黒い霧が晴れていくと、そこにはぐったりと意識を失ったアズールと、その上に覆いかぶさっているルージュの姿があった。
「キョウちゃん……」
ルージュは剣状に変質した人差し指をアズールの胸元に当てると、下腹部まで伝うように撫でる。
スーツだけ縦にきれいに切り裂かれ、アズールの白い乳房と秘所が露わになった。「ん……は……柔らかい……♥」
ルージュはその胸に顔を埋め、ちろりと舌を這わせる。そして両手でアズールの胸を揉み始めた。
ルージュの顔が嗜虐的に歪んだ。アズールに抱いていた、暗く淀んだ想い。それがはち切れんばかりに膨張して、溢れ出てくるようだった。
「……っ」
その刺激に、アズールは小さく声を漏らすが、起きる気配はない。
そのまましばらく愛撫を続けたあと、ルージュはアズールの体を仰向けにして腰を自身のそれに乗せた。
「はぁ……はぁ……んっ♥」
荒い呼吸を繰り返しながら、ルージュは自分の秘所に手を伸ばし、弄り始める。するとそこからぐんぐんと肉塊が伸びて、男根の形を成した。
「あはぁ……っ♥♥」
そしてルージュは、そのいきり立った肉棒をアズールの秘所へと押し当てた。
「あ……う……みさ、き……?」
下腹部への刺激に、アズールが薄く目を開けた。
ルージュはぺろりと舌なめずりをすると、腰をアズールに向けて突き上げていく。
「行くよ……♥」
ずぷりっ……。淫猥な音を立てて、ルージュの男根がアズールの中へと侵入する。
「うぁぁっ……! あぁ、み、ミサキ、これは……!? うああっ!!」
アズールが挿入の刺激に完全に覚醒したようだった。
「キョウちゃん……気持ちいいよ♥」
「い、いやっ! こんな、やめ……くうっ!!♥」
ルージュの男根は怪人たちに劣らず立派でたくましかった。思わず女の部分を刺激され、アズールの苦悶が色を帯びる。
「感じてる? ふふ……もっともっと強くしてあげる」
「あぐっ! あぁあっ!!」
「見せて? キョウちゃん、さあ……あなたの憎悪を♥」
「ぐっ、うぅぅっ!! みさ、き……!」
アズールの顔を覗き込むルージュの顔は期待感に満ちていた。同士であり親友に犯され、どんな悪意を見せてくれるのだろうかと。
それさえ見られれば、自分はすべてを吹っ切り、この胸に淀む気持ち悪さが晴れるのだろう。
「!?」
しかし薄っすらと開き、ルージュを見つめるアズールの瞳には、ルージュが期待するような感情は宿っていなかった。
そこにあったのは、慈愛――ルージュを慈しみ、優しく包み込むようなそれだった。
ぎくりとルージュは身体を硬直させ、その石のように硬化した心が一瞬揺らぐ。
ああ、そうだ――。
自分が傷ついたとき、彼女はいつもこんな目で、見守ってくれていたではないか。
「あ、あうぅ……っ!!」
「ミサキ、目を覚まして……」
「キョウちゃ……苦しい、痛い、よっ」
ルージュの瞳からボロボロと涙が溢れてくる。
善悪双方の心が渦巻いて、追い詰められた心身は過呼吸に陥っている。
「大丈夫、そのまま、委ねて……心のままに……私は、いいからっ!」
「キョウちゃんっ」
ルージュは残った欲望を吐き出し尽くすように、腰の動きを早めた。
「あっ! 深いっ!♥ みさ、きっ!」
「あーっ! キョウちゃ、すき、すき、すきぃっ!♥」
「みさ、き、わた、しも……すきっ♥」
その告白が本心かはわからない。二人ともそういう自覚はなかった。ただ流れに身を任せただけかもしれない。
だがこの瞬間だけは、ミサキはキョウを、キョウはミサキを、いちばん大事な人だと思った。そして互いの思いを伝え合った二人は、際限なく高ぶっていく。
「キョウちゃ、私、もう、イク……♥ あぁあああっ!!」
「私、もっ! ミサキっ♥ だめ、イクっ♥ いくぅぅっ!♥」
どびゅくるるるるううっ!!
ミサキの男根から精液が吹き出して、アズールの中へ吐き出された。
熱く子宮を焼く奔流にアズールは絶頂し、体を反らせて痙攣する。
「あく、あぁぁああああああーーーっ!!♥」
アズールの中にすべてをぶちまけたルージュが、どさりとその体をアズールの上に横たえる。そしてアズールはそっと、その体に手を添え、優しく撫でた。
「はぁ、はぁ……う、あぁ……」
やがてシュウシュウと煙を上げて、ルージュの身体を取り囲んでいた黒い霧が浄化されていく。男根もそれに続くように蒸発し、後にはルージュの女陰だけが残る。
ルージュの黒く染まったスーツは、半ばほどまで元に戻っていた。
しかし同時に、悪意にさらされ、友人を辱めて傷ついたルージュの心を写すかのように、セラフスーツまでがボロボロに朽ちていく。
「ごめ、キョウちゃ……わた、し」
友人を傷つけてしまった。その自責と後悔の念でルージュの心は壊れそうだった。
「いいの、ミサキ……んっ」
そんなルージュに、アズールはそっと口づけた。
(キョウ、ちゃ……)
許された――アズールの果てしない愛情に、ルージュの心の中の霧が、すっと晴れていく。
そして……胸元のセラフクリスタルが光を放ちはじめた。
それはアズールのクリスタル、そしてルージュの持つもう一つのクリスタルとも共鳴し、光を増幅させ――全てを飲み込んでいった。