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ティアの小説残骸供養その2※未完

以前描いていたティアの凌辱小説、マイピクにしか公開していなかったものをこちらで投稿致します。未完ですがお暇なときにでもどうぞ~。   自分の姿さえも認識できない漆黒の空間にティア・グランツは1人佇んでいた。ともすれば、暗闇と自分の境界すらぼやけてしまいそうな感覚に囚われる虚無の空間。そんな空間が、今は不思議と彼女の心に安寧をもたらしている。 (――ああ、今わたしは気を失っているのね。)  なんら根拠の無い考えであったが、しかし彼女には確信があった。 (――そう、わたしはもう何度もここに来ている。)  なぜ――? それを考えるのはどうも頭が避けているようである。何かを思い出そうとすると頭の中が激しいノイズによってかき乱された。今はただ、何も考えずにこの心地よい闇の中に身を委ねていたい、そう思った。 (けれど、やっぱり駄目なんでしょうね。)  少女の心にある種の諦観が宿るとともに、暗闇に光が差し込む。そして、みるみるその範囲を広げ、絶対的と思われた闇を瞬く間にかき消していった。 闇が払われれば、全てがさらけ出されることになる。忌まわしい現実を、現実の自分の惨めな有様を、突きつけられることになる。そのことに彼女は恐怖する。 (・・・いやっ! やめてっ!)  無駄と知りながらも彼女は抵抗した。しかし、意識が拒絶していても身体は覚醒しようとする。現実における身体への負担が、彼女の意識が眠ったままでいることを許さないのだ。普段は思い通りに動かしている身体が、こんな時にはむしろ意識を支配下においているかのようだ。そのことに対する苛立ちや無力感とともに、彼女の意識はまばゆい光に包まれた。 「お゛ごおぉっ!? んう゛ぅうっ・・・! ブジュッ、んう゛おおっ!? あ゛ぐ、おお おっ・・・!!」  意識が覚醒するとともに、カエルが潰れたときにあげるような無様な声が耳に入ってくる。それが自分の身体から発せられている音だとティアが気づいたのは、数瞬後のことであった。恐らく普段の彼女――、彼女の口から紡ぎ出される美しい歌声を知る者であれば、この悲鳴が同じ口から出たものとは夢にも思うまい。しかし、彼女がそのような声をあげるのも致し方ないことであろう。  屈強な男が、台の上に仰向けに寝かされたティアの口に自らの性器を激しく突き込んでいた。のけ反るような形で咥えさせられているため、男の長大な性器は恐らくティアのノドどころか、鎖骨の位置あたりまで届いているはずだ。   「んじゅるっ・・・ぶふっ・・・!! んん゛おっ・・・あがっ・・・ぶげえええっ!! はぶぉ・・・・・・が  っ・・・! ・・・っ!」 (くっ、苦しい・・・。い・・・き・・・、でき・・・な・・・。深・・・すぎ・・・るっ・・・!! )  彼女の反り返った美しいのどを見れば、外からでも男の性器の通過する様子が見てとれた。男が突き込むたびにガコッガコッと水気を帯びた打撃音が響き、それにティアの濁った悲鳴が混じっていく。整った鼻梁に男の汚らわしい陰嚢が激しく叩きつけられていたが、今の彼女にそれを気にする余裕はない。さらに――。 「ん゛げぇえ・・・っ! おぶっ・・・、あ゛げぇ・・・。おぐおぉぉぉっ!!」  ティアがそれまでとは異なる、腹部を殴打されたような悲鳴をあげる。彼女を苦しめているのは口への加虐だけではなかった。膣に挿入された野太い男性器に、ティアのほどよく鍛えられた下腹部がうっすらと盛り上る。お腹を内側から圧迫される鈍痛に、男性器を咥えたままのティアの口からうなり声のような喘ぎが漏れた。 「あ゛うぉ・・・おっ! ぐぶぇ゛・・・ジュッ、ブジュッ! うごお゛ぉぉっ!!」 (・・・やっぱり目が覚めても何も変わらない・・・。この男達の欲望には際限がないっ・・・!)  漸くティアは自分の今置かれている現実を再認識していた。ここはキムラスカ王国の監獄、今自分がいるのはその地下深くにある拷問部屋だ。ここに連れて来られて以降、ティアはひたすら男達の欲望に晒されている。疲弊しきった身体から絞り出される声は彼女の限界がいよいよ近いことを示している。 「お゛っ、お゛っ・・・ん゛お゛お゛おおっ! ん゛げっ!! うぶ・・・ぶふ・・・っ。」  とうに時間の感覚が失われたティアは知る由もないが、既に35時間近い刻が流れていた。眠っていた時間、というよりも失神していた時間は通算するとそれなりにあるが、その間とて彼女の身体は常に犯され続けていたのである。無論その間、この二人の相手だけをさせられていたわけではない。周りを見渡せば数十人の男達がティアを取り囲んでおり、部屋の外にも長い行列を作っていた。男達はティアの痴態を肴に酒や煙草を楽しんでいる。この光景を見て、誰も彼らが死刑囚あるいはそれに準ずる重罪人達だとは思うまい。換気も出来ないため、部屋の中は雄と雌のまぐわう匂いとそれに発情する大勢の雄に匂いが混じり、何ともいえないムッとした空気が醸成されていた。 「おまえら、いつまでかかってんだよ。こんなエロいもん見せられながら長時間オアズケ なんてよぉ。」 「人が居ない時間狙ったつもりなのになぁ。いつ来ても行列が出来てやがる。」  周りの男達はティアのことなどお構いなしに好き勝手言っている。 「ふう゛ーっ! うぐぅっ・・・! ううっ・・・。」  抗議の声をあげようとしても、ノド奥まで男性器を突っ込まれた状態では意味のある言葉を発することはできない。ティアは悔しげに美しく透き通った碧い瞳を涙で濡らす。 「うるっせなぁ、お前らだって自分の番になったらよぉ!こうやって!少しでも!長い時 間犯すだろうがっ!」  早く終われと急かす周りの声が却って男の嗜虐心を煽ったようで、突き込みは激しさを増していく。それに併せて激しく揺れ動くティアの豊満な胸を男は潰さんばかりの勢いでこね回した。   「んぎい゛い゛っ! んんぐうおおお・・・っ! むぐっ・・・う゛う゛っ! ふぅぅぅっ! ん゛おっ・・・お゛お おおおおおっ!!。」 (だ・・・め・・・っ! 胸がぁ・・・っ、つ、潰れ・・・。うあ゛っ・・・! 子宮っ・・・突か・・・ない・・・で・・・。そこ・・・敏感すぎるぅ・・・っ!!)  2日程前には挿入することさえ困難であった彼女の膣も、文字通り絶え間なく行われてきた陵辱行為の結果、今では男達のいちもつを難なく受け入れ、子宮口の近くまで導いてしまう。そして、鍛えられた身体と天性の名器が生み出す締め付けが男達に極上の快楽をもたらす――本人にそのつもりがなくても彼女は男を虜にする魔性の肉体の持ち主であった。そのことがティアの悔しさに拍車をかけるが、男達はそんな彼女の心情などまるで気にすることなく、いやむしろそうした彼女の気丈さをも自らの興奮を高める材料として、肉穴のもたらす快感に酔いしれるのであった。 (私をモノとして・・・しか、見て・・・いないのね・・・。性欲を・・・処理するための・・・モノ・・・。 最低ね・・・。) 「最低」という言葉が男達に向けられたものなのか、今の境遇の自分を指したものなのか、それは彼女自身にも定かでは無かった。いずれにせよ、今はただただ耐え忍ぶのみ。 (ダメよ、弱気になっては・・・。少なくとも一週間後には、”彼女”達も私をこのままに はできないはず・・・。そうすれば、みんなもきっと異変に気付くわ・・・。)  仲間達――そして、燃えるような紅い髪の美しい少年のことを思い浮かべ、挫けそうになる心を奮い立たせようとする。しかし男達の責めは射精が近づくに連れて、いよいよ苛烈さを増していった。   「ぶぐお゛お゛・・・っ! げお゛おっ! ん゛ぶ・・・ぁ・・・。ズジュッ、ジュルッ・・・。ん゛ ごおおお・・・ぉっ!!」 「涎ら鼻水やらで顔ぐちゃぐちゃだなぁ。美人のブッサイクな表情って興奮するわぁ。」 「おいおい、声も年頃の女の子があげていい声じゃあねえぞ。親が泣くぞ~。」 「それよりオラクル騎士団の総長だった兄ちゃんだろ? 妹が自分を殺した上に、肉便器 に転職したんじゃなぁ。草葉の陰で泣いてるぜ。」 「・・・っ! おお゛っ・・・うぐおぉっ・・・!! あ゛あ゛っ! お゛お゛お゛ぅ・・・!!」  兄や家族をも貶める言葉にティアの心が激情に囚われ、殺気立った瞳が男達を射貫く。もし、ティアの顎に余力が残っていたら後先考えず口に咥えた男性器を噛みちぎっていただろう。圧倒的優位に立っている男達であったが、この瞬間においてはティアの眼光に鼻白んだ。 「へっ、なんだよ。キンタマ越しに睨まれても笑えるだけだぜ。」 「あ、ああ。まだ自分の立場が分かってみたいだな。」  怖じ気づいた事実を誤魔化すように男達はせせら笑った。だが、確かにその通りである。このような状況でいくらティアが強がったとて、それは滑稽でしかなく惨めですらあった。実際何ら状況は好転していないし、男達を刺激することでかえって状況を悪化させかねない。そんなことは徹底した現実主義者である彼女が一番よく理解していた。――だが、それでも彼女は、自分の大切な人々を貶されて黙っていられるような性格ではない。確かにヴァンは道を誤り、倒さねばならない敵であったが――。 (それでも・・・こんな下種のような男達に・・・貶められる筋合いはないわ・・・・・・!!)  ここに来て未だ毅然とした態度を見せるティアに、一瞬怖じ気づいた男達もさらにヒートアップする。 「どうやら、この嬢ちゃんまだまだ元気みたいだぜ! お前ら生温いんじゃねえか!?」 「ああ!? 言ってくれるじゃねえか。だったら、俺らも突き殺す勢いでやっちまうから なぁ!」 「おぼぉっ! うん゛ん゛おおお・・・っ! お゛げえ゛ええっ! がっ・・・げお゛おおおお おおおおおっ!!!」 最早一切の加減の無い責めに、獣のような野太い悲鳴をあげながらティアが身悶える。下半身を責める男は今や膣を破壊せんほどの勢いでピストンを繰り返し、身体の内側から腹部を殴りつけた。膣をほじくられることで生じる淫猥な水音と身体の内部から響く打撃音。敏感な子宮への衝撃に激痛と快感がない交ぜになったような不思議な感覚がティアを襲い、じっとりと全身に汗が浮かばせる。  ただでさえ年齢不相応の色気を持った身体が汗にコーティングされることでその淫靡さを増していくようであった。口を責めていた男も負けじとさらに勢いをつけて喉を穿つ。 「――ん゛お゛お゛お゛おあ゛あ゛あっ!! お゛お゛っ! がっ、げぶぉおぅっ!!」  上下からの突き上げにより、背骨が折れるのではないかと思えるほどティアの身体が反り返った。あまりの苦しさに、ついにはティアの瞳は上の瞼に吸い込まれ、口からは泡を吹き出し、さらに身体はビクンビクンと異常な痙攣を繰り返している。しかし、彼女のそんな有様を見ても男達は一向に力を緩めることはない。否、むしろ彼らの嗜虐心をより一層たぎらせる材料にしかならなかった。 「ぶぷっ・・・うぶぉ・・・。ぶふっ・・・! うぶえ゛え゛・・・っ。」 (ころ・・・さ・・・れ、・・・る。わた・・・し、男性器で・・・突き・・・ころさ・・・れる・・・。)    口の端から吹き出した泡とともに、男の我慢汁や他の男達の精液がティアの唾液と混じり、粘度の高い白濁した液体となって絶えず零れていった。それはさらに、彼女の汗や涙、鼻汁とも混じりながら重力に従って額の方へと流れていき、彼女の顔や髪を汚らしく汚す。 「・・・あ゛へっ・・・ぶぴ・・・。ん゛あ゛・・・お・・・。」  普段の凜々しく美しい彼女の面影はそこには無かったが、様々な液体により穢れた無様なアヘ顔はまた別種の美しさを醸し出しているようにも見える。それは、今まさに命が尽きようとしている、その刹那がもたらす美しさであろうか。いずれにせよ、このままでは本当にティアの命が失われかねない危険な状態であった。  しかし、幸運にも――これからの地獄を思えば幸運という言葉が相応しいのかは分からないが――その時は突然訪れた。 「よし、いくぞぉっ!!」「お、俺もだ、食らいやがれ! 糞アマッ!」 「んん゛ん゛っ!? ごおお゛ぉっ!? 」  掛け声とともに2人がティアの身体に一層深く男性器を突き込んだかと思うと、まず膣に挿入している男が己の白い欲望を少女の身体に吐き出す。お腹の中で、男の性器がビクビクと脈打ち、その度に熱した異物がお腹の中に溜まっていく。もう何百回と中だしされているが、この不快感は未だに拭えない。しかし、それも束の間のこと。続いて、口を犯している男が射精すると、もはやそんな不快感を気にする余裕は無くなった。 「ぶぐうっ!? おぼお゛お゛おおおおっ!? ぶごっ、おおお・・・っ!!」  一体どれだけ、ため込んでいたのか。尋常ではない量の精液が、白濁の奔流となってティアの口、ノドに流し込まれる。恥も外聞も無く必死で精液を嚥下するものの、粘ついた精液を飲み込むのは容易いことではない。出口を求めノドから逆流してきた精液が、しかし、男性器という栓に阻まれて行き場を失う。結果として、ティアは滑稽にも頬を膨らまして精液をため込むしかなかった。 「ごぶっ、ぶぶっ・・・! おげぇ・・・・・・う゛・・・」 (・・・っ!? うそ・・・でしょう・・・!? この量・・・精液・・・で・・・溺れ・・・る・・・)  頬の許容量を超えた精液は、やがて鼻からも断続的に噴き出す。年頃の少女にとってはあまりにも惨たらしい惨状であったが、そのことに気付く余裕さえないのは不幸中の幸いと言えた。 「ふーっ、出した、出した。ティアちゃんに会いに来るの一晩ぶりだったから、ついはし ゃいじまったぜ。」  男は笑いながら、ティアのノドからずるりと性器を引き抜いていく。ティアの口と男の性器の間に何本もの粘ついた白濁の糸がつながっていた。 「あ゛・・・げひっ・・・か・・・は・・・・・・ヒュ・・・」  しかし、ノドや気管、鼻に入り込んだ精液によって未だティアは呼吸が困難な状態である。はしたなく広げられた股からブビッと下品な音を立てて精液を吹き出し、陸に打ち上げられた魚のように台の上で病的に痙攣していた。 「おいおい、響長さん死にかけてるじゃねえか、まだまだ順番待ちしてるんだから壊さ  ねえでくれよなぁ。」 「そうだぜ、公共の便器なんだから大事に扱えって。」 周りの男達が軽い調子で責め立てる。そこに少女に対する気遣いなどは一切なかった。 「ちっ、うっせぇーなぁ。ったく手間かけさせんじゃねえよ・・・!」  射精後の昂揚した気分に水を差された男が、苛立ったように拳を振り上げる。そして躊躇うこと無くティアのお腹に振り下ろした。軍人として程よく鍛えられた腹筋も、意識を失っていれば機能しない。  ぐしゃあああっ。拳が少女のお腹にめり込む音。その音とともに、ティアの瞳が一瞬正常に戻り、そしてまた瞬時に上の瞼に完全に吸い込まれる。そして――。 「ぶっ・・・げえ゛え゛え゛え゛え゛え゛ええええええええええええええええええええええ ええっ!!!」  日頃人々に安らぎを与え、そして敵を滅する力をも持つ美しい譜歌を紡ぐその口から 、豚のような濁った悲鳴とともに、間歇泉のごとく精液を吐瀉した。仰向けになっているため、吹き出した吐瀉物が自らの身体を汚すが、それを避けるような体力さえティアには残っていなかったのである。 「うぶ、お゛お゛おおぅええっ・・・げええええええっ・・・!!」 惨めな精液吐瀉はそれから暫く続いた。それもそのはず、ティアはこの牢獄に閉じ込められてから精液しか摂取をしていない。起きているときも寝ているときも、常時犯されていたから当然のことではあるが、胃の中にはほぼ精液しか入っていなかった。 「どんだけ吐くんだよこいつは、きったねえ。」 「まったくだ。外見は綺麗でも、まるで生ゴミみたいな女だな。」 「くっ・・・うぐっ!?・・・げほ・・・っ、うげぇ・・・。」  ここぞとばかりに男達が口々にティアを口汚く罵る。美しいものを貶めることにこそ、最大の興奮を覚える。ここはそうした下種達の集まりだ。ティアは悔しげに顔を歪めるが、未だ吐き気は収まっておらず、何も言い返すことは出来ない。そんなティアをなおも男達は辱めようと、下卑た笑い声がどっと起きる。 「さて、もう十分休憩は取れただろう? 何せこの部屋だけでも50人ぐらいまだ控えて いるし、廊下だって恐らく長蛇の列だ。チンタラやってたらいつまでも終わらねえぞ?」  ティアの精液嘔吐を見て、男達の興奮はさらに高まっており、部屋に充満する雌と雄のの臭いはさらに濃密になっている。もはや、この男達の欲望の前にティアはなすすべが無い。暴風のなか水面にたゆたう木の葉のように、ただ耐えるしかなかった。カヒューッ、と掠れた呼吸音を繰り返し、気を抜けばすぐに白目を剥きそうな状態だったが、それでもティアは男達を睨みつける。最早手も足もろくに動かない今の彼女にとって、せめてもの反抗であった。 「そんな目が出来るんなら、まだまだ大丈夫そうだな。じゃあここからペース上げて5人 ほど一気に処理してもらうぜ? なあに、ケツの穴だってあるし、その気になりゃ手で も腋でも、髪でも、なんなら鼻の穴だって擦りつけてりゃ射精できるぜ。」  そう言って前列の男達が近づいたその時、錆び付いた鉄の扉がゆっくり開かれた。見れば、そこにはこの場に似つかわしくない上流階級に位置すると思われる女性が複数立っている。中心に立っているのは”元凶”となったあの女だ。その女が不機嫌さを隠そうともせずに言い放つ。 「あなた方、勝手なことをされては困りますわ。アナルは私達が許可するまで使用してはならない・・・わたくし、そう申し上げたはずですが?」 「ア・・・こりゃフェローチェ様・・・へへへ、そりゃ冗談ですよ。言葉の綾といいます   か・・・。」  先ほどまでと打ってかわって、男が目に見えて狼狽する。この空間ではこの女は王以上の絶対的な存在なのだ。 「まあいいですわ、しかしくれぐれもお立場をお忘れ無く。貴方を死刑囚に戻すなんてす ぐ出来ますのよ。」  恐らくこの女は、それを躊躇いも無くやれるであろう。そう感じさせる冷徹さがその言葉にはあった。男は顔面を蒼白にして、転げんばかりの勢いで部屋の片隅に引っ込んだ。 それを蔑んだ目で見やってから、フェローチェと呼ばれた女が改めてティアに向き直る。ティアも仰向けになっていた身体を気力で起こそうとしたが、結局台の上に這いつくばる形になるのが限界であった。 「ごきげんよう。ティア・グランツ響長。一日ぶりですけれど、酷い有様ですわね。 少 しは聞き分けが良くなったかしら? 前に言った『提案』を聞いてもらえるのなら、今 すぐにでも解放してあげるのですけれど。」  物腰は柔らかだが、その目には軍人であるティアにさえ警戒を促すような冷たい光を帯びている。が、ティアもまたそれで怯むような少女ではない。二日間昼夜問わず犯され続けた今であってさえ、なおだ。 「・・・断る・・・わ。提案を・・・うぶっ・・・飲んだ・・・ところで貴女が・・・私を解放するとは・・・ 思えない。」  フェローチェをしっかりと見据え、弱々しいが、それでもはっきりと拒絶した。顔中を様々な液体で汚し、口や鼻からは未だ精液がプラプラと垂れ落ちている。そんな無様な状態で強がっても本来は滑稽なだけだ。しかし、その瞳には強靱な意志を感じさせる確かな光が宿っており、そのコントラストが新たな美しさを創造している。 「は? なに、こいつ強がってんの? こんな汚らしい姿でさぁ。」 「ほんとよね。まだ自分がどういう立場なのか分かってないんじゃない? やぁねえ・・・」  取り巻きの女たちが、口々にティアを罵り嘲笑する。唯一フェローチェだけが真顔でティアと対峙していた。 (さすがはグランツ謡将の妹・・・いや、謡将を討ち果たした者というべきですか。)  多少歯ごたえがある女であっても、此の時点で大抵は気が狂うか泣いて許しを請うものなのだ。この責めを受けたあとで単なる強がりができる女などそうそういない。 「・・・分かりましたわ。まだまだいたぶってほしいみたいですわね。」  そこではじめてフェローチェは笑みを見せた。それは周りで見ている者が恐怖を覚えるような凄絶な笑みだった。一方でそれは無邪気な子どもがお気に入りの玩具を見つけたときの表情とも酷似している。 「この女に休息を与えなさい。次の責めは6時間後に再開しましょう。」  そういってフェローチェは踵を返した。直後に後ろで崩れ落ちる音がする。ついに体力が完全に尽きたティアが、自ら吐瀉した精液だまりに突っ伏した音であった。    少女は束の間の安寧をもたらす暗黒の空間に再び身を沈めていく。しかし、彼女はまた現実に戻ってくるであろう。幸か不幸か、彼女自身の持つ心の強さ故に。  再び訪れた空間に一人たゆたいながら、彼女はコトの発端となった二日前の出来事に思いを馳せていた。  ベルの音とともに大型の連絡船が港に接岸し、波が船と岸の間でせめぎ合う。乗客や積み荷を降ろすため、俄に人の動きが慌ただしくなった。ここはバチカル港――常にいくつかの大型船が停泊しており、中型・小型船まで含めるともはや数え切れない程の船が一日に出入りする巨大な港だ。  キムラスカ王国の首都バチカルは陸の入り口が広大な湿原地帯であるため、実質的な出入り口が海上にしかない天然の要害である。必然的にこの港は王国の交通・産業の要として人や物が多く集まり大きな発展を遂げた。常に人々の活気に溢れたこの港は、海上からでもそこの生活音を聴き取ることが出来るほどである。  そんな港の様子を、連絡船の甲板から眺めている少女がいる。彼女の名はティア・グランツ。艶やかな亜麻色のロングヘアに、右目を覆うように分けられている前髪。凛としていて強い意志を湛えた切れ長の瞳に、細くスッと筋の通った鼻梁。それらのパーツが合わさり、街ですれ違えば多くの男性が思わず目を奪われるような美しく整った顔立ちを成している。  さらに人々の目を引くのは彼女のそのモデルのような体型だ。軍人としてはやや小柄であるが、小顔であることに加えてかなり脚が長いため、実際の身長よりも彼女を高く見せている。そして、服の上からでも分かるその豊満なバスト――かつて共に旅した仲間達からメロンと揶揄されたこともある――を、細くくびれた腰がより強調しており、年齢にそぐわぬ色気を醸し出していた。  そんな彼女であるから本人が望まずとも、自然と人々の衆目を集めてしまうのだが、軍人特有の冷たい雰囲気と身に纏うオラクル騎士団の軍服のおかげで言い寄ってくるような男はほとんどいないのであった。  そんな周りの目には一切気付かずに、ティアは一人物思いに耽る。   (もう半月ぶりになるのかしら。こんなに賑やかな港だったのね・・・。)  考えれば、初めてこの港を訪れたときには兄であるヴァンを暗殺することで頭が一杯であった。そのためこうして落ち着いて港を眺めるのは彼女にとっても初めてのことである。  (もうそれも半年前――ね。)  あの頃のヴァンは自らの身辺に護衛を過剰なほど配置していた。恐らく自身の計画成就のためであろうが、それ故ティア個人でヴァンを殺害するのは極めて困難であった。唯一見つけた穴が、ファブレ家を訪れるタイミングだ。キムラスカの王族の家に入る際は、たとえオラクルの総長であっても物々しい警護を同伴させるわけにはいかなかったようである。  この機を逃せばもう兄を止めることはできない――。たとえ侯爵家への侵入の咎で死刑になろうとも、目的さえ達成できればそれでもいい。そんな想いのもと計画を実施したわけだが――。 (今思えば随分杜撰な計画だったわね・・・。まあ時間的な猶予がなかったのも確かだけれど。)  自分の未熟さに思わずため息が漏れる。あの時点で暗殺に成功していればアクゼリュスの人々を初めとして、その後失われた多くの命を救えたかもしれない。そうした後悔は未だティアを苦しめている。  しかし、一方そのおかげで兄の真意を知り、その上で否定することが出来た。様々な人との新しい出会いもあり、今となっては掛け替えのない存在となった仲間とも巡り会えた。何より――。 「ルーク・・・。」  頭に浮かんだ少年の名前が、無意識に口から漏れ出る。およそ半月ぶりとなる少年との出会いに、ティアの心もやや昂揚していた。胸にじんわりと暖かさが広がっていく。しかし、そうしたことに疎い彼女にはそれが何故なのか分からない。 「おーい、ティア。そろそろ下船しよう。他の客はもう殆ど降りてるぞ。」 「うああっ!?」  唐突にかけられた声に思わず上擦った声がティアの口からあがり、身体が跳ね上がる。 「おいおい、そんなにビックリすることないだろ・・・。」  声をかけた青年、ガイ・セシルがティアを見つめてきょとんとしている。短く整えられた金髪に、質素ではあるがオシャレな出で立ち。一見すると単なる人柄の良さそうな好青年である。しかしどこか気品の漂う顔立ちはこのガイという男の出自をよく表している。彼はかつてファブレ家に仕える使用人であったが、今は歴としたマルクト帝国の貴族である。由緒正しい生まれの彼はその高貴な貴族としての一面と同時に、ファブレ家の長年の生活で培われた使用人根性もしっかり染みついていたのであった。 「な、何でもないのよ、何でも。ほら、降りましょう?」  やや紅潮した頬で、珍しく年相応の表情をしているティアは誤魔化すようにガイを出口のある階下へと押しやる。 「あ、おい、ティア・・! ちょ、どわわわわっ!!」  ティアが触れた瞬間、ガイはカラクリ人形のような奇妙な挙動で階段を転げ落ちていった。 「あ・・・ご、ごめんない。」  異性から見て完璧に思える彼だが、重度の女性恐怖症なのである。              * 「おーい、ガイ、ティアー! こっちだ、こっち。」  船を降りて桟橋を行くガイとティアに、手を振りながら一人の少年が雑踏をかき分けて近づいてきた。 王家の一族たる証の紅い髪が彼がやんごとなき身分であることを示している。一方で身に纏う服は仕立ての良さは窺えるものの、王族らしからぬラフな格好だ。作り物のような美しく整った顔立ちとは裏腹に、満面に喜色を浮かべる様は歳の近い兄や姉に懐いているの子どものようである。 「久しぶりだな、ルーク。ちゃんと飯食ってるか。朝は寝坊せずに起きられてるか?」 「あのな、ガイ。俺も子どもじゃないんだから・・・。」  過剰に心配するガイを、呆れたように少年がジト目で見る。  旅をしていた頃によく見たようなやり取りに思わず懐かしさがこみ上げ、ティアは少年を見つめながら微笑をこぼす。そしてこの半年間で起きた彼にまつわる様々な出来事が脳裏に浮かんだ。  少年の名はルーク・フォン・ファブレ――キムラスカの侯爵家の嫡男であるが、実際にはフォミクリー技術により生み出された本物のルークのレプリカ(複製)である。 自らの出自や信頼していたヴァンの裏切り、そして故意でなくとも自分の手で奪ってしまった大勢の命、この齢にして様々な苦難をこの少年は背負ってきた。一度は全てを投げ出して現実から目を背けようとしたこともあったが、しかし彼は見事に立ち直った。自身も逆境にいるなかで、兄と闘う自分を支え励ましてくれさえした。 「ルーク・・・久しぶりね。元気そうで何よりだわ。」 「あ・・・ティア・・・その、お前も元気そうだな・・・。」  ティアがガイの後ろから、さりげなく声をかける。努めて平静を装ったものの、思った以上に第一声は緊張してしまった。それを悟られたのでは無いかとルークの様子を窺うと、ルークはルークで顔を心なしか紅くして目を反らしている。   「・・・。」「・・・。」  二の句が続かず、二人とも表情を硬くしたまま気まずい時間が流れた。 「はいはい二人とも積もる話はあるだろうが、あとは宿屋に行ってからな。」  流れを断ち切るようにガイが沈黙を破った。二人を見る彼はやたら嬉しそうにしている。 「なに、ニヤニヤしてんだよ。・・・って宿屋? なんでだよ、ウチに止まっていけばいいだろ?」 「そうは言うけどなぁ。」  ガイがぼやきながら、ティアの方を見る。 「ガイは今やマルクトの有力貴族でありファブレ家と因縁のあるホドの人間。私はそれに加えて世界転覆を目論んだ重罪人の妹なのよ? 気持ちは嬉しいけれど・・・。」  ティアは困ったような笑みを浮かべた。しかし、ルークも引き下がらない。 「大丈夫だって。今はマルクトとキムラスカだって雪解け状態だぜ。それにガイが帰ってくるってメイドはみんな大喜びだし、あとティアが来るっていうとなんか母上がやたら嬉しそうなんだよなぁ。」 「え? お母様が?」  ティアは思い当たることが無くきょとんとしている。一方ガイは得心がいったように頷く。 「ははぁ、()様も息子のこととなると中々に勘が鋭いみたいだな。」 「? あ、そうそうそれに何ならペールはあの後もしれっと庭師続けてるぞ。」 「なんだってっ!? それはむしろ大丈夫なのかファブレ家・・・? というかマルクトには来ないって言うからどうするつもりなのかとは思っていたが・・・。」  ガイが脱力したように膝を折る。結局、ルークの強い希望で二人はファブレ家に泊まることとなってしまった。ティアがちらりとガイの顔を伺うと、いつもの笑顔を浮かべながらもどことなく憂いを帯びている。 (そうよね・・・ガイにとってファブレ家は家族、いや故郷の仇・・・。いや、本当は私にとっても・・・。)  しかしそこで自分の本音を隠し、むしろ周りに気を遣ってしまうのが彼ガイ・セシルなのだ。マルクトの有力貴族となっても変わらぬ彼の優しさにティアは少しほっとする。そして二人との再会に無邪気に喜ぶルークの姿が、ホドにまつわる忌まわしい過去を洗い流してくれるようにも感じた。 「あれ? そういやジェイドも一緒に来るんじゃなかったのか?」 「ああ、旦那ならまだカイツールだ。なんか急ぎの用事がはいったとかでな・・・。」  話しながら三人はバチカル名物の天空貨車に乗り込み、ファブレ侯爵邸へと向かった。     *  バチカル港にある貴族御用達のサロン。そのバルコニーから三人の姿を眺める者達の姿がある。いずれもキムラスカの上流貴族の女性であるが、その様子は不穏だ。 「見まして? ファブレ家のご子息ともあろう者が、あのような平民と・・・。」 「ルーク様が卑しい身分の者に熱を入れているという噂は聞いていたけどねぇ?」 「まだルーク様は社交界にもデビューしていませんからねぇ。そういった幼さにつけ込まれたのではないかしら。」 彼女たちは自らの抱く憎しみや悪意を隠そうともせず、そしてその矛先はティアに向かっているようであった。  ルークはファブレ家の実質的な嫡男ということもあり、王位継承権からもかなり近しい立場にいる。加えて美しい容貌を併せ持つとなれば、貴族の子女たちの憧れの的となるのは当然とも言える。しかし国王の娘であるナタリアと婚約していたために、それはあくまで憧れの域を出ないものであった。  そうした中で発覚したのがナタリアの出自の問題である。彼女が実際には王の血を引いていなかったことにより、ルークとの婚約は破棄されたという噂が貴族の間でまことしやかに語られたのであった。  婚約の破棄と、ナタリアが王位継承をすることへの正当性が疑われたこと。この二つにより貴族の女性達の間でルークへと注目が集まり、そして問題となったのがティアの存在だったのである。 「キムラスカ王族の者が下賤な者に誑かされたとしたら、それは国の一大事です。」 「聞けばあの女、あの大罪人ヴァン・グランツの妹らしいですわよ。」 「まあ! そんな汚らわしい血筋、牢獄にでも収監してやったらいいのに。」 同じくキムラスカ上流貴族の女性から見初められるならまだしも、平民に過ぎないローレライ教団の一軍人をルークが選ぶのは彼女たちにとって我慢のならないことであった。 口々に喋りながら段々その語勢が強まり、内容も過激になっていく。一人の少女への羨望と憎悪が昼下がりのサロンに渦巻いていた。 その時である―――。 「・・・出来ますわよ。」  その冷たい一声にその場の姦しい喧噪が一瞬にしてシンと静まりかえり、声がした方向に視線が集まった。声の主である女性は張り詰めた場の雰囲気とは裏腹に、何事も無かったかのように目を閉じて優雅に紅茶の入ったカップを傾ける。白すぎる肌は美しいというよりは不健康そうに見え、それが黒髪のロングストレートと黒と赤を基調とした暗色のドレスにより一層引き立てられている。窓からの人々の喧噪が遠のき、静けさが部屋を支配する。加えて、最奥の暗がりに溶け込み白い肌だけがくっきり浮かび上がっている女性の様子が、異世界にも迷い込んだようなどこか非現実的な印象を与えていた。 「勿論、皆様が望むのならばですけれど。」  その女性―フェローチェ・ムル・クルシスはティーカップを置いて人々に微笑みかける。その姿は正しく、人を惑わす美しい魔物そのものであった。 ※コメント この後さらに ルークとティアの深夜の会話シーン→ティアがファブレ家から監獄へと連行されるシーンがあり、エロシーンまではまだ先が長い・・・。 詰め込みすぎは良くないと分かってはいるのですが・・・。 ここまでの話について、ご意見ご感想があれば遠慮無くどうぞ!


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