幼く、天真爛漫な少女の心を歪んだ快楽に引き摺り込むことに時間はかからなかった。
(あはっ、だんだん身体中が軽く、気持ち良くなってるぅ……)
全身を拘束した繭から伸びてくる糸を伝ってくる青い光は、そのまま彼女の全身に染み渡る。神経、血管を通じて指先まで染み渡り、次第に皮膚の色が変色を始める。健康的な肌は次第に血色の悪い青色へと変わり始めていた。
しかし、そんな自分が置かれた状態ですら、自分を心地よくしてくれる快楽の一種という風に受け入れていた。
そして送り込まれてくる快楽と共に変わりゆく身体が新たな変化を来す。
(あ……あぁっ!来た!また来た!気持ちいのが来るの!身体がビューンってなるの!)
ドクンと心臓と体が波打つと同時に変化が現れる。
それだけでも軽く絶頂する。
だらしなく開けた口から垂らした舌は先端部分が細くなり伸び始める。
胸元や腕、足の節々からスッと体毛が生え始める。
そして極めつけは足首から指にかけてだ。五本の指は溶け始め、元から一つだったかのように融合していく。更には踵から先が次第に細く、伸び始める。明らかに人の身体ではなくなっていた。
(あは、あはは……身体が軽いの。まるで今にも飛んで行ってしまいそう!ううん、飛べる!飛びたいの!だってみりあは飛べるから!)
変わりゆく身体を、快楽を受け入れ、思考の歪みも次第にそれが通常のモノへとなりつつある。
(いいよ、来て!早くビリビリって気持ちイイの来て!そうしたらみりあは飛べるの!)
期待、悦び、早く望むものを手に入れたいという焦燥が入り混じっただらしなく涎を垂らした顔は少女の天真爛漫さを跡形もなく消し飛ばしていた。
(あ、あぁぁぁぁぁあああ!きたぁぁぁぁぁあ!)
待ち望んでいた絶頂を迎え、身体中が大きく跳ね上がる。
(あ、あ、あ……剥がれてく……みりあにくっついてたいらないものがポロポロ剥がれていくの)
絶頂と共に羽からキラキラと輝く鱗粉が舞い上がる。
ひび割れていく肌、ヒトの身体、ヒトとしての知性、全てが絶頂を迎える度に崩れ落ちていく。
細く伸び始めていた舌はさらにシュッと伸び先端はストローのように細長くなる。
節々に生えていた体毛はさらに嵩を増し、節々を覆うぐらいにまで一気に増殖する。
そして一番奇形化していた足首から先は、元は人の脚とは思えないほど細くなる。足先の骨は完全に失い、指は完全に融合し、一本の細い鉤爪状になる。地に足をつけてあることは不要と言わんばかりにアンバランスで細いものになる。骨の代わりに表面は固くなり外骨格として新たに生成されていた。
(あはは……軽い!気持ちイイ!なんでこんなに心躍るの?)
歪んだ笑みを浮かべる。
少女の左目は怪しくピンク色に輝き始めていた。
(楽シイ、タノシイ、タノシイヨぉ!)
満たされる心と身体。
しかし、それでも繭からは養液が送り込まれ続けている。
さらに彼女が変わる為、完全に変化するまで止まらない。
(ウン、いいヨ。もっとちょうだい!みりあ、もっと欲しいノ。そしてちゃんと飛べるようになりたいノ。あまい、あまァ~イ、お花のミツたいなのチョウダイ!」
当初は送り込まれてくる養液に味などなかった。今もしない。しかし、少女の中で感覚が狂い、養液を次第に花の蜜のように感じるまで変わっていた。
繭の中で長時間過ごし、変質する中でヒトとは違う、別の生体の感覚が彼女の今の感覚となっていた。
(アァ、ハヤく飛ビタイな。飛んデ、空を舞っテ、みんなに会いにイクンダ。『ミリア、空を飛ベルようにナッタヨ』て……あ、違うカナ?)
人としての知性はほとんどなくなっていた。そこで自分が言った言葉が目的と違うことに気付く。
次の瞬間、天真爛漫だった少女の浮かべた笑みは、獲物を見つけた獣のようだった。
(ミンナに会って、ミンナ食べちゃうんダ。きっとオイシイカラ。ダカラみりあは飛ぶんだよ。アハハ、ウフフ)
かつて友人だった少女たちの顔を思い出しながら、その少女たちを一人ずつどうやって捕食しようかと想像する。それだけで身体は絶頂を迎え、変化を加速させていった。
その都度、少女はまどろみに飲まれ、次第に眠りへ誘われる。
次、目を開けた時、少女の世界は大きく変わった。
…………………………
後半になります。今回も変化部分をコマにしてやってみましたが、どうでしょう?
あと今回はクリスタのデッサン人形を使用してポーズをとるまでは良かったものの、頭の形も人形のアタリだった為、自分のアタリではない為、一通り塗り終わってからの顔のバランスの悪さにかなり焦って修正しました。
今後ですがここまで来て完堕ち絵を描かないわけにはいかないので一枚絵に顔差分を入れるような形で出すと思います。
今回でもだいぶ自分の中ではエネルギー使いましたw次はかけるだろうか……。
以下、差分おまけです。