とある組織のとある洗脳風景(おまけ)
Added 2021-11-25 10:09:50 +0000 UTC10階建てのどこにでもあるような分譲マンション。そのエントランスに緑に黄色のストライプが特徴で、帽子と胸に会社のシンボルマークがある制服を着た配達員が、とある部屋のインタンホーンを鳴らしていた。2コール鳴った所で部屋の主がでた。 「はい」 配達員の男、フウマはよそ行きのトーンで元気な声を出す。 「お荷物でーす」 すると返事もなく電子音が鳴りロックが解除されて扉が開く。 (ここの人いっつも無言で開けるんだよなー) フウマは心の中で愚痴りながら最上階である10階の部屋へと向かった。 部屋の前にたどり着きインターホンを鳴らすと、扉が開いてスーツ姿の家主が顔を出した。 (いつも思うけど何でスーツなんだろ。テレワークならスーツじゃなくてもいい訳だし。あとやっぱ身長でけーな。180ぐらいか?顔も強面だけど整ってるからモテたんだろうな) 「小林さんですね、いつもありがとうございます!ここに判子いただけますか?」 フウマの言葉に男は黙って用意していた判子を押す。 「ありがとうございます!こちらお荷物ですね」 「すいません」 いつも”はい”しか言わない男の声にフウマは思わず驚いてしまう。だがすぐに切り替えて返事をする。 「っはい!なんでしょうか?」 「今、手を怪我していて中まで運んでくれませんか?」 男の言葉にフウマはまた返事に間を開けてしまう。確かに大きさの割に重いが、言っても荷物の大きさは小包程度の物だ。男の手に包帯も無く、骨折している様子もない。だからと言ってそこを突っ込める訳もない。返事の間は少し開いてしまったが、フウマは活気のある声で誤魔化して渋々男の頼みを引き受けた。フウマは靴を脱いで男の後について行く。 リビングに入った所で男はモニターが3台も並ぶデスクを指さす。 「そこに置いてください」 「はい!」 (そこってリビングこれしか家具ないじゃん!) フウマが突っ込みたくなる通り、リビングと呼ばれる一番広さがある部屋には3台のモニターとそれを映し出すマシン、それらを置くための机しか無かった。仕事が出来る風のワーキングスペースだろうが、流石に作業部屋とかではなく、リビングにそれだけだと殺風景で不気味だ。 フウマは気味悪く思い、早く部屋を出ようと机に荷物を置いた瞬間、体に衝撃が走り床に倒れる。フウマが男を睨むとその手にはバチッと音を鳴らしながら青く光る警棒型のスタンガンが握られていた。気を失わなかったが、電流のせいでフウマは体が思うように動かせず床に這いつくばったままだ。 「な、にするん、だ…」 「ちょうど君のような人員が欲しくてな。すぐに終わる」 そう言い男は1.5mmの針が付く鍼シールのような物を取り出す。フウマの帽子を剥ぎ取り、露になった額にそれを躊躇なく男は貼った。 「う、ぎ…ぎ…」 すると直ぐにフウマは白目を剥いて体を弓なりに曲がる。 「アガっ、ぐぎぎっ…い"ッ…あっ…!」 全身に強制的に与えられる快楽。それと同時に脳内に流れる言葉。快楽と紐づけられて、まるで自分の意思かのようにその言葉は段々と刻まれていく。 組織の為に生きること。組織の奴隷なること。組織に忠誠を誓うこと。フウマの全てが快楽と組織の忠誠で染まっていった。 「い"っ、あっ、ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッ♡」 そして腰を大きく天に突き出し、完成の射精が吹き出す。深緑色のズボンは股間に大きなシミを作り、さらにその色を深いものにした。 射精が収まると体は地面へと着陸して、その顔を蕩けさせていた。 「起きろ」 男の声にフウマはすぐに表情を取り戻して立ち上がる。 「はっ!」 「これからお前は組織の運び屋として働いてもらう。バレないように仕事をしながら組織から与えられた荷物を運ぶのがお前の任務だ。いいな?」 「はい!もちろんです!組織の命令に忠実に従い、任務を遂行します!」 「よし。じゃあ今から早速コレを指定した場所へと運べ」 そう言って男はフウマが配達した荷物を渡す。 「はっ!全ては組織の為に!」 フウマは片手でそれを抱えながら、組織の敬礼をした。 「ありがとうございましたー!またお願いします!」 組織の奴隷として生まれ変わったフウマは、バレないよう普段の様相で男の部屋を出る。荷物を積んでいるトラックに戻ると予備のズボンに履き替えて、早速運び屋として車を出発させた。これからフウマは日常に潜みながら組織の任務をこなして行く。 こうやって組織は皆の知らない内に一般人を潜ませて、勢力を拡大させて行くのだった。