのに。このゲス男は私がこの無理やりなセックスを喜んでいると勘違いしている。
悔しい。全部コイツの勘違いなのに。なのに……
{あぁあああああああああああああああぁっ♡♡}
私の身体はレイプ魔に過剰なサービスを施してしまっていた。まるで本当に感じて絶頂を迎えてしまったみたいに。
***
「…………相変わらず、凛ちゃんの小説の中のプロデューサーさんは鬼畜、なんですね」
卯月はより一層大量の冷や汗を流しながら苦笑してみせた。
「言うことを聞かないと卯月を代わりに犯すって脅迫して私を屈服させて処女を奪い、今度はその時の動画を公開するぞと脅して私をいつでも好き勝手に弄ぶ存在だからねえ」
「そんな悪い人として描かなくても……」
「凌辱のないエロ同人誌は駄目だって心から思ってる」
凛はとても澄んだ瞳で同人誌のあるべき姿について語ってみせた。
「問題は、私はもうすぐ16歳の誕生日を迎えるというのに……まだ処女だってことよ」
「それは……凛ちゃんが貞操観念を大事にしてるので良いこと、なんじゃないですか?」
凛の突然の処女宣言に卯月は顔を赤くして照れた。
「そうじゃなくて。高校入学時にアイツからスカウトを受けてもう4か月。小説の内容みたいにプロデューサーに毒牙に掛けられて、唇も処女もみんな奪われて、性処理道具として絶望的な日々を送っていてもおかしくない筈でしょ」
「それは、小説の中だけの話では……」
凛と会話するほどに卯月の額の汗の量が増えていく。
「だって私、卯月みたいに養成所に通っていたわけでも何でもないんだよ。歌もダンスも経験ないし、愛想だって全然良くない。シンデレラプロジェクトの新戦力にするには合致してない人間でしょ」
「…………僅かな時間でアイドルの頂点に上り詰めた凛ちゃんですから。プロデューサーさんの見る目が確かだったということでは……」
「アイツは私の体目当てで、デビューさせる気もなかったアイドルにスカウトした筈」
「いや、それは……」
「なのに、何故私は清い身体のままなの? これは、明らかに矛盾しているっ!」
凛は勢いよく立ち上がってみせた。
「つまり、この春から夏に掛けての短い時間の間にアイツの性癖が変わった。欲望を満たしたいと思うアイドル像が変化したに違いないっ!」
「なるほど。美波ちゃんとか、大人っぽさと少女の可憐さが相まって本当に魅力的ですもんね。プロデューサーさんが女子大生の魅力に嵌ってもおかしくはないと思います」
恋愛対象の年齢を引き上げた卯月の意見に対して凛は大きく首を横に振ってみせた。
「違うっ!」
「えっ?」
「女子高生はとときら学園の立案者であるアイツにとっては大人過ぎるのっ!」
「へっ?」
「アイツの今のストライクゾーンは中学生。ううん、小学生に違いないっ!」
「えぇええええええええええぇっ!?」
凛の断言に卯月は驚いて絶叫してしまった。
「それは、幾ら何でも……」
「アイツは私にみたいに知的で、従順よりも跳ね返り娘の方が好みだろうから……」
凛はしばし目を瞑って、知り合いのキッズアイドルたちの顔を思い浮かべて行った。
「ズバリ、プロデューサーが今毒牙に掛けようとしているのは橘ありすで間違いないね」
「えぇええええええええぇっ!? プロデューサーさんがありすちゃんをっ!?」
卯月の大声は否定の意味合いが8割だったが、凛はスルーしてみせた。
「プロデューサーはありすを嵌めて凌辱の限りを尽くしてJS嫁にするつもりに違いない!」
「それはさすがに……」
「絶対に許せないっ!」
「そう、ですよね。まだ小学生のありすちゃんが酷い目に遭わない様に、注意しないとですね……」
「駿輔の嫁になるのはこの私なのに。U149の小娘に譲るなんてできないっ!」
「そっちが許せないんですかぁあああああああぁっ!? 私に、これ以上のツッコミは無理ですよぉおおおおおおおおぉっ!」
卯月はツッコミが追い付かずに嘆いてみせた。
だが、疑り始めた凛の暴走はまだ始まったばかりだった。
つづく