メイド・イン・アンダーグラウンド③
Added 2022-01-24 14:13:34 +0000 UTC3:掟の真実 遠い意識の向こう側に…… 『っっはっっは……はっっ……ははっっ……』 瑞穂先輩の……笑い声が聞こえてくる。 『はひぃ……いひゃっっ……はっ……ははっ……』 その笑い声は……私の意識が戻ろうとする度に近くで聞こえてきて…… 『ハヒャアァァヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、あははははははははははははははは……』 最後には……まるで目の前で笑っているかのような大声で私の意識を呼び戻してしまう。 「……ッっ!? わ、私は一体……??」 目が覚めた際に最初に見えた光景は、蝋燭の明かりに照らし出された薄暗い石畳の床と……何やら忙しなく動いている床に伸びた誰かの影だった。 私の混濁した意識を呼び戻した元凶である瑞穂先輩の弾けるような笑い声は健在で、私はその声を辿る様に視線を動かし瑞穂先輩の姿が視界に収まるよう俯いていた顔を上げて視野を広げた。 「……せ、先輩! 瑞穂……先輩!?」 顔を上げるとすぐに瑞穂先輩の姿が視界に入ってきた。 彼女は先程同様にメイド服を着たまま台に拘束されている状態にあったが……私が意識を失っていた間に趣向が変えられたのか先程の様な立ち姿勢の拘束ではなく地面に寝かされた状態で拘束されており、立っていた時と同様に手足に頑丈が枷がはめられていて身動きが取れないよう施されていた。 「……わ、私も……拘束……されてる……」 瑞穂先輩の姿を確認したと同時に自分の手足にも同じような枷が嵌められている事に気付いた私は、その枷がどれだけしっかりした拘束なのかを確認するように手足を振って強度を確認する仕草を行う。 ――ガチャ! ガチャガチャ!! 手は頭上斜め上にあげさせられ手首の部分に革製の枷が食い込んでいて自分の手を降ろす事も振る事も出来ない。 脚の方も肩幅に開かされ足首の部分に枷が巻かれ台に固定されている為、脚を閉じようとする動作や振り乱す動作を封じられてしまっている。 先程薄暗い中見た瑞穂先輩の立ち姿をそのままやらされているような格好を施されており、自由を失ってしまった私は寒くもないのに身震いを起こし再び瑞穂先輩の方へと視線を戻していった。 「ギャ~~ッハハハハハハハハハハハ、お嬢様ぁぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、もうゆるじでぇへへへへへへへへへへへへへへ!! もうやめでぇぇぇぇ!! 本当にくるひぃですってぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 私が拘束された台からほんの数センチほどしか離れていない床に瑞穂先輩は私と同じように万歳するような形で拘束されている。 そんな無抵抗にされた瑞穂先輩の上腹部に腰を下ろして身体を前のめりに傾けながら彼女の開き切った“ワキ”の部位をくすぐっているのは勿論亜理紗お嬢様その人だった。 私ではなく瑞穂先輩の顔を見る様に座っている為、私の方から見ても馬乗りになっている人物は背中だけしか見えていないが、このお嬢様風のフリルのついた白いドレスに小柄な体躯……金髪で縦巻きロールの特徴的な髪形を見ればそれが誰の背中なのかは顔を見なくても想像がつく。 「ほらほらぁ! “許して”とか“やめて~”じゃないでしょ? 私はそんな言葉を聞きたい訳じゃないって言ってるじゃない! 全く……いつになったら好きになってくれるのかしら……ねぇ? 綾?」 そして……そんな瑞穂先輩をくすぐっている人間は実はお嬢様だけではない。 あまりに存在感が薄かったため気付くのが遅れてしまったが、彼女の足元にはあの“綾先輩”もメイド服姿で瑞穂先輩の事をくすぐっていたのだ。 「お嬢様……。私の場合は……もっと激しく……責め立てられたから否応なしに好きになったんじゃないかと思います……だから彼女にも……」 綾さんは瑞穂先輩の右脚の横に控えめに正座して座り、彼女の裸足に剥かれた右の足裏に手を這わせ表情一つ変えないまま指を蠢かせてお嬢様の問いに返答を返している。 「あぁ……じゃあ、まだ足りないって事よね? だったらもっと苦しめる方向で調教しないと駄目ってことかぁ~~♪」 綾さんは私が意識を取り戻したのに気付き僅かに口元を笑みの形に歪ませてウインクを送ってくる。私はそのウインクに口角を引き攣らせながら頭を下げる仕草を見せ挨拶の代わりを送り返した。 「もぉ、綾ちゃんったら……瑞穂さんを自分の尺度で測っちゃ駄目じゃない♥ ただ苦しめるだけではトラウマを植え付けるだけになってしまいますよ? もし本当に好きになって貰いたいと思っているのでしたら……それ相応の“ご褒美”も与えてあげなくちゃ♥」 ウインクを交わした次の瞬間には真顔に戻り瑞穂先輩の足裏を再び黙々とくすぐり始める綾さんに今度は私の背後から聞き慣れたあのお姉さん声が聞こえ始め、私はドキリと大きな鼓動を立てて緊張を強めてしまう。 「……メイド長の言うご褒美は……ただ女性器を弄るだけの淫技じゃないですか。私は……別に……そういうのに快感など……求めてませんから……」 綾さんの無機質な返答が返されるとそれに反論するように私の背後から佳苗さんが姿を現し、ワザとなのかなんなのか、私の怯える顔に甘い息を吹きかけながら綾さんへ言葉を返し始める。 「そんな事言ってぇ♥ 綾ちゃんってば私がちょっとアソコをコチョコチョしてあげたらすぐ笑いながらイってくれてるじゃない♥ アレは快感を感じてるからそうなっているんでしょ?」 「ち、違います! 私は……単純に“自由を奪われる”っていうシチュエーションが好きなだけで……メイド長に性器を弄られたから快感を感じたわけではありません。自由を奪われて情けなく笑わされている自分の姿が……倒錯的で……興奮に値すると感じているだけなんですから……」 「はいはい♥ でも、どちらにしても気持ち良いって思っていることは確かよね?」 「うぅぅ……」 「恥ずかしがらなくていいの♥ 私だって……亜理紗にくすぐられる事は……言い逃れ出来ない程の快感を感じているんだもの♥」 「うぐっ!? うぅ……」 「綾ちゃんは普段笑ったりしないから……こういう場で笑わせて貰えているのが気持ち良く感じ始めたよね~? 最近ではアソコを触らなくてもくすぐりだけで簡単にイっちゃうくらい敏感な子になっちゃってるもの♥」 「し、し、知りませんっっ!! 私は……そんな……淫ら女では……ありませんからッ!」 「フフ♥ 可ぁ~愛い♥」 私の横で不穏な会話を繰り返す佳苗さんと綾先輩…… 佳苗さんの言葉の返しにいちいち顔を赤くして反論をする綾先輩が物凄く新鮮に映った為、私は話の内容よりも綾先輩の表情を見つめてしまっていたけれど……そんな私に今度はターゲットを移すかのように佳苗さんが話しかけて来る。 「……ビックリしたでしょう? こんな現場を見て……」 私と同じように綾さんの顔を真っすぐに見ながら佳苗さんは小声で私に話しかける。 「なぜ瑞穂さんがあの様にくすぐられているのか……そしてなぜ、貴女はこの様に身動き一つ取れないよう拘束されているのか……ここまで見てきて察しぐらいはついたかしら?」 私は首を横に振って彼女の質問にNoの答えを無言で返す。 「瑞穂さんもね……ついこの前……貴女と同じようにココを不用意に覗いてしまったの……」 その言葉を聞き私はギクリと身体を震わせてしまう。 「あの掟があるにもかかわらず覗いてしまったのよ? 綾ちゃんが……調教されている現場を♥」 綾先輩が調教されている現場を覗いた……それを聞いて私は再び綾さんの顔を見返す。 佳苗さんの言葉が真実を述べているのであれば……この“くすぐる側”に回っている綾先輩も……前までは…… 「そんな綾ちゃんも、最初は私が亜理紗とプレイを楽しんでいる所を見た事で“こちら側”に来る羽目になった……」 彼女の言う〝こちら側”というのが〝くすぐりを行う側”という意味なのか……それとも別の意味なのかはこの時の私には判断が出来ず彼女の語られる言葉に疑問符ばかりが浮かんだが、どうやら最初のキッカケは綾先輩が亜理紗お嬢様と佳苗さんのプレイ(?)を見た事が全ての始まりだったという事だけは分かり、徐々にこの4人の関係性が見え隠れし始めた事に私は生唾を呑み込むことを余儀なくされる。 「亜理紗は……見ての通り、女の子をくすぐって“笑い苦しませる”という行為に異常なほど興奮してしまう性癖の持ち主で……お抱えのメイドだった私はよく彼女にココへ連れられてくすぐり責めを受けたものだった……」 佳苗さんの唐突なる性癖の暴露に私は思わず呑み込んだ生唾を気管に通してしまい、咽ながら彼女の言葉を反復する。 「ゲホッ! ゲホ!! く、く、くすぐって……笑い……苦しませる事で……興奮??」 私の驚き様に慌てることなくいつもの様なにこやかな笑顔を浮かべる佳苗さんは、私が落ち着くのを見計らいながら言葉を続けた。 「私もね……最初は“変わった性癖を持っているのね”って貴女の様な反応をしていたんだけど……アレを何度も何度も繰り返されるうちに私自身の持っていた性癖も捻じ曲げられて行って……今では彼女にくすぐられて興奮できる立派なくすぐり奴隷になってしまっちゃったわ♥」 「く、く、くすぐり……奴隷ッっ!?」 「あぁ、奴隷と言っても“精神的な奴隷”の事で、実際に身体を売られたりとかではないわよ? 誤解しないでね?」 「は、はぁ……。精神的な……奴隷……ですか?」 「もうね、亜理紗のくすぐりなしでは……興奮できないカラダになってしまった……ってくらい、私の心は彼女のくすぐりの虜にさせられたわ♥」 「うぅっ!? と、虜??」 「元々Mっ気が強かった私だったんだけど……ココに拾われた時は亜理紗を教育するという立場にもならなくてはいけなかったから、ひたすらその素顔がバレないよう過ごしてきてたわ……」 「え、エム?? 佳苗さんがっ!?」 「でも……ご両親が亡くなられた後……亜理紗が“気を紛らわせたい”という理由で私をこの地下室に閉じ込めひたすら夜が明けるまでくすぐり尽くしたことがきっかけで私はすっかり彼女好みの性癖に曲げられてしまったの」 「あうぅっ…………」 「そこからは毎夜毎夜私達は気が済むまでくすぐったりくすぐられたりを繰り返して快楽の限りを尽くしてきたわ♥ でもそんな事を昼夜問わず繰り返していると……屋敷の維持が疎かになったり自分たちの生活も適当なものになってしまって、快楽を貪る生活を優先するようになってしまったの」 「そ、そんなに……昼夜問わず……やっていたんですか? アレ……を?」 「流石に、そんな事を続けていると生活が成り立たなくなると察した私達は、二人で2つの鉄の掟を定めたわ」 「2つ? 3つではなく??」 「1つは、くすぐりプレイは22時から5時間までしかやらない。それ以上は絶対にやらないというもの……」 「あ、あぁ……それは、二人だけの間だけの掟ってやつですか……」 「2つ目は、1つ目の制約を守るために第三者を雇って自分たちの欲を日中は抑え込ませるというものを定めたの……」 「第三者を雇って……って、もしかしてそれは私や瑞穂先輩や綾さんの事!?」 「そう。そういう性的なものに理解の無い第三者を雇う事で日中はプレイしたい欲を抑え、決められた時間だけ楽しんで日々を節制して送る……放っておけばいつまでたってもくすぐりプレイをやり合ってしまう私達だったからこそそういう掟を定めて自重を試みたの」 「じゃ、じゃあ……あの私達に課せられるあの3つの掟は……」 「勿論、夜な夜な行うこのプレイを見られないようにするための掟として定めたわ。これが知られて辞められでもして世間に噂が広まってしまえば……この生活も出来なくなってしまうんじゃないかって思ったから……」 「でも……綾さんも……瑞穂先輩も……ここに居る……って事は……」 「最初に雇った綾ちゃんは暫くは大人しく従順に掟に従っていたんだけど……。ある日ハーブ酒を飲みすぎちゃったのが原因で……」 「もしかして……トイレに……行った……とか?」 「えぇ。その帰り道にこの部屋の鍵が開いているのを見つけてこっそりのぞきに来てしまった……と。そして、私が拘束されてくすぐられている姿を見て正義感たっぷりに助けに来ようとしてしまった……」 「それで……逆に捕まってしまった……と?」 「今ではこの通り、事情も理解してくれているしくすぐる方もくすぐられる方も好きっていうハイブリットな第二奴隷として私達とプレイを楽しんでいるわ♥」 「は、ハイブリットって……意味わかりません!」 「でも……仲間に取り込んでしまったのは良いけどこれではプレイを楽しむ人数が増えただけで、肝心の第三者が欠ける事になってしまった……だから瑞穂ちゃんを新たに雇ったんだけど……」 「彼女も……見てしまった……と?」 「えぇ。しかも……雇用された初日によ? いくら好奇心が強いからって……初日に掟を破って覗きに来るなんて考えられる?」 「しょ、初日に?? え?? 覗いたのは……最近とかではなくて……ですか?」 「初日よ。貴女が入ってくる前だから……丁度“1か月前”の事ね……」 「えっ!? だ、だ、だって!! 彼女は“昨日”この部屋の事を見たって……私に……」 「あぁ、成程……そういう嘘をついて貴女に興味を持たせたという訳ね?」 「え!?」 「あの子……今も見て分かる様に、亜理紗がどんなにくすぐってもこちら側に傾いてくれないの」 「か、傾くって……性癖を……曲げるとか……そういう……やつですか?」 「そう。まぁ、綾ちゃんの時と違って今は私達のプレイの時間も加味して調教してるから……毎日徹底的にって訳にはいかなくて輪番制みたいになっちゃっているんだけど……」 「り、輪番制??」 「そ♥ 私の後綾ちゃん……綾ちゃんの次は亜理紗……そして亜理紗の次が瑞穂さんっていう順番で日によって責められ役を変えて輪番していたの……」 「日ごとに……責められる人が決まっているって訳ですか?」 「その過程で、責める方の楽しみも責められる方の楽しみも植え付けてやろうって企んだんだけど……見ての通り、一向に好きになってくれる気配がなくてね……」 「そ、そりゃあ……特殊な性癖でない限りは……好きには……」 「彼女の中ではこの輪番が回ってくるのが苦痛に思っていたらしくて……とうとう貴女をも巻き込む決断をしたようなの……」 「え!? わ、私を……巻き込む??」 「今日夕食の時に出された“ハーブ酒”あったじゃない?」 「は、はぁ……」 「どうやら彼女……何処で手に入れたか知らないけど、その中に……利尿剤を混ぜ込んでいたみたいなの」 「り、り、利尿剤ッっ!?」 「由加里さんもそれで外に出てしまったのでしょう? その薬が効いてしまったから……」 「そ、そういえば! 今日は……私……妙にトイレが近くなって……」 「彼女が貴女に渡すハーブ酒にこっそり何かを仕込んでいるのを私は見てたの……」 「あ、あのハーブ酒! 瑞穂先輩から……飲めと言われて出されたあのグラスには……」 「きっと入っていたんでしょうね? 利尿剤が……」 「な、何でそんな事をっ!?」 「きっと彼女の計画ではこうだったと思うの……」 「……?」 「貴女に部屋の噂話を聞かせ……興味を持たせ……」 「……ッっ!?」 「部屋を覗かせ……禁を破らせる……。そうすれば、自分への調教の日数が一人分減って楽になる……そういう魂胆だったんじゃないかしら?」 「なっ!? わ、私は……嵌められたって……事ですか!」 「まぁ……嵌められたって言っても、貴女も禁を犯して覗きに来たのは事実よね?」 「うっっ!?」 「22時を過ぎてのうろつきは、そういう事情であれば叱るだけで済んでいた事だけど……トイレを済ませた後“興味本位で覗いてしまった”というのは由加里さん自身の罪よ?」 「あうっ!? だ、だって……瑞穂さんの悲鳴が……聞こえてしまったから……つい……」 「それでも、そんな声が聞こえてもなお私や亜理紗に異常を報告しに行こうという態度を見せなかったわよね?」 「……うっ!?」 「それは……私達を信用していなかったという証拠だし、その場にとどまってプレイを見続けてしまたのは掟を破った罪悪感よりも好奇心が勝ってしまったという事の何よりの証拠よ」 「い、いや……それは……」 「きっかけは瑞穂さんにそそのかされた部分が大きいかもしれないけど……扉の中へ入って地下室を覗いたのは由加里さんの罪以外の何ものでもないわ……だから……償って貰いますよ? 秘密を知ってしまった……罪を……」 その言葉を聞き私は顔から一斉に血の気が引いていくのを感じる。 彼女の言葉に……何一つ言い返す言葉が見つからない…… 「つ、つ、償って貰うって……私に……何を……するつもりですか!?」 そして……これから何をされるのか分かっていながらも、この様な質問を彼女に返してしまう。 罪の償い方など……目の前の瑞穂先輩を見ていればすぐに理解出来る。 彼女達が……私に何を望んでいるのかも……佳苗さんの語りによって察することが出来ている。 「フフフ♥ 安心してください? 罰を与えた後はちゃんと“私達の側”に来たくなるよう……調教を加えてあげるつもりですから……♥」 その言葉をきっかけに、瑞穂先輩をくすぐっていた亜理紗お嬢様と綾先輩の手が止まる。 そして二人が息を合わせる様に立ち上がり、ゆっくりと私の方に顔を向ける。 二人の顔は佳苗さん同様……怪しい笑みを口元に浮かべていた。 そして……次はお前だ! と言わんばかりに手をワキワキさせながら……私の身体へと二人が近づいて来る…… 私は「やめて」と小さく悲鳴を零すが、二人の近づきは止まらない。 こうして……私の長い長い夜が幕を開ける…… 私の人生の中で……最も長いと感じられた……淫らな夜が……
Comments
いえ。本当はこの回でがっつりと攻める予定にしてたのですが話の流れ上由香里が調教されたあとにそれは持っていこうかと考え直したのでもう少しだけ先です。
ハルカナ
2022-01-24 15:43:20 +0000 UTC楽しみにしてました!!瑞穂が本格的にくすぐられるのはチャプター3ってことは結構後になるんですかね?
toshi0325monst
2022-01-24 14:34:55 +0000 UTC