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新説・笑い地獄~閻魔女王によって作られた新しい地獄~②

#2 ――コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ♥ 「ぎゃ、ぎゃ~~~~~っはははははははははははははははははははははははははは、いひゃ~~~ははははははははははははははははははははははははははは、にゃにこれぇっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへ、くすぐったっっははははははははははははははははははははははははは、くすぐったいぃぃぃひひひひひひっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! やめてっっ! くすぐったいぃぃひひひひひひひひひひひひ!!」  獄卒達の持つ……手のひらよりも少し大きな長さを持つ白い羽根。それらの羽根が遥の拘束された裸の身体中に這い回され、遥は絶叫の様な激しい笑いをその小さな口から吐き出し始めた。 「オギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、ひぃひぃ! いひ~~っっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、待っでぇへへへへへへへへへへへへへへへへ、ホントにくすぐったひひひひひひひひひひひひひひひ、ホントにくすぐったいってぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」  胸の横に立った獄卒は遥の伸びきった腋に羽根を……  足の下の所に立った獄卒達は遥の裸足の足の裏に羽根を……  股の間に立った獄卒は二本の羽根を使って左右の内太腿を……  浮かされた体の下に潜り込んだ獄卒は遥の背中の筋を……  それぞれが、それぞれの担当をこなすように羽根を上下左右に素早く動かし、遥がくすぐったいと感じる箇所を集中的にイジメるようにくすぐりを入れていく。 「どうだ? 魂の体になった事で物質的な制約が無くなったから、刺激そのものを直に感じられてくすぐったいだろう? 物質世界でのくすぐったいという刺激は、神経を経由して脳に刺激が届ける頃には身体の負担を抑える為に多少緩く伝えるものだが、魂の体になれば身体への負担とかそういうのを考えなくて済むのだからリミッターが存在しない。だから本来の殺人的な刺激も魂に感じさせることが可能なのだ……」 「あぎゃはははははははははははははははは、いぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、死ぬっっふふふふふふふふふふ!! こんなの死んじゃうっっふふふふふふふふふふふふふふふふふ、くぁははははははははははははははははははははは!!」 「安心しろ、死ぬことは絶対にない……というかお前はもう既に死んでいるじゃないか。これ以上死ぬという概念はこの地獄には存在しないぞ?」 「あがははははははははははははははははははは、だって苦しいぃぃひひひひひひひひ!! 生きてる時みたいに苦しい感覚があるぅふふふふふふふふふふふ!!」 「お前の感覚は疑似的に肉体を持っていた時の感覚を再現できるよう弄ってある。だから、肉体はないけど物理的な刺激を感じられるし、その刺激も神経や脳を介さず直接魂の受容体に届けられるようになってもいる。苦しいという感覚は確かに疑似的なものだが、でも、お前の身体は肉体を持っていた時と同じように……いや、肉体の制約を無視して感じる事が出来るから、余計に苦しい思いをする事になる」 「やめっっっへへへへへへへへへへへへへへへへへ、あじの裏ぁははははははははははははははははははははは、やめっっ! やめぇへへへへへへへへへへへへ!! くすぐったすぎて死ぬぅぅふふふふふふふふふふふふふふふ!!」 「魂の体なのだから死ぬ事は無いし物理的な制約も無いから喉が枯れたり腹が捩れる事もない……でも、喉が枯れる感覚は味わう。笑い過ぎて腹が捩れる感覚もリアルに味わう。体力という概念も無いから疲れるという事も本当は無いが、お前は疲れを感じる事が出来る。疲れや苦しさを極限まで感じる事が出来るが死ぬ事が出来ない為それを永遠に味わい続ける事になる……。それがこの笑い地獄が地獄である所以さ……」 「はひはひっっひひひひひひひひひひひひひ! ワキも無理ぃひひひひひひひひひ、ゾワゾワ、ムズムズして無理ぃひひひひひひひひひひひひ! 笑いが抑えらんないぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、うひゃぁあぁははははははははははははははははははははは!!」  足の裏に羽根を這わせている獄卒は羽根を持っていない反対の手で遥の足指をしっかり掴んで、彼女が足先をバタつかせて暴れないよう拘束しながら足裏を羽根の先で上下に撫でさせてくすぐったい刺激を送り込んでいる。  ワキを責めている獄卒も遥の伸びきったワキの窪み部分に羽根を持っていない手を運ばせ、人差し指と親指を使って更に腋の肌を広げるように手を加え、その広がった腋の肌に羽根を這わせてコチョコチョと素早くくすぐりを入れている。  そのくすぐったさたるや遥が経験したどんな刺激にも該当するような感覚は無く。全く初めての激しい擽痒感であると理解するしか認識する余地が生まれない。  生まれて死ぬまで……これほど腹の底から笑いを搾り取る様な刺激を受けた覚えなどない。  例えくすぐられた経験があったとしても、ここまで強制力のある刺激を長く続けられた事など無い。  一つ一つの羽根の刺激が凶悪なのもさることながら、「今触られたくない!」と強く思っている所を的確にくすぐって来る獄卒の巧みなくすぐり方にも大いに笑わされる。  まるで……剥き出しの神経を直接触られて刺激されているかのような耐え難いムズ痒さ……  まるで……横隔膜があったらそれを強制的に収縮運動させられ、笑いという生理現象を無理やり起こさせられているかのような……そんな途切れない笑いの連鎖……  肉体があったならそう感じていたであろうと遥も思ってはいるが、実際には何かに触れる肉体は持ちえていない。何かを感じる器官やら感覚器やらも持ち合わせてはいない。だから一層理不尽さを感じてしまう。自分は触れないのに相手からは自由に触れる……その様な理不尽さが感じられ怒りの感情も沸々と湧き出して来てしまう。 「あがはははははははははははははははははははは、イギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、やめっへへへへへへへへへへへへへ、やめろっほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほ、もうヤメっっへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、ひ~っひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」  しかし、どんなに怒りが湧こうと……どんなにもどかしい気分になろうと……遥は笑わされる。  どんなに喉が嗄れて痛みを感じる気がしても、酸欠で苦しい感覚があっても、限界以上に疲労が蓄積していると思っても……遥は延々と笑わされ続ける。終わりが無く延々と…… 「どうだ? 苦しくて堪らないだろ?」 「ヒャガハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、ぇへへっへへへへへへへへへへへへへへへへへへへひひひひひひひひひひひひひひひ!! いひぃ~~っひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ!!」 「腹が捩れて痛く感じるだろ? 酸欠で朦朧とする感覚も味わっているだろ?」 「ヒィヒィ、いっっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! うぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」 「体中の節々が暴れて痛くなってきてるし……暴れすぎて疲労も限界に来てるし……笑う元気も無くなってきてると感じているだろう?」 「ひゃは……っっぁはははははははははははははははは、はにゃあぁあはははははははははははははははははははは、ニヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ、イヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!! うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、ぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 「でもそう感じる感覚は気のせいだからな? お前は実際は疲れる事も痛みを覚える事も意識が朦朧とする事もない。お前の生前の記憶が、肉体があった時の感覚を覚えているから、それを再現しているに過ぎないのさ……だから、いくら苦しんでもいくら疲労を感じてもその先に辿り着く事はない……永遠に苦しいという感覚を味わい続けるだけだ」 「はぎゃぁははははははははははははははははははははははははは、だじゅげでぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、ぐるじいぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、ぐるじぃのが永遠に繰り返されているみだいぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、だぁはははははははははははははははは!!」 「そうだな。確かに……ラジカセなんかのオートリピートに近い感覚だろうな……。限界まで苦しみが達したら一定のラインに巻き戻ってまた新鮮に苦しみだす……。くすぐったさも同じで、慣れるか慣れないかの絶妙なラインまで刺激を受けた後はまた新鮮な刺激に巻き戻ってくすぐったさを再セットする……そう言うのが今お前が味わっている感覚だな……」  宙に浮かされ、手足を拘束されているにもかかわらず遥の身体は獄卒達のくすぐりにを拒否するようにジタバタと暴れる行動を繰り返す。  しかし、どんなに暴れても頑丈な枷は遥の手足から外れるような事もないし、彼女の抵抗を許容する事もない。  ある程度手足を暴れさせたと見るや枷が自動で巻取りを開始し、更に遥の手足が伸びきる様にと引っ張りを強化する。  すると、遥の手足は動かす隙も与えられない程柱の方へと引っ張り込まれ、彼女がいかに力を込めて抵抗しようともビクともしなくなってしまう。 「ダヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、あひゃぁははははははははははははははははははははははははははは、ヒィヒィ! いひっっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、くすぐったいぃぃひひひひひひひ!! くすぐったいぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! はにゃあぁはははははははははははははははははははははははははははは!!」  しかしこの強制的な引っ張りも少し時間が経てば、ワザと遥に抵抗する余地を与えようと緩みを与え始める。  これは“暴れて嫌がる様子も獄卒達の楽しみ”である為、敢えてそのように措置が取られているのだ。  そうとは知らず、遥は鎖の引っ張りが緩めば精一杯に抵抗しようとするし、そうでなければ暴れる事も許されず気の狂いそうになる笑いを延々と吐かされるという地獄を味わう。 「遥ちゃ~ん? ココはどうかしら? 脇の下もくすぐったいよねぇ? ほ~ら、ココも沢山くすぐってあげるから笑ってぇ~? コチョコチョコチョ~♥」 「ギャ~~~~ッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、脇の下ぁぁはははははははははははははははははは、ナデナデやだぁははははははははははははははは!! それやだぁはははははははははははははははははははははははは!!」 「遥ちゃんコッチは~? ほら、足の裏の土踏まずぅ♥ ココ好きでしょ? 羽根の先で~コソコソコソ~って引っ掻いてあげるぅ♥ もっと笑ってぇ? ほらほら……コショコショコショコショ~♥」 「あじも駄目ッっへへへへへへへへへへへへ、足だめ!! 駄目っぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、逃げられないの辛いぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」 「ほらほら、超敏感なアソコには触れそうで触れないこのくすぐりも効くでしょ? 股の間や内太腿を弄られるのって女子にとって耐えられない刺激よね~? こちょこちょ♥ こちょこちょ♥」 「あはっ! あははははははっっ!! アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!? やっっめっっへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、信じられないくらいもどかしいぃぃひひひひひひひひひひひひひひ!! そこもどかしいぃぃ!! どうせなら一思いにアソコを触ってぇへへへへへへへへへへへへへへへ!! イヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」 「まぁ! アソコを触ってなんて……なんてはしたない事を言うのかしら? 悪い子ねぇ~? そんな事言う悪い子は背中コチョコチョの刑だぞぉ~♪ そ~れ、コチョコチョコチョコチョ~♪」 「はぎゃあぁああぁぁぁははははははははははははははははははははははは、背中もダメ! もう、どこもダメ!! 何処触られてもくすぐったいぃぃひひひひひひひひひひひひひ!! くすぐったいぃぃぃ!!!」  性感帯である胸や陰部には決して触れようとせず、遥がくすぐったいと思う箇所を集中的に羽根で撫で回して笑わずにはいられない刺激を送り込み続ける獄卒の女鬼達……。羽根は常に遥の肌に触れ続け、上・下・左・右・斜めにと様々な方向へランダムに移動しながら引っ掻く刺激を与え続ける。  それが何分続いたのか? 何十分? いや何時間?? 遥には無限に続いているかのように思える時間をその羽根によって笑わされ続けているが、彼女の意識や体力が尽きる事は無い。  意識が飛びそうになれば無理やり覚醒させられるかのようにハッと意識が鮮明になり、くすぐったいと思っている刺激もより新鮮に……より鋭敏に感じられるようになる。  体力が尽きるほど疲弊させられたかと思えば……それが尽きる直前に電気ショックを受けたかのような痺れが全身を襲い、その痺れが取れる頃にはまた再び笑いを吐く事が出来る状態まで強制的に回復させられてしまう。  このループが自動的に延々と繰り返される為、遥は休む事も許されず途切れる事のない笑いを吐き出し続けすぐ酸欠状態になる苦しさに身悶えを繰り返させられる。 「おでがひひひひひひひひひひひひひひひひ、もうゆるじでぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、笑うの嫌ぁははははははははははははははは、もう笑いだぐないぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」  遥がどんなに懇願しても、5人の獄卒達は聞く耳を持たず楽しそうに羽根を動かして彼女の身体をくすぐり続ける。  どんなに苦しんでも……どんなに泣き叫んでも……彼女達がくすぐりをやめる事は無い。遥の苦しみを増長させるかの如く、これでもかこれでもかと言葉で煽りながら無防備に晒された弱点を延々と責め立て続けていく。 「だでがぁっっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、誰がぁぁはははははははははははははは、たしゅけでぇへへへへへへへへへへへへへへへ!! この人達の手を止めでぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、おでがいぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」 「遥ちゃ~ん? ほらぁ……次は腋の窪みを羽根の先でほじくってあげる♥ コショコショコショ~♪」 「足の裏は羽根の柄で引っ掻いてあげよっかなぁ~? ほ~ら、カリカリカリカリぃ~♥」 「フフフ♥ またアソコの近くまで羽根が近づいたわよぉ? ほら……触ってあげよっかなぁ~? どうしよっかなぁ~? ……でも、だぁめ♪ その直前をコチョコチョしまぁ~す♥」  「首の裏から腰までを一気にス~って触られるのもヤバいでしょ? ゾクゾクゾクっ! って寒気が走って……身体が勝手に動いちゃうよね? ほ~ら、サワサワ~~♥」  遥の懇願は誰の耳にも届かないし、誰も聞き入れない。  観客である獄卒の鬼達は、延々と繰り返される遥の笑い悶えを見て……飽きたら自分の持ち場へと帰っていくし、暇になったらまた見に来る……そして満足したらまた持ち場へと戻る……を繰り返すだけだ。  攻め手である女の獄卒達も、遥に対して放つ言葉は常に一方通行の責め言葉だけで、誰も彼女の身を案じたり同情したりはしない。くすぐる事が仕事であると主張するかのように淡々と与えられた持ち場で羽根を動かし続け遥を常に笑わせる状態を保っている。  止まる事のない責めに、止む事のない絶叫に近い笑い声……このコロセウムには遥の無様な笑い声が延々と鳴り響くだけで他に何もない。  モニターに映し出された遥の顔は、これを受ける前のあの反抗的な表情が別人であったかのように目は垂れさがり頬は口角と共に上がりっぱなしの形を維持し、口は常にVの字に歪んで涎を大量に垂らしながら開きっぱなしとなっている。  もはや、自分の素の表情がどんな表情を浮かべていたかすら思い出せなくなる程、顔は大笑いの形に固定され他の表情を浮かべる事も困難にさせられている。 「フフフ……良い顔で笑うようになったな。どれ……折角だから、今のお前の無様な姿を自分で見れるようにしてやろう……」  獄卒長がその様に言って指をパチンと鳴らすと、遥の目の前に小さなモニターの画面が浮いて出現した。その画面には、自分の今の状態を真上から映し出している全体映像と、横の小窓にくすぐられている箇所のアップと笑っている自分の顔のアップが同時に映し出され……今まさに自分がどのようにくすぐられ、どのように笑い悶えているかをその映像で確認する事が出来るようになってしまう。 「バギャヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、はぎゃははははははははははははははははははははははは、ゴレ、わだじ? ごれ……わだじの身体にゃのぉ? わだじぃぃひひひひひひひひひひひひひひひ!? くちゅぐられてるっっふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ、鬼の人にぃぃひひひひひひひ!! 体中をぉほほほほほほほほほほ、ゴヂョゴヂョざれでるぅふふふふふふふふふふふふふふふ、イギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」 「ほら、自分の顔をよく見ろ。これが今のお前の顔だぞ? この顔を周りに居る皆に見られているんだ……どうだ? 恥ずかしいだろう?」 「あががはははははははははははははははははははははは、えぎひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、イヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ、わ、わだじぃぃひひひひひひひひひひひひひ!? ほんどにぃぃひひひひひひひ、ゴレ? わだじぃ?? 嘘でじょぉほほほほほほほほほほほほほほほほほほほ? ごんな顔で……わだじ……わらっっでるの!? 嘘だぁははははははははははははははははははははは、そンニャの嘘だぁははははははははははははははは!!」 「嘘じゃないさ。これが今のお前だ……ちなみに、これっちに映すのが……お前が生前、一番真面目に高校受験に挑んでいた時の優等生だった頃のお前の顔だ」  パチンと二度目の指を獄卒長が鳴らすと、モニターの自分の顔のアップの横にもう一つの自分の顔が映し出された。  その姿は確かに高校受験の追い込みの為に図書館で勉強に集中していた自分の姿……  学校のブレザーの制服を着て、右手にはシャープペンで目の前のノートに書き写しを行っていて、左手は教科書を忙しなく捲る姿がハッキリと映し出された。  その真面目な座り姿は何処か凛として何処か儚げな印象を与える映像であり……隣に映し出されている涎まみれの爆笑顔とは似ても似つかぬ別人のように見えてしまう程だった。 「あぎゃ~~~っははははははははははははははははははははははは、やめでぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、それをわだじの隣に映さないでぇへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! 酷いぃひひひひひひひひ、こんなの酷いぃひひひひひひひひひひひひ!!」 「ほら、よく見比べてみろ。お前は生前はこんなに美人で……こんなに真面目だったんだぞ? それが今はどうだ? そんな馬鹿みたいな顔で笑って……恥ずかしくないのか?」 「うわぁ~~♥ 遥ちゃん可愛い~~♪ 遥ちゃんって……制服がよく似合う美人さんだったのねぇ? 今じゃ考えられないけど……コチョコチョ♥」 「ほんとぉ♥ 口なんて閉じてさぁ? 疲れてるのに頑張って勉強してる感じがして……とっても可愛いわぁ♥ 今と大違い~コチョコチョコチョ♥」 「時々髪を弄る仕草……これも可愛いわぁ。 癖なんだろうね? 今じゃ髪に触る事も許されてないのにぃ~♥ コッチの遥ちゃんは自由で良いねぇ~? ね? こちょこちょ~♥」 「ギャ~~ッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、やべでぇへへへへへへへへ見ないでぇへへへへへへへへへへへ!! 恥じゅかしいぃひひひひひひひひひひ!! 見比べられるのぉぉほほっほほほほほほほほ、恥じゅかひぃぃっっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」 「恥ずかしいだろう? だったら少しは笑うのを我慢してみたらどうだ? このまま延々と笑うだけの時間になるのは辛いだろう?」 「つ、つ、辛いぃぃひひひひひひひひひ、辛いけどぉほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほ、笑いがぁはははははははははははははは、止められないのぉほほほほほほほ!! 自分ではぁはははははははははははは、笑うの止められないのっっ!! くすぐるのやめてぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ」 「だめだ。くすぐりは止めん。お前が自力で笑うのを止めるまで、この凛々しかった頃のお前は流し続けるぞ……」 「ヒャハァ~~ッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、無理ぃぃひひひひひひひひひひひひひ、無理無理ぃぃぃぃ!! 恥ずかし過ぎて死ぬぅふふふふふふふふふふふふ!! 笑うの苦しくて死ぬぅぅふふふふふふふふふふふふふふ!!」 「だから、お前は死なないと言っているだろう……。このまま変わり果てた自分の姿とまともだった頃の自分を見比べながら今の自分の無様さを痛感すると良い……」 「やだぁはははははははははははははははははははは、そんにゃのやだぁはははははははははははははははははははははははははは、こんな自分の姿ぁはははははははは、見たくないぃぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」  恥ずかしい裸の格好でX字に身体を拘束され、無防備に晒されているワキやら足の裏やら背中やら股の間やらを好き勝手くすぐられ、その刺激に耐えられず過剰に笑い狂っている自分の姿を見せられ……更には、生前の頃の自分とも見比べさせられ、いかに今の自分が無様かというのを見せつけられた遥は、その無様な姿を不特定多数の獄卒に見られている事にも気付かされ羞恥の極みまで追い込まれる事となる。  恥ずかしくて堪らない……  こんな無様な自分を見られたくない……  そう思えば思う程に羞恥の感情は遥の胸を熱く滾らせ、身悶えしてしまう程の焦熱が全身を襲い始める。  しかし、そんな恥ずかしさを覚えても……遥は笑う事をやめられない。  どんなに無様だと自覚しても……くすぐりが続く限り笑いを一瞬でも止めるというような事も出来ないでいるのだ。 「ハギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、わだじまだ笑っでるぅぅふふふふふふふふふふふ、羽根でゴヂュゴヂョされてぇへへへへへへへへへへへ、わだじぃぃひひひひひひ、まだ笑わされでるふふふふふふふふふふふふ!! 恥じゅかしいのにぃひひひひひひひひひひひひひひひひ!! 笑うの嫌なのにぃぃひひひひひひひひひ!! ダァハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」 「ほ~ら、遥ちゃ~ん? もっと笑おうね? コチョコチョ~♪」 「そうだよぉ? もっともっと笑って……もっと不細工になろうねぇ? コチョコチョ~♥」 「死にそうな顔で笑う遥ちゃんも可愛いよぉ? 私は好きだよ? だからもっと笑おう? ね? コチョコチョ~♪」 「こちょこちょ~こちょこちょ~♥ コチョコチョコチョ~♪」 「「「「こちょこちょ~♥ コチョコチョ~~♥ こちょこちょこちょ~~♪」」」」 「ギャ~~ッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ、やぁはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、だでがぁあぁぁぁはははははははは、だでがだずげでぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、おでがいぃひひひひひひひ、だでがぁはははははははははははははははははははは、わだじをぉほほほほほほほ、たしゅけでへへへへへ……」  遥の願いは届かない。  遥の想いも誰にも届かない。  誰も助けてくれないし、誰も不憫に感じてもくれない……  遥の周りに渦巻くものは純粋な悪意そのものだ。彼女を苦しめて楽しもうとする悪意だけが渦巻いている。  苦しい……辛い……もう嫌だ……  何度も何度もその感情を巡らすが、獄卒達のくすぐりは休む事を知らずに続けられる。  遥が笑い続けるよう……笑いが途切れぬよう……苦しむよう……。それはまさに機械にくすぐられているかのような無機質ささえ感じられる。  苦しい……と、辛い……が、永遠にループし終わりが見えない。  このまま自分はずっと……笑う事だけを強要され続けて……笑う事以外を禁じられた何かに変わり果てていくのではないだろうか?  そんな気さえしてくる……  これは確かに……地獄だ。  解放される事のない永遠に続く苦痛……それはまさに、現世で畏怖した地獄そのものの姿だ。  辛い……苦しい……辛い……苦しい……  笑う事がこんなに苦しいモノだったなんて……  笑わされる事がこんなに苦痛を生むなんて……  くすぐりなど、たかがムズムズする刺激を送り込むだけのただの悪戯程度のものだと思い込んでいた彼女だったが……  肉体が無くなり、魂だけの存在になった身体に行われるそれは……拷問そのものの刺激に他ならない。  その時は気付かなかったが……物質世界と呼ばれた世界に居た頃は、それなりに肉体を守るために脳や神経が過剰な刺激にリミッターを掛けていたのだと……今だから気付ける。  自分が味わってきた刺激の本質は……脳に届けられる頃にはかなりマイルドに置き換えられていたのだと理解出来てしまう。  それほど……この“羽根に触られる”という刺激は耐え難い。肉体がもしあったなら、直接脳の神経をこそばされているかじゃないかと思える程の激しいくすぐったさを感じてしまう。  そこまで行けばもはやくすぐったいではなく“痛い”という感覚を感じるものだろうが……この特別に作られたと言っていた羽根は、くすぐったさをそのままくすぐったいと知覚させる魔法か何かが掛かっているのだろう。お陰で、羽根の毛先1本1本が例外なくくすぐったく感じる。  そんな羽根で裸の神経をコチョコチョくすぐられるのだ……  それがどんな箇所であれ“くすぐったい!”と感じてやまない。  ましてや……そう言う刺激に弱いと自覚していた“足の裏”や“ワキ”などを撫でられれば……そりゃあくすぐったいと思わない訳がない。気が狂いそうになる程の笑いの欲求が勝手に湧いて吐き出されていくのは当たり前の話なのだ。 「あはあはあはあは、ぇへへへへへへへへへへへへへへへへへ、イヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ、くぁはははははははははははははははは!! わ、わ、わきぃひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ、ワキぃぃ、コチョコチョ駄目ぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! その羽根ぇへへへへへへへ、コチョコチョだめぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、イヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ……」 「ほらほら、笑いの勢いが落ちてきちゃったわよぉ? もっと笑わなきゃ駄目じゃな~い♥ コチョコチョ♥」 「ほ~れ、遥ちゃんの苦手な土踏まずコチョコチョだぞぉ? もっと笑え~~♪ こちょこちょこちょ~♥」 「ぎゃっっ! ギャハハハハハハハハハハハ!! はぎゃははははははははははははははははははははははは、アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!! あじの裏ぁははははははははははははははは、ちゅちふまじゅぅぅぅ撫でないでぇへへへへへへへへへへ!! コチョコチョしなでぇへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 「反対の足の裏も~土踏まずを集中コチョコチョしてやるぅ♪ ほ~ら、笑え笑え~♪ こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ~~♥♥」 「ぎゃはっっ!? はぎゃはははははははははははははははは!? ィギャ~~~~ッハッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、やめてって言ってるのにぃひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!! ぎひぃ~~っひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」 「わ・ら・え♥ ほら、わ・ら・え♥ もっと笑え~♪ コチョコチョ~♥♥」 「ワキも負けてないわよぉ? 遥ちゃんの苦手なワキの窪みぃ♥ 羽根の先でチョロチョロってこそばしてあげる♥ ほら、笑ってぇ~? コチョコチョコチョ~♪」 「ぎゃっっっっはっっっ!? はっぎゃぎゃぎゃぎゃははははははははははははははははははははははははははははは、ぇがやははははははははははははははははははははは、イヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャうぁはははははははははははははは……」 「アハ♥ 踊り出したぁ♥ お尻をフリフリしながら手足をバタつかせて踊り出しちゃったぁ♪ 可愛い♥」 「こちょこちょこちょ~♥ まだまだ笑わせるよぉ~? ほ~ら、コチョコチョ~♪」 「ハギャァァァハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、死ぬっ死ぬっっふふふ、もう死ぬぅぅふふふふふふふふふふふふ、だぁ~ははははははははははははははははははははははは!!」  意識が朦朧とすれば刺激によってすぐにシャキッと元に戻され、苦しくて死にそうになると回復魔法が掛かるかのように苦しむ直前の状態まで戻される……  これが永遠に繰り返され、やがて遥は……自分が今なぜ笑っているのか? なぜ苦しんでいるか? という認識が出来なくなっていく。  何時間……いや、何日間経ったのだろう? 全く変わらない責めに全く変わらない風景……全く変わらない遥の爆笑の連続に、最初こそ興味深げに観覧に来ていた獄卒達もやがては一人去り二人去りとコロセウムから足を遠のかせていった。  残ったのは数人の暇な獄卒達と……執着するように延々と羽根でくすぐり続ける女の獄卒達だけである。獄卒長も日に数回程度しか様子を見に来ないくらいにはこの場所は放置される事となった。  もはや何の変化もない。  これからはまさにこの状態が永遠に続くだけ……誰も助けようともせず放置され永遠に笑わされ続けるだけ……と遥も絶望の感情に呑み込まれようとしていた所だったのだが…… 「はぁ~あ、無様ね? こんな無様に笑うヤツの為に私は命を落としちゃったの? 今考えると勿体ないことしたわ~」  その時、明らかに獄卒達や獄卒長とは違う声色の女性の声が耳元で聞こえ、笑い悶える自分の姿を見る事しかしていなかった遥をハッとさせる。 「えっ!? っへっへっへっへっへっへっへ? う、嘘ぉほほほほほほ!? あ、あんたぁははははははははははははははははは、み、み、美奈穂っっほほほほほほほ!?」  今まで右のワキを羽根でくすぐっていた獄卒の顔が、いつの間にやら生前の美奈穂の顔へと入れ替わっていたのである。  しかも顔の入れ替わりだけではない……。声も表情も彼女のそのものであり、姿はビキニなどではなく死ぬ直前に着ていたあの学校のブレザーを身に纏って遥の真横に現われたのである。 「裸にされてさ……なに? くすぐられて悶絶させられてるの? 馬鹿みたい……」  声や姿は確かに美奈穂そのものだが、喋る言葉やその言い回しは彼女らしくはない。どちらかと言えば大人しいタイプの生徒であったため、遥にこのような言葉を言い放つなど有り得なかった。 「美奈穂ぉほほほほほほほほほほほほ、助けてぇへへへへへへへへへへへ!! お願いっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、これ苦しいのっっほほほほほほほほ!! 苦しいからぁははははははははははははははは、やめさせてぇへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」  肩まで届く長い黒髪……そして遥よりも育った胸部のプロポーション。脚も長くモデル体型……  そんな生前の彼女そのままの姿で遥の前に立った美奈穂だが、その表情だけは違和感がある程悪辣とした表情を浮かべている。まるで……遥に憎悪を燃やしているかのような……そんな怒りに満ちた表情を…… 「はぁ? 助ける? 何言ってんのよ? 私があんたなんて助ける訳ないでしょ? 私の事散々イジメた癖に……良く言えたわね?」  救いなど無いと諦めかけていたこの笑い地獄に、自分の知っている人物が突然現れ横に立ったのだ……遥はそれを“希望”だと感じない筈がなかった。  自分の事を知っている人物であれば……自分の悲惨さを理解してくれるかもしれない……  自分の苦しみに同情を示してくれるかもしれない……  そう希望を持ったのだが…… 「私はあんたが地獄に堕ちた事を聞いて、どんな苦しみを味わっているか興味があっただけよあんたを助ける気なんて微塵もないわ。でもさ? どれほどの罰を受けているのかと楽しみに来たというのに……くすぐり? 笑い地獄? 何よそれ……甘ったらしいにも程があるんじゃない?」 「おねぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、お願いぃひひひひひひひひひひひ!! 止めてぇへへへへへへへへへへへへへへ、この鬼達のくすぐりィひひひひひひひひひひひひひひひひ止めてぅっへへへへへへへへへへへ!!」 「でも……遥のこんな無様な顔を見れるのは……ちょっと気分いいわね♪ 折角だし……私も少し……ちょっかい出して遊んじゃおっかな♪」 「ねぇぇへへへへへへへへへへへ!? 美奈穂ぉぉっっ!! 言う事聞いてぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!! こいつらの羽根ぇへへへへへへへへへへ、取り上げてっへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 「ふぅ~ん? 成程ぉ? この羽根で……こちょこちょしてあげればいいの? うん? アハハ♥ やだ、何? この羽根ぇ……メッチャこしょばいじゃん!」 「何じでんのぉォほほっほほほほほほほほほほほほほほ!? ねぇ! 美奈穂ぉ! ねぇってぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 「これで遥のことくすぐれば良いんだよね? お勧めは何処かある? 何処をくすぐってやるのが一番効く?」 「鬼達と話すなぁはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、何勝手な事してんのよっっっィひはははははははははははははははははははははははははは!!」 「ワキ? こいつ……ワキ弱いの? へ~? っで、どんな感じにくすぐれば良い? 撫でるだけで良いの?」 「ねぇってぇへへへへへへへへ! 美奈穂ぉ! そんなのいいからぁははははははははははははははははははは、その羽根ぇへへへへへへ、早く捨てなさいっっひひひひひひひひひ!!」 「ほうほう? ワキの窪みを……羽根先で? フムフム……羽根先を躍らせる感じで掻き回すように動かせばいいのね? へぇ……それが一番効くんだぁ? 面白ぉ~♥」 「な、なんでぇへへへへへへへへへへへ!? 何で美奈穂がぁはははははははは、羽根を持つのよっっほほほほほほほほほほほほほほ、ぅひゃははははははははははははははははははは!!」 「え? 何でって? そんなの決まってんじゃん♪ イジメられたお返しをする為だよ?」 「お、お返しっひひひひひひ!? イジメたぁははははははお返しぃひひひひひ!?」 「そっ♥ なんかね? 閻魔女王様から言われたの♪ あんたが受けてる罰見て興味が湧いたら仕返ししても良いよ……って♥」 「はひっっひひ!? にゃにそれっへへへへへへへへ、聞いてないっっひひひひひひひひひ!! ぁはははははははははははははははははは!!」 「私さぁ……すぐ聞き返しちゃった♥ 本当にお返しして良いの? って……。そしたら女王様はさ、あんたの横柄な態度が気に入らなかったらしくてさ……特別に許してあげるって言ってくれたの♪」 「た、た、態度ぉほほほほ!? 態度ってぇへへへへへへへ、あの最初のっっ!?」 「女王様も知りたいと思ってたらしいわよ? 私が……どれほどあんたに憎しみを抱いていて、どれほどのお返しをしたいと望んでいるかを……」 「ま、ま、待ってぇへへへへへへへ、違っっふふふふふふふふふふふ、違うのっっ! 私がイジメてたのはぁはははははははははははははははは、遺伝子のせいでぇへへへへへへへへへへへ」 「はいはい。分かった分かった……そういうのいいから♪」 「本当だってぇへへへへへへへへへへへへへへへへ、本当の事なのっっほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほ!!」 「私がどれだけ苦しんだか……考えたことある?」 「はひ? あひひひひひひひひひひ?」 「私が何日間寝ずに悩んだか……あんたは気にした事ある? 無いわよね? ある訳ないよね?」 「ひひっ! イヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒイッヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!! うひひひひひひひひひひひひひ……」 「そうやって笑ってたわよね? 私がイジメられているのを見て……」 「ひゃはっっははははははははははははははは、あははははははははははははははははははは!!」 「どんなにお願いしてもやめてくれなかったよね? やめさせる素振りも見せなかった。あんたは私の泣き叫ぶ顔を見て笑っていただけだったのよ。あの時の私の絶望ったら……こんな苦しみとは比較になんないわよ!」 「かっははははははははははははははははははははは、違っふふふふ、それは違くてぇへへへへへへへへへへへへへへへぃえへへへへへへへへへへへへへへ」 「何も違わないわ。でも皮肉よね? 私を笑っていたあんたが、今度は笑わされる側? 面白い趣向だと思ったわ〜♪ まさに立場逆転ってやつね♥」 「ちょ、はははははははははははははははははははは、美奈穂ぉぉぉ! 美奈穂っ! 話を聞いてぇへへへへへへへへへへへへへへ!!」 「私の話を聞かずにイジメて来たのはあんたじゃない。今更私に話を聞けって……理不尽だと思わない?」 「はひひひひひひひひひひひひひひひ、違うのぉぉっひっほほほほほほほほほほほほほ、ホントに違くてぇへへへへへへへへへへ、アレは私の意思では……っあ!? ぁははははははははははははは!!」 「言っておくけど……手は抜かないわよ? 私が気の済むまで仕返しして良いって言われたんだから……気の済むまでヤらせて貰うんだから……覚悟しなさい?」 「ひぃひぃ! 待ってってぇへへへへへへへへへ、ホントに待ってぇぇぇ!!!!」  遥にとって美奈穂の登場は“希望”にはなり得なかった。  むしろ彼女の登場により地獄は更なる地獄の底を見せる事となる。  笑い地獄はまだ始まったばかりだ。  遥の苦行は……これからが本番を迎える事となる。


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