nUber Eats
Added 2020-01-26 13:13:08 +0000 UTCピンポーン 週末の休み。年末で忙しい日々が続き、休みの日にゆっくり昼近くまで寝ていた男はそのインターホンで目が覚めた。 「え...誰?」 のそのそと足を動かして玄関の覗き窓を見ればそこには知らない人間。不安になりながらも重い扉を開けるとそこには体の皮膚全体を覆うサイクリングスーツにヘルメットにサングラス、全てが真っ黒で包まれた人物がいた。 「どうも!!nUber Eatsです!!」 「ヌーバーイーツ?ウーバーイーツじゃなくて?」 「はい!!」 「ってか俺何も頼んでないけど...」 「これどうぞ!」 そう笑顔で男は言って黒い配達バッグから頭サイズぐらいの黒い球体を取り出した。 「いや...だから俺何も...って、これ何?」 疑問を浮かべた瞬間、その思考を遮るように黒い球体は糸を伸ばして男を巻いていった。 「おいっ!!これ、ぶへっれ!!」 口も塞がれ、段々全身が包まれ繭のようなっていく。 「少しお邪魔しますね」 誰にも見られないように配達人は玄関を閉めて男の家にはいりこむ。暫く男の呻き声が聞こえたがそれも止み、配達人の持っていた黒い球体が無くなると玄関には立ったまま真っ黒な繭となった男の置物が完成していた。 「さてと、ここまでくればもう安心かな。俺はもう次へと行かないと。堕ちたお前に会えるのを楽しみにしてるぜ。いっぱいエッチしような」 配達人は繭にキスをするとそのまま男の家から姿を消した。あれからどれくらい時間が経っただろうか。外はもう暗くなり始める時間になっていた。その時、繭が微かに動く。そしてまた。数回繰り返すと今度は震えだし繭から黒い液体が漏れる。今度は喘ぎ声。ミシミシと繭に亀裂が入り、そこから真っ黒な手が現れる。それからは早かった。喜悦の声といっしょに配達人と同じ、ヘルメットにサングラス、真っ黒なサイクリングスーツに全身を包まれたこの家の主である男が出てきた。 「へへっ!あーーー最っ高に気持ちイイなぁ!!」 繭から完全に出ると男は全身ぺたぺたと触り、その着心地を確かめる。 「あぁマジで最高だわ」 男はそのまま股間に手を当てて一発スッキリさせようとした時、抜け殻となった繭が触手のようにその黒い糸を男のサイクリングスーツに突き刺さした。同化する様に段々と糸は吸い込まれる。男も気持ち良さそうにその行為を嬉嬉として受け入れる。 「いひっ♡あ、あっ!!い、あっ♡」 そして全ての糸が入ると 「ひっ!あっ♡あぁぁぁぁぁいくぅぅぅぅ♡」 男は真っ黒になった精液を吐精した。そしてそれは床に撒き散らされるが再び集まり黒い球体となった。 「ふぅぅ、はぁ最高の射精だったぜ。へへ、俺の初めてBB弾」 BB弾と呼ばれる黒い球体を手に取るとうっとりと男は見つめる。すると球体は先程の繭のようにサイクリングスーツと同化して吸い込まれていった。 「いひっ♡」 「はぁぁ、さてとあんまりちんたらしてたら駄目だな。そろそろ行かねぇと」 男は家を出て、その姿と同じような夜の闇へと消えていった。 男が辿り着いた場所はとあるマンション。男はエレベーターに乗り込むと非常ボタンを長押しした後、頭の中にある4つの数字の階層ボタンを順番に押す。するとエレベーターは存在するはずのない1階の下、地下へと向かう。エレベーターが止まり、辿り着いた場所は薄暗い明かりで照らされた広い空間。地下トンネルのようなとでも言うのが相応しい場所だった。そこには男と同じような全身黒く包まれた男達がいた。 男は幾つもの台が並ぶ所へと向かう。そこには男達が設置されたタブレットに何かを打ち込んでいた。男も空いている台へと行きタブレットに打ち込む。自分の名前、住所、他様々な個人情報を。10分ほど経ち、全ての入力を完了させる。入力し終わると次に向かうエリアと座席番号が指示される。そこに行くと簡素な黒い椅子が並び、男達が座っていた。そしてその頭に被るヘルメットには幾つものコードが刺さっていた。男も指定された座席へ座ると例に漏れなくコードがヘルメットに刺さる。そしてそこから電流が流れると次にするべき指示が脳内へと流れ込み、頭に己が何を成すべきか改めて刷り込まれる。頭に響き渡る声に他の男達と一緒に男も無表情に返事をする。 「はい...はい...かしこまりました...全ては組織のために...統帥に忠誠を...」 作業が終わるとコードが外れ男は立ち上がる。席から去るとまた違う男がその席へと座り、コードが繋がれていた。 次に男は4畳ほどの個室スペースへと入り、そこで全身に力を込める。すると男から、いやスーツから真っ黒な自転車とバッグが現れる。そして勃たせた一物を握りオナニーを始める。射精をすると飛び散った黒い液体は集まり、幾つもの球体となった。 「さてと、行くか...」 男は球体をバックに入れてストックされていた球体もスーツから取り出しバッグの中へと詰め込んだ。 部屋を出ると、自転車を押してそのままエレベーターへと乗り込み、そのまま刷り込まれた任務を遂行すべく、外へと出た。 次の日の朝。自転車を走る真っ黒なサイクリングスーツに包まれるその姿は傍から見れば趣味と実益を兼ねたnUber Eatsの配達人にしか見えなかった。男はしばらく自転車を走らせると、あるマンションへと辿り着く。オートロックのマンションだったが、男は今から訪ねる人物を驚かすためにマンションの住人が入るタイミングを見計らって一緒にマンション内へと侵入した。そして目的の部屋へと辿り着きインターホンを押す。 「ガチャ、どちら様ですか?」 「兄貴?俺だよ俺、ケイスケだよ」 「ケイスケ?いきなりどうした?」 「ちょっと兄貴に用があってさ。とりあえず開けてくれない?」 「分かった。少し待ってろ」 扉から現れたのは浅黒く、つり目が目立つ男らしい人物だった。 「今日休み?」 「あぁ、でも年末だしもしかしたら呼び出しがかかるかもだけど」 「やっぱ消防士って忙しいね」 「みんなの為だ、仕方ない。それよりお前の格好どうしたんだよ?しかも何かガタイも良くなってないか?」 ケイスケの兄が疑問に思うのも当然だった。ケイスケの職業はシステムエンジニア。太ってはいなかったが特に筋肉も付いてる訳でもなく、ランニングや筋トレをしていた訳でもない。しかもその格好は真っ黒なサイクリングスーツで体のラインを特に際出せている。 「最近自転車にハマってさ、それで流行りのnUber Eatsで副業してるんだよ」 「そうか...」 ケイスケの兄は一言そう返事するしかなかった。 だがケイスケの何かを含んだその笑みに警戒心が上がる。 「お前本当にケイスケか?何かあったのか?」 「何言ってるんだよ。俺は正真正銘ケイスケだよ。それよりコレ。今日はコレを兄貴に渡しに来たんだよ」 そう言ってケイスケはあの黒い球体を兄に見せる。 するとケイスケの掌で黒い球体は動き出し兄に向かって糸を伸ばす。 「これっ!!何だっ!これ!?」 ケイスケの時と同じように体を巻いて、口を塞ぐ。手を足を封じられて抵抗も出来ぬまま巻かれて部屋の真ん中に黒い繭が出来上がった。 「はぁぁ、惚れ惚れするなぁ。立派な繭だ。兄貴今頃中で楽しんでるんだろうなぁ」 ケイスケは繭に頬をスリスリさせてうっとりとした表情を見せる。耳を済ませれば中ではその喘ぎ声が微かに聞こえる。 舐めたりと繭に対して愛撫を繰り返すケイスケはその手を遂に股間へと伸ばす。 「はぁ、はぁ、あぁ、兄貴、早く、早く」 股間からは黒い精液が飛び、繭を更に黒く染み込ませる。 外がオレンジ色に染まる頃、繭が微かに動く。 ずっと自慰を続けていたケイスケは繭が動くとすぐに離れてワクワクとした表情を浮かべる。 そして繭が割れると、そこから愉悦の声を上げるケイスケと同じ姿になった兄が現れた。 「あぁぁぁぁぁぁ♡すっげぇ気持ちぃぃ♡最高だぁぁ!!」 その後はケイスケの時と同様に繭の抜け殻はその糸を伸ばして兄のスーツへと収納される。 「あへっ♡えへへ♡あは♡いくっ!いくぅぅぅぅ♡」 兄は射精をして黒い水溜まりを作る。そしてそれは集まりケイスケの時と同様に球体を作り出す。ケイスケは兄が作ったBB弾を手に取りそれを兄の体へと吸収させる。 「あっ♡あひっ♡」 全て吸収された事を確認するとケイスケは満面の笑顔を見せ、自分と同じく黒く染まった兄へ抱きつく。 「兄貴ぃ、待ったぜ♡」 「ケイスケぇ、ありがとな♡すげぇ気持ちイイよ」 二人はツルツルとしたサイクリングスーツで全身を擦り合い腰を揺らす。そして唇を合わせて舌を絡め合う。 「はぁ♡あん♡そこ♡いい♡」 「うん♡あっ♡ぺろ♡すげぇ♡気持ちイイ♡」 外がオレンジから黒くなるまで二人は抱き合った。頃合か、ケイスケは残念そうに兄から少し離れる。 「ずっとこうやってたいんだけど兄貴は生まれ変わったばっかだから先に行かないと行けない所があるんだ」 「あぁ、分かってるよ。場所もやる事も頭に入ってるさ。そうだよな、行かないとな。帰ってきたら一晩中ヤろうな」 「もちろんだよ兄貴!待ってるぜ!!」 すると兄のスマホが震える。 「電話?」 「あぁ、職場からだよ。まあ無視だな。今は人命よりも大事な事があるからな」 そう言って兄はあどけなく笑う。まるで何も悪くないと。人命第一だった正義感は黒く上書きされ、組織こそが従うべき正義となっていた。 兄を玄関まで見送り、まるで夫婦のようにいってらっしゃいのキスをする。そして兄は夜の闇へと消えていった。