SamSuka
シカク
シカク

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Blue,Rice Field,Purchase -前編-

遥か先の未来。2XXX年。この地球は戦争をしていた。相手は宇宙人とでも言えばいいのだろうか。突如青色の肌を持つ人型生命体が降り立ち侵略が行われた。もちろん人類も簡単に侵略を許すわけもなく戦争が始まった。 やってきた宇宙人は地球よりも進んだ科学技術があったため、最初は押される形となっていたが、人類も意地を見せて宇宙人の科学、軍事技術を盗み、均衡できるほどになった。 だが、また問題が発生した。均衡した途端、宇宙人がその生体を明らかにさせた。まるでスライムのように体を変幻自在に変えてきたのだ。普段は人型だが、攻撃が当たりそうになるとグネグネと形を変えて避け、そのまま人間の身体にへばりついて体の制御を奪うなど、またもや人類が不利に傾いた。 そこであるものが開発された。 有人機動兵器のロボットまでとはいかないが、人が生身で戦闘を行う時代はそこで終わった。パワードスーツが開発されたのだ。人がパワードスーツを身に纏って戦闘を行うことで宇宙人が人間に取り付くことを出来なくした。取り付いても全身に電流を流して黒焦げにさせてしまうからだ。更に身体能力もあげて、より様々な武器も所持する事が出来るようになり、人類が有利に傾いていった。それほど、このパワードスーツの恩恵があった。 そして、この戦争はもう100年以上続いている。 地球外生命体を撃退する為の学校が作られると、地球守る為その士官学校に入学する者が殺到し、他の多くの学校が次々と設立された。その中でも世界で最高峰の者達が集まる士官学校がある。ここを卒業した者は優秀な戦果を挙げた者達ばかりで、その人達に憧れて入学したいという者が多く、次のヒーロー、英雄に自分もなりたいと競争率が激しかった。高い競争率の為、そこを突破して入学した者たちは既に能力が高く、試験成績次第では入学した時点で軍関係者から目をつけられている者もいた。 そしてその士官学校の訓練室で今、パワードスーツを身に纏い、激しい模擬戦を行う者がいた。 「ふぅー。こんなものか。どうだった?」 ヘルメットを脱ぐと短髪の黒い髪が現れて、爽やかな汗が流れていく。黒髪の青年は訓練室の中にあるオペレーションルームにいる別の青年に声をかける。すると今度は訓練室に取り付けられたスピーカーから部屋全体に声が降り注ぐ。 「ああ!今日もガクは完璧だね!」 その声の正体である金髪碧眼の青年はガラス張りの部屋の中から親指を立ててガクと呼ぶ人物に合図を送る。 合図を見たガクはパワードスーツを取り外して、真っ黒に白いラインが入る全身タイツのようなスキンスーツ姿になって金髪碧眼の青年のいるオペレーションルームへと入っていく。 「いつも付き合って貰って悪いな、エド」 「気にしないで!君の役に立てるのなら本望さ!僕は信じてるんだから!いずれ君があの宇宙人を殲滅してくれるって!」 「俺もそうしたいとは思うけどな。でも実際に戦場に立ってみないとな」 ガクは少し表情を暗くさせる。それに対してエドはそんなことないとガクを精一杯励ます。 実際ガクはエドの言う通りその可能性を持つ者であった。この学校でトップの成績を残しており、周囲からもエドのように未来のホープとして期待されていた。だが、最近は卒業も近付き、かえってそれがプレッシャーになっていた。 卒業をすればいよいよ戦場へと足を踏み入れ無ければならない。模擬戦とは違う命をかけた本物の宇宙人との殺し合い。成績トップがゆえに既に本部でも噂され期待されていた。それがガクへと重くのしかかっていた。 ガクはエドの励ましの言葉に苦笑いを浮かべた後、エドに改めてお礼を言って部屋を出た。 ガクはスキンスーツを脱いでシャワーを浴びている時に改めて考えていた。このまま不安な心持ちでいいのかと。そしてある考えが思いついた。それが閃いた瞬間にシャワーを止めて濡れた黒髪をすぐに拭いて制服へと着替える。そして教官室に駆け込んであるお願いをするのだった。 次の日に早速その願いは叶えられた。 ガクは士官学校に通う学生だがその姿は戦場にあった。ガクは学生の身でありながら一度卒業前に戦場へ行くことを昨日、嘆願したのだ。そして今、それは叶えられパワードスーツを付けて、人類の敵である地球外生命体と交戦していた。 結果的に言えばガクは大活躍だった。パワードスーツも学校で使用されるプロトタイプものでありながらも優秀な動きを見せて次々と宇宙人を殲滅していった。 その後、ガクは軍の様々な支部から今まで以上の勧誘を受けることとなった。そしてガクも自信を取り戻し、改めてこの地球、人類を守ることを心に誓うのだった。 地球近くで浮かぶ巨大な宇宙船。ある一室の部屋で2体の地球外生命体がいた。1体は腰が深く豪華な真っ黒いリクライニングチェアに座る男だ。男の机は180度に広がるほど広く、そこから様々な操作が出来るように最先端の機械が揃えられていた。 そしてもう1体はその机の前で敬礼をしたまま男に報告を行っていた。そしてその報告を聞いた後、男は眉をひそめて口を開く。 「報告だとプロトタイプのパワードスーツを着た学生の乱入により、こちらが押され始め、そのまま撤退するまでに追い込まれたとの事だが」 「はっ!申し訳ございません総帥!」 そう、リクライニングチェアに座る男こそ、この侵略者である宇宙人の総帥であった。 「この作戦、重要だったことは分かっているよな?だから俺の右腕でもあるお前に任せたのだが」 その総帥の言葉に男は覚悟を決めたような表情で真っ直ぐ見つめる。 「この度の作戦失敗は全て私の責任です!どんな処罰でもお受け致します!」 その言葉に総帥は口を吊り上げる。すると机から1つのUSBが姿を現す。 「お前に挽回のチャンスをやろう。これは新たに開発されたウイルスプログラムだ。この計画が進んでいたのは知っているだろ?後はお前次第だ。次に失敗すると分かるよな?期待しているぞ」 男はUSBを受け取る。そして何も言葉を発さずに一礼をして、部屋を後にした。 「さてと、折角頂いたチャンスだ。俺も覚悟を決めないと。一か八か…だな…だが、必ず成功させる。ドルトス星人繁栄のために」 男はそう呟いたあと、何かを決意した表情になり、そのまま歩いていくのだった。 ガクは卒業が近いため授業も少なく、体を鈍らさないため、更に鍛えるために訓練室に通う日々が続いていた。そして今はオペレーションルームにいた。 「今日も悪いなエド、付き合って貰って」 ガクはヘルメット以外のパワードスーツを装着した状態で端末と向かい合うエドに声をかける。 「気にするな。いつもの事だろ?」 その返事にガクは何故かエドに違和感を覚える。 「エド、調子悪いのか?」 「いや、そんな事はないが…どうしてだ?」 エドはずっとガクの方を向かず、端末に顔を向けながら会話は続ける。 「何か声に元気がないと言うか違和感が。お前は大切なパートナーだ。体調が悪いなら俺の我儘で訓練に無理して付き合う事はないんだぞ」 「大丈夫だ。少し寝不足なだけだ。訓練を続けよう」 「分かった…今日はなるべく早く終わらせよう」 ガクがそう言うとエドはニヤリと笑いパソコンを操作し始める。そしてガクはエドがいるオペレーションルームを出てヘルメットを被る。そして戦闘態勢に入り模擬戦の準備を終える。ヘルメットを被ったことを確認したエドはUSBを取り出してそれを端末へと接続した。 「ガク、訓練の前にパワードスーツだけアップデートをしたいんだが。すぐに終わるから今やっていいか?」 「あぁ…構わない、よろしく頼む」 そしてエドはUSBに入っていたデータをパワードスーツへと送り込んだ。 するとガクの視界が真っ暗に変わり、頭からつま先までパワードスーツ全体から電流が流れ出す。電流は体に快楽を刻み、その電気信号を脳へと伝える。真っ暗だった視界は光学迷彩を、耳からは単一周波数の正弦波が高音で大きく鼓膜を揺さぶり、脳を変えていく。そしてガクは頭を抱え膝をつき、笑っているようにも取れる叫び声をあげる。 「あがあぁぁぁぁ、っあぁ、ぁぁぁががごががっ、ばばばばうあ、ア"ァア"ア"ア"ア"ア"アアアアハハハハハハハハハハ、あーああーあーあーあーあーあーあーあーあ…あ…あ…ぁ…」 暫くすると段々と声も小さくなり、パワードスーツに流れる映像や電流も弱くなる。 「ふっ…、あ、…はぁ…あ…、あ…ぁ…ぁ…」 全ての作業は僅かな時間で完了した。プシューと音が鳴り響きパワードスーツの機能が停止する。上を向き、膝を立てて固まるガクにエドは近づきヘルメットを脱がす。そこには空虚を見つめ涙と鼻水、涎までもが溢れ、ぐちゃぐちゃの顔を晒すガクの顔があった。 「ガク、アップデートはどうだった?」 その言葉にガクはふらふらと立ち上がり、そのまま敬礼をした。 「とても素晴らしいものでした。ドルトス星人がいかに偉大で俺たち人間が愚かだったのかが理解出来ました。俺たち人間はドルトス星人の皆様に支配されることで幸福を得られると言うのに…」 エドはその答えにニヤリと頬を緩める。 「アップデートは成功のようだな。ちなみに俺は本物のエドではない。本物は今頃部屋で寝ているよ。俺はドルトス星人、名はカルタスだ。これでも総帥の右腕を任されてる」 「カルタス様…カルタス様ありがとうございます!!そんな立派な方から俺は教育して頂けたのですね!!俺はカルタス様のお陰で目覚める事が出来ました!愚かな人間である俺を如何様にもお使い下さい!!」 「ならお前にはドルトス星人がこの地球を支配出来るように動いてもらいたい。勿論やってくれるだろ?」 「勿論です!!ドルトス星人の皆様が早くこの地球を、人間を支配出来るようにどんな事でもします!!」 「よし、なら俺は暫くお前の中に入り込みその都度指示を出すようにする」 そう言うとカルタスはグニャグニャとスライムの様に形を変えてそのままガクの耳の穴から体内へと侵入していった。 「アバババババ!!アヒッ!…んぁ、はぁ…♡カルタス様が愚かな人間の俺の中に…幸せだァ…カルタス様居心地はいかがでしょうか?」 するとガクの頭の中に直接カルタスの声が響き渡る。 (中々悪くない。俺が見込んだ通りお前は人間の中でも優秀だな) 「あ、ありがとうございます!!」 (今日は遅い。行動は明日からだ。体を休めておけ) ガクは返事をするとそのままトレーニングルームを後にした。

Blue,Rice Field,Purchase -前編-

Comments

ありがとうございます! 擬態とかスライム系は初めてで不安だったんですけど興奮して貰えて良かったです!!

シカク

仲間が知らない場所で洗脳されてしまうのが、最高ですね…😄 併せて擬態も大好物なので…すごく興奮しました!!

ささもと


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