「はーい、どなたー?」
大和(やまと)の前に現れたのはタンクトップから零れ落ちそうなおっぱい……もとい、見たことのない高校生くらいのお姉さんだった。
「え、えと……蒼汰(そうた)に呼ばれて来たんですが……」
大和は、突然幼馴染の蒼汰から電話で呼び出され、夕方に差し掛かった時間にも関わらず、蒼汰家に来たのだった。呼び鈴を鳴らしたあと玄関の扉を開けて出てきたのが、たぷんたぷんと豊かな乳房を揺らしながら出てきた、見知らぬ少女だったわけだ。
「蒼汰なら中にいる……、いますよ」
口調に少し違和感があったが、それを気にする間もなく、リビングに連れ込まれる大和。落ち着いて見ると、対面して座った少女の服は、そのムチムチな体にしては小さく、体の至るところに食い込んでいた。
「そ、蒼汰は……?」
幼馴染を呼びに行くわけでもなく、少しニヤついた表情で自分を見つめている年上の女性にドギマギする大和。
「そんなことよりー、ここ触ってみない……?」
「え……?」
あろうことか、自分の胸を指差し触ってみないかと誘ってきた女性に、大和は固まってしまった。思春期に入りかけの少年は、自分の心臓がドキドキするのを感じ、その服から溢れんばかり……いや、溢れかえった爆乳から目が離せなくなった。
「ぷっ……は、あはははっ!!赤くなってかわいいな、大和!」
「え、な、なに……!?」
突然大笑いし始めた女性に困惑する。
「俺だよ、俺は蒼汰だよ!」
「そ、蒼汰……?な、なんで……?」
さらに動きが止まってしまった大和に、蒼汰は説明した。彼の父親はよく得体のしれない薬を手に入れて、蒼汰に飲ませていた。いつも、すごく幸せになったり、勉強がはかどったりといい効果を持った薬ばかり飲ませてくれるが、このごろ薬をくれないので父親の私室に入った。そこに置いてあったのが、今回飲んだ「爆乳美女になれる薬」だった。
「8時間で効果が切れるって書いてあるから、明日には戻れるだろ?だから飲んでみたらこれさ」
蒼汰の面影は、はっきり言えばどこにも残っていない。その喋り口調に少しそれらしさが感じられるくらいだ。頭2つくらい長くなった体に、2つの大きな膨らみがつき、全身がむっちりとした肉付きになり、さながらグラビアアイドルだ。顔立ちはすっきりとし、髪も長くなって、美女と呼んでもなんら違和感はなかった。
「おっぱいもんでも……いい?」
「いや、ちょっと触ってみたとき変な感じがしたからだめだ。あ、そうだ、自分で試してみればいいじゃん」
そう言って、蒼汰は大和に薬の入れ物を手渡した。窓の外で、すでに日が落ちそうになっているのを見た大和は、すぐに家に帰った。
「で、もう寝る前の時間じゃん……」
宿題と夕食、それに好きなテレビ番組の視聴を済ませた大和が時計を見ると、すでに夜10時。
「でも蒼汰のやつ、感想聞いてくるよな。まあ何個かありそうだし、あのおっぱいが思う存分さわれるなら……」
大和は薬を取り出し、グイッとそのまま飲み込んだ。すぐに、体の中がぐるぐるとかき混ぜられるような感覚に襲われた。
「ちょっと気持ち悪い……」
髪の毛根がチクチクと痒くなる。髪の毛を触ると、その一本一本が柔らかく、長く伸びていくのがわかった。足や手がグリグリとマッサージされるような心地よい痛みとともに少し伸び、蒼汰の目の高さが上がる。
「股が熱い……」
おなかに何かがグイッと押し込まれる感覚があり、ズボンに手を当てると、いつもそこにあるものがなくなっている。
「すごい、ほんとに女の子に……」
声も鈴を鳴らすような、アルトボイスに変わっていた。大和が窓に映り込む自分を見ると、そこにはサラサラとした肩まで伸びる髪の、かわいらしい童顔をした少女がいた。
「でも、胸、平らだ」
その胸は悲しいほどの平坦だった。成長の兆しすら見られない、肋骨がなぞれるほどの平らな胸。
「人によるのかな……まあいいや、疲れたし、もう寝よう」
落胆したまま、大和は眠りについた。しかし、その体の変化は寝たあとに本格化しはじめた。
「ん、んっ……」
手足が少しずつ、着実に伸びて、布団からはみ出していく。寝息を立てるごとに、胸がプクッ、プクッと盛り上がり、段々と服を引っ張る。髪もゆっくりと伸び、ベッドのシーツの上に流れていく。
夜の2時になる頃には、大和が見た蒼汰の姿のように、ムチムチの女子高生となっていた。だが、それでは変化は終わらなかった。さらに身長は伸び、母親のそれをも超えていく。ムチムチと肉がついた足は、ひざまでベッドの上からはみ出してしまった。
ギュッギュッと膨らむおっぱいは、頭よりも大きくなり、息をするごとにふるふると揺れた。それは朝の6時まで続いた。薬を飲んでから8時間、つまり薬の効果が切れる時間まで。
『ピピピピッ!ピピピピッ!』
「……ん、んんー」
大和は体に力を入れて起き上がろうとする。だが、胸に重りがつき、服は全身を縛り上げるようにパンパンになっていた。
「胸の上になにかある……邪魔!んひゃ!?」
胸の「重り」をどけようと、それを腕で押しのけようとした大和。だが、自分の胸自体がえぐられるような刺激が伝わり、大和は飛び起きた。
「なにこれ!?」
視界の下半分を、妙な膨らみが占め、その先には太く長い足があった。そこで大和は、自分が爆乳美女になってしまったことに気づいた。そこで、枕元に置いていた携帯電話が鳴った。蒼汰からの電話だった。
「や、大和!薬飲んじまったか!」聞き慣れない女性の声だったが、それは間違いなく蒼汰だった。「薬の効果が8時間っていうのは、成長が終わるのに8時間かかるってことらしい!」
「……戻れる薬はあるの?」
「……作るのに1週間かかるってさ」
父親に確認したらしい蒼汰の声を聞いて、大和は考えることをやめ、胸の膨らみを撫で回し始めた。