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ハルカナ
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メイド・イン・アンダーグラウンド④

4:長い夜の始まり  私が気を失っていた時間がどれほどの時間であったかは分かりかねるが、少なくともこの様に拘束台に人一人を磔に出来たほどの時間は意識を無くしていたのは確かだし、それに加えてパジャマ姿で来ていた筈の私をわざわざ“メイド服”姿に着替えさせ直したという時間も私が意識を無くしていた時間に行われたようだ。  自分の衣装が勝手に変えられていた事に責められる段となった今になって気付いた私は、改めて自分が着せられているその“メイド服”に意識を向けると、その服が普段着るメイド服とはとは明らかに違う全く別物の制服を着せられている事に気付き焦りが濃くなってしまう。  普段仕事で着ているメイド服は、黒の下地に所々にアクセントを付ける様に白い生地やフリルが付けられたかなり古めなデザイン調のオーソドックスな制服を着せられていた。袖も手首まであって長く、その制服の上に白いエプロンを重ねて付けていた為肌の露出は殆どないし下半身のスカートも足首まで届くロングスカートである為こちらも肌の露出は殆ど無いに等しい。  しかし、今着せられているメイド服はというと、腕の袖部分は大胆にカットされており腕の付け根の部位まで生地が取り除かれている。その腕の付け根部分には申し訳程度に白いフリルが可愛らしく付けられているのだけど、肝心の“ワキ”の部位が隠れておらずそのフリルの隙間から見え隠れしてしまっている。  袖を無くし“ワキ”を露出させたかと思えばそのワキの部位から脇腹の横までファスナーが取り付けられており、留め具を降ろせばいつでも腋や脇の下、脇腹にかけての横のラインを自由に開けることが出来るようになっている。そしてそのファスナーは左右のわきのラインだけに付けられているだけでなく上着の至る所に色んな長さ色んな方向に開くよう沢山付けられていた。まるで無数の切り傷を負った歴戦の戦士の思わせるその身体中に張り巡らされたファスナーは、恐らくその都度適材適所の責めが行えるよう考えられた小窓であり、そのファスナーが私の胸の頭頂部にもしっかり走っている事から、そういうプレイも想定した作りなのだろうと自覚させられてしまう。  そのように路上アートのように無軌道に付けられたファスナーを有する上着だが、その服が肌を隠してくれているのは腹部の少し上まで……みぞおち辺りの肌くらいまでしか隠してくれてはいない。  子供のサイズではなかろうか? と思える程短い服の丈は私の腹部や腰、脇腹の部位を否応なしに外気に晒し露出させている。  服の丈はそれほど短く作られているが胸や首周りに窮屈さを感じない為、その服が子供用に作られたのではなく“ワザと腹部を露出させる為”に初めから短くデザインされたのだろうと予想がつく。その証拠に下半身を守っていたあのロングスカートさえも丈を大幅に切り詰め今では太腿の半分も守らない程に短くされてしまっている。  下から覗き込まれれば……きっと下着など簡単に見られる筈……  と、自分の着せられているスカートがどれだけ短いかという事を改めて確認しようとした私だが…… 『……!? そういえば……さっきから……股の間がスースーしてるような……』  股の間もそうだが、身体全体的に服の生地の感触をダイレクトに感じていたり、ワキの隙間から入ってくる涼風が妙に敏感に感じられると思い始めた事で私は恐ろしい事実を知る事となってしまう。 『あ、あ、あれ!? あそこに畳んであるパジャマの上に置かれているのは……ま、まさか……私の……下着!?』  私がこの部屋を見に来た時に着ていたパジャマとインナーシャツ……そして下着のパンツ……それらが木製の机の上に綺麗に畳まれて置かれているのが目に映り私は悟ってしまう。  そこにインナーシャツや下着が置かれているという事は……今このメイド服の下はまさか!? 「さぁ~て! 最初は罰を受けて貰うっていう手筈になっているんだけど……どう? 先輩のヤられ具合を目の前で見せられて……少しは“怖い”とか思ってくれたぁ?」  私がそのように焦りの色を顔に浮かべている最中にもお嬢様は私の拘束された身体の正面から接近し顔を突き出しつつ私にそのように声を掛ける。  私はその言葉よりも、今現在の私の身体がどうなっているのかを知りたくて彼女の質問に自分の質問を被せてしまった。 「あ、あ、あのっ! も、もしかしてですけど……私って……今……この服の下は……は、は、はだ……裸……じゃ……ないですよね?」  私の震えた口から発される言葉に顔をキョトンとさせたお嬢様は、すぐに意地悪な顔を浮かべなおし私の質問の方に答えを先に返してくれた。 「……裸に決まってるじゃない♥ 佳苗さんと綾さんに頼んでわざわざ裸に剥いてもらってからそれに着替えさせたのよ? 手間を取らせた分……後でお礼の一つでも言ってあげなさい?」 「ッヒッ!? う、う、嘘ですよね?? ま、まさか……あの……ぱ、パンティ……まで?」 「だぁ~かぁ~らぁ~! 裸に剥いてそれを着せたって言ったじゃない! その下には何も着せてないわよ……何も……ね♥」 「そ、そ、そんなっ! い、いくら女性同士であっても……寝込んでいる相手にそんな事をするなんて……」 「意識が無かったから恥ずかしくはないでしょ?」 「そ、そういう事じゃありませんっ! 勝手に服を脱がして、その……私の……裸を勝手に見たっていうのが問題で……」 「貴女だって……勝手に私達のお楽しみを覗いたじゃない♥ それでおあいこでしょ?」 「……ッっ!? そ、それは……」 「しかも由加里さんの場合は……禁を犯してまで見に来てしまった……そうよね?」 「うっ……うぅ……それを言われると……」 「私だって人の子よ? 他人に自分の曲がった性癖の部分を見られるのは……恥ずかしくて堪らないわ」 「…………曲がった……性癖……」 「貴女だって今でも“理解出来ない”って思っているでしょう? 私が瑞穂さんに行っていた行為を……」 「瑞穂さんにって……くすぐりを……ですか?」 「そう。私はね……こんな風に身動きが取れなくなった女の子を……くすぐって……笑わせるって行為が……堪らなく好きなの♥ 佳苗さんからも聞いたでしょ? そういう性癖なの……」 「聞きましたけど……でも……その……何で……くすぐり……なんですか?」 「うん? なぜくすぐる事で興奮を覚える性癖になったか……ってことを聞きたいの?」 「え、えぇ……」 「さぁ……それは私にも分からないわ」 「……えっ!?」 「自我が目覚める頃には……もう……そんな風に思ってしまっていたし……」 「き、きっかけとか……無かったという事……ですか?」 「まぁ、しいて言えば……お母様にお仕置きと称してされていたのがくすぐりだったのが原因だとは思ってるけど……女の人を“拘束”してそれを行う事に興奮するっていう部分は……私にもいつそれが性癖に加わったのかは謎よ? 佳苗とのプレイでいつの間にか追加されたんじゃないかって、この頃は思ってるほどだから……」 「お母様に……その様な折檻を? そんなに性癖が捻じ曲がる程の事を?」 「性癖が捻じ曲がるだなんて失礼な言い方ねぇ! ……別に毎日されていた訳じゃないのよ? 私が物心つく前までの頃で……それもごく稀にされていただけだから……それがきっかけになったかどうかも怪しいレベルなんだから……」 「じゃ、じゃあ……なぜ……くすぐりを?」 「分からないって言ってるじゃない。いつの間にか神様から授けられた贈り物……ってな感覚でそうなったも・の・な・の!」 「神様に……授けられた……贈り物??」 「そうよ。私は少なくとも……こういう性癖にして貰って感謝してるもの♥」  そう言うとお嬢様は腕を目線の高さまで上げ、そのまま私の万歳しているワキの部位に両手を伸ばし始める。 「可愛い女の子が……こんな風に自由を奪われ……無防備なココを……私の為に晒してくれている……」  ワキワキと指を蠢かせながら……徐々にワキの中心へとその指が降りて来る!  私はそのあまりのおぞましい動きに、思わず反射的に口を固く閉じようとする。 「見てるだけでも……我慢できないくらい興奮してしまう……女の子のワキ♥ そこを私の手で弄り回して笑わすことが出来たら……どんなに興奮してしまうだろう? って……親が生きていた頃はテレビなんか見て悶々と考えていたものよ……」  人差し指が私の敏感な腋窩にソッと羽根を乗せる様に着地する。ゾワッと震えを引き起こすその感触に私は思わず身体を跳ねさせるようにビクリと反応させ、降ろせず筈もない腕を降ろそうと手枷に抵抗を見せ始める。 「今は……枷になっていた両親もいない……。でも私の欲を満たすだけの資金は親が居ない今でも入り続けているから……設備も道具も自由に用意できる」  私のワキの中央に降り立ったお嬢様の細い人差し指はそのまま他の指が降り立つのを待たずして私のワキ筋を撫で始める。  あくまでゆっくり……焦らす様に……。私が声を上げるか上げないかのギリギリを探る様に……陰湿な動きで…… 「今では佳苗や綾さんも私の趣向を気に入ってくれている♪ だからこの時間……この地下室でのプレイは、私にとって……同じ性癖を矜持する尊い時間だと常々思っているの♥」  ワキの窪みを縦に往復してなぞったかと思えば、指先を曲げて痒い所を掻くようにコソコソと引っ掻いてむず痒さを増すような動きを行ったり、腋全体に大きな円を描くように指先だけでなぞったりしたかと思えば、今度は優しく愛でるように腋をイイコイイコと撫で上げたりする。  私の敏感なワキの皮膚をそのように弄んで私の我慢を削ごうとする彼女の手技に、私は絶対に吹き出してやるものかとさらに口元に力を込めて声が出そうなのを我慢する。 「そんな尊い時間を“最近入ってきたばかりのどんな人間かも分からない新人メイド”に見られて……恥ずかしいって思わない訳が……無いじゃない?」  お嬢様の声が突然低くなり私をにこやかに見つめていた彼女の顔が目を細め睨うような表情に変化する。  それと同時に甘い動きを繰り返していた人差し指がピタリと止まり不穏な無刺激時間を私のワキに与えた。 「私の性癖を理解してくれてる人にプレイを見られるのは……そりゃあ喜ぶことはあれ恥ずかしいなんて思う事は無いのよ? でもほら……貴女や瑞穂さんは……まだ私のこの性癖を理解してくれてないじゃない? そういう人に興味本位で覗かれて……私がどれだけ恥ずかしいと感じたか、貴女に想像できる? 人の“恥部”を覗かれている訳だし……良い気分だってしないものなのよ?」  お嬢様の言葉が重くなるにつれワキの方には次々に他の指が降り立っていく。  親指……中指……薬指……小指……と、全ての指が私のワキの至る所に着地していき改めてくすぐる態勢を整え直していく。 「貴女を裸に剥いたのは、そんな私の恥ずかしさを味わって貰う為の一つの罰よ。そして……その罰では勿論“禁を犯した重罪”の罰にはならないから……」  脇の下に触れている小指……背中側に近いギリギリワキの範囲にあたる際どいラインを薬指と中指が触り、ワキの急所である窪みの中央を人差し指が……そしてその少し上に親指が触れ、いよいよその指達にも動きを付ける為の力がこもり始める 「これから……私達の秘密を見てしまった貴女には死ぬほど苦しい罰を与えてあげようと思っているの♥」  指が触れた瞬間からお腹の奥から込み上げてきていた得体のしれない“可笑しさ”に拍車がかかり、私の固く閉ざしていた筈の口は大きく波打つような歪みの形を作らせる。  指が動こうとする度その刺激を予想して肩は勝手にクククと笑い始め、可笑しくもない筈なのに可笑しい気分にさせられる……。 「私を辱めた罪は……この屋敷では重罪よ? だから私の実益も兼ねて……貴女にはこの罰を送るわ……」  込み上げてくる可笑しさに反抗するように私は自分の脳の指示に反して“笑わない”よう意思を固めようとするが、その可笑しさは私が意志の力でどうこうできる程弱いものではなく……  お嬢様の指がほんの少し動くだけでも、その強制力は何倍にも膨れ上がり私の感情に“ワラエ”と強要してくる。 「発狂必至。一度笑えば永遠に笑わされる……問答無用の笑かし地獄。体中のありとあらゆる弱点をくすぐり回して無理やり笑わせ呼吸を奪う……」  そして彼女がこの不穏な口上を述べると……その指達は私の無防備なワキを…… 「……ただただ笑う事が辛くなるだけの拷問♥ それがこれから貴女に行う……くすぐり窒息責めの刑よ!」  何のためらいもなく一斉に襲い始め、常識では測れない程凶悪な笑いの強要を私に押し付け始めた! 「遠慮なんてせずに肺の酸素を出し切るまで笑い狂いなさいっ!! ほ~~らっ!!」 ――コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!! 「ブひゃっ!? いぎゃああぁぁぁぁ~~~~~~~~っっっ!!?」  今までの撫で上げが本番前の愛撫であった事を示すかのような暴力的な指遣い!  私の露出している伸びきった“ワキ”の部位をこれでもかと言い聞かせるかのような手つきでくすぐり犯し始める。  その本格的な動きを始めたお嬢様の指の刺激に、私は笑う事を我慢するどころか……これ見よがしに天に顔を掲げて「ブひゃっ!!」という女子らしからぬ吹き出しを行った後甲高い悲鳴をその口から零し、その後は予定調和を地で行くような形で激しい笑いを吐き出し始めてしまう。 「アギャアァッッッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!! うはひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、お、お、お嬢様ぁぁっははははははははははははははははははははははは、くすぐったひぃぃっひっひっひっひっひっひっひっひひひひひひひひ!! ワギくすぐったいぃぃぃぃっっひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」  最初くらい……もっと可愛らしく笑いを零して、女性らしさを保っていたかった……と、思わされるくらい私は吹き出した後無様な馬鹿笑いをお嬢様のくすぐりに上げさせられた。 「いひゃ~~~っははははははははははははははははは、うひゃ~ははははははははははははははははははははははは、わだじ、くすぐりダメなんですぅぅぅふふふふふふふふふふ!! やひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」  過去……何度かくらいは……友達や家族にくすぐられた事はあるけど……  それは戯れの範疇での行為であったため、私も「アハハ」とか笑いながらふざけてやり返したりしてくすぐられ続けるのを回避したりもしていた。  しかし、この様に万歳の格好で拘束されていては……やり返す事はおろか反撃して攻撃を回避する事すらも許されていない……  一方的にくすぐられ放題……逃げ出せないようにされている為相手がやめてくれないとくすぐったさから逃れられないという、相手の支配下に置かれた状態でのくすぐりに、私はその時初めて彼女の行為が“恐ろしい”と感じることが出来た。 「ギャハハハハハハハハハハ!! あはははははははは、いひひひひひひひひひひひ!! ニャ~~ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、うはひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ……」  やめて貰えないとずっとこのくすぐったさは続く……。しかし、これは彼女が言ったように……罰である為、私がどんなに望んでも彼女はやめてくれはしないだろう。 「はぎゃっっはははははははははははは、いひゃはははははははははははははははははははははは、やめでぇぇへへへへへへへへへへ!! おでがいぃぃひひひひひひひひひ、やめでぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」  彼女が満足いくまで……お嬢様の気が済むまで……私への責めは続く。  じゃあ……お嬢様は一体いつになったら満足してくださるのか? それは誰にも分からない……  1時間? 2時間?? それとも……もっと??  それだけの時間……くすぐられ続けたら……私はどうなってしまうのか?  それだけの時間笑わされ続けたら……私の身体や感情はどうなってしまうのか?  想像できない……予測出来ない……  だから怖い。  自分がこれからどうなってしまうのか……何一つ分からないのだから…… 「あがはははははははははははははははは、いひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、えへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、はひぃぃっっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! やめでぇぇ~~~」  正直……お嬢様の性癖を理解することはまだ出来ない。  なぜこのような行為が彼女の興奮を呼び起こしてしまっているのか……そのメカニズムが理解出来ないのだから……理解のしようがない。 「ほらほらぁ! どうしたの? もっと下品に笑いなさいよっ! 涙を流して涎を撒き散らしながらだらしなく笑うのっ! 先輩もそんな風にして笑ってたでしょぉ? ほらほらほらぁぁ!! もっと笑え! ほらぁ!!」  しかし、彼女は興奮している。  私に声を荒げながらも……頬をピンクに染めて呆けるような目を向けながらくすぐっている。  吐く息も熱くて甘い……。彼女の興奮が伝わって来るかのように熱を帯びた息が私の頬に浴びせられる。 「あがぁははははははははははははははは、いひっひひっ! はひぃぃぃっっ!! お嬢様ぁあははははははははははははは、ゆるじでぇへへへへへへへへへへへへへへへ!! 覗いた事は謝りまずがらぁぁははははははははははははははは、くしゅぐりやめてぇへへへへへへへへへへへへへ!!」 「はぁ? 何言ってるの? 罰は今始まったばかりなのよ? もうやめてとかあり得ないわ! 貴女……私の事馬鹿にしてる?」 「違っっははははははははははははははは!! 苦ひぃんですぅふふふふふふふふふふ!! お腹も痛ぐでぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、ほんとに無理なんですってばぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!」 「お腹が痛い? 苦しい? ふざけちゃ駄目じゃない……こんなのまだ序の口よ。こんな序盤で弱音を吐くようじゃこの後の本番はすぐにギブアップしちゃうわよ?」 「かはぁ~~っははははははははははははは、ほ、ホ、本番!? 本番ってにゃんですかぁぁ!? うぎひゃッっ!? アヒャ~~ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、うひひひひひひひひ、くひひひひひひひひひひひひひひひ!!」 「言ったでしょ? “ありとあらゆる弱点をくすぐる”って……。まさか腋の窪みだけがくすぐりに弱いなんて思ってないでしょうね? 人体にはもっとくすぐったさを感じる箇所がいくつもあるでしょう? ほら……例えば……」  お嬢様のその言葉を受け私は気付かされるように自分の下半身を視界に収めた。  わざわざ靴などを履かされる事もなく……裸足の状態のまま拘束された……私の足……  その足裏は地に着いておらず宙に浮いた状態にさせられている。  カカトに僅かに当たっている……申し訳程度の足置き……。それは私の足が宙に浮くよう少し高さを持たせて拘束台に設置されている。  その小さな足置きにカカトの一部だけが乗っている為、足裏を晒しつつ体重を支えてしまっている。更に言ってしまえば……今更気付いた事だが、足の指にも何やら細いワイヤーの様な物が繋がっていてそのワイヤーが足枷の金具に繋がっているのが見てとれる。  ワイヤーは私の足指を海老ぞらせる様に引っ張りながら枷へと繋げられている……それによって私の足裏は、反り返されるように足指から引っ張られ足裏を曲げて隠そうとするなどの行為を制限するかのように更なる自由を奪っている。  そして……そんな足の近くには……  物言わず……静かにチョコンと正座をして待機していた……綾先輩が居た事に気付かされる。  彼女の存在に私が気付くと……綾先輩は不敵に笑みを浮かべ、私に挨拶するように手を掲げくすぐる振りをして見せる。  私はその動きを見て必死にお嬢様に声を上げた。 「お、お、お嬢様ぁっははははははははははは、足、あ、足はダメですっっふふふふふふふふふ!! 足をくすぐるのはっっ絶対駄目ですぅぅぅ!!!」  その言葉を聞いたお嬢様はニヤリと笑みを浮かべ綾先輩に軽い頷きをして見せる。  すると……綾先輩は、私に見せつけていた手をゆっくり足の方へと降ろしていき……  完全に無防備を強制された私の足裏に……その手を運んでいくのだった。


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