【小品】大正ミックスボクシング
Added 2025-10-17 08:00:11 +0000 UTCどうもこんにちは!たこやきです!
先週に募集したコミッションで依頼のあった作品がひとまとまり有りましたので、風景や日常画像を追加して物語調にまとめてみました。
以前作成した大正ミックスボクシングからの派生作品みたいになっております。
↓こちらが過去作品
https://www.patreon.com/posts/89304075
さすがに2年で技術的にかなり変わったことも実感できて、それも不思議な感慨がありますね。
それではどうぞ!
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大正二十年、帝都

旧華族、岩小路家の長女たる志摩子。
彼女は、親が決めた許婚、草加太一郎との祝言を控えていた。

背後で扉が開く。許婚の太一郎であった。

傲岸不遜なその相貌に、志摩子は隠しもせぬ冷たい眼差しを向けた。

「あら、太一郎様。ちょうどお会いしとうございました。明日の祝言を前に、ひとつだけ、わたくしの我儘(わがまま)をお聞き届け願えませんか?」
「下らんな。明日にしろ」
「太一郎様……。わたくしは、これから淑女ではなく、あなたの妻になるのですよ。ならば、最後のお願いくらい、お聞き届けくださってもよろしいのでは?」
その声は、甘えてなどいなかった。 むしろ、研ぎ澄まされた刃のような響きを帯びている。
太一郎は苛立ちを隠しもせず、ふん、と鼻を鳴らした。
「…言うだけ言ってみろ。手短にな」
「わたくしたち、賭けを致しましょう。ボクシングで」
それはボクシングの試合で、勝ったほうが今後の夫婦関係の主導権を握ることにしようという提案だった。
「ほほぉ」

太一郎の眉が面白いように吊り上がる。
生意気な振る舞いの多い志摩子を、太一郎はこれまで幾度となく「躾」と称して拳で打ち負かしてきた。 それは、彼の歪んだ支配欲を満たす、甘美な遊戯に他ならなかった。
「ククッ…、俺に打たれるのがそんなに好きか。良いだろう、今宵は前祝いだ。
その生意気な身体に、俺が主人(あるじ)だと存分に刻み込んでやる」
「では、決まりですわね。わたくしが勝ちましたなら、今後の夫婦の一切の主導権は、この志摩子が握る。
あなたが勝てば、わたくしは物言わぬ人形として、あなた様にどこまでも仕えましょう」
「ふん。人形のようにおとなしくならなければ、躾けてやるまでだ。
……犬のようにな」
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その夜、二人は黒塗りの自動車に忍び込み、屋敷を抜け出した。

向かう先は、帝都の郊外に打ち捨てられた古い洋館。
太一郎の祖父が道楽で建て、今は訪れる者とてない。
重い扉を押し開け、二人は石の階段を地下室へと降りていく。 地下室には、異様な存在感を放つ四角いリングが鎮座している。 それこそが、かつて、祖父が己の倒錯した遊戯のために密かに設えたという、密儀の舞台であった。
志摩子の繻子(サテン)のガウンが肩から滑り落ちる。
蝋燭の灯りに照らされた志摩子の身を包んでいるのは、これまでの『躾』の際に太一郎が常に強いてきた、白く薄いワンピース水着であった。
汗で肌にぴたりと張り付いた生地は、豊満な乳房から腰、そして腿へと続く肉体の起伏を、隠すどころかむしろ生々しく浮かび上がらせる。
対する太一郎もまた、上半身を剥き出しにし、下半身には白のスイムパンツのみを身に着けている。鍛え上げられた逞しい筋肉を誇示するかのように、彼は何度も腕を振り回した。
試合開始のゴングが、二人だけの歪んだ密儀の始まりを告げた。
序盤は、これまで繰り返されてきた「躾」の光景、そのものであった。
バシィ!「んっ!」 バチィ!「っく!」
太一郎の放つ重い拳が、的確に志摩子の頬を掠め、鳩尾を打つ。 志摩子は絹を裂くような嬌声を上げ、何度もよろめいた。
ドン!「ぐふぅ!」

やがてロープ際に追い詰められ、逃げ場を失う。 その苦悶に歪む令嬢の美貌を前に、太一郎は嗜虐的な悦びに満たされた。
「どうした、志摩子! その程度か!
女は所詮、床の上か拳の下で喘いでいれば良いのだ!」
太一郎がとどめの一撃を振りかぶった、その刹那。
バンッ!

顎を打ち抜く乾いた破裂音が、太一郎自身の拳が放つ風切り音よりも先に響き渡った。
太一郎が大ぶりに構えた一瞬、がら空きになった顎を、下から突き上げる痛烈なショートアッパーが打ち抜いていたのだ。
「ぐっ……!」

予期せぬ一撃にたたらを踏んだ太一郎は、屈辱に顔を歪めて志摩子を睨み返す。
プライドを傷つけられた獣が、怒りのままに猛然と襲いかかった。
ブン!ブン!ブン! バッ!バッ!バッ!シュッ!

だが、その猛烈なラッシュは、ことごとく空を切る。
志摩子は上体を鋭く動かし、紙一重(かみひとえ)のスウェーとダッキングで、その悉くを最小限の動きでかわし続けた。
焦りからか、太一郎の動きが大きくなる。起死回生を狙った右ストレートが、唸りを上げて志摩子に襲いかかった。
ズバン!「ぁがっ!」

その右腕の伸びきる寸前、志摩子の放ったカウンターの右が、がら空きになった彼の顔面を寸分の狂いもなく打ち抜いていた。
ダァン!
衝撃に、太一郎の巨体が僅かに浮き、糸の切れた人形のようにキャンバスへ崩れ落ちる。

キャンバスに沈んだ太一郎を、志摩子はゆっくりと見下ろした。
優雅な仕草で上半身をかがめると、意識の遠のく彼の瞳を見つめながら、子守唄でも歌うかのように、しかし氷のように冷たい声で、自らカウントを唱え始めた。
「……ひとぉつ、ふたぁつ、みっつ……」

意識が朦朧とする中、太一郎は屈辱に歯を食いしばるが、身体は鉛のように重い。
「……やっつ、ここのつ、とぉ……」
最後の声が響いても、彼は指一本動かせなかった。
志摩子はぐったりとした太一郎の髪を掴むと、まるで汚れた雑巾でも引きずるようにしてコーナーポストまで運び、その身体を押し付けた。

そして、わざと自身の汗ばんだ胸や腹を、男の身体にぐっと擦り付ける。
屈辱とは裏腹に、太一郎の下半身が醜く興奮し、硬く昂る。
だが、その獣じみた反応を嘲笑うかのように、次の瞬間、彼の両腕は志摩子の手によって巧みにロープへと固定されていた。
自由を奪われた太一郎の顔が、絶望に染まる。
志摩子は、まるでこれから始まる儀式の段取りでも確認するかのように、ゆっくりと両の拳を目の前に掲げた。

「さあ、本当の『躾』の時間ですわ、太一郎様」
パンッ!
その言葉が終わると同時、彼女は自らのグローブを強く打ち合わせた。
乾いた破裂音が、静まり返った地下室に響き渡る。 それは、もはや弁解も命乞いも許されぬ、一方的な執行開始の合図であった。
合図が鳴り終わるや否や、猛烈なパンチのラッシュが始まった。 志摩子の拳が、無防備な太一郎の顔面と腹部に、猛烈な勢いで叩き込まれる。
バン!バシィ!バン!バチィ!

「この程度の実力で!」バン!
「 あなたが!」バキィ!
「わたくしを!支配するつもりだったの!?」バコォ!
「啼きなさい! 苦しいのでしょう!?」 ドス!ドス!
「 もっと可愛らしく啼いてごらんなさいな!」ズバン!
侮蔑の言葉と共に、容赦ない折檻が続く。 唇が切れ、鼻から血が吹き出し、太一郎の意識は急速に闇へと沈んでいった。
志摩子の白い水着に、彼の血が点々と紅い椿の花を咲かせる。 その狂乱の光景を、地下室の暗がりがただ飲み込んでいった。
どれほどの時間が経ったのか。ロープに無残に固定されていた太一郎の身体が、だらりと崩れ落ちた。志摩子は荒い息をつきながら、汗と返り血で濡れた髪をかき上げる。そして、意識を失い倒れ伏す許婚の耳元に、地を這うような甘い声で囁いたのである。

「……ねえ、太一郎様。犬になるのは、あなたの方でしたわね」
志摩子は血で濡れた紅い唇を舐めると、キャンバスに沈んだ男を冷たく見下ろす。
その顔には、長年の屈辱を晴らした、冷たく、そしてどこまでも甘美な悦びに満ちた笑みが、返り血を浴びて咲き誇る、暗い椿の華のように浮かんでいた。
明日の祝言を前に、主従は、今宵、完全に入れ替わったのであった。
Comments
こういう展開で女性キャラのサディスティックなセクシーさを出すのもなかなかいいものですね。清楚系なキャラのこういう姿も良きものです。
takoyaki
2025-10-17 13:44:43 +0000 UTCDVクソ野郎の自業自得を堪能するすばらしい作品でした! 内なる強さが表に出て、長い間苦しめた相手をぶちのめす喜びに覚醒する志摩子は最高でした!
Morito Nagato
2025-10-17 13:36:12 +0000 UTCこういう清楚な見かけの女性がドSなところを見せるのもちょっとした新鮮さが感じられて良い感じもしますねっ!
takoyaki
2025-10-17 10:42:34 +0000 UTC積年の想いを晴らした満足感と、芽生えた嗜虐心が窺えるドSな表情たまりませんね!清楚で育ちがいいですが自分のカラダには結構自信がありそうなところもよいです。
billy
2025-10-17 10:11:56 +0000 UTC