▼前回のおはなし

▼前回のお話 俺「りうちゃん、大丈夫?」 りう「うん、ごめんね、せっかくの旅行なのに」 りうちゃんを、敷かれた布団に寝かせる。 彼女はふぅ、と息を吐いた。 りう「...のぼせちゃった、みたい」 プールで遊んだ後、俺たちふたりは温泉に向かった。 ひとっ風呂浴び、俺は先に部屋に戻ってりうちゃんを待っていたのだが...
りう「おはよう」
俺「お、おは、よう...」
気づいていないのだろうか...!?
りう「昨日は...すごかったね///」
俺「...うん?」
りう「キミ、激しいんだもん」
俺「激しい...?」
りう「おかげでいっぱい汗かいちゃった。昨夜は、すっごく熱くなちゃった、ね?」
...え?
夜?激しい??熱くなっちゃった!?
りう「人は見かけによらないって、こういうことなんだなって」
りうちゃんは頬を紅潮させながら、含みあり気にウィンクをした。
え...?えええええぇぇぇぇええええ!??
りう「...覚えてないの?」
俺「あ、いやっ!!その、なんていうか...」
マジか。
正直、全く覚えていない。
昨夜、りうちゃんと隣り合って布団を敷き、電気を消して夜会話を楽しんだ記憶はある。
その後、か...?
俺「えっと、俺、りうちゃんと...本当に...?」
りう「ホントに、しちゃったね♡」
俺はついに、りうちゃんと一線をーーー。
でも、その記憶だけが抜け落ちている。
なぜ、大事なところだけ...。
緊張のし過ぎで脳がショートしたのだろうか。
それともお酒に酔っていたのか。
いや。
俺は下戸だから、自らすすんでお酒を飲むことはない。昨日だって特にお酒を注文した記憶は...
ハッ!?
俺「りうちゃん!昨日の晩御飯のメニュー、ある!?」
りう「う、うん。そこの卓に置きっぱなしに---」
卓の上の和紙を掴む。
その、一行目。
『食前酒 桃のスパークリングワイン』
頭が、真っ白になった。
アルコールに弱い俺は、夕飯の食前酒で酔い、りうちゃんと初めての夜を営み、そしてその記憶を失った。
りう「それにしても...キミ、急に入ってくるんだもん。びっくりしちゃったよ」
俺「え!?ご、ごめんっ!俺、こういうの、その、経験無いから、慣れてなくて」
りう「ううん。でも、ああいうのってちょっと刺激的かもって...。あれでわたし、火がついちゃったっていうか...熱くなれたんだと思う」
俺「そ、そっか。それなら良かった!ははは...」
りうちゃんが楽しそうに話していることだけが救いだった。
酔った勢いで無理矢理彼女を押し倒したり、嫌がる彼女に乱暴をしたということは無さそうだから。
でも...。
りう「その後、キミの寝顔はちょっと可愛かったよ。疲れ果ててすぐ寝ちゃって」
俺「あ、あんなことしたの、初めてだったから...」
どんな風だったのか記憶に無いが、もはや言い繕うしかない。
俺がしどろもどろに言うと彼女は、にこっと笑った。
りう「よくがんばりました♡」
彼女を前に、俺は、今度こそ“それ”を記憶に刻みたいと思った。
今度こそ、ちゃんと。
だからもう一度、したい。りうちゃんと。
そしてそれは、彼女も同じようだった。
りう「ねぇ...。今からもう一回、しちゃおっか」
その一言は、俺の理性を吹き飛ばすには十分過ぎた。
彼女はまだ学生---。
俺たちは正式にお付き合いをしていない---。
モラルとやらが囁く正論は、ふたりの世界に没頭する若き男女に、届くことはない。
もう何も、ふたりを止めることはできない。
全ての理性を彼方に置き去り、俺たちは布団の上で交わる。
りう「今度は...わたしが攻めちゃうよ...♡」
俺「望むところだよ」
彼女は頬を紅潮させ、スッと目を閉じる。
俺は、疾く、強く、膨れ上がる心臓の鼓動を感じた。
そして、
俺たちは本能のおもむくままに、
昨夜よりももっと、濃密で、熱烈な、
将棋を指した。
「王手っ!!」
完。
んなどん
2024-06-18 14:31:20 +0000 UTCれぶん
2024-06-16 13:16:06 +0000 UTCんなどん
2024-06-16 13:10:49 +0000 UTCれぶん
2024-06-16 13:01:31 +0000 UTCluna0530
2024-06-16 08:55:37 +0000 UTCれぶん
2024-06-15 14:02:04 +0000 UTCふじ丸
2024-06-15 13:49:20 +0000 UTCれぶん
2024-06-15 13:18:01 +0000 UTCフェル
2024-06-15 12:51:28 +0000 UTC