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うらかん
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天空戦姫セラフィーヌ 15話 回生の一撃 前編

 アンバー、ライラックの二人は、激しい凌辱を受けグラガンの前に倒れ伏していた。

 血と泥に塗れたその体には痛々しいアザが幾つも浮かび、行為の激しさを物語っている。

 グラガンはジェイドの髪を引っ掴むと、その顔に火傷しそうなほど熱い吐息を吹き付けながら哄笑する。

「フハハハハッ! どうだ、こいつらの無様な姿は。ま、見えねえんじゃ想像するしかねえか」

「ふーっ、ふーっ……!」

 グラガンのペニス鞘にされているジェイドは、ただ荒く呼吸しているだけだったが、その呼気にはたしかに怒りが混じっているようだった。

「あ、う……」

 ボロボロの体で、しかし二人は立ち上がった。

「こんなもんで、参るか、よぉ……」

 ガクガクと膝を揺らしながら悪態をつくアンバー。

「そう、よ……まだ、終わってない……!」

 ライラックも、その闘志を失ってはいない。

「ほう? そんなザマでまだやるってか?」

「当たり前だっ……!」

 不幸中の幸いか、戦闘員たちになぶられている間に、わずかながらエネルギーが回復してきていた。

「うぉおおおおおおおっ!!」

 アンバーが叫び、二人は同時に駆け出す。

 しかし二人の動きは精彩を欠いていた。ベストコンディションでも歯が立たなかった相手なのだから、それも当然だ。

「フハハ、そうだ! もっと足搔けっ!」

 グラガンの哄笑が響き渡り、そして――。

 伸びた腕が、二人の首を引っ掴む。

「ウっ……く……」

「きゃぁっ!」

 そのまま二人はうつ伏せに組み伏せられてしまう。

「ククッ……いい格好だなぁ?」

 そんな二人を見下し、グラガンが嘲笑う。その股間からは、相変わらず天を突くペニスがジェイドを貫いたままだ。

「うっ、ふぐ……」

「カイ……!」

 カイ――ジェイドの顔が二人の間近に迫る。涎と涙を垂れ流し、苦悶の表情を浮かべる彼女の姿を見て、アンバーはますますいきり立つ。

「きさ、まぁぁああ……!」

 しかし、組み伏せられた腕を振りほどくことはできない。 悔しさに二人が歯噛みした、その時だった。

「うぐっ……!?」

 突如グラガンが苦しみ始めた。腕を離し、自分の両胸を押さえつける。

「……?」

 二人は呆気にとられ、その様をただ呆然と見つめている。

「体の、リンクが……っ! グオ、オオオッ!?」

 なにかグラガンの体に異常が生じたらしい。見れば、体の中心を赤い光が縦に走っている。

 もとより、二体の怪人を合体させた異形の化け物だ。特殊な技術によってその体は成り立っていて、しかしなにか無理が生じた可能性がある。

「っつああああっ!!」

「でぇりゃあああああっ!!」

 この隙を逃す二人ではない。一斉に光剣を携え、その首に迫る。

 しかし、その刃はグラガンに届かない。寸前で二人の手首をガッシと捕まえている。

「くッ……鬱陶しいんだよ、てめぇらっ!!」

 その時、ジェイドの首が不意にもたげた。そのズレた目隠しから、ギラリと瞳が覗く。

 グラガンはギクリとしたようだった。目を落とし、ジェイドの瞳と視線を合わせた、その瞬間。

「うぐうっ!?」

 緑光のエネルギーの刃が、グラガンの両胸を貫いていた。

 ジェイドホーン。頭部のエネルギー発振体から放たれる、ジェイドの隠し武器だ。

 屈服させたはずの相手に不覚を取るとは――グラガンはその事実に一瞬激昂しかけ、しかしその認識が間違いであったことを知った。ジェイドの瞳は怒りと闘志にらんらんと光り輝いている。この女は決して敗北したわけではなかった。

 両の心臓を貫かれたグラガンは、流石に力を失い――

「う、おおおおおおおおおおおおっ!!」

 ズンッ……!

 その両首を二人の光剣によって切り落とされていた。

「……!」

 主を失った体は、そのまま仰向けに倒れ、動かなくなった。

「見たかっ……! この、野郎……っ……!」

 アンバーはグラガンの躯に悪態をつくが、そのまま膝をついて動けなくなってしまった。そして頭を失った戦闘員たちは、我先にと散り散りに逃げ出していく。

「カイ……っ!」

 ライラックが痛む体に鞭打って、なんとかグラガンの体からジェイドを引き剥がす。

「う……む……」

 意識を失い、体はボロボロではあるが、息はある。しかし、あの状況でグラガンに牙を剥くとは。望みを捨てず、ずっと反撃のチャンスを伺い続けていたに違いない。その闘争心にライラックは感心するばかりだった。

(それにしても……)

 突然、グラガンに起こった異常。あれは何だったのだろうか。

(もしかしたら、ミサキちゃんたちが――)

 ピラーへの潜入任務に進展があったのかもしれない。それは朗報なのかもしれないが、彼女らがさらなる危険に近づいているということでもある。

(二人とも――死なないで)

 もはや自分たちに出来ることはなにもないが、おそらく自分たちを救った彼女たちに向けて、ライラックは無事を祈るのだった。

天空戦姫セラフィーヌ 15話 回生の一撃 前編

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