A組を支配してから数日、B組の支配も順調にいっていた。数人ずつA組に呼び出して奴隷へと変えてやる。それを繰り返して、すでに半分ほどが俺の奴隷へと生まれ変わっていた。新たな奴隷たちがA組の生徒から色々と体に教え込まれている最中、ふと伊藤くんに次のターゲットであるC組について訊ねてみた。すると興味深い話をしてくれた。 C組には才木響というヤバいやつがいるそうだ。中学生の時に総合格闘技のジュニアチャンピオンになったそうで、その強さは同年代では頭ひとつ抜けているらしい。なんでも前の高校で暴力沙汰を起こして、1ヶ月前に転校して来たとか。3年の先輩にも喧嘩を売られたが打ち負かしたとの噂もあるみたいだ。高校生になってまだ1ヶ月しか経ってないのに転校とか、問題児過ぎだと思う。中学生の時はどうだったんだろうか。しかも2年の先輩ではなく3年の先輩に勝つなんて。興味が湧いた俺は本人を1度見てみたくなった。C組を覗いてみると、身長も180cmほどあると聞いていたので、言われるまでもなく分かった。1番後ろの席でつまらなさそうに座る巨漢の男だろう。顔はまだ幼さが残るが、端正な顔立ちで、少し赤みがかった茶髪に目が行く。体も制服の上からでもガッチリとした体格が分かる。あんな立派な雄が俺の奴隷に...。そう考えただけで胸が高鳴る。俺は教室に戻るとB組の支配を急いだ。 そしてまた数日。B組の支配を終えた俺はすぐにC組の支配を開始した。だけど焦りは禁物だと言い聞かせて、才木くんの情報を集めながら、ジワジワと侵食していった。だが、クラスメイトでも伊藤くんから聞いた以上の情報はさほど集まらなかった。なんせ普段からずっと1人らしく、誰とも連まないそうだ。クラスメイトが絡んでも返り討ちにあう。まさに一匹狼。まあそのおかげで、噂を聞いて警戒していた才木くんからの邪魔も特になく、C組の支配が進んだ。更に数日経つと、もう才木くん以外のC組は俺の支配下となった。いよいよメインディッシュの時間。 午後の授業、俺と1年全員の奴隷たちは体育館に集まっていた。この時間どこのクラスも体育の授業はない事を確認して、催眠で操った教師から鍵を拝借した。ここで才木くんを待つ。上手く呼び出せただろうか。一匹狼の彼がクラスメイトの誘いに大人しく着いてくるだろうか。色々と心配していると、ガラガラと音を立てて、体育館のシャトルドアが開く。そこには俺の奴隷たちと一緒に不服そうな顔をする才木くんがいた。 「才木を連れてきました」 「ありがとう」 俺は来てくれたことにホッとして思わず笑顔になってしまう。一方の才木くんは俺を中心として1年全員が自分を取り囲む異様な光景を見て、鼻で笑う。そして蔑むような表情で口を開く。 「俺1人にこんな大勢で何の用だ?最近他のヤツらの様子がおかしいのもお前のせいか?黒幕がお前みたいな大人しそうなやつだったとは。金でも積んだか?」 その言葉に反応して奴隷たちは睨みつけるが、才木くんは怯みもせずに更に続ける。 「お前らもお前らだ。馬鹿なヤツらだとは思ってたがここまで低脳だったなんてな。その格好も金で買われた証かなんかか?お似合いだな」 今にも奴隷たちは飛び出しそうだが、反撃されない限り俺の合図があるまで手を出さないようには指示してるため、血管を浮かばせながらも我慢している。奴隷たちの血管が切れる前に俺は話を進めることにした。 「まあまあ才木くん。呼んだのは少し相談があるからなんだ」 「俺もお前の手下になれってか?」 「端的に言うとそうだね。あと1年は才木くんだけだ」 「いくらだ?コイツらはいくらで買収された?まあ俺は金には困ってないからいくら積まれても嫌だけどな」 「いやぁ、実は皆善意で俺の下に付いてくれてるからお金は渡してないんだよ」 「はっ?マジかよ。余計に頭が悪ぃだろ。おい、お前らどういうことだ?」 その問に対して奴隷たちはさっきとは反対にニヤニヤするだけで何も答えない。 「…っ気持ち悪ぃ」 残念ながらこの様子から大人しくしてくれる気はないらしい。俺は才木くんに歩み寄り、催眠を掛けようとした瞬間、何かを感じたのか、さっきまで目を合わせていた目線を反らして、俺と距離を取った。 「テメェなんだ…っ!なんか、いま…」 そう焦った様子で先程までとは違い、露骨に警戒心を俺に向ける。野生の勘か、俺の黒魔法を感じ取ったのだろうか。イレギュラーな事だが、その鋭さに俺は思わずニヤッと笑みを浮かべてしまう。俺はその表情のまま、隣でボディガードをしている伊藤くんに指示を出す。 「伊藤くん、才木くんを大人しくさせて、俺の前に」 「はいっ、すぐに」 それに伊藤くんも口角を上げて答える。 「B組とC組は才木を大人しくさせて連れてこい。A組はご主人様の護衛だ」 「しゃぁぁっ!任せろ!」 「っス!!ボコボコにしてやるぜ」 「サンドバッグにしてやるよ」 「ご主人様っ!俺の活躍見ててくださいよっ!」 伊藤くんの言葉に奴隷たちは喜びの雄叫びをあげる。それに対して才木くんも 「オラっ雑魚ども!さっさとかかって来いよ!!」 と、ヤル気満々だ。そして1対多数の喧嘩が始まった。 自分でも卑怯だと思う。1人に対して約60人は。しかも強化され、普通の人よりかは強靭な肉体を持つ人間をぶつけるのは。そしてあっさりと才木くんはやられ、満身創痍の状態で俺の前に引きずり出されるのかと、そう思っていた。だけど目の前の光景は驚くべきことが起こっていた。なんと5分経った今でも才木くんは倒れる事無くまだ耐えていた。格闘をやってる強い人間でも、強化された俺の奴隷たちに為す術なくやられるのだけど、才木くんは俺の奴隷たちに対して上手いこと攻撃と防御を繰り返して耐え抜いていた。だけどこの人数全員を捌き切れるはずもなく、人のスタミナは無限ではない。長かった攻防も終わりを迎える。結果1人も倒せは出来なかったが、これだけの人数に5分耐える事は出来たのだ。これは普通の人間なら賞賛に値する戦果だ。 「時間がかかってしまい、すみません」 伊藤くんが申し訳なさそうにして俺の反応を伺う。才木くんが噂以上の実力だったので機嫌は良く、特に怒りは湧かない。だが、今後も考えて釘を刺した方がいいかも知れない。 「ここまで耐え抜くなんて流石だなぁ。別に気にしなくていいよ。ちゃんと捕まえてくれたし。だけどちょっと鍛えないといけないかもね。俺のハブも結局元が弱いと強者には敵わないだろうし。今回も才木くんと1体1なら怪しかったんじゃない?」 俺の言葉に伊藤くんは気まずそうに返事する。 「はい…。全員に鍛えるように言っときます」 それだけで十分だ。これで奴隷たちは俺の為に更に強く、逞しくなるだろう。俺は抑えられる才木くんの元へ近付く。 「クソっ…卑怯者がっ…たとえ半殺しにされたって、ぜってぇ俺の心は屈しねぇよ!」 恐ろしく威圧的な目で俺を睨みつける。あぁ…早くその表情を俺への忠誠心で満たしたい… 「あぁ…いいよ…すぐに跪いてもらうね…」 そして俺は今度こそ才木くんと目を合わせ、魔法を発動させた。 「ん"ッ、な"っ、にを…」 だけどいつものように催眠にはかからず才木くんはここでも強い抵抗を見せる。その精神力の強さに俺の悦びは更に大きくなる。 「へぇ…凄いね…この世界の人間が抵抗出来るなんて、精神力も尋常じゃないんだね…」 俺は魔力を強めてより才木くんを見つめる。 「大丈夫…俺のところに堕ちるのはそんな悪くないよ…才木くんは俺の側近として大事にするからさ…」 「あっ…あっ…あ…」 才木くんは出力を上げた俺の瞳には流石に抗えず、やっと自我を手放してくれた。 「さあ、誓って、俺の奴隷になると。奴隷として永遠の忠誠を」 「誓います…永遠の忠誠を誓い、お仕え申し上げることを…」 「契約完了…」 隷従契約を発動する。額が赤黒く光り、魔法陣の紋様がその額にくっきりと刻印された。 「才木くん、これで永遠に俺の奴隷だ」 「はい、俺は永遠にご主人様の奴隷です。ご主人様の奴隷になれてこれ以上ない喜びです」 精悍な顔付きで跪く姿はまさに騎士のようだ。その姿に俺は、前世の1番お気に入りだった元騎士団最強の男を思い出す。その男は凛々しく筋骨隆々な肉体をしていたのを覚えている。父親の不正で没落し、息子であるその男も逮捕され、奴隷落ちとなって前世の俺の元へと来た。ぐじゅぐじゅに洗脳して可愛がり、俺の為だけに生きるようにしてやった。死ぬまで少しの間だったが、あの男が来てから更に楽しくなったのを覚えている。そんな最高だった雄と重なる男が目の前で跪いている。俺は早く奴隷装束を纏い完全に俺の物として完成した姿を見たく、立たせて服を脱がせた。脱いで現れたのは鍛え抜かれた見事な肉体だった。引き締まった筋肉の曲線が美しく浮かび上がり、その逞しさに思わず息をのむ。この体もその心も全部俺の物。心踊ってしまう。あれだけ強靭な肉体と精神なら大丈夫だろうと、俺はいつもより魔力を込めて隷従強化魔法を発動させた。今までと同様にコンプレッションウェアのような衣服がその肉体に張り付く。強化された肉体はさらに鍛えられ、引き締まった無駄のない筋肉がウェアによって強調されていた。 「はぁぁ…すっごい良い…才木くん、君は言ってた通り俺の側近として尽くしてね」 「側近…大役を仰せつかり、身に余る光栄でございます。この命を懸けて、ご主人様にお仕えします」 才木くんは再び跪く。先程と変わらない凛々しい姿を見せてくれるが股間は膨れ上がっていて、じわりと濡れているのが分かる。俺の命令に体は正直に喜んでくれているようだ。 これで1年は全員俺の奴隷となった。