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ディストピア・プラント:2920 ⑥~廃棄処分の始まり~

6:廃棄処分の始まり ――バチバチバチッ!!  モニター越しでも分かるくらいに派手な破裂音を立て手首足首の枷に電気が通される。  その電気により強制的に意識を取り戻す事を余儀なくされた博士は、アイマスクのせいで辺りが見渡せず自分の置かれた状況や今いる場所などを察することが出来ずあたふたと顔を左右に振って慌てる様子をカメラに収められる。 「ッっ!? 私はもしかして……あの後……捕まった……の?」  手足の自由の利かなさに加え、上半身・下半身共に捩る事も出来ないよう拘束されている自分の身体の様子を察しその様に言葉を零した博士だったが、その問い掛けに機械が答えを返すことなく代わりにこれが処刑の合図だと言わんばかりのブザーを耳元で鳴らし、彼女が背を預けている機械式のベッドに行動を起こすよう命令を出し始める。 ――ウィィィィィン! ガシャ、ガシャ、ガシャ!  命令を受け取ったベッドは、万歳の格好で拘束されている博士の身体のラインを型取ったような溝の蓋をゆっくりと開き始め、その溝の奥深くで蛇の様な蠢いている無数のケーブルの影を見ているFuel達に見せつける。 「私は……今……衣服を……着ていない!? は、は、裸に……されてる……」  自分の置かれている状況を機械音が響き渡っている物々しい雰囲気から察したウィッドマン博士は、その身体が裸体に剥かれ拘束されている事に羞恥の感情が掻き立てられ頬を赤く染め始める。  私よりも少し背が高く、流れるように美しく伸びている金色の髪が腰のくびれに沿うように寝かされていて彼女の裸体と共に艶々しく強く照射されている光を反射している。  両手は裸体の胸を隠す事も許さないという意志を感じさせるかのように頭上へ向けてに真っすぐ伸ばされ、限界まで伸びきった腕の手首に金属の枷をつけて固定……それ以外にも肘の関節や手首の少し下、二の腕付近にも黒い帯のような革ベルトが巻かれベッドに押さえつけるように固定されている。  それに加え、両手の“指”さえも自由を奪いたいらしく……それぞれの指の第一関節の部分にワイヤーを巻き付け、手のひらを上に向けてパーに開いた状態を維持するようベッドにはりつけた状態にされている。  下半身の方も、乙女が一番隠したいであろう陰部を堂々と見せつけるように脚を肩幅に開かせ、脚全体の自由が利かないようにするために足首をベッドの隅に用意してあった金属の枷で固定……そこから足を曲げようとする試みを行わせないようにするために膝部分をあの黒ベルトでベッドに固定……更には太腿の中頃と脛の付近にも同じようなベルトが巻かれ完全に脚の動きを抑えにかかっている。  手の指同様、足の指にも同じような拘束が成されているが……こちらはベッドに磔にするような拘束ではなく……足裏を反らす形になるよう足の甲側に指達を引っ張るような拘束の仕方を取っている。  足の指1歩1本の関節部分にワイヤーの輪を噛ませ、そのままワイヤーを引っ張る様に足首の枷の方に伸ばしていき、枷に備え付けられた可動式のフックに反対側を結び付け、可動式のフックを上下に調節して長さを調整していく。  その長さの調整は、当然……足指を“引っ張る”長さに調節する為、自動的に足の指は足首の枷に向けて引っ張られる構図となる。  それが一体何を表す事になるのか……  それは、この施設での“発電”を経験した女子なら見ただけで意図を理解できてしまう事だろう。  懲罰であろうが発電活動であろうが……やる事は一つなのだ。  それを行うに適した格好を強いるのが……この機械達の目的なのだから、廃棄処分という処刑が行われる場で“そのような格好を強いる”と言う事が何を効率化させる結果となるのか言わなくても理解できてしまう。  機械達は……笑わせる事を効率化したいと考えている。  笑わせる事が発電に繋がるし笑わせ続けて苦しめる事こそが懲罰に繋がる……  そして、廃棄処分の場では、更にその笑いを極限まで効率化させなくてはならない。  廃棄する為の処分を行う目的なのだから……その人物が生存する事は考慮に入れられていはずだ。  だから、徹底的に動きを封じ、触られる感度を極限まで高めるために衣服も一切与えない……  足の指を引っ張り込んで足裏を強調するように露出させたのもその為であり、手の指すらも拘束したのにも指の動きを完全に抑え込むことで手に力を込める事も許さずただ「笑う事だけに終始しろ」と無言で指示している結果に過ぎない。  こんな状態で……普段の発電をやらされたらと思うと……背中に寒気が走る……  手足に力を込めて動かすことが出来たなら多少なりとも、自分の意思をその手足に宿らせる事も可能だけど……彼女にはそれが許されていない。  普段から非人道的な責め苦だと批判していた発電作業だけど……ここまで徹底的に拘束されている姿を見ると、まだ普段の発電の方が許されていた部分もあったのだと思い知らされる。  博士は……この拘束をされた時点で……自分の意思を身体に宿らせて反発するという行為を禁じられてしまったのだ。それがいかに人道を無視した行いなのか……それだけを見ても感じ取れてしまう。 「はぁ、はぁ……う、動かない! 手も足も……指の一本すらも……動かない! 全く……動かせない……」  右からも左からも上からも下からも徐々に大きさを増して響いてくる機械の駆動音に、博士は顔を赤らめながらも音の強くなった方に思わず顔を向けてしまう。 ――ゴウン、ゴウン、ゴウン……ゴゴゴゴゴゴゴ…… 「ッっ!? な、なに? 身体が……持ち上げられてるっ!?」  一際大きな駆動音がベッドから鳴り響いたかと思うと、突然ベッドの床板の至る部位が次々にせり上がっていき博士の身体を持ち上げる様に宙に浮かせ始める。  正確には小さな円柱状の柱が博士の身体を支えつつせり上がってきただけであり、宙に浮くという表現は適切ではないのだけど……しかし、その円柱はトイレットペーパーの芯程の細さしかなく、柱同士の間隔も開いており、柱の色もベッドの床板と同色である為遠目に見れば博士の身体が宙に浮いているようにも見えなくはない。  博士を持ち上げている円柱は、丁度彼女を拘束している枷やベルトの固定部位にあたる箇所がせり上がっており、身体の腕、脚の関節や手首、足首……首の後ろや胸下の腰部分、太腿の下部分など彼女が体重を掛けても身体が折れず……かつ、身動きは引き続き一切取れないないよう思慮された数がせり上がっている。  手の甲を持ち上げている柱はそこだけ手を開いた状態の形にデザインされた柱がせり上がっている所を見るに、この……柱の突き上げによってによる身体の持ち上げも手のひらを開かせての拘束も刑の一部である事をしっかりと見せつけている。  言うなれば完全拘束を維持されたままベッドの床板と背中に高さを出された格好にされた博士なのだが……機械がなぜ博士の身体に“高さ”を持たせたのかはもはや説明不要で見れば理解出来る。  なにせ、そのスペースの開いた“高さ”の部分に、複数の機械アーム達が集まって場所取りを行い始めている様子が映し出されているのだから……  それらは博士の首裏や背中、腰から脇腹の下……尻や太腿の裏、脛の後ろや二の腕の裏に至るまで、普段普通に寝かせていては決して触れないであろう身体の裏側までも責めてやろうと意気込んでいるのだ。  そこを責める為に博士の身体を“点”で持ち上げ下から触れるスペースを作った。  その部分だけ見ても、いかに機械達が博士に対して“徹底的”を貫こうとしているかが読み取れる。  余すことなく……という言葉を地で行くつもりである事が嫌というほど伝わってくる。 「こ、これが……廃棄処分とかいうやつ……ね? 私はこれから……死ぬまでこいつらに……」  と、そこまで言葉を零すと、博士の頭上から1本のホースが静かに伸びてきて博士の口と鼻の間の少し上空に待機し動きを止めた。  そのホースの先端は広くひろがる様に出口が開いていて、いかにもそこから何かを噴射しそうだという雰囲気を醸し出していた。 ――プシュゥゥゥゥ……  案の定、暫く時間を置いた後そのホースからはピンク色のガスっぽいモノが噴射され始め、博士の口や鼻にそのガスを当て始める。 「ケホッ! ゲホッ! な、な、なに? が、ガス!? 口の中に甘いガスか何かが入り込んで……」  そのガスを吸い込んだ博士はその後ビクンと身体を大きく震わせ、今度は小刻みに肩を震わせ始める事となった。 「はひっ!? にゃ、にゃに? このガスぅ! え、えへっへへ……ヒヒ……イヒっ! か、勝手に身体が……沸き立つようにムズムズし始めて……けへっ? ぅへへ!? わ、笑いが勝手に……」  ガスを吸えば吸う程、博士の身体は何かの刺激を受けているかのようにビクビクと小刻みに震え、力のこもっていない笑いを少しずつ吐き出し始める。  その様子を見るにつけ、あの笑潤剤とかいうガスのもっと強力なやつなのだろうという想像が誰の頭にも浮かんだ。 「ちょ、待ってへへ! 体中がゾクゾクしてっへへ……もう可笑しくなってきてるふふ!」  身体がむず痒くなっているのか博士は、唯一動かせる腰の部位をベッドに擦り付けるように左右に振って気を紛らわせようと必死に取り繕う。しかし、それを引き起こしているであろうピンク色のガスはホースが引く気配を見せず博士の口元に居座り続けている為、彼女の口と鼻めがけて延々とそのガスを噴霧し続け、首輪の拘束により顔を殆ど動かせない博士に容赦なくガスを吸わせ続けている。 「くっっふっ! んむぅぅぅぅ……んんんんっ!」  博士は懸命にガスを吸うまいと顔を可能な限り横に向けながら息を止めようと試みるが、口の広いホースから次々に噴霧されるガスは博士の顔全体を難なく覆っており、息継ぎの為に口を開けば必ず吸い込む事になるよう噴霧が続けられている。  我慢しても無駄だとは分かっているが、少しでも吸う時間を短くしたい……と思っている博士は、必死に頬を膨らませ呼吸を我慢しようと試みている。  そんな博士の行動を知ってか知らずか、機械のベッドは駆動音を一つ大きくさせ次の段階へと行動をシフトチェンジさせ始めた 。 ――ウィィィィン、ガシャン!  博士は目隠しをされているから見えていないだろうが、テレビのモニターにはベッドの溝から這い出した無数の機械の手が、必死に息を止めてガスを吸わないよう抵抗している博士の無防備な身体を囲む様に構える姿がライブで映し出されていた。  小さな無数の機械の手……その数は数百はあるだろう……  それらが博士の体側部に沿って綺麗に並んで構えを取っており、彼女のベルトや枷で隠れている皮膚意外の露出している肌すべてに手が行き渡るよう一糸乱れない様相で美しく配置されている。  肌という肌が手によって隙間なく包囲されている……と言っても過言ではないその光景を、博士はまだ知るに至っていない。  もしも目隠しなどされておらずその光景を見ていたとするなら、これほど絶望的な光景は他にないと言える程の恐怖映像を見る事となっていただろう……   目隠しをされていて良かったなどとは口が裂けても言えるような状況ではないのだけど、とにかく博士はまだ自分が置かれている状況を正確には把握していないのであり……機械の手が自分の身体を囲っているという状態はおろか、その機械の指が“羽根の様な素材で作られている”と言う事実も知り得ていないはずなのだ。 「うぅ……くっ! くぅぅぅ……」  恐らく、普通の発電の時に足裏を襲うあの“羽根の指”をそのまま持って来た感じなのだろうけど……博士の場合は足裏を狙う手だけでなく、出現した機械の手全てにその羽根の指が装着されている。  羽根で作られた指は……通常の指とは違い関節のようなモノは存在しない為単純な上下運動くらいしか行うことは出来ない。  しかし、その上下の動きを……敏感にさせられたであろう身体に行われればどうなってしまうのか……  想像したくなくても想像できてしまう。  なにせ……私は、あの……羽根のこそばゆさを……嫌という程知っているのだから……   ――ウィィィィィン、ピピッ! 「……っ!? な、なに?? 機械の音が突然静かに……」  アレを足裏以外の箇所に使われたことは未だない……  だけど、あの羽根がいかに敏感になった神経を破壊し尽くすものなのかは理解できている。  だから……これから行われる責めは……きっと博士であっても耐えられるようなものではない。  あんな柔らかそうで優しそうな見た目をした責め具だが……鋭敏にされた神経にそれを使えば恐ろしい凶器に早変わりしてしまう。  人を無理やり笑わせる事が出来る……おぞましい凶器に…… ――ビィィィィィィィッ!!! 「ッっっ!!?」  甲高い電子音が開始の合図を告げ、いよいよそのおぞましい凶器は博士の無防備な身体へと吸い付くように次々と接近し、肌の表皮に羽根の先端だけが付くような距離を保って身体の全ての側面を羽根で覆うような姿に博士を変えてしまう。 『廃棄処分……第一段階……』  身体の至る所に羽根先が突き立てられる刺激を受けた博士は電流が走ったかのように身体をビクンと震わせ、自分が羽根の様な物に全身を触られているという事を自覚し、桃色に染めていた頬を今度は血の気の引いた薄暗い影で覆い始める。  そして機械の音声は、その様に自分の置かれた状況を悟ってしまった博士に対し無慈悲な言葉をスピーカーから発し、備えの整った機械の手達に血の通っていない命令を下していく。 『……開始!』 ――ガチャン!  開始の合図と鍵が閉まるようなガチャンと言う音を合図に羽根は一斉に博士の皮膚上に薄く乗せていた羽根先を動かし始める。  三本指の機械の羽根手はそれぞれをランダムに上下させ博士の身体の表皮を摩る様にくすぐっていく。 ――コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!! 「やはっっ!!? にヒャハっっ!? ちょっっ待っっはっははははははははははははははははははははははははは、あにゃ~~~っっはははははははははははははははははははははははははは、にゃにコレやばいぃぃひひひひひひひひひひひひひひひ!!」  体中のあらゆる“側面”と呼ばれる肌を埋め尽くすように羽根指を配置している機械の手達。毛は繊細で芯の強そうなそれらの羽根先が、裸にされ敏感にさせられた肌を一斉になぞりはじめるものだから博士は一瞬にして刺激の渋滞が脳内で引き起こされパニックに陥る事となる。 「ギャハ~~ッハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、うはははははははははははははははははははははは、身体中がっはははははははははは、カラダ全部がこしょばいぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、ニャハハハハハハハハハハハハハハハ、あひ、はひ、ひぃぃっっ!!?」  腋や脇腹などのウィークポイントは勿論の事、首筋や鎖骨、肩や肩甲骨、肘や二の腕、手首付近、そして手のひらに至るまでワキから続く手に至るまでの全ての部位が羽根の指によって蹂躙され、博士に耐え難いこそばゆさを与えている。 「うはっっははははははははは、ひゃははははははははめぇへへへへへへへへへへへへへへ!! 胸やだぁっははははははははははははははは、胸はやめれぇぇへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」  ワキのすぐ下の脇の下には複数の手が集まって獲物を嬲る様に集中的にくすぐりを行い、その少し上に膨らんでいる彼女の立派な胸の丘陵にも多数の手が群がりくすぐりの餌食にされている。  そのくすぐり方は陰湿そのもので……見ているだけでも浮足立つほどゾワゾワしてくる。  決して快感になるような刺激は与えない……だから、最も敏感であろう乳首の先端などは絶対に羽根先を近づけない。その代わり、乳輪の周りや胸の谷間、胸横から下乳にかけての“もどかしさ”を感じやすい箇所には全力で羽根を這わせて撫で回している。  快感の様な鋭い刺激が与えられたならくすぐったさも多少は紛らわす事も出来ただろうが……そうはさせまいと機械の手は敢えてその箇所以外の場所をくすぐって博士を悶えさせる。 ――コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ! 「ギャ~~ッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、わははははははははははははははははははははは、いひぃぃっ! はひぃぃっっ!! かっッははははははははははははははははははははははははははは、臍もだめぇぇへへへへへへへへへへへへへ、くひひひひひひひひひ」  胸の丘陵を下った先の腹部についてもえげつない責めが行われている。  くすぐったさを強く感じる脇腹には当然複数の手が集まって嬲りを入れているが、それ以外にも特に臍の周り……臍の穴の中、その周囲にも手が回されており、その繊細な羽根の先端でコチョコチョと音を立てて肌の表皮をくすぐり回している。  特に博士は臍の穴の中を羽根でくすぐられるのが弱いらしく、そこに羽根先が入ると一際大きなリアクションを取って笑いのトーンを上げてしまう。 「にゃはははははははははははははははははは、えひひひひひひひひひひひひひひ、えへえへ……くへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、イヒィッッヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!! 股間はズルいぃィひひひひひひひひひひ、股間とお尻はズルいからぁ~っははははははははははははははは」  機械の手は蹂躙する相手が花も恥じらう乙女であっても、そこに“くすぐったい”という刺激を感じられるのであればそこを責める事に躊躇する事はない。  人間であれば少しは気を遣ってしまいそうになるであろう、女性の陰部であっても羽根の指は容赦なくそこを責め立てに来る。 ――コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!  勿論……胸同様、受け手に快感を与えるような事をしてはならないというルールがあるようで……  キワドイ箇所はギリギリ羽根が触らないよう調節して責め立てている。  肩幅に開かれた股間は……そういう刺激に滅法弱い足の付け根の部位を晒してしまっている為、羽根はそこを狙い撃つように群がってコソコソと羽根先で弄り回している。  こうなるのであれば、一思いに陰核や陰唇などの性的刺激を与えてくれる箇所を触ってくれと叫びたくなるだろうが、機械の手達は決してその要求を聞いてくれることはない。  触って欲しい箇所には一切触れず……触って欲しくない敏感な箇所を集中して触り続けるのだから…… 「がはっっははははははは、いひひひひひひひ、うひひひひひひひひひひ、ひぃひぃ! んへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、だひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、もうやだぁはははははははははははははは、こんなの頭おかしくなるぅぅふふふふふふふふふふふふ!!」  ベッドから浮くように持ち上げられている身体の底面にも容赦のない刺激が加えられている。  背骨に沿って何本もの手が列を組み骨の浮き出た隣をコショコショなぞって凶悪な刺激を生み出しているかと思うと、肩甲骨や首の裏、ワキの裏である肩の部位や二の腕……ワキに至る直前の柔皮膚の部位に至るまで羽根がまとわりつき、博士の笑いの潤滑油となるべくおぞましい刺激を与え続けている。  背中の骨の両脇に沿って並んでいる羽根達……その終点に位置する腰の部位にも複数の手が群がっており毛の先端を巧みに上下させ博士を笑わせている。  腰の下には……更に刺激を強く感じてしまう尻の部位が広がっている。その尻の部位にも当然の如く羽根は多数群がっており、尻を包み込むように羽根先を這い回らせ博士を苦しめている。 「ィギャハハハハハハハハハハハハハハ、お尻ひひひひひひひひ、尻やめでぇぇへへへへへへへへへへへへへへ、撫でないでへへへへへへへ、そんな細いモノでお尻撫でないでぇぇへへへへへへへへへへへへへ、だひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、くひぃぃっっひぃひぃひぃひぃひぃひぃ、ンヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!」  胸の膨らみをなぞるかのように尻の膨らみに毛先を当てつつツツツ……と撫でていくその刺激は、耐え難い刺激になっている事は想像に難くない。機械の責めはそれだけには留まらず、尻のワレメの溝や尻の穴の周囲にまで攻め手を伸ばしている。  その刺激がいかにおぞましい刺激になっているか……これ以上見ているのも辛くなる程に想像だけで震えが止まらなくなる。 「うひぃ~~っひひひひひひひひひひひひひニャハハハハハハハハハハハハハハ、はひぃぃっっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、アヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、あじぃやばいぃぃひひひひひひひ、あじ裏やばいぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、ウヒィ~~ッヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ、だははははははははははは」    羽根は太腿にも這っているが、勿論内太腿にも多数虫が蠢くように這い回っている。  そのこそばゆさは想像を絶するものだと思えるが……羽根による刺激で一番辛いであろう箇所にはまだまだ及ばない。  羽根によるくすぐりで私的に一番我慢ならない箇所……それは……足の裏……だ。  あの様に繊細で毛先が針の様に尖っていて……それで尚且つ芯もしっかりしている羽根先に足裏を撫でられたらと思うと……それだけで不意に笑いが込み上げてきてしまう程猛烈にくすぐったい。  腋や脇の下は手で揉まれるようにくすぐられるのが私は弱いが、足の裏だけは手ではなく羽根を使われると気が狂いそうになる程笑ってしまう。  あの痛痒い毛先が土踏まずの敏感な神経に触れる……などと考えるともう……奥歯が浮いて口が笑みの形に勝手に変わっていってしまう。  触れた後、上下に撫でると想像しただけで勝手に身体は震えだすし……足裏がゾワゾワして思わず床に足裏を擦り合わせたくなってしまう程だ。  そんな……想像するだけでしんどくなる足裏なのだけど……この発電施設は頭が本当におかしいのか……なぜか足裏の部位だけは別のカメラで撮影していて、左下にその様子を映し出す別枠を用意して放送さえしている。  余程そこをも見て欲しいと思っているのか……それとも、体中を余すことなく見せたいという意図があってやっているのか理解は出来ないが、この映像を見ている以上嫌でもその左下の枠は目の隅に入ってきてしまう。  そしてそのあまりに壮絶な責め具合を見てしまい、私達は言葉を失う事を余儀なくされる。    映像には……博士の足裏の皮膚が殆ど映っていない。  博士の足は少し大きめのサイズである事は責めが行われる前に感じていたのだが……その大きな足が埋め尽くされるほど機械の手が集中して集まっている為、映っているのは機械の手とそれを支えるケーブルが絡まんばかりに蠢いている様子くらいしか伺えない。  とはいえ、機械が責める為に動けば多少なりとも僅かに皮膚が映りこんでくるのだけど……その映りこんだ一片を見て判断するに、博士の足裏は羽根の靴を履かされているかのような量の羽根に埋め尽くされている事が分かってくる。 「はひ! あひ、はひぃぃ! くるひっ! くるひっっひひひひひひひひひひひひひひひひ、うぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、くるひっっひひひひひひひひひひひ!! もうダメ! もうやめでぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、えへへへへへへへへへへへへ」  カカトを擦る複数の羽根達…… 「ダヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、いぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、ひぃっっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! くははははははははははははははははは」  足の左右の端を上下に大きくなぞる羽根達…… 「にゃはははははははははははははははははは、えぎっひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! くぅ~ゎははははははははははははははははははははははは、ンハハハハハハハハハハハハハ!!」  土踏まずの周りを掃くようにくすぐる羽根……  土踏まずの中心をコチョコチョ小さく掠る羽根……  土踏まずの上部を羽根先でツンツンと突いている羽根…… 「がはっっはははははははははははははははは、イギャハハハハハハハハハハハハハハハハハ、うへへへへへへへへへへへへへへぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひ……息がぁっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、息がでぎないぃひひひひひひひひひひひひひ!!」  拘束された足指の間をサワサワと撫でる羽根……  指の付け根を強くゴソゴソと触り回している羽根……  指一本一本をそれぞれ担当するように丁寧に撫でくすぐっている羽根…… 「た、たしゅけぇへへへへへへへへへへへへへへへへへ、もう無理ぃひひひひひ、こんなの耐えらんないぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、ンハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」  足の爪も爪の間も足の甲も足首さえも羽根達が這い回り……徹底的なくすぐり嬲りを執行している。  足の惨状を見ただけでも……思わず目を背けたくなる私だが、機械はこの責めを“第一段階”だと最初に告げていた。  つまりは……まだ、これは序盤であり……これから更に過酷な責めに変わっていく……という含みを持たせている。 ――ビィィィィィッ! 『羽根ニヨル、感度上昇作業ガ完了致シマシタ、続イテ第二段階ノ“消耗責メ”ヘト移リマス……』  始まって数分しか経っていないというのに、博士の顔は汗と涙と涎でグシャグシャになっている。 第二段階へと移行するにあたり羽根での責めは終了を迎え、今度は“ちゃんとした機械の指を装着した”手が這い上がってきて入れ替わる様に博士の身体に狙いを定め始める。  その大きさは先程の羽根の手と同じ程度……数も同程度であり、彼女を手で覆い尽くすには十分な数が這い出してきた。 「かはっっ! ゲホゲホ! うぇっっへ! ゴホゴホ! はぁはぁはぁ……」  入れ替わる間の僅かなタイミングに入れられた束の間の無刺激の時間。  博士は、その時間がおそらく最後の休息時間だと悟り、懸命に肩を震わせて呼吸を繰り返す。  今までの段階が“刺激を感じる感度を上げる”為に行っていた責めであり、次に控えているのが“消耗責め”と呼ばれる責めである事がアナウンスされた事から……次の責めでは体力か……もしくは生命持続力自体を消耗させる予定の責めになる事は確実だ。  だから、この隙に……少しでも……肺に空気を入れ込んでおいて備えておかないと……博士の命は1時間と待たずに消えてしまう事となりかねない。  それを見ている私の手にも力が入る。  今のうちに肺に空気を満たして、出来るだけ頑張ってくれ! と、強く願いを込めるのだが…… 「はぁはぁはぁ……はぁはぁ……これが廃棄処分なら……モニターか何かで公開されている筈よね? 確か……公開廃棄処分って言ってたし……」  ある程度の呼吸が整った博士は突然、独り言のようにカメラに向かって語り掛け始めた。  まだ十分に酸素を吸えていなかっただろうに……ゼェゼェと酸欠気味な呼吸を繰り返しながら必死に言葉を紡ぎ出した。 「今ので……ヤバさは分かった。これ以上の責めを今から与えられるんだったら……私の気はすぐに……正常を保てなくなるのは目に見えてる……。だから、これが放送されている事を願って……そして、この放送を見てくれているという事も祈りながら私に最後出来る事を……今するわ……」  機械の手は今にも動きそうな構えを取っているが、駆動する為の電気を溜めているのか指一本動かす様子も見せず博士の身体を狙い続けている。  もう少しでも指が動けば博士の肌に触れてしまうというギリギリの距離まで迫ってきてはいるのだが、幸か不幸かその指はまだ動かずに睨みを利かせたままとなっていた。 「ミシャさん! コレを聞いていたら思い出してください! 残り日数は限られてしまい情報を集める時間は無くなってしまいましたが……貴女には“やるべき使命”がある筈です!」  そのように声を上げるマリアさんに機械達はいよいよ活動を再開させるべく駆動音を徐々に高め、指の関節をゆっくりと動かし始める仕草を見せ始めた。  ミシャと言うのは……私の名前。  つい先ほど思い出した記憶の断片にも博士にそのように呼ばれていた事から、私の名前はミシャであると思い出す事が出来た。  そんな私に……博士はカメラ越しに“やるべき使命”があると訴えかけている。  その言葉……声に……私の身体は再び雷を打たれたようなショックを受け、その言葉に関連した記憶が蘇ってくる。 ―――― ――  カツンカツンとヒールの鳴り響く音……  そしてなにやら沈んだ面持ちで重い言葉を頑張って絞り出そうとしている私……  その心境は……かなり沈んでいると言わざるをえない。 『施設の中で少しでも違反を犯せば……死ぬより苦しい懲罰を受けると……聞き及んでいます。少しのミスで博士もその対象となる可能性があるんですよ? それが分かっていても、やはり参加されるおつもりなのですか?』  暗い通路を歩く私……消えかけの電灯がその先を歩いている博士の後ろ姿に影を差して映し出している。 『前にも言った通り……私には私の目的があって入るつもりなんです。例え自分の身が危険になる事が分かっていたとしても……私の意思は変わりません……』  後ろを振り向かず歩みを続けながら博士はそのように私に零した。  私は何かを決心したかのような心持で目を瞑り、博士に続きの言葉を話し始める。 『聞いた話によると……あの首輪は……外そうとすれば思考読み取りとか関係なく自動的に周囲の警備ロボットを呼んでしまうらしいですね? そういうセーフティが付けられていると聞きましたよ?』  その言葉を聞き博士の歩みがふと止まる。私もそれに合わせて歩みを止める。 『その情報を……どこで聞きました?』 『え? いや……リーダーを問い詰めたら……その様に……』 『ふぅ……。成程……やはり彼女にも伝えるべきではありませんでしたね……』 『なっ!? ではやはり事実だったのですか!』 『えぇ……』 『そういう大事な事を……なぜ私に隠していたんですか! そうなると分かっていたんでしたら首輪など自分で……』 『別に隠していた訳ではありません。ただ……知らずに計画を立てていて私以外の誰かが犠牲になってしまうのは考えたくなかったので……作戦担当である彼女にだけこっそり教えておいただけの事です……』 『ぎ、犠牲にって……だ、だから博士は名乗りを上げたんですか? 誰かが犠牲にならないとアレが外せないから……』  博士がこちらを振り返り神妙な面持ちで私の肩に手を置く……  その手は彼女の手はズシリと重く……彼女の思いの強さをその重みで悟る事となる程だった。 『この前実践してみて分かったでしょう? あの首輪は……自分自身の手では外せないよう作られているって……』 『た、確かにあの時は外せなかったですけど……あれは私のカードの入れ方が悪かっただけで……』 『いいえ! 残念だけど……あの首輪は間違いなく自分一人の力では解除出来ないようになっているわ。装着する前に生体認証を記憶させるプロセスがあるって教えたでしょう? その認証が完了するとカードを扱っている人間の生体認証が同じであると認識すると首輪は外れてくれなくなるの……そういう設計にしてあるの……』 『そ、そんな! だって博士がカードを差し込んだ時はあんなにもすんなりと……』 『首輪とこのカードは同じつくりをしているわ。生体認証を感知して……開錠とロックをコントロールしている。あの機械達は首輪のプログラムに“自分自身で開錠が行えない”というルールを加えて脱走の阻止を行っているのよ……』 『しかし、自分では外そうと思えば出来るはずですよね? 最初はそうなっていた筈ですから……』 『出来るけど……それにはどの道プログラムを書き換えなくてはならないっていう工程が必要になるわ。自由に動き回れないあの施設の中でそれを行う暇があるとでも?』 『そ、それは……』 『七日間という限られた時間で……ハッキング用の機材を探す時間を割くよりも、機械達の行動パターンや隙を探る方に労力を費やした方が効率的だとは思わない?』 『……それを言われると……自分は……』 『そういう無駄な考えを貴女に起こさせたくなかったから“外そうとしたら捕まる”っていう情報は内密にって言っておいたんだけど……知っちゃった以上もう隠せないわね……』 『つまりは……こういう事ですよね? 私が行動する為には首輪は外さなくてはならない……でも、首輪を外すのは自分ではできない……。だから二人であの中に入って……一人が私の首輪を外す役割を担う……と』 『…………………………』 『その首輪は……外そうとしたら最後……カードを入れ込んだ瞬間警備ロボが来て……捕まる事になってしまう……そういう事……ですよね?』  『…………そうね……』 『博士がその役を……やると? 絶対に捕まってしまうと分かっていながら……それでもやると?』  そこまで私が零すと、博士は私の肩を握ったままニコリと笑顔を作って見せた……  その笑顔は決して私を和ませるような笑顔ではなかったけれど……信念を宿した力強い笑顔であり……彼女の覚悟の表れがそこから見てとれた。 『大丈夫。必ず……私がミシャさんの首輪を外してあげます。だから、貴女は私の事など気にせずに自分の“使命”を全うしてください!』  と、告げて私の肩を何度も気合を送り込むように叩き、再び振り返って通路を歩き始めた。  そして丸みを帯びた鋼鉄製の扉の所まで歩み進めると最後に…… 『でも……気にかけてくれてありがとう。この様な私の事を……』  と、零し私と共にその扉へと入っていった。 ―――― ――  記憶はそこまでしか蘇らず……結局私が入った目的が何なのかや私の使命が何なのかはこの記憶では分からず仕舞いだったが……  はっきりと分かった事が三つほど増え……私はその三つの事実から、今の自分がどれほど絶望的な立場に置かれてしまっているのかを知らされることとなる。  一つは……首輪は自分の力では外すことが出来ず……誰かの手を借りなくてはならないという事。  二つ目は……その首輪を外そうとすれば……思考読み取り等関係なくセーフティが働き、外そうとした人間に看守ロボットが集まってきてしまうという事。  そして三つ目は……  私のこの首輪を外す予定だったのは……マリア=ウィッドマン博士その人であったが……  その博士は既に機械達によって捕まえられており、すでにモニター越しにしか見る事は叶わなくなったという事実に伴い……  首輪を外す計画が……  完全に破綻してしまっているという……残酷な事実……。  そして、その事実に至ったのを皮切りに……機械は再び博士の身体に攻め手を這わせ始める。  彼女にこれ以上の言葉を喋らせないとするように……  彼女の必死な訴えを……遮る様に……。


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