タトゥーちゃんに隕石の見分け方を教えてもらう話
Added 2025-06-19 10:53:28 +0000 UTCテントの中で、タトゥーちゃんと向かい合って座っていた。 目の前には、星角神の主食である隕石がいくつも積み上げられていた。 「主、そろそろ隕石の見分け方を覚えてる必要がある。無知では他の者の信頼を落とすだろう」 「教えてくください!お願いします!」 タトゥーちゃんは金の粒子を操り一つの隕石を横に置いた。 「これが、もっとも美味な隕石だ。雑味も少なく、ほどよい硬さで集落の者たちから人気を得ている」 「黒色で、部分的に銀色に見える……」 更にもう一つ隕石を横に置く。 「そして、これが不味い隕石だ。身震いするほどに不味い」 「これも、黒色で、銀色に見える……」 更にもう一つ隕石を横に置く。 「これは、食せない隕石だ。無味で消化できない」 「黒色で、銀色に……。」 横に置かれた3つの隕石を見比べて、頭をひねる。 「まったく!違いが!分からないよ!」 「少し分かりづらいか……。主。分からぬものは触れてよく観察をすることだ。砂漠の幻影のように見るだけでは真には辿り着けない」 3つの隕石をタトゥーちゃんが俺の目の前に置く。 どんなに近くで見ても違いが分からない。相変わらず、黒くて部分的に銀色に見える石だ。 匂いが違うのではと思い、手に取って嗅ぎ比べてみても違いはみられない。 「どれも一緒の石だよ……」 「ふむ……。まったく違うものなのだが主には同じものに見えるのか。面白い」 「どこがどう違うのか教えてくれる?」 「見た目、匂い、手触り、色、味。全てが違う」 「マジか……」 これだけ隕石が残っているのにもう心が折れそうだ。 頭を抱えているとタトゥーちゃんが励ますように話しかける。 「もしかしたら、この3つだけでは難しいのかもしれない。もう一つ追加してみよう」 金色の粒子が、少し赤みがかった隕石を取り出した。 先ほどの3つの隕石と比べて明らかな違いに安堵する。 赤みががかった隕石を一番美味しいという隕石の上に置いた。 「これも、同じ石だ」 「もう、分からないよっ!!」 俺は、今日も頭を抱えて唸っている。