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ゴシック
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アイドルって大変③

女二人がセフレを取り合って喧嘩する。 それだけ聞けば随分と燃える展開だと思うけど、実際、私も畑中も、別にセフレのことが大事なわけではない。重要なのは、そのセフレが運営とのコネになるという部分だ。別の手段でコネを作れるのなら、私も畑中も、喜んでそっちを選ぶだろう。なぜって、単純な話、セックスは時間がかかるから。好きでもない男とやるセックスは、めんどくさいだけだ。 私たちは、夜の公園からラブホへと移動する際、一言も口を利かなかった。私が先を歩いて畑中がその後ろを付いてくる。お互いにスマホを片手にポチポチいじりながら、険悪な空気の中でラブホの門を潜った。 入った部屋は、それだけ見ればビジネスホテルの一室と変わらないような内装の部屋だった。普通のテーブルに普通のベッド。浴室も普通のホテルの物と何ら変わりはない。それでも、枕元にある電マやテーブルに置かれたコンドームが、ここが男女が営むための部屋だということを示している。 まあ、今日犯し合うのは女同士だけど。 私はソファーに座って、畑中はベッドに腰かけて、お互い無言で服を脱ぎ始めた。あっという間に全裸になると、相手を見定めるように私たちは互いの身体を物色し合う。 畑中の身体は全体的に細身だけど、脚周りに肉が付いているように見えた。同じレッスンを受けているはずなのに、明らかに筋肉の量が違う。もしかしたら学生時代に陸上でもやっていたのかもしれない。 胸は小さい。多分B程度だ。Eカップの私との差は歴然で、私はその事実に少し愉快になった。とは言っても、畑中の顔はその貧乳具合が似合っている。この可愛らしい顔で巨乳となれば、一気に陳腐感が漂うだけだ。 「整理、してないんだね」 畑中が久しぶりに口を開いた。なんのことかと思ったら、畑中の視線は私の股間へと向かっていることに気付く。ああ、アソコの毛のことか。 たしかに私は、アンダーヘアを整えない。いつも生い茂っている。対して畑中の毛は綺麗な逆三角形に整えられていて、量も長さも整理されている。 「いけませんか?」 「いいや、別に。でも男はどう思うだろうね」 「男のための身体じゃないんで。普段から夜遊びに備えるように整えている、性欲の強い人とは考えが違うんですよ」 「性欲が強いのは認めるけど、別にそれ目的ってだけじゃないよ。運営とのコネだってそうだし、人によってはお金をくれる人もいる。私は私の武器を使って、楽して生きていたいだけ。歩花ちゃんだってそうでしょ?私から運営のコネを奪うのは、自分が楽して生きる為じゃないの?」 「・・・・ええ。そうですね。ていうか、『フライディング』なんてそういう人の集まりでしょう。ちょっと周りより顔の出来がいいから、それを武器にして楽に生きていきたいって、そんな人ばかりです」 結局、同じ穴の狢ということだ。でも、みんなの目的が同じなら、いずれやってくる衝突は避けられない。私と畑中にとっては、それが今だ。目の前の女を倒さないと目的を果たせないのなら、潰すだけ。 「さあ、やりましょう先輩。遠慮なく潰させてもらいます」 「・・・・いいよ。正直余裕で負ける気しないけど、歩花ちゃんムカつくから、全力でやってあげる」 そして、長い夜が始まる。


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