SamSuka
ハルカナ
ハルカナ

fanbox


悪戯カフェへ……ヨウコソ⑪

11:尋問 「い、樹希……」  椅子の上には目隠しをされボールギャグを噛まされた樹希が、手は両手とも肘掛けに縄で括りつけられた状態で……足は膝から曲げられ椅子の座面の裏に沿うように折り畳まれた状態で、足首の部分を縄で一纏めにされつつ椅子の背もたれから垂れたキーホルダーのような金具にそのひもは結び付けられ足だけ宙に浮いたような姿で拘束されていた。 「さて、彼女にも登場してもらったことだし……今日のメインイベントを行っていこうと思うんだけど、覚悟は出来ていますかぁ? 聡美さん?」 店長が樹希の椅子の裏に回り、彼女の肩に手を乗せていやらしく笑う。  目隠しをされた樹希は、その店長の置いた手の感触にも過敏に反応をし、くぐもった声でム~ム~言いながら体をビクつかせる。 「メインイベントって……何のことですか?」 私は額に冷や汗を垂らせながらニヤつく店長に質問を返す。 「フフフ……これからはさっきも伝えた通り、貴女と彼女との関係を根掘り葉掘り聞いていこうと思うの♥」  彼女との関係……それは女子高生である私と同級生で幼馴染の樹希との関係を調べるという事に他ならない。  私はまだ……客として年齢を胡麻化してこの店に入り込んだからそれを正直に告げればもしかしたらお仕舞にしてくれるかもしれないけど……樹希の場合はコンパニオンとしてこの店で働いていた実績がある。よくは分からないけど年齢を偽装して風俗店で働いたという事は風営法とかいう法律に引っ掛かってしまうというのを聞いたことがある。つまりは、私と同い年だとバレてしまえば彼女は……樹希はかなりマズい状況に追い込まれてしまうのだ。 「喋りたくないのであれば……別に無理に喋らなくても構いませんよ? その時は……喋りたくなるまで苦しんでいただくことになるでしょうけどね♥」  店長がパチンと指を鳴らすと先程私の足を責めた従業員の二人が、今度は足ではなく私の身体の左右側面に陣取り手を構えくすぐる振りをするかのように指を動かし始める。 「先程までの責めは“お触りをした罰”っていう体でしたから多少なりとも手を抜かせて頂きましたけど……これから行う尋問は話す内容によっては店とコンパニオンの今後にかかわる重大な案件ですので、彼女達には本気で責めていただきます」 面を被った二人は先程まで付けていた“くすぐり用の爪”をすでに外してしまっていて今は完全に素手の状態だ。あのこそばゆさを生み出してやまない爪が無くなったのは喜ばしい事だと少しは思ったが、店長の言う“本気の責め”というのを行うのにそんな玩具は邪魔だと判断し外したのであれば恐ろしいことこの上ない。だって……あの爪の刺激だけでも私は死ぬかと思う位に笑わされたのだ……それ以上があるとするなら私はきっと耐えられない。きっと……。 「さて……まずは貴女の年齢……それをお聞きする事から始めましょうか」  店長がそう投げかけると、私の両サイドに陣取った2人は蠢かせていた手をワキの窪みと脇腹にそれぞれ配置させ触れるか触れないかの距離に指先を置いて構え始めた。 「オーダー票には20歳と書いていたみたいですけど……聡美さん? 貴女の本当の年齢は……おいくつなのかしら?」 店長の質問が言い終えると同時に2人の手が一斉に私のワキと脇腹に群がり、痒い所を掻き毟るかのように皮膚の表皮をモショモショとくすぐり始める。 ――こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ♥ 「ぶひゃっっは!!? ちょっっほっ!? ぶぎゃあぁっははははははははははははははははははははははははははははははははははははは、や、やめっへへへへへへへへへ、くすぐったいぃっっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、いっひ、いっひひひ、いっひひひひひひひひひひひひひひ!!」 “本気で責める”そう漏らした店長の言葉に嘘は無いと言わんばかりに2人は私のワキと脇腹を一切の容赦なくくすぐり犯す。 ワキの窪みの敏感な神経を摩る様に触ったり引っ掻くように掻き毟ったり、窪みの周囲の肌を揉み込むように強く指を差し込んだり……脇腹の方も、柔らかい皮膚が変形するほどにグニグニと揉み込んだり指先だけでコソコソと優しくくすぐったり、へその付近まで手をモゾモゾさせて腹回りをこしょぐっていったり……それらのローテーションを素早く何度も入れ替え差し替えして私に慣れないこそばゆさを与え続け私の笑意を極限まで高める責めを繰り返していく。 「だぁ~っはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、わ、ワキだめっへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! そんなに掻き毟られたらぁっはははははははははははははははははははは、わ、わだじっひひひひひひひひひ、わだじ耐えらんないっひひひひひひひひひひひ、にぎゃあぁはははははははははははははははははははははははははははははははははは」 先程までの羽根での責めが確かに“お遊び”であったと分かる生の指による本格的なくすぐり。羽根でのくすぐりは言うなれば焦らすようなむず痒い刺激で……そのむず痒さが積もってくすぐったいという終点へと意識を誘導させられるものだけど、指で直接触られるくすぐりは全く違う。指の1本1本が意思を持つかのように(実際に意思を持って動かされてはいるが)私のくすぐったいツボに入り込んで強く刺激し私を有無を言わさず笑わせる。  羽根が徐々に感度を高めて笑わせる道具だとするのなら、指は即効性の劇薬のようなくすぐりだ。触られたら絶対に笑ってしまうであろうポイントを的確に確実に突いて笑わせる凶器……私の脳裏にはそのような言葉が浮かんでしまう。 「ぎゃあぁ~っはははははははははははははははははははははははははは、脇腹っははははははっははははははははははははははは、わきばらっっははははははははははははははは、脇腹っ揉まないでッっへへへへへへへへへへ、死ぬっっふふふふふふふふふふふふ、死ぬほどくすぐったいからやめでぇぇへへへへへへへへへへへへへへ、はぎゃあぁっははははははははははははははははははははははははははは!!」  ワキの窪みも脇腹も、彼女たちが強く指で揉み込めば揉み込むほどくすぐったさが増し、私の笑いは激しさを増して口から吐き出されていく。 顔を振って笑い悶えているから目尻に溜まっていた涙も額に流れていた汗も口から吐き出されている唾も全て周りに撒き散らされている。私の目の前で拘束されている樹希にもそのような私の苦しみの体液が掛かっている様子で、胸元や太ももなどに射精された跡かのような湿りを与えていた。 「あっはっっはははははははははは、やだっははははははははははははははははははははは、やめでぇぇへへへへへへへへへへへへ、やめで、やめで、やめでぇへへへへへへへへへへへへへへへへへ、苦ひぃっ!! くるひぃからやめでぇへへへへへへへへへへへへへへ、うは~っっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!」  笑い狂う私の声を聞きながら樹希は喋れない口で必死に何かを訴えかけるような言葉を出そうと声にならない声を上げようと試みる。でも口に噛まされたボールギャグのせいで声は言葉にはならず、ボールに空けられた穴から呼気と多量の涎が溢れ出し彼女の裸体を自分の唾液でも濡らしてしまう。 「どうです? こういうプレイをお望みの方向けに特別に教育した彼女たちのくすぐりは……死ぬほどくすぐったいでしょう?」 「だっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、うへへへへへへへへへへへへへひひひひひひひひひひひひひひひ、んはっはひ、ゲホゲホッ! ひぃ、ひぃぃっっひっひっひっひっひっひ、くすぐったい、くすぐったいっ、くすぐったいぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、おでがいっ止めてぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、お願いっっひひひひひひひひひひひひひひひひひっひひひひひひひひひひひひひひひ!!」 「少しでも止めて欲しかったら……少しでも休みたいんだったら……分かるでしょ? 質問に答えちゃいなさい♥ ほら、まだ貴女の年齢“だけ”しか聞いてないんだからそれくらいは答えてもいいんじゃないかしら?」 確かにまだ彼女の質問は私の年齢しか尋ねてきていない。私の年齢がたとえ未成年であっても“樹希が未成年”だという証明にはなりえない……。 だからといって簡単に自分が未成年だと答えていいものなのか? 頭に酸素のいかないフワフワした状態で考えても答えは出ないかもしれないが、私の直感が答えてはならないと警鐘を鳴らして仕方がない。嫌な予感というやつがこんな時に過って仕方がないのだ。 「うはっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、ゲホゲホッ……ほほほほほ、ひひひひひひひひひひひひひ、んはっははははははははははははははははははは!! ひぃひぃ、はひぃぃっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、うひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、はぎゃっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、ダァハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」  しかし……どんなに嫌な予感が過ろうと……どんなに答えたくないと思っていても、今の酸欠を強いる苦しみに対抗しうる精神力を私は備えてなどいない。 だから私は嫌な予感が過りつつも喋ってしまう。私の本当の年齢を…… 「はひ、あひっ、はひっっひひひひひひひひひひひひ、じゅ、ジュウハチですぅふふふふふふふふふふふふ!! 私の年齢っひひひひひひひひひひひひ、18ですぅぅふふふふふふふふふふ、んはぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!」  私が大声で宣言すると店長は約束を守るかのように指を再びパチンと鳴らし2人の手を無言で止めさせてくれる。 「……フフ♥ 良い子ね……最初から素直に喋ってくれればこんな風に苦しむ時間も少なく済むわ……」 そのように言葉を紡ぐとポケットから1冊の小さなノートを取り出し私にその背表紙を見えるように掲げた。 その背表紙は見覚えがあった。確か……いつも私のカバンの内ポケットに入れっぱなしにしてあったはずの…… 「は、は、はぁ……そ、それは……私の……生徒手帳!?」  笑い過ぎて酸欠を起こしていた肺へ必死に酸素をかき集めている私は、その背表紙に私の名前が書かれてあるのに気付きその生徒手帳が自分の物である気付く。   「そ、申し訳ないけれど……貴女のカバン……漁らせてもらったわ♥ この生徒手帳には貴女の写真も貼ってあったし……貴女が18歳だって事も間違いはなさそうですね?」  店長は私の簡単なプロフィールが載っているページをわざとらしく開き私に見せつける。 「さ、最初から……知ってたんですね……私が未成年だったって事……」 「えぇ。普通のお客様にはこういう事はしないのですけど……今回は事情が事情ですし……念のために調べてみた次第です。でも、それのお陰ではっきりしました……貴女は苦しみから逃れるために、ちゃんと嘘を付かずに本当のことを喋ったという事が……」  苦しみから逃れるために喋ってしまった……確かにそれは事実だ。  このまま続けられれば本当に殺されてしまうのではないか? そのような恐怖が脳裏に過り「年齢だけなら」という甘い言葉に乗ってしまうかのように本当の事を喋ってしまった…… そりゃあ……私は歴戦の戦士でも特別な訓練を受けたスパイなんかでもないただの一般の学生だ。普段命を脅かすほどの危機に遭遇などまずしない……だからいざそういう状況に晒されればどうしていいか判断などつくはずがない。従う以外に道などない……。 「さて、年齢のことを聞いたのは貴女がちゃんと本当の事を喋ってくれるかテストしたっていうのが大きかったのですけど……ココからは少し確信に踏み込んでいく質問に変えていきますよ? 覚悟はいいですか?」  覚悟はいいかと聞かれて「いい」と答える者などいるはずがない。私は精一杯首を横に振って「嫌だ」と反応を返すが、店長はまた私の答えなど無視するかのように指をパチンと鳴らしお面を被った2人に合図を送りなおした。 合図を受けた2人はワキの添えていた手を脇腹までずらしそこに添え、先程まで脇腹を触っていた手を下半身に移動させ私の足裏を狙って手を伸ばしてきた。そして足裏に手を運び終えると店長の次の合図を待たずして突然足裏と脇腹を同時にくすぐり始めた。 ――コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ♥ 「あびゃああぁっははははははははははははははははははははははははは、いひゃっ、足の裏は嫌っあははははははははははははははははははははははははは、いぎぃっっひぃ!!?」  脇腹の刺激は言わずもがなくすぐったいと感じたが、同時にくすぐられた足の裏の刺激は私の想像を超える笑わせを私に強いてきた。 土踏まずの窪みをコチョコチョと音を立ててくすぐり始めたかと思えば……そこから素早く下へ降りきってカカトを愛でるように触ってみたり、また土踏まずの窪みに戻ったかと思えば今度は足指の方へ登って行って足指の裏や足指の付け根部分をモショモショと触ってこしょぐったり……。そういう動きを左右で不規則的に繰り返し、刺激を慣れさせず私に常に新鮮なこそばゆさを与えて笑いのトーンを無理やり上げさせてくる。 「中々良い反応ですね♥ 羽根での刺激と違って指で刺激される足裏は刺激の予測が難しくて余計にくすぐったく感じるでしょう?」  店長の言葉通り、指でのくすぐりは羽根とは違う異質な刺激を私に与える。  指の柔らかさやしなやかさ……引っ掻く速度、引っ掻く方向から指の曲がる角度に至るまで、形の固定された羽根では決して味わえない“不規則性”が刺激の予測を立てようとする私の脳を毎度裏切って虚を突かれたような新鮮な刺激に驚かされてしまう。そして、その予測できないくすぐったさは次の刺激への想像が難しく、くすぐられればくすぐられただけ脊髄反射的に笑いを吐き出してしまう。例えば……そう、お化け屋敷に入って突然驚かされたかのような突発的な笑いが連続的に積み重なっていく感じ……。羽根でのくすぐりがジェットコースターの恐怖のように段階的にこそばさが増すものだとすれば、指でのくすぐりはまさにお化け屋敷的な突発驚かせ系なこそばゆさ。  羽根で触られていた段階でくすぐりに対して気持ち的にも肌的にも敏感にさせられていたのだから、今のこの突発的な笑い強要のくすぐりは耐えられない。私の腹が2つに裂かれてしまうのではないかという程腹筋を割いて笑ってしまう。 「さて……じゃあ次の質問いきますよ? 貴女と樹希さん……2人はどんな関係なのですか? あんなに親しそうに話していたのですからそれなりの関係だとは思いますが、言葉には気を付けてくださいね? 貴女の言葉次第でターゲットはこっちの樹希さんに移ってしまうかもしれませんから……」  店長からの2つ目の質問は、樹希と私との関係……。もしここで私が“同じ学校のクラスメイト”などと答えてしまえば、私と同じ“高校生”だとバレて樹希の年齢も同時に同じくらいだとバレてしまう。そういう言い方じゃなければまだ確信めいた発言にはならないとは思うけど、この店長はなぜこうも回りくどく質問をしてくるのか? 聞きたいのであれば直接彼女の年齢は? って聞けばいいのに…… などと店長の考えを詮索したいとは思うのだが、残念ながら私の思考回路はその疑問を答えに導くことが出来るほどの余裕を有してはいない。  2人のくすぐりが私を無理やり笑わせ、脳への酸素供給は最低限に制限され……考えを深めるほどの余裕を私に与えてはくれない。 「ぶぎゃっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、やばっっはははははははははははははははははははははは、お腹痛いっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、ひゃっはははははははははははははははははははははは、捩れちゃうっふふふふふふふふふふふ、お腹が捩じ切れちゃうっふふふふふふふふふふふふ、んは~っははははははははははははははははははははは!!」 足裏のくすぐったさに加えて脇腹へのいやらしいマッサージのようなくすぐりが私の笑いを加速してならない。  横っ腹の柔らかい皮膚をグニグニと形が変わるほどの力で揉み込むくすぐりは、足裏への刺激以上に強烈な笑意を私にもたらしていく。  腕が下げられさえすれば……手が降ろせさせすればこのような攻撃から少なくとも上半身は守れるはずなのに……  万歳の格好にしっかり伸ばされた手は枷によってしっかりその体制を維持させられる。ワキを見せつけるように晒すだけではなく脇腹の肌も緊張を強いるようにピンと伸ばされくすぐり易くさせられている。  足裏は足の指をバタつかせることが出来るから“まだ”僅かでも気を紛らわせる事も出来るかもだけど……脇腹やワキは無理なのだ……身体を左右に捩っても手に力を込めて枷に抵抗しようとも気は一切紛れない。こそばゆさが増していくだけだ。 「ほらほらぁ~言葉に気を付ければまだ喋り易い内容なはずよ? こんな質問で体力を消耗させて大丈夫なの? この先、キワドイ質問になった時……耐えられるのかしらぁ?」  確かに答え方を間違いさえしなければまだ樹希の年齢はバレる事は無い。でもそれを誘導しているかのような店長の言葉は気に入らない。  無理やり長引かせているかのような……私を更に苦しめる仕掛けへ誘導しているかのようなヒントの与え方に私は憤りを感じずにはいられない。  でも……憤りを感じてはいるけど…… 「がはっっはははははははははははははははははははは、ひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、っははははははははははははははははははははははは!! もうダメっへへへへへへへへへへへへ、苦しすぎてもうダメっっへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」  脳に酸素が行き渡らない頭で何度考えても答えは出ない……。考えようとた店長の意図を考えようとしても、すぐに頭が真っ白に塗りつぶされただただ無用に時間だけが過ぎて苦しんでいく一方……。 「わ、わ、わがっだぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、言う! 言うからぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!! ひぃひぃ! 止めてっへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、お願いっッっ止めてっへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへっへ!!」  少しでも考える為の酸素を脳に送り込めたい……と、思い一旦止めてと頼んでみたものの、そういう考えはすでに見透かされていたようで、店長はストップの合図を出さず私の顔をジッと睨みつけて動かない。  喋るまでは止めないという意思の表れが見て取れるその不動に、私は観念し笑い苦しみながらも質問の答えを彼女に返す。 「は、はひっっひひひひひひひひひひ、と、友達っっひひひひひひひひひひひひひ!! 樹希とはただの友達れすぅぅふふふふふふふふふふふふふ、んはっっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!」  私が無難に“友達”という答えを返すと、店長はようやくニコリと微笑んで指をパチンと鳴らしくすぐりを止めてくれた。  ワキのくすぐりに続いて足裏のくすぐり……。  羽根から手の指に変わっただけのくすぐりのはずなのに……笑わされる量は羽根でのくすぐりの比ではない。その証拠にくすぐられた後の脱力感が半端ではない……。体力の続く限り運動場を全力疾走させられた後のような……そんな強烈な脱力感が私を襲っている。  心臓はこれでもかと鼓音を速め、呼吸はまばらで荒々しい……横っ腹はピクピクと小さな痙攣を起こし口元も笑顔から戻せず引き攣ってしまっている。  このまま続けられれば精神に異常をきたしてもおかしくはない。出来ればここまでで尋問を終えてもらいたい……。  などと叶うはずもない願いを頭の中で巡らせるが、当然そのような慈悲が私に与えられるはずもなく……店長は淡々とした口調で私に次の質問を紡いでくる。 「なるほど……友達だったらあのように親しく話すのも頷けますね……。では、その友達という関係は……どれほど前から続いていたのでしょう? 貴女達がその関係になったきっかけは……何かありますか?」 その質問を聞かれた時……私は頭の中が真っ白になった。 きっかけ……とは? と聞かれても……幼馴染だから別に特別なきっかけなどというのは思いつかないのだが……  そもそも幼馴染だと話して大丈夫なのか? 家が隣同士で学校もクラスも同じだった……それを話して問題はないのか?  様々な疑問が頭の中で交錯しついに考えがまとまらなくなってしまった私に……店長の指は無常にもパチンと音を立てて彼女達に合図を送ってしまう。  私を地獄へと落とす……あのくすぐりを開始させる合図を……。


More Creators