for/getting -前編-
Added 2021-04-09 09:33:07 +0000 UTC「…いっ、て。ん?ここどこだ?」 目覚めると俺は病院のベットの上にいた。 身に覚えの無い頭痛と体中の痛み。なぜここにいるのかが分からない。そしてベットの横には黒川広輝がいた。 こいつは知っている。大学のサッカー部エースストライカーだ。甘いマスクと鍛え上げられた筋肉で女子にも男子にも人気の男が何故ここにいるんだ?俺とは講義が一緒ぐらいでそんなに関わりもないはずだが。いろいろと状況が分からない。 ハテナを浮かべたまま黒川を見ていると、潤っとさせた瞳で嬉しそうに話しかけてくる。 「目が覚めたんだな!大丈夫か?どっか痛い所とかもないか?」 「少し頭と身体が痛いだけで…大丈夫だと思う…」 「い、痛いのか?本当に大丈夫か?」 「あ、あぁ…」 その場にはちょうど看護婦さんもいたので、先生を呼んでもらい、何があったのかを話してくれた。 俺は大学の階段から落ちたらしく、そのまま気を失い病院へと運ばれた。黒川は俺が救急車へと乗せられる際にたまたま通りかかり、仲のいい自分が付き添いになると強引に救急車へと乗ったらしく、ここにいるそうだ。 なるほど…。階段から落ちたのか、なら頭が痛いのも体中が痛いのも黒川がここにいるのも分かる。でも階段から落ちたというのに痛いと言えば痛いんだが、体をどこかにぶつけた程度の痛みで痣にもなってないし、ホントに階段から落ちたのか?まだ疑問はある。俺こんなに体鍛えてたっけ?なんだか、細マッチョな締まった体型になっている。そして、最大の疑問は、俺、黒川と仲は良くないんだが…。連絡先も知らないし、どうなっているんだ。 看護婦さんから事のあらましを聞き終えると、ちょうど先生が病室に来た。そこで色々と見てもらった結果、どうやら俺は記憶喪失らしい。だが、イメージするような重い症状ではなく、ここ最近一週間の記憶だけが抜け落ちているようなのだ。 なので今日の日付を聞いて驚いた。まるで一週間だけタイムスリップしたような気分だ。そして黒川からも話を聞くと、俺とはちょうど一週間前ぐらいから仲良くなったらしく、ほぼ毎日会っているそうだ。きっかけに関しては何故か誤摩化されたのだが、俺がこんなイケメンの人生勝ち組のようなやつと仲がいいのが未だに信じられない。 俺なんて特に何かに特殊しているわけでもない平凡な人間なのに。スポーツも特にしてないし。 スマホで何かココ最近の自分の情報を見ようにも階段から落ちた時に壊れたらしいし、ほんと黒川との関係はどこがどうなってこうなったのか気になる。 それから数日間、俺は大事を取って入院をしたのだが、黒川はその間毎日お見舞いに来てくれた。なんでも部活を休んで来てくれているそうだ。エースなのに大丈夫かと尋ねても笑顔で“大丈夫!郁哉の方が俺に取っては大事だから”と恥ずかしげも無く発言する始末。だがある日二人きりになると急に態度が変わり悲しそうな顔で 「覚えてないのですか?本当に俺の事、忘れてしまったのですか?ご主人様…」 と、敬語で話し出して俺の事をご主人様と呼んできた。 これには驚いた。一体俺と黒川はどういう関係なんだ。 「お、おい、ご主人様ってなんだよ!?どういうことだ!?」 「…ははは!!冗談だよ冗談!!なにマジに受けとってんだよ!」 「冗談って…」 「悪い悪い、ずっと考え事して難しそうな顔してるからちょっと揶揄ってみたんだよ」 「何だよ…こんな考え事してる原因もお前のせいだぞ…」 「俺のせいか…郁哉、これだけは信じてくれ。なにがあっても俺は絶対郁哉の味方だからな。それだけは忘れないでくれ」 顔を赤く真剣な顔で俺を見つめる黒川の顔に何も言う事が出来なかった。 そんな事があった次の日、俺は退院の日を迎えた。もちろん迎えは黒川だ。病院を出ると俺は携帯ショップへと行き、新しいスマホを手にする。そのまま久しぶりの自宅へと帰宅したのだが、黒川はずっと付いて来て家にも入ってきた。一人暮らしだし階段から落ちてからもずっと迷惑掛けっぱなしだから別にいいんだけど、昨日の事もあって少し気まずい。 ベットに腰を下ろすと黒川は許可を取ってきてその隣へと腰を下ろす。俺は気まずさを紛らわす為にスマホ取り出す。IDやPWは覚えていたのでクラウドから壊れたスマホのデータを復元させることが出来る。これでやっとここ一週間、誰とどんなメッセージのやり取りしたのかどんな行動してたのかが分かる。再起動するスマホの画面を見つめながら、俺はパンドラの匣が開くのを今か今かと待った。 そして復元が完了し、メッセージアプリを開くと一番上にちょうど黒川との履歴があったのでそれをタップし、やり取りを読むと、それは衝撃的な内容だった。 ○.XX(金) [部活終わったか奴隷?] [はい!今終わって着替えてる所です!] [着替えないでそのまま俺の家に来い 練習終わりの広輝をたっぷり味わってやるよ] [ありがとうございます!! すぐにご主人様の所にいきます!!] 「な、何なんだよこれ…。俺とお前の関係って…」 自分の信じられない履歴が残るスマホから黒川の方へと目を移すと、うっとりと頬を染めながら発情する顔がそこにあった。 「郁哉様は俺のご主人様…俺は郁哉様の淫乱奴隷なんですよ…」 「また…冗談だよな…?」 俺はそうであって欲しいと思いながらも、今回は冗談ではないだろう事を黒川の股間を見て悟る。 「本当ですよ。ご主人様が階段から落ちて、俺絶望しかなかった。俺の全てはご主人様のモノだから。だから目を覚ました時すごい嬉しかったんです。でも、記憶を失ってどうしたらいいか…周りにはバレちゃいけないって言われてるし、でもご主人様忘れてるし…。だから今度は何があってもご主人様を守れるようにずっとご主人様の側にいることにしたんです。そして、退院した時にもう一度言うと決めてたんです。 郁哉様、改めて俺を郁哉様の奴隷に。ご主人様に忠誠を…」 「お、おれは…そんな、ど、どれいなんて…」 俺は怖くなり後ずさる。だがその分黒川もこっちに近づく。 「ご主人様…口ではそう言ってますが、体は覚えてるみたいですね。失礼します」 黒川は手を伸ばして俺の股間に触れる。その瞬間、体に快感が走る。そして気付く。俺の股間も膨らんでいた事に。更に黒川は手をイヤらしく動かし股間を擦る。それに俺の股間は更に大きくなり、体は熱を持ち始める。 「はぁ…あぁ…」 「気持ちいいですか?久しぶりにご奉仕が出来て嬉しいです」 「…いや、おれは」 理性と快楽の間でさまよっていると、今度はガチャガチャと黒川は俺のズボンのベルトを外して、パンツからチンコを取り出す。それが露になると口角を上げ、更に顔を蕩けさせていた。 「あぁ…久々のご主人様のちんぽだぁ…♡」 そう言って俺のチンコをペロペロと舐めていく。 擦られるよりも遥かに強い快感が襲い、俺を快楽へと引きずり込んで行く。 「…ぁあ…うぁ…も、う、これ、以上は…」 やめてくれと言おうとした時、黒川は大きな口を開けてチンコを咥え込んだ。その瞬間、激流が頭のてっぺんからつま先まで刹那に巡り、俺は快楽へと溺れた。 「…っひゃ、あ、あぁっ♡」 そして俺は我慢出来ず、黒川の頭を掴み腰を勢い良く突出した。 「あ、あっ、イクっ!イクっ!」 達した瞬間、失っていた記憶が俺の脳内でフィルムとなって回り出す。何でこんな大切な事を忘れていたんだろうか。 そう、それはちょうど一週間前。俺は力を得た。 いや、得たのではなく元々持っていたのかもしれない。 相手の頭に触れて、脳内を書き換える能力を。
Comments
ありがとうございます! 少しややこしいかなと思ってたんですけど興奮して貰えて良かったです!次でその過程を書けたらと思ってます!!
シカク
2021-04-10 00:25:32 +0000 UTC