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macaroon(まかろん)
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安心安全!? 寝取らせクラブ!! 破・急

 このお店を訪れたのはちょうど1週間前のこと。

 あの日、初めて悠太以外の男の人を知った。

 その男の名前は山本(やまもと)。

 容姿は正直下の下。

 性格も終わっている。

 それでも……体の相性だけは最高だった。

 悠太には一回だけ、経験を積むためだと言って人生において “最初で最後の” 体験をしに行った。

 そのはずなのに、今日もこの『寝取らせクラブ』を訪れている。

 悠太には “もう一度だけ” それに、“寝取らせコース(序)” を体験すると初めての “嘘” までついて。


ーーーーー


「ご来店ありがとうございます、滝本(たきもと)様ですね。間違っていたら大変ですので、プラン内容の確認をいたします。本日ご予約いただいている寝取らせコース(破)では、本番あり(ゴムあり最低1回)となっております。最低限の回数を設けることで次のステップへと進むことを狙っておりますので、これだけは守るようにお願いしております」

「分かりました」

「そのほかに関しては、寝取らせコース(序)と同様に自由です。じっくり前戯から入ってもいいですし、いきなり本番でも構いません。SMプレイやロールプレイなんてのも出来ますので、何か必要な道具等あればフロントまでご連絡ください」

「(…ロールプレイかぁ……そういえば山本さんのおすすめにはエッチな女の子の作品が多かったような)……そしたら、“こういうの” ってありますか?」

「もちろんです。ちょっと待ってくださいね……はい、どうぞ」

「ありがとうございます」

「…相手に合わせるのって、その人のことを考えているってことですから山本さんもきっと喜ぶと思いますよ。頑張ってくださいね!」


 “頑張る” とはまるで狙った相手を落とすように聞こえるが、その気が加奈美(かなみ)にあるかは本人も知らない。

 加奈美は指定された部屋に入ると受け取った衣装に着替えて山本を待つ。


「…そろそろ時間だ」


 遅れてはいけないと予定より30分以上早く着いていた加奈美。

 着替えなど、十分に準備をする時間があった。


…コンコンコン……ガチャ!


「お、お久しぶりですっ///」

「あ、それ魔法少女アスティちゃんじゃん!!」


 加奈美の姿を見るや否や、挨拶なんて無視してテンションを上げる。


「え、あ、そういう名前のアニメなんですね」


 加奈美は “魔女っ子” のコスプレ衣装を頼んだだけで、それがなんという名前のものかは知らなかった。

 むしろ、名もないただのコスプレ衣装かと思っていたくらいで原作があるとも思っていなかったのだ。


「原作はゲームなんだけどね。アニメになった時は………」


 早口で作品の説明を始めるが、加奈美にはその1割も理解できなかった。

 それでも山本が楽しそうなのを見ると、何故だか嬉しいという感情が芽生える。


「…今度、見てみますね」


 前回はあれだけ興味を示さなかったのに、知ろうと歩み寄りを見せる。


「 “次” 持ってくるよ」


 まだ今日を終えていないのに次回の話。

 以前の加奈美なら色々 “飛ばしすぎ” だと心の中で思っただろう。


「ありがとうございます(次かぁ……楽しみだなぁ)」


 しかし、加奈美の頭の中は期待でいっぱいだった。


「そうだ。もし良かったらなんですけど……アニメのシーンを再現しませんか?」

「それは名案だけど、ネタバレになっちゃうからなぁ……」


 山本に合わせての提案だったが、オタク心がそれを邪魔しているようだった。


「う〜ん」


 これほどまでに真剣な山本を見たことがない。

 何事にも無関心というか、仕事とプライベートを切り離してしるような山本が加奈美とのプレイ内容で悩んでいる。

 加奈美にとっては、これが初めて自分へ興味を示しているように思えて嬉しかった。

 加奈美もどうにか山本のためにと思考を巡らす。

 そして先ほどの話を思い出す。


「…そう言えば原作のゲームとアニメではお話が違うんですよね? ……私が借りるのはアニメの方だから、ゲームの方なんてのは……」

「加奈美ちゃんマジ天使!! ……魔法少女アスティちゃんは元々18禁だから、実はそっちの方がプレイ内容としては過激なものが多いし好みなんだよ。いや〜 原作とアニメの違いなんて、リスペクトが足りないと思うことが多いのに、そこを使うなんて盲点だったよ」


 どうやらアニメやマンガを知らない加奈美だからこそ、思い浮かんだアイデアだったみたいだ。

 山本から簡単な設定を聞くと、ようやくこの日の寝取らせが始まるのだった。


ーーーーー


「私は魔法少女 マジカル☆アスティ、悪には決して屈しない」

「ぐへへへ、懲りずに “また” 現れたのか?」

「何んを言ってるの??? 懲りずにまた悪さをしているのは貴方の方でしょう、怪人ぶたトン」

「善良な俺さまが一体どんな悪さをしていると言うんだい?」

「ぜ、善良ですって!? どの口がそんなっ……それにどんな悪さか何て私からはっ///」

「何も言えないのなら、つまりは無いってことだろ?」

「それは違う。ただ…」

「ただ?」

「…だめだ。口にするのも憚られる事だっ///」

「まぁいい。お前を揶揄うのも面白いが、“わからせる” 方が楽しいのでな……じゃあ失礼するよ」

「ま、待ちなさいっ! それよ、その “わからせる” ってやつ。“関係のない” 一般市民が “わからされる” のを黙って見ているわけにはいかないわ」

「じゃあどうする?」

「私と勝負よ!!」

「ほう、勝負?」

「そうよ。貴方が私をわからせたらあなたの勝ち、私が貴方をわからせたら私の勝ち。これでフェアでしょ?」

「勝敗の付け方はわかったが、勝負の内容とその報酬は?」

「私が勝ったら今後一切の悪さはしないと誓いなさい」

「俺さまが勝ったら?」

「そんなことは一ミリたりともあり得ないけれど、“何でも” 言うことを聞くわ」

「二言は無いな?」

「当たり前よ」

「勝敗と報酬はお前が決めたのだから、内容は俺さまが決めてもいいよな?」

「ええ、いいわ。どんな勝負だって負けないんだからっ!」

「 “毎度のこと” だが、威勢はだけはいいな。そうやって “いつも” 後悔していると言うのに……」

「???」

「勝負の内容は、“我慢くらべ” 」

「…我慢くらべ? 思っていたより普通じゃない。それに魔法の力で強化された魔法少女の精神力・忍耐力を甘く見ているようね」

「何を我慢するかを聞いてもそう言えるかな?」

「…何を我慢するって言うの?」

「負け我慢くらべとでも言おうか。どちらかが負けを認める、つまり相手に屈するまでが勝負」

「何よ脅かしといて、なんて事ないわ。最初に言ったでしょ? “私は魔法少女、悪には決して屈しない” 」

「…それがセ〇クスによる負け我慢くらべでも?」

「せ、せ、せせせセ〇クス〜〜〜〜〜っ/////」

「おやおや、魔法少女には難しかったか……」

「そんな事はないっ!!」

「そうか、じゃあ問題ないな?」

「も、問題ない」

「じゃあ早速」

「も、もう始めるのかっ!?」

「どうした、問題ないのだろう?」

「問題はないのだが…心の準備が……」

「心の、準備とな……もしかしてここに来て思い人のことが気になるのか?」


 加奈美は山本に抱かれるために今日ここに来た。

 悠太を騙して、それでも今日が終われば悠太の元に帰ろうと思っている。

 いや、帰れると信じているけれど……この先に進んで本当にセ〇クスをしてしまったら、ロールプレイだとしても負けを認めてしまったら、果たしてその負けは “誰の” 負けなのか。


「(…悠太……)…… “私は” 負けない」

「気持ちが固まったようだな」

「ええ、待たせたわね。ぶたトン、勝負よ!!」


ーーーーー


「あんっ♡ あんっ♡ あんっ♡」

「どうした? 負けないんじゃなかったのか?」

「まだ負けてない。負けって言ってない」

「そうだな。“負けを認めるまで” 勝負を続けないとな」

「望むところ…あっ♡ あっ♡ そこはっ♡」

「ん? そうか、ここが弱点か」

「し、しまった……バレちゃったぁ♡♡ あんっ♡♡ あんっ♡♡ ダメっ♡♡ イクぅ〜〜〜っ♡♡ ………♡♡♡」

「盛大にイったようだが、どうだ? もう負けを認めるか?」

「ま、まだ足りないっ♡♡♡ ……じゃなくて、私を一回イかせたくらいで勝った気にならないでちょうだい。今度は私が攻める番、覚悟しなさい!! ふっ♡♡ ふっ♡♡ ふっ♡♡ ふっ♡♡」

「そよ風でも吹いたか?」

「舐めやがってぇ〜〜〜 これでどうだっ!! ふんっ♡♡ ふんっ♡♡ ふんっ♡♡ ふんっ♡♡」

「虫でも止まったかな……バチんっ!」

「くぅ〜♡♡」

「バチんっ!! バチんっ!!」

「くぅ〜♡♡ くぅ〜〜ん♡♡」

「叩かれて嬌声を上げるとは、本当に正義の魔法少女か?」

「そんなこと言ったって気持ちいいんだから仕方ないじゃないっ///// 悪と戦うため痛みには耐性があっても、そもそも耐える必要がないはずの快楽にはそれが無いのよっ/////」

「叩くのは痛みだと思うのだが……まぁいい、正義の味方が快楽堕ちしやすい謎がいま解けた。そして、お前も例外では無いという事も」

「はっ! 私が負けることは最初から決まって……はぁんっ♡♡♡」

「バチんっ!! バチんっ!!」

「ひぃん♡♡♡ いゃん♡♡♡ 叩くのやめてっ♡♡♡」

「では負けを認めるか?」

「認めないぃぃぃっ♡♡♡」

「認めるまではやめられんなぁ〜 バチんっ!!」

「ひゃんっ♡♡♡」

「これじゃあどっちが攻めかわからんなぁ〜 バチんっ!!」


 いつの間にか攻守が逆転し、再び攻められている加奈美。


「わかった。負けを、負けを認めるからぁ……叩くのだけはもうやめてぇぇぇええ♡♡♡」

「そしたら宣言してもらおうか」

「…宣言?」

「そう、負けを認めた宣言をな」

「…ま、負けました……」

「………。まさかそれだけとは言わないよな?」

「負けるなんて考えたことも無かったから、いきなり宣言とか言われても分からないわよっ!!」

「それくらい自分で考えて欲しいものだが……仕方がないからこれを読め」

「(……こんなの読むのっ!?)………」

「早くしろ。でないとまた叩くぞ?」

「い、言うから……マジカル☆アスティは、愚かにもぶたトン様に勝負を挑み負けました。正義の魔法少女だって言ってたのに、ぶたトン様のおしりぺんぺんに快楽を感じてしまった悪い子です。約束通り負けた罰として “何でも” 言うことを聞くと誓います」

「 “何でも” ねぇ〜 そうだ、悪い子はお仕置きにおしりぺんぺんをしないとなぁ〜」

「えっ!? 負けを認めたら叩くのやめるって…」

「一度やめただろ? それに勝負はもう終わったんだ、お前は負けたんだから何でも言うこと聞くんだよな?」

「………はい…ぶたトン様ぁ♡♡♡」

「バチんっ!! …バチんっ!! ……バチんっ!! ………」


ーーーーー


「…ありがとうございましたぁ/////」

「お礼を言うのは僕の方だよ。加奈美ちゃん演技うますぎ! 本当にアスティちゃんとやってるみたいだったよ!!」

「本当ですかっ!? 嬉しいっ///// 山本さんも悪役似合ってました……ってごめんなさい、失礼ですよね」

「いや、いいんだ。褒め言葉だと受け取って置くから……それより、アスティちゃんのDVDについてだけど」

「あ、そうだった。次……」

「そうその件で、次をどうするのかなって」


 始まる前に “次” と言っていたが、次の段階であれば “裏メニュー” ということになる。


「次は……裏メニューですよね?」

「僕とならそうだね。ただ、別の人とまた(序)からでも構わないし……」


 最近、悠太との時間を過ごしていない。

 何故なら平日は互いに忙しい。

 その上、土曜日はここで一夜を過ごしているから先週も日曜日は朝帰り。

 それに一夜を過ごすとは言っても、ただぐっすり寝ているわけではないから家に帰った時には疲れている。

 そして、山本の味を知ってからは “わざわざ” 悠太とやろうとは思えなくなっていた。

 極め付けは今週もここにいる…… “嘘をついてまで” 。

 悠太のために “経験を” ……そんな考えは私の中から消えていた。


「いえ、山本さんでお願いしますっ♡♡♡」

「寝取ら◼︎コース(急)は本番あり(ゴム無し)。しかも、それを記録して “今の” パートナーに離婚届とともに送る。申し込んだら違約金は元の料金の5倍……パートナーと相談しなくていいのか?」

「はいっ♡♡♡」


 加奈美は “迷わず” 寝取ら◼︎コース(急)を予約した。


ーーーーー


 そして再び1週間が経ち、場所はもちろん寝取らせクラブ。

 隣には山本、目の前にはカメラ。

 ついに、寝取ら “れ” コース(急)が始まろうとしていた。

 実際、このコースを申し込む時点で加奈美は堕ちてはいる。

 これは確認であり、パフォーマンスなのだ。


「こちら結納金の100万円になります」


 寝取らせコース(序)及び(破)の料金は全額お店に入り、寝取られコース(急)の料金は全て結納金として相手に支払われるようになっている。

 そのため、コースの初めに相手に差し出すのだ。


「…確かに……それじゃあ始めようか」


 事前にではなく、わざわざカメラが回っている前で証拠として残すように “婚姻届” と “離婚届” を書き上げる。


「…書けました」

「よし、それじゃあ誓いのキスを…」

「んっ♡♡ んんっ♡♡♡」

「服を脱いで股がって」

「はいっ♡♡ ……動きますね♡♡♡」

「もっと下品に腰を振って?」

「はいぃぃ♡♡ ふんっ♡♡ ふんふんっ♡♡」

「いい感じ……出すよ?」

「出してぇ、中に出してぇ♡♡♡」

「無事に加奈美ちゃんのおま〇こに、僕のち〇こ入刀の儀式も終わったことだし……僕も婚姻届に名前を書いて……次は指輪だね」


 そう言って山本が取り出したのは、加奈美と悠太の結婚指輪に “とてもよく似た” ……いや、元々は加奈美と悠太 “の” 結婚指輪を取り出した。

 指輪の内側には、加奈美と山本の名前が彫られている。


「手を出して?」

「はいっ♡♡♡」


 人生で2度、結婚指輪を嵌めることがあるとしても、同じ指輪を違う相手から嵌められるとこはまずないだろう。

 山本にの手によって左手の薬指に指輪を嵌めてもらった加奈美は、カメラに見えるように手の甲を向けて前に出して一言……


「私、山本加奈美になります」


 そこで映像は切れたのだった。



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