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真鍋ラスの倉庫
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-三船美優-流されるまま

これは、三船美優がまだアイドルになる前、23歳の頃――小さな会社で事務職をしていた時代の話である。

その日も彼女はいつもと同じように朝から淡々と書類整理をこなし、電話対応を繰り返していた。職場の空気は冷房が効きすぎてやや乾燥し、彼女のデスクの隅には自分を落ち着けるために置いた小瓶のアロマオイルが光を受けてきらめいていた。

昼を少し過ぎた頃だった。美優の下腹部に、鈍い痛みが走る。

「……っ」

小さく声を漏らしたが、周囲の同僚は忙しそうにパソコンに向かっている。誰も気づかない。美優は慌てて姿勢を正し、胸元に抱えたファイルで腹部を隠すようにしながら机に向かった。

――大丈夫、大丈夫。少しすれば落ち着くはず。

そう自分に言い聞かせる。控えめな彼女の性格は、職場で「体調が悪い」と口にすることすらためらわせる。上司や同僚に迷惑をかけたくない。仕事の流れを止めたくない。だからこそ、強まる便意をただ必死にこらえた。

しかし、痛みは徐々に鋭さを増していく。

〈ギュルルル……ッ〉と腹の奥が鳴り、冷や汗がこめかみを伝った。美優は下唇を噛み、机に置いた右手をわずかに震わせながら耐える。

「……っ、どうして……今……」

声にならない呟きが、喉から漏れた。

同僚がこちらを見やしないか、そればかりが気になる。彼女は作り笑いを浮かべ、ファイルをめくる仕草を繰り返す。けれど視線は文字を追えず、ただ腹痛の波に必死に耐えるだけだった。

〈ズキン……ズキン……〉

押し寄せる痛みに、足先から力が抜けていく。膝をぎゅっと寄せ合い、椅子の下でこっそり震わせた。

――今、立ち上がってトイレに行けば……間に合うかもしれない。

頭ではわかっている。だが、誰かに「大丈夫ですか?」と声をかけられ、注目されることが怖い。控えめで流されがちな彼女は、その一歩を踏み出せなかった。

「……っ、すみません……すぐ、戻りますから……」

小さな声で自分に言い訳をする。

時計の針は容赦なく進む。秒針の音すら鼓動のように大きく響く。便意の波が襲うたびに、美優の視界は滲み、吐き気すら覚えるほどだった。

額から滴り落ちる汗がデスクに染みをつくる。彼女は慌ててハンカチで押さえ、誰にも気づかれないよう背筋を伸ばした。

――お願い、もう少しだけ……。

自分に祈るように呟く。

〈ギュルルル……ッ〉

その音があまりにも大きく、隣の席にまで届いたのではないかと心臓が跳ねた。思わず両手でお腹を抱え、俯いたまま顔を赤らめる。

「……っ、私、どうして……いつも……」

悔しさと情けなさで、かすれた声が震える。

限界は刻一刻と迫っていた。立ち上がろうとすると、腹の痛みが鋭く刺さり、椅子の背もたれにしがみつく。足先が痺れる。冷たい汗が背中を伝う。

彼女は誰にも悟られぬよう、必死に微笑を形作ろうとした。けれどその笑みはひどく歪んでいた。

――もう、これ以上は……。

その瞬間、勇気を振り絞って椅子を引く音を立てた。〈ガタッ〉という音に同僚が一瞬視線を上げる。美優は咄嗟に会釈し、「すみません」と震える声を残して席を立った。

廊下へと向かう足取りは重く、けれど必死に早足を装う。誰にも気づかれたくない、恥をかきたくない。ただそれだけを願いながら、彼女は限界寸前の腹痛を抱え、トイレへの道を急いだ。

――お願い……もう少しだけ……あと少しで……。

職場のトイレまで、残りわずか。だが、その扉を目にした瞬間、強烈な痛みが下腹を貫いた。

「……っ、あぁ……だめ……!」

思わず壁に手をつき、肩を震わせる。次の瞬間、腹の奥から制御不能の圧力がこみ上げてきた。

〈ブシュルルルルッ……!〉

耐え切れず、下着の中に勢いよく下痢が噴き出した。熱を帯びた泥のような便が一気に流れ出し、ベージュのパンティとストッキングを汚していく。

「やっ……だめ……止まらない……っ!」

必死にスカートの裾をたくし上げ、せめて外に広がらないようにと震える手で押さえ込む。しかし、現実は非情だった。

〈ビチャビチャッ〉〈ボタタタ……〉

茶色い液体がストッキングを伝い、太腿を濡らしながら滴り落ちていく。床に暗い染みが広がり、鼻を突く酸っぱい臭いが漂った。

「……っ、すみません……ごめんなさい……こんなところで……」

誰にともなく謝罪の言葉がこぼれる。だが廊下に人影はなく、あるのは自分の惨めな姿と、止めようのない下痢の音だけだった。

〈ググッ……ブリュルルルル……!〉

さらに波が押し寄せ、便は途切れなく漏れ続ける。ストッキングの内側で泥状の便が広がり、布を重くしていく。脚を寄せ合い必死に堪えようとするが、熱い液体はわずかな隙間から零れ落ちる。

「……いや……もう……やだ……」

頬を赤らめながら青ざめ、視界が滲む。羞恥と絶望で胸が押し潰されそうだった。

彼女は咄嗟に壁際に身を寄せ、スカートをさらに持ち上げる。裾を汚さないための、必死の抵抗だった。だが、それは同時に、誰かに見られたら決して言い逃れできない、あまりにも惨めな姿でもあった。

〈ビチャァッ……ビチャビチャッ……〉

液状便が下着とストッキングの隙間から一気に漏れ、床に派手な音を立てて叩きつけられる。広がる水溜まりに自分の靴先が浸かり、さらに絶望が募った。

「……私……どうして……こんな……」

美優の声は震え、涙に濡れていた。いつも周囲に迷惑をかけまいと気を配り、控えめに振る舞ってきた。だが、こんな形で同僚たちの視線を浴びてしまったら……そう思うだけで心臓が潰れそうになる。

――誰にも、見られていませんように……。

そう祈りながらも、腹の圧迫感は収まらない。

〈ドロドロドロッ……ブシュルルルル……ッ!〉

溜まっていたものが一気に解放され、下着の中は完全に崩壊した。濃い茶色の液体がストッキングの縫い目を押し広げ、腿を伝って勢いよく滴り落ちる。床に広がる汚泥はついに靴音を濁らせ、強烈な臭気が漂った。

「……っ、ごめんなさい……ごめんなさい……」

美優はただ謝罪を繰り返しながら、その場に身をかがめた。肩は震え、汗と涙が混じり合う。スカートを高く持ち上げたまま、どうにか裾だけは汚さないようにと必死に保つ姿は、あまりに哀れで、あまりに痛々しかった。

便はなおも断続的に漏れ続ける。

〈ビチャ……ポタポタ……〉

〈グジュグジュ……〉

下着の布地はすでに原型を失い、ストッキングはぐっしょりと濡れて脚に貼り付いていた。

「……はぁ……っ、はぁ……っ……もう……いや……」

美優は荒い呼吸を繰り返し、力尽きたように壁にもたれかかった。便意の波が去り、ようやく落ち着きを取り戻しつつある。しかし残された惨状は消えず、下半身はどこまでも重く冷たかった。

誰かに見られたら終わりだ――その恐怖が胸を締めつける。震える指でスカートをそっと下ろすと、裾の下に隠した惨めな汚れが一層自分を追い詰めた。

「……私……なんで……こんな……」

小さな声が空しく廊下に響いた。

美優は嗚咽をこらえ、震える脚を引きずるようにして、近くの個室へと消えていった。残されたのは、涙交じりの謝罪と、強烈な臭気を放つ暗い水溜まりだけだった。

――この日の記憶は、彼女がアイドルとして新しい道を歩き始めた後も、ずっと胸の奥で疼き続けることになる。

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