悪戯カフェへ……ヨウコソ⑫
Added 2020-11-01 14:42:46 +0000 UTC12:固まる決意 「いぎゃっはっ!? いぎゃああああぁぁぁぁああっぁぁぁっっっ!!!」 そのくすぐりが開始すると同時に私は一際大きな悲鳴を部屋中に響かせてしまう。 店長が私の尋問を再開する合図をお面を被った二人に送ると、彼女達はすぐに座り姿勢から中腰の体制に変え私の背が密着した壁側に身を寄せ私の上半身の側面に陣を取りなおした。 そして片手を先程触っていたワキの窪みに近づけ、もう片方の手をそのすぐ下……丁度胸の横に位置する場所へと移動させ、皮膚の上に指先が到着するや否やそれらの箇所を容赦なくくすぐり始めたのだ。 ――コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ♥ ワキをくすぐる指達は伸びきった私の腋窩の筋をこそぐように引っ掻き、その下の腋下をくすぐる手達は薄皮膚に浮き出た肋骨の形を愛でるようにモニョモニョと摩って刺激を加える。またも質の全然違う2つのくすぐりが私に与えられ、刺激の強烈さに最初こそ驚きの悲鳴を上げる事となったが、その悲鳴はすぐに形を変え…… 「ひゃひゃっっ!? アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!! うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、だぁ~っはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、ふぎゃあぁははははっははははははははははははははははははははははははははははははは!!」 くすぐったさの強さに比例するように横隔膜を大袈裟に収縮させる大笑いへと誘導させられてしまう。 「胸の横って……その骨が触る部分が最もくすぐったいわよねぇ~~♥ このくすぐりに……何分耐えられるかしら? フフフ……楽しみ♥」 「ィギャアァハハハハッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、だはははははははははははははははははははははは、ひぃひぃっっひひひひひひひひひひひいひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! くすぐったいっっひひひひひひひひひひひひひひひひ、ダメ、くすぐったいぃぃぃっっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、ギヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ……」 ワキの軟筋をコソコソとくすぐられる刺激も耐えられないくらいくすぐったいが、胸横の肋骨付近を撫でて揉んで指先で摩っていく刺激はまた別格で……先程までのような寒気を纏うような不快感というよりも、おぞましい寒気を引き起こす気色の悪いむず痒さと表現しても差し支えないくすぐったさだ。 例えるなら腋の窪みへの刺激が冷たい氷を押し当てられた時の反応に近いのに対し胸横への刺激は燃え盛る火を当てられた時に起こす反射的な拒否感の反応に近い。 「っは、っっはぁっっはっはっっはははははははははははぃははははははははっひはははははははははははははははは!! んぎっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、ぃひひひひひひひひひひひひひはははははははははははははははははははは、ひゃ、ひゃめへっっへへへへへへへへへへへへへへへぅへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 身体はその拒否感を表すように激しく上下に暴れ、手や足も枷があるのを忘れているかのように力を込めて抵抗しようとしてしまう。これらの抵抗は私が意思をもって行っているものではない。もうすでに私の意思とは関係なしに身体の防衛本能が勝手に警告代わりに暴れさせているのだ。これ以上責められると心身ともに危ないと伝えるように…… 「ハギャッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、うひぃっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、いヒひひひヒひひひひひひひヒひひひひひひひひひひヒひひぃ、がはっはははははははは、ンははははははははははははははははははははははははははははは……」 「さぁ、喋って下さいな。貴女達が友達になってからどれくらいが経過したの? どういうきっかけで友達になったのかしら?」 「かはっ、ごほっ、げほっ! わ、わ、わがらないっっひひひひひひひひひひひひひ、どれくらい経ったかなんて分からないっっひひひひひひひひひひひひひひひひ、はひゃあぁっははははははははははははははははははははははははははははははははは、ゴホゴホっ!!」 「別に正確な日付まで聞くつもりではありませんよ。どれくらい小さな頃から友達だったのか……それを聞きたいだけですから……」 「はひぃ、あひぃぃっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、私達は幼馴染だったがらぁぁっははははははははははははははは、昔からですっっふふふふふふふふふふふふふふふふふ!! かなり昔からぁっっっ!!」 「なるほど……幼馴染だった……と? でもそれだけでは彼女が何歳なのか……まだ確定は出来ませんねぇ……幼馴染だからといって歳の差があるとも限りませんし……。では学校は? 小学校や中学校は一緒だったのかしら?」 「がひっっひひひひひひひひひひひひひひ、うひひひひひひひひひひひひひ、そ、そ、そう! 一緒!! ずっといっしょだったぁぁはははははははっははははははははははは、ンはっはははははははははははははははは!!」 「学校も同じと……。小学生で年の離れた幼馴染が居てもおかしくは有りませんけど……中学も一緒だったという事はその年の差は少なくとも3歳未満ですねぇ~。貴女が18歳……樹希さんがハタチから……18歳の間……いえ、それ以下の可能性もありますか……。彼女の方が年下という可能性もありますし……」 「はひゃあぁっはははははははははははははははははは、い、樹希の方が年上っへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、それは本当っっほほほほほほほほほ、ぅひぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、ひへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、ゲホゲホっ!!」 「樹希さんが年上ですか……なるほど? では後は彼女が20歳を超えているのかどうかがポイントとなりますね……」 店長はそこまで情報を引き出すと、ようやくくすぐりを止める合図を二人に出してくれた。 くすぐりが止まると私は上半身をガクリと脱力させ、肩を震わせながら荒い呼吸を繰り返した。 刺激は止んでいるにもかかわらず未だ触られているかのような余韻が私の上半身の側面を覆い、残り笑いが途切れ途切れに口から勝手に出ては呼吸の阻害を邪魔してくる。その呼吸のし辛さも私の苦しみに拍車をかけ頭の隅々を真っ白に染めて私の思考能力をことごとく奪い去っていく。 「さて……これまでで十分に苦しんできたと思いますので、次が最後の質問にさせて頂こうと思いますが……」 これで終わってくれたか? と、淡い期待を寄せていたが、店長の口からは私を絶望させる一言が添えられた。最後の質問……まだ質問はある……つまりはまた責められるのだ……くすぐりで…… 「ひぃ、ひぃ、ひぃ……ま、ま、待っで……もう無理……限界っ! ちゃんと……喋ったじゃないですかっ! お願い……もう開放して……私も樹希も……」 「いいえ、肝心なことをまだ聞いていませんので……これからその質問をさせて貰います」 私の必死な懇願も店長には何も伝わらないようで、彼女は次の責めを始めるために手を目の前で掲げ指を鳴らす準備を整える。 「も、も、もう限界っ! ホントに無理なんですっ! くすぐりは……もう嫌っ! もう耐えられないっ!」 「でも、次の質問は頑張って耐えないと……樹希ちゃんの身に今度は地獄が移りますよ?」 「はぁ、はぁはぁ、い、樹希……」 「そう。友達なのでしょう? 幼馴染なのでしょう? だったら……彼女の秘密は守ってあげないと……」 「だ、だめ……樹希に……手を出すのは……やめて……」 「でしょ? 手を出させたくはないでしょ? だったら……この質問には答えないようにしないと♥ だって……次の質問は……かなり率直に聞いちゃうから……」 「はぁ、はぁ、はぁ……そ、率直……に?」 「……年齢♥ 彼女の年齢……を、聞かせてもらうわ。今度こそ……」 「な、なんで……今さら……。だったら回りくどく聞かないで最初から聞いてくればいいのに……」 「回りくどくしないと……貴女が嘘を付く恐れがあるじゃない? でも……この苦しみを味わった後、さらにダメ押しで地獄を見たらどう思うかしら……二度とこの地獄を味わいたくないって……本能的に思うんじゃない?」 「だから……最初は……軽い質問を……私にぶつけてきたの? 私を弱らせる……為に……」 「そうよ。ここまで追い込めば一番に聞きたかった核心部分に余計な嘘は混じらない……もしもそこで嘘をついたら……どうなるか貴女の身体が覚えているでしょ? その苦しみと一緒に……」 「うぅっ……そ、それは……」 「嘘をついたら……これ以上の苦しみを与えるから……覚悟してください? それはもう……苦しいなんてレベルじゃなく、発狂させる勢いでくすぐるので……」 「ひっっ!! い、イヤ……それは……絶対イヤ……」 「まぁ、嘘はつかないにしても、私達は彼女が貴女と同い年だって睨んでいるから……その言葉を引き出すまで攻め続けるつもりよ♥ それこそ命が尽きる寸前まで責め切るつもりだけど……それまで彼女の秘密を守りきれたなら今回の事は不問にしてあげても良いと考えています」 「不問に……する??」 「耐えきれれば貴女の勝ちで構いません。極限まで怪しいと思いつつも彼女がハタチだと黙認して差し上げますよ……」 「責めに耐えきれれば……黙認……」 「まぁ、耐えられれば……の、話ですがね?」 「……………………」 「最後の尋問は私も加わります」 「えっ!?」 「2人にワキとワキの下を担当させて……私が足の裏と脇腹を担当……そういう布陣で貴女を責めます」 「さ、三人っ!?」 「正直……くすぐったい箇所全てを埋め尽くすようにくすぐるっていう過酷な責めにはなりますが……貴女と樹希さんの絆が強いんであれば……貴女は耐えられるでしょう? その程度の刺激くらい……」 「私と……樹希の……絆……」 「ほら……樹希さんも貴女を応援するようにム~ム~と声を上げてますよ? 貴女も頑張らなくちゃなりませんね? 彼女の為に……」 「樹希の……為に……」 正直、2人の責めに加え店長の責めも加わると聞いた瞬間、真っ白だった頭の中が暗闇に閉ざされるような絶望的な錯覚を受けた。散々心折られるほどに責められてきて喋ってきたにもかかわらずそれ以上の責めをこれから加えようとしているのだ……常人の神経なら泣いて懇願して然るべき場面だ。素直に喋るから……許してと。 しかし、私が喋れば樹希が次は責められる。それは分かり切っている。 私がこの店に来なければ……余計な詮索をしなければ……樹希が疑われる事は無かったかもしれないのに…… 私のせいで……今の事態は引き起こされている。私が好奇心の赴くがままにここへ来たから…… 「わ、私は……」 彼女はさっき言ってくれた。私の事を……好きだと……。 私も樹希が好きだ……好きだから……守らなきゃ。 この身があの責め苦に晒されても……樹希を守ってあげなきゃいけない……絶対に! 「私は……もう……喋りません。樹希の事は……もう……」 自分を奮い立たせるように私の決意を言葉として店長に届けた。それを受けた店長はニヤリと口角を上げ「そうこなくっちゃ♥」と言わんばかりの表情を私に向ける。 もう……私は後戻りは出来ない。 彼女を……樹希を守るための決心を固めたのだから…… 後はそれを態度で示すだけだ。 いかなる責め苦が与えられることになるとしても……。