雷竜の力を宿す天騎士の一人、ヒルデが対峙しているのは巨大な魔虫だった。
蜘蛛に似たその魔虫はキチキチと牙を鳴らしながらヒルデとの距離を詰めていく。
その牙、爪には強力な麻痺毒があり、普通の人間ならばかすっただけで身体の自由を失ってしまう。
ヒルデの握る雷竜の鞭にはまだ十分な魔力が宿っていたが、魔虫の圧力は彼女を知らず知らずのうちに後退させていた。
「ふっ!」
鋭く息を吐いて、ヒルデが動いた。
横薙ぎに振るわれた鞭は魔虫の腹部を強かに打ち据え、その動きを止めさせる。
しかし魔虫はすぐにその長い足をくねらせて体勢を立て直すと、牙から滴る毒液を振り撒きながらヒルデへと飛びかかった。
「かかったっ……!」
だがその動きは彼女の予想の範疇だったのだろう。
「雷よ、闇を打ち祓えっ!」
バリバリ、と空を裂く爆音とともに光がはしって、魔虫を飲み込んだ。ヒルデは地面に印を結び、自身の魔力を媒介にして雷を呼び寄せたのだ。
そしてまんまと印に踏み入った魔虫は、天から降り注いだ雷に身を焼かれたというわけだ。
「ふぅ……」
ヒルデは一息つくと、魔虫が黒焦げになって動かなくなっているのを確認すると、ようやく額の汗を拭った。
この魔虫は巨大だったが、最近は珍しいことでもない。
(ほんの数か月前までは、こんな魔物が出ることはなかったというのに……)
国中で民の手に負えないような魔物が増えてきており、人心に不安が広がっているのを、ヒルデは危惧していた。
「? なにか……?」
ヒルデは何かに気づいて、魔虫の方を見やった。乾いた布が擦れたような音がした気がしたのだ。
一歩、その亡骸に近づいた、その瞬間だった。
バリッ!!
「!?」
黒焦げになった外皮が割れ、中から艷やかな外骨格がのぞく。そして、そこから無傷の魔虫が飛び出してきたのだ。
「ま、まさかっ!?」
魔虫が爪を振り下ろし、ヒルデを狙う。一つ二つと地面に穴が穿たれるが、ヒルデは飛び退って躱していく。
(私の雷に耐えるほどの強度を持つというの……!)
恐ろしい耐久力だ。生半可な武器や魔術では致命傷を与えることは難しいだろう。これは帰還したら今後の対策を考えなければ……。
そんな事を考えていたからだろうか。ヒルデは自分の後ろにあるものに気づかなかった。
さらなる攻撃から飛び退いたヒルデは、背中に柔らかく自分を受け止めるものがあるのに気づいた。
「な、なに……!?」
それは、魔虫の張り巡らせた糸だった。
「し、しまった……」
糸はヒルデの体に触れた途端、意思があるかのようにヒルデを巻き取ってしまった。
「あうっ……」
糸に触れた肌に灼熱感がある。そこから熱は全身に広がっていき、感覚が失われていく。
「くっ、ああっ……!」
ヒルデは必死に糸を外そうとするが、もがけばもがくほど糸は絡みついていき、ついには全く動けなくなってしまった。
「そ、んな……」
魔虫がゆっくりと近づいてくる。ヒルデは下がろうとしたが、足をもつれさせて仰向けに倒れ込んでしまう。
「ち、近づかないで……!」
魔虫がのしかかってきた。腐敗臭のする口を近づけられ、ヒルデは顔を背ける。そしてその牙から滴り落ちる毒液が、ヒルデの身体に降り注いだ。
(あ……あぁっ!?)
毒液が肌に触れたとき、最初に感じたのは糸と同じ灼熱感だ。だが、なんとその感覚は徐々に快楽へと変わっていくではないか。
「な、なぜ……!? いやぁっ!!」
快楽に身悶えするヒルデ。そのたび毒液が全身に塗り込められ、昂ぶりに脳が焼かれるような感覚さえ覚える。
「あ、ああっ! 熱いっ……身体が、燃えそうに熱いっ……!」
肌は上気して、吐息も艶かしく色づいていった。
魔虫は鋭い牙で彼女のビキニを引っ掛け、容易に引きちぎる。
(ああ……)
気づけば、ヒルデの豊かな乳房と恥丘は露出させられている。ほんのりと朱に染まった肌は汗ばんで、秘所では愛液がてらてらと輝いている。
にぃ、と魔虫が笑ったように、ヒルデには見えた。その腹部から赤黒い生殖器が伸びて、ヒルデの膣口に切っ先を突きつけた。
「ひっ!? いや、いやあぁぁっ!」
魔虫の生殖器は凶悪なイボがついており、その先端がヒルデの秘所を少しずつ押し広げながら挿入される。
「ひぎっ! あっ、あがぁっ!」
ぐいぐいと入口を拡張され、膣内を蹂躙される痛みに、ヒルデは悲鳴のような嬌声を上げる。
「あ、あ、あああっ!」
そしてついに、生殖器はヒルデの子宮口まで到達した。その衝撃にヒルデは目を白黒させ、舌を突き出して喘ぐ。
「かはっ……あ、がっ……」
魔虫は生殖器の先端を子宮口に押しつけ、ぐりぐりとねじり込む。
「おごっ! おぼおぉぉっ!! おおっ♥」
ヒルデの嬌声に甘いものが交じる。最奥を抉られてたっぷりと愛液が分泌されたのを確認し、魔虫は大きなグラインドでピストンを開始する。
ばちゅんっ、ばちゅんっ!!
「ひぎゃああああっ♥」
淫らな水音とヒルデの悲鳴が森中に響いた。
(こんな……こんなの、嫌なのにっ!)
子宮口への責めは一回一回がヒルデの意識を刈り取るほどだった。
「いぎぃいっ♥ あ、あへぁっ! ほぐおぉ♥ おっ!!」
魔虫はピストンを続けながら、さらに毒液を吐き出し、ヒルデの体表に塗り込む。その灼熱感がヒルデの理性をグズグズに溶かしていく。
「おごぉっ! お、おっ♥ おおおっ!! イクッ……イキそ……いくっ!?♥ イグゥッ!!♥」
(いや……嫌なのに、こんな奴なんかにっ! 私、イカされちゃうっ!!)
ヒルデは快楽と絶望に涙を流しながら、絶頂した。
「あへぇぇっ♥ あぁああああああ~~~っ!?!?♥」
どぴゅっ! びゅるるるるっ! 子宮内に魔虫の精が吐き出される。その量は凄まじく、あっという間にヒルデの子宮をパンパンにしてしまう。
そしてヒルデの卵子に、精子は群がり――
「おごぉ……おっ♥」
びくんと、身体を一直線に貫く衝撃がある。受精した――ヒルデはそう確信した。
そして射精が終わると、ヒルデは脳内に染み渡る多幸感に浸りながら、意識を手放したのだった。
……どれほどの月日が経っただろうか。
ヒルデにはもはやわからない。あれから何度も魔虫に生中出しされ、そして孕まされ――今やヒルデの腹は魔虫の子どもたちを宿し、無惨にも膨れ上がっていた。
あとどれほどで外に出てくるだろう。魔虫はヒルデを――いやその腹の中の子供を守るかのように覆いかぶさっている。
ぶぴ、とお下品極まる水音を立てながら、ヒルデの巨大な乳からは母乳が吹き出している。いずれにせよ、そう遠くはあるまい。
これらを産んだあと自分がどうなるのか。ヒルデには想像もつかなかったし、考えることもしなかった……。