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シカク
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Beyond the Narrow Gate -前編-

千三高校は全国的に野球部が強いことで有名だ。鍛えられた肉体と技術から繰り出されるプレーはプロ顔負けでスカウト陣がよく見に来ていることもある。監督も元プロ野球選手のOBでコーチ2人も千三高校のOB。施設やユニホームなども、とあるスポーツメーカーからの支援を受けているため、普通の野球部よりか充実もしている。そのため、この強さや環境に憧れ、全国より入部希望者が殺到している。だが、部員は入寮が必須。必然的に青春すべてを野球に捧げるようになる。朝から毎日が野球漬けになるのだが、取材を受けた部員がそれを悲観する事は一切なかった。むしろ楽しそうに充実した毎日だと答える。千三高校野球部に入ってよかったと。 「千三高校野球部にようこそ!」 映像を使ったミーティングなどで主に使用される小さな講堂で、入寮日を迎えた新入部員達がこれからの期待に満ちた表情で顧問の話を聞いていた。それもそのはず。狭き門をくぐれた彼等はすでにこの強豪校の野球部に所属していたという経歴がつくのだ。将来スポーツ関連の職や選手になるにおいて、自分自身にある程度のブランドが約束されるのだから期待に満ちた表情になるのも当然。そのブランド価値がある千三高校野球部に入るには3つの方法がある。スカウトされるか、野球部特別枠の千三高校の入学も約束された入部テストに合格するか、正攻法の筆記試験で千三高校に合格し、その上で在校生用の入部テストに合格するかだ。この講堂に集まった新たな新入部員16人はその狭き門を突破した猛者達だ。顧問の話もいよいよ終わりかと思った所で、プロジェクターが降りてきた。 「では、最後にこちらをご覧頂きます」 顧問のその言葉で講堂は暗くなり、映像が映し出された。部員達は相変わらず明るい表情を見せながら映像を注視する。だが、なんだかその映像は不気味なものだった。初めに数秒グルグルとした奇妙な映像が流れると次にはチカチカと眩い映像が流れ瞬間に切り替わっていく。ただ数字が羅列されたものや、歪なものと頭を揺らすような映像が続いていく。だが新入部員達は目を背けることなく、ずっと真っ直ぐと見ている。いや、目が外せなかった。それは講堂に設置されたスピーカーから流れるサブリミナル音楽のせいだろう。音楽の中に人の耳では聴き取れない周波数・音量・速度でメッセージを挟み込み、部員達の潜在意識に直接働きかけ、精神状態を変化させ、体を操作していた。その為、部員達は真っ直ぐに映像を見つめながら音楽を強制的に聞かされ、視覚と聴覚からその思考を変化させられていった。 この野球部の裏で暗躍する組織の都合のいいように。 思考の変化は止まることなく段々と部員達はブツブツと呟き始め、調整は最終段階に入っていく。 「忠誠を…絶対の忠誠を…」 「俺達は組織の人間…組織のために生きる…」 「総帥のため…すべて…捧げる…」 「オレは…組織の…嬉しい…光栄…」 「体を鍛える…組織の役に立つ人間に…」 部員達はそれぞれに組織への忠誠と役割を自分自身に植え付けていく。そして組織に忠誠を誓った者から部員達は起立していった。胸に拳を当てて組織の敬礼をしながら真っ直ぐとプロジェクターを見つめて命令を待つ。次の命令を待つ彼らの股間は立ち上がり、この洗脳映像と音楽を気持ち良さそうに浴びている。それは順従な組織の構成員として完成した姿だった。最後のひとりが立ち上がると、映像と音楽は止まり、講堂は明るくなる。 「宣誓!!」 『総帥に忠誠を誓います!』 『組織の命令に従います!』 『組織の構成員に選んで頂き光栄です!』 『忠誠っ!!』 宣誓を終えた新入部員達の表情は先程とは違い、凛とした表情を覗かせていた。しかし皆股間も膨れ上がっている事から引き締まった気持ちの中にも悦びの心があるのがそこから読み取れた。 「ダークミストにようこそ!」 顧問は先程の挨拶と同じトーンで改めて新入部員達を迎える。 「君達は栄えあるダークミストの一員にとなった。今年も従順で賢い構成員が同士となり喜ばしい限りだ。さて、分かっていると思うがお前達のこれからの人生は全て組織に捧げてもらう」 『はっ!!全て組織に捧げますっ!』 「お前たちはこの3年間、表向きは野球部員だが、裏では卒業後に構成員として本格的に働いてもらうための訓練も受けてもらう。だが、プロとして稼げるやつはプロになってもらう。貴重な組織の資金調達としてな。この3年間、訓練も受けてもらうが、野球に手を抜けという事ではない。高校の名前が有名になればなるほど、お前達のような素晴らしい素体がこの野球部へと来るんだからな。それにさっき言ったプロの件もある。分かったな?」 『はっ!』 その後、新入生達は支給品を受け取ると各自与えられた寮の部屋へと一度戻った。 俺の名前は苅谷泰幸(かりややすゆき)。高校野球では名門と言われる千三高校に入部テストの狭き門を潜り抜け、この4月から入学する1年だ。そしてさすが名門というか、本来なら4月から高校1年になるのだが新入部員の練習開始は3月20日から。なので入寮のタイミングもそこになる。短い春休みが更に短くなったのは残念だが、この名門に行けるならと我慢をして俺は千三高校の門をいち早くくぐった。でもそこで待っていたのは、厳しい練習でも、激しいレギュラー争いでもなかった。そこにあったのは興奮と誉れだった。 説明会が終わり寮の部屋に戻る最中の同級生との話題はさっき出来事だ。最高の出来事の興奮がまだ収まらず、俺の体温は上がりっぱなしだ。同士となった同級生もそうみたいだ。寮の部屋は2人部屋。部屋に戻ると同室の保坂勝(ほさかまさる)はもう部屋にいて、もらった支給品を早速開封していた。俺が部屋に入り、顔を見合わせるとお互いに言葉を交わすことなくニヤけてしまう。そして俺も支給品に手を付ける。ピタッと肌に張り付くアンダーとスパッツ。他のメーカーよりもより体を締め付けて、何だか身も心も引き締まる。その上から短パン、シャツを着てソックスを履くと千三高校野球部の一員として完成した。練習着姿になっただけなのに嬉しくて思わず勃起して股間が膨らんでしまう。保坂を見ると同じく股間を膨らませていて目が合うと、そのままお互い引き寄せられていった。保坂からとても美味そうな匂いがする。それに引き締まった肉体とシュッとスポーツマンらしい顔はとても魅力的で興奮してしまう。引き寄せられた俺達はそのまま抱き合ってくっ付いた。今までどうして気付かなかったんだろうか。男同士で抱き合うと体温が高くてとても安心感がある。それにアンダーもスパッツもツルツルしていて、触るのも触れられるのもとても気持ちヨクて快感が体を走る。そしてそのまま口内を貪り合い、股間を擦り付けあった。 「あっ…忠誠…気持ちイイ…仲間好き…」 「組織…総帥…忠誠を…んッ…ハァ…ありがとうございます…」 自然と総帥への忠誠の言葉が溢れる。そうだ、俺達はさっき総帥に教えてもらったのだ。男の魅力、同志たちとの絆の結び方を。自然と同志に惹かれるのは当たり前だ。実際に体を抱き合わせてその快感を体感すると想像以上だ。その想像以上の快感に俺達はあっという間に限界を迎える。 「んぁっ...♡イクッ…」 「お、おれもッ…んっ…♡」 大量の精液が股間を濡らす。さっきもらったスパッツはあっという間にビショビショだ。だけど不快感や後悔はない。というか別に気にならない。そのままニチャニチャと濡れた音を鳴らしながら股間をまだ擦り付け合う。余韻に浸りながらまた口内を犯し合っているとチャイムが鳴り響いた。俺達はハッと我に返って姿勢を正す。 「そうだ…着替えたら室内練習場に集合だった…」 「やべぇ、急がないと」 「あぁ!行こうぜ!」 俺達が部屋を出ると他の部屋からも皆出て来た。やっぱり皆も俺達と同じだったようだ。 「そうだ。ヤスって呼んでいいか?」 「もちろんっ!俺もマサルって呼んでいいだろ?」 「当たり前だ」 俺達は笑顔でまたキスをすると足早に練習場へと向かった。


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