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枡久野恭(ますくのきょー)
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SSS プリキュア プリキュア少女たちの夏休み最終日


*ブログ形式のイラスト付き投稿がしばらくの間エラー頻発でできなくなっていたので予定が変則的になりました


SSS プリキュア プリキュア少女たちの夏休み最終日


「夏休みは今日が最後。今日中に悟くんのところにお嫁に行かないと、新学期に兎山夫人として弄られる2学期デビューを迎えられなくなっちゃうよ~っ」


 犬飼いろはは1匹の犬を引き連れて水着姿で海水浴場の砂の上を歩いていた。両眼をひっきりなしに動かして挙動不審にも見える様子を晒しながら。


「い~い、こむぎ。私はこれから悟くんと特別なワンダフルで大人プリキュアらないといけないの」




「いろはが何を言っているのかサッパリ分からないんだワン」


 小型のパピヨンらしき犬が喋っている。だが、いろはは驚かない。周囲を窺うことを止めなかった。


「こむぎも探して」

「何をだワン?」

「悟くんを連れ込んで無理やり食い散らか……大人プリキュアるのに最適な人がいなくて適度に暗い場所だよ」




 こむぎは止まって周囲を見回してみせた。


「この暑さでみんな海に遊びに来てるワン。人のいないところなんてこの浜辺のどこにもないわん」


 こむぎの鼻と耳はこの海水浴場のいたる所に人間がいることを感じ取っていた。

 

「えぇええええええええぇっ!? 泣き叫ぶ悟くんに悦を感じながら特別なワンダフれる場所がどこにもないなんて……そんなぁああああああああああああぁっ!!」


 2学期デビューの夢が崩れ去ったことを聞かされ、いろはは大いに嘆いた。砂浜に蹲って涙を流した。焼けた砂が熱かった。


「そんなことよりもユキとまゆもこの砂浜に来てるのがこむぎには分かるワン。合流してみんなで一緒に遊ぶワン♪」

「…………そうだね。悟くんを呼び出して連れ込める人のいない暗がりがないんだもん。まゆちゃん、ユキちゃんと一緒に遊ぼうか」


 少女は立ち上がった。砂に付けていた手と足が熱さで赤くなっていた。

 こうしていろはは、夏休みの最終日を同性の友達と海遊びして楽しく過ごしたのだった。



[newpage]


****


 和実ゆいは今日8月31日が誕生日だった。

 プリキュア仲間の少年少女たちにビーチでお祝いされていた。

 そしてゆいは海で遊ぶよりも食べるのが大好きだった。


「はらペコった~♪」




 海を前にしてゆいは食欲を全開にしていた。むしろ消化が早すぎるというか燃費が悪いのでお腹を空かせていた。

 ビーチパーティー用に準備しておいたテーブルに載せられていた食べ物は全てなくなっていた。ゆいの胃袋に全て収まっていた。

 だが、足りなかった。全然足りなかった。

 ゆいは更なる食べ物を欲していた。彼女は1歳年上の幼馴染である品田拓海を見つめながら瞳を潤ませた。


「お腹いっぱい食べさせてくれたら……その人に惚れちゃってお嫁に行きたくなるかも~♪」


 ゆいは食べ物を持ってくる人物を特定してはいない。だが、拓海を見ながら言った。

 それは、幼馴染である拓海がゆいに食べ物を貢いでくれる可能性が一番高いというのが最大の理由だった。

 そして、拓海はゆいに惚れていた。


「よしっ! 食べたいものを言ってみろっ! 何でも持って来てやるぞっ!」

「ありがとう、拓海♡」


 少年は微笑む少女の眩しさに即落ちた。キャバ嬢に貢ぎたいサラリーマンと同じ存在と化した。ゆいの笑顔の為ならば何でもする。拓海の心は燃え上がっていた。


「とりあえずおむすび山盛り~♪」

「分かったぁあああああぁっ! うぉおおおおおおおおおおおおおぉっ!」


 拓海は瞳に炎を灯しながら砂浜からダッシュで飛び出していった。

 残った少女たちは少年の小さくなっていく背中を見送っていた。


「ゆいちゃんが悪女に……」

「拓海先輩……何だか見てて切なくなるよ」


 芙羽ここねと華満らんは遠い瞳でゆいと拓海を見ている。

 一方、もう一人のプリキュア仲間である菓彩あまねはゆいの元を訪れて肩を叩いてみせた。


「品田が単純すぎるのは問題だが……ゆいよ。乙女が安易にお嫁に行くとか言うのはどうかと思うぞ」


 あまねは安易に結婚カードを切ってみせたゆいを注意してみせた。だが──


「あたし、誰にでもお嫁に行っても良いなんて言わないよ。拓海だから言ったんだよ」

「えっ?」


 あまねが驚いて聞き返すとゆいはごく自然体で返してみせた。


「あたし……拓海が他の女の子と付き合うとか結婚とかなんか嫌だし。あたしは彼氏彼女とかよく分からないけど……結婚するなら、一緒に居て安心できて楽しい気分になれる人が良いかな。拓海がいると、あたしのご飯はいつでも美味しくなれるんだよ♪」




 サラッと述べるゆいにあまねたちの頬が一斉に赤く染まった。


「品田よ……おむすび求めて彷徨っている場合じゃないぞ」

「拓海先輩、相変わらずタイミングが悪いなあ」

「ゆいちゃん……大胆♡」


 あまねたちはこの場に拓海がいないことをとても残念がったのだった。







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