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シンセカイ@Exam オリジナル。小説、ゲーム小説中心※NTR期
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蒼のロードレス、赤の悪魔の決戦決闘【ダンジョン・ハーレム・ロードレス 序章 プロトタイプ 年末男祭り】


【ダンジョン・ハーレム・ロードレス】序盤あらすじ【プロトタイプ】

人類の砦である「第六魔王決戦都市」は第六魔王との決戦に臨んでいた。 だが、第六魔王軍の熾烈な猛攻により、決戦都市に滅亡の危機が迫る。 絶望的な状況の中、嵐が吹き荒れる。 その嵐と共に現れた男【ロードレス】 人類側の戦士達が見守る中、ロードレスは次々と魔王軍を屠る。 だが魔軍は強大、このままでは決戦都市...


第六魔王決戦都市_核武装必滅デスマッチ編予告

――戦がはじまる。

第六魔王決戦都市。今、人類の命運をかけた決戦決闘。

コロシアムは異様すぎる熱気に包まれていた。

その熱気、年末に執り行いし格闘技、男の祭が如く。

観客席からは既に大量の流血沙汰が流れており、尋常ならざる気配が満ちていた。


「レディース&ジェントルメーーーン!ウェルカーーーーームトゥーーーーザヘーーーーーーーーール!!」

welcomhell


決闘司会が高らかにうたった。これは人類の命運を賭けた決闘であり、決闘を司る神から派遣されたいわばプロ中のプロ。この超修羅場にあって堂々と司会としてふるまう浮世ばなれした異質さがあった。


左方の赤き悪魔、第六魔王四天王が仁王だつ。


「ォオオオオオオオオオォォ!」


悪魔が地獄の底から響くような咆哮をあげた。


総身から放たれるどす黒い殺気。


「くっ……」


「いくらなんでも……」


「あれに勝つのは……」


「うっ……」

「うぁっ……」

「な、なんだありゃぁ……」

コロシアムの人類側を震え上がらせた。


――


踊り子たちの艶やかな鼓戦舞が一瞬止まる。

ブル猫のブルマンチョからしょんべんがメチュイキして止まらない。

殺気だけで生物活動を停止させんばかりの鬼気。

人類側が息を飲む、明らかに気おされている。


戦うのか?あれと?

勝てるのか?あれに?

誰がどうしてどうやって?


――不可能、絶対的な無理難題。


その事実を本能的に理解してしまう。

事実、決戦都市においてアレに勝てたものは絶無。

兵長でさえも決戦でアレを抑えようとして戦い敗北し負傷したのだ。


「聞け、人間共!」


闘技場の観客達全てを圧壊させるかのように赤魔は宣言する。

「全員殺す。貴様ら人間を全員だ!」

「全員殺す。誰一人としてにがさない!」

「この戦いが終われば核が手にはいる!第六魔王軍は無敵だ。誰も止められん!

その前哨戦!世界の侵攻の祝杯として、この決戦都市を捧げる」


全員の全身を砕くほどの圧力と殺戮の宣言。

彼の言っている事は嘘でもホラでもない。

――只の事実。ぞれは四天王に敗北し死亡した強者達の屍が語っている。

この都市の守護を担う兵長も負けたのだ。

この戦いの跡、彼は言葉通り決戦都市の人間を皆殺しにするだろう。


「貴様らの血と生を魔軍に捧げ永劫の苦しみを与えてやる」

決戦都市の現有戦力であの魔性に勝てる者は存在しない。

殺戮の宣言がこの場にいる全ての人間を恐怖に叩き込む。


「ひっ……」

惨死の恐怖が少女の総身を支配する。ただ殺されるだけでない。魔大国の常套、限界まで苦しめられ死後も救われぬであろう永劫の支配と恐怖を与えられる事を理解してしまう。

どぴゅっ……

美しい少女のまたぐらから漏れる尿液。

はしたないしみっともないそんなことなどどうでもよくなる本能的な恐怖。

勝てない負ける絶対に。

殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される。

嬲られ抉られ犯し抜かれて喰われて吸収される。

「あっ……あっ……」

心が恐怖で支配される。それは彼女だけでなく、同様の症状は人類側で多発していた。


「おおおおおおおぉぉ」

魔軍観客が地を震撼させる。


――ヴィラ!ヴィラ!ヴィラ!ヴィラ!


魔軍の斉唱に空間が震える。天井知らずに上昇する魔軍の士気。

この四天王が魔軍に根づき絶大な信頼を得ているという事実。

第六魔王軍の誰も彼もが彼を知っている。だから応援できるし揺らがない。


片や人類側は違う。突如現れたあの男は。

――馬の骨。

圧倒的に馬の骨。


どこの誰かもわからない。

誰も彼を知らない。わからないし、彼個人を応援しようがない。

瞬間声響いた。

「――国敵討滅」

風が吹いた。瞬間、魔族の称揚がとまる。

狂炎の狂熱を薙ぎ払うような蒼風。


【知らないわからないはじめて】


――だがら?

――それで?


そうだ、と人類側は本能的に理解する。

■敵を滅ぼすという事において……

「神風無道」


彼ほどの者はいないという事を。


「蒼コーナアアァァーーーーーーーー」


決闘司会が高らかに宣言した。


蒼の光が集まりし右方。


「……嵐のごとくあらわれ魔王軍を薙ぎ倒した、あの男おおおぉ!」


決闘司会の声が響き渡ると、観客席からどよめきが広がる。


「ロードレス!」


瞬間――

蒼ノ風が吹いた。


蒼光の右方、その向こうから、悠然と歩みを進める男の姿が現れる。


ロードレス――第六魔王軍との決戦において嵐のように現れ、暴風の如く力で数多の魔王軍を屠った計測不能の存在。

新参というにも新参。だが、この時点で魔族を殺した数はこの地の誰よりも多いのは明白だった。

発する理力、纏う気配は底が見えない。


暴風がコロシアムを震わせる。

その音はまるで彼の心の中に潜む嵐を具現化したかのようだ。青白い光が彼の足元を照らし、歩を進めるたびに観客は息を飲む。


ロードレスはコロシアムへの道を静かに進む。まるで敵の心を粉砕する準備をしているかのようなその歩みには、一切の迷いがない。


彼は観客席に目をやることなく、ただ前を見ていた。

殺すべき国敵のみを。


観客の視線が集まる。

彼が歩くたびにコロシアムまでの道が狭くなるように思え、時間が引き延ばされているかのような感覚に囚われる。


「ヴォオオオオオオオオオオオオ!!」


コロシアムの決戦地にたどり着いた瞬間、観客席から一斉に歓声が上がった。

運命の一戦は彼に託されている。逃げ場はない、殺すしかない、必滅のデスマッチ、観客もまた運命共同体、戦場の狂熱が相まって熱は高まるばかり。


拳を一度握りしめ、彼はそのまま相手――第六魔王四天王を睨みつける。その目には一切の恐れも迷いもない。ただ、嵐のように戦場を飲み込む覚悟だけが宿っていた。



決戦決闘の儀式がはじまる。


闘技場の暗闇が、ゆっくりと揺れる光の海に変わる。


その光は赤や紫、青といった濃密な色合いで渦を巻き、空気を甘く染め上げる。それはただの舞台演出ではない。

【決戦応援】踊る美女たちの誓い ~戦士たちの決戦に命を捧げて~第六魔王決戦決闘 応援舞踏~


美女たちによる、圧倒的な存在感を放つ舞台だ。

そして……

【儀式】決戦決闘戦儀式:~限界ブルエネルギー!魔軍の決戦決闘に捧げられピンチ!「およちになっててぇ!あたちのプンプン匂うおマンチョはぁ!ぶっといチンポぶちこまれて圧倒的成長してえぇ!チンポとの出会いに感謝するはずニャのにいいぃィ!【助けられるのか?】

様々な儀式が催されている。

※詳細はリンク先


様々な催しが熱気を底上げする。

闘技場に満ちる緊張感が頂点に達したその時、観客席から雄叫びが爆発する。声の波が押し寄せ、まるで闘技場そのものが震えているかのようだ。


「うおおおおおおおおおおお!!!」


誰もが拳を振り上げ、リングに向けて思い思いの声をぶつけている。戦士たちの名を叫ぶ者、魔族への罵声を飛ばす者、ただ興奮の叫びを上げる者――その全てが混ざり合い、巨大な轟音を生み出していた。



観客の歓声が最高潮に達した瞬間、コロシアム上空に浮かぶ巨大な魔法陣が光り始める。その中心に現れるのは、純白の輝きを放つ鐘だ。鐘の表面には複雑な紋様が刻まれ、神聖でありながらもどこか不吉な雰囲気を漂わせている。


「運命の鐘!これが鳴れば、後戻りは許されない!」


司会の声が興奮と共に響く。


ジャッジメントの手がゆっくりと鐘に向かい、静寂が闘技場を包む。

その瞬間、観客の息遣いすら聞こえないほどの張り詰めた空気が場内を支配する。

鐘がうたれる。


鐘の音は低く重く、まるで大地を裂くような響きで場内に轟く。

その音が闘技場全体に拡がり、観客の心臓を揺さぶった。鐘の音が消えるのと同時に、再び観客の歓声が爆発する。


試合開始――その瞬間が訪れた刹那


「――十全明証」


必殺の理が紡がれる。

ロードレスが動いた。

それは必殺の神理。


風のように速く、音すら置き去りにする。

観客席から驚きと歓声が入り混じった叫びが上がる。


「いきなりだ! いきなり動いたぞおおぉ! 」


解説者の声が観客の熱気をさらに煽る。


赤コーナーの四天王はロードレスの動きに気づくも、反応が一瞬遅れる。

その隙を逃さず、ロードレスは右腕を高く振り上げた。その手には蒼い光――蒼光が収束し、まるで嵐そのものが拳に宿ったかのようだった。

ロードレスの口から


「虚式」

低く、力強い声が轟く。


「――空蒼」


掌が振り下ろされると同時に、光が爆発するように拡がり、コロシアムを包み込む。その光は敵を撃つだけでなく、観客席にいる全員の心臓を鷲掴みにした。


四天王の巨体は、その拳から放たれる衝撃波に正面から叩きつけられる。まるで灼熱の風が吹き荒れるかのように、コロシアムの中央が光と音で満ちる。


「なんという威力だ! これがロードレス――嵐のような必殺技だぁ!」

司会の声が歓声と共に闘技場に響き渡る。


光が徐々に収まり始める中、四天王の姿が明らかになる。彼の体は一瞬怯むものの、その目には闘志の炎が宿っている。


「倒し切れなかったか――だが、この先どうなるか分からない!」


観客の声援がさらに熱を帯びる中、ロードレスは一歩も引かずに構えを取り直す。闘技場には再び緊張が張り詰めた。


「貴様ぁぁ!」


四天王の怒声が闘技場全体に轟いた。ロードレスの必殺技をまともに受けたその瞬間、燃え上がる怒りが肉体に宿り、圧倒的な威圧感を放つ。その咆哮に、魔族側の観客は熱狂し、人類側の歓声が怒号に変わる。


闘技場全体が、熱気の渦に飲み込まれる。

観客は拳を振り上げ、声を張り上げて叫ぶ。美女たちは踊りの動きを止め、サキュバスのラウンドガールたちでさえ、その目は闘技場の中央に釘付けとなる。

ブル猫たちでさえ静まり返り、すべての存在がこの瞬間の行方を見守っていた。


本来、ここは慎重に様子を見るべき場面。


相手の力を見極め、一手先を読んで動く――それが戦士の常識だ。


だが、ここにいる二人の戦士に、そんなものは通用しない。


――たぎる。

血がたぎってとまらない。


ロードレスの目は冷徹に光り、四天王の瞳は怒りに赤く燃える。


戦士としての本能が理性を上回り、闘技場全体にむき出しの闘争心が溢れ出す。


「知るか、そんなの」

「今ここで」


「「殺す!」」


二人の心に宿る言葉が、見えない形で交錯する。血がたぎり、戦場は狂気の渦となる。


そして瞬間――

「「十全明証」」


二人の声が、刃のように交わる。


神理――必殺の理が同時に放たれる。

四天王の拳から溢れる炎、ロードレスの手から吹き荒れる嵐。


その衝撃が重なり、闘技場は光と力の奔流に包まれた。


ロードレスは闘技場の中心に一歩踏み出すと、まるで空間そのものを支配するかのように息を吸い込む。地が応えた。彼の足元から現れる蒼嵐――それは風の具現ではなく、意志そのものだった。切り裂き、砕き、奪い去る天災が彼の周囲に旋回し、すべてを飲み込む渦となる。


「――蒼嵐!」


その宣言とともに、蒼嵐は一気に収束し、無数の刃と化した。大地を切り裂き、砂塵を巻き上げ、音すらも断ち切る。


一方、四天王は激昂のまま拳を掲げた。

空気が焼ける匂いがする。炎――だがそれはただの炎ではない。煮え滾る憤怒そのものが彼の拳に宿り、赫炎となって爆発的に燃え上がる。


「――魔鋼炎!」


炎はまるで獣のように咆哮を上げ、空間を焼き尽くす勢いで膨れ上がる。


熱波が観客席を揺らし、その圧力が肌を刺す。赫炎は燃え上がる意志そのものだ。破壊と支配の神理を具現化し、彼の全身からあふれ出る。


瞬間――蒼嵐と魔鋼炎が中心点で激突する。


爆音。だがそれは音では表現しきれない。闘技場そのものが悲鳴を上げるような震動がすべてを襲った。風が燃え、炎が切り裂かれ、目には見えない衝撃波が大気を引き裂いていく。


観客席の最前列にいた者たちは、あまりの威力に思わず叫び声を上げ、身を伏せた。烈風が壁を砕き、飛び散る破片が雨のように降り注ぐ。


「この力は……!」


美女たちは恐怖と興奮が入り混じった表情で、目を見開いている。サキュバスたちは身を寄せ合い、ブル猫たちは尻尾を巻いて震えていた。


蒼嵐が赫炎を抉り、赫炎が蒼嵐を飲み込む。炎と風が絡み合い、激しい竜巻を生み出す。竜巻の中心では、雷鳴のような轟音とともに新たな爆発が連続的に生じていた。


砂塵が舞い上がり、視界がほとんど奪われる。だが、時折見える稲妻のような閃光が二人の姿を映し出す。


ロードレスの体にまとわりつく嵐は彼を護る盾となりつつ、彼の意志に従って猛威を振るう。彼の瞳は蒼く輝き、風の中でひときわ鮮明だ。


対する四天王は赫炎に包まれた岩壁そのもの。炎が彼を飲み込んでいるはずだが、その巨躯は一切の動揺を見せない。両者ともに互いを睨みつけ、その眼光には死闘への覚悟がにじんでいる。


「押し切れええぇぇぇ!」


四天王は全身の力を込めて赫炎をさらに燃え上がらせる。拳から放たれる熱量がさらに上昇し、闘技場の天井を突き破るほどの光柱を生み出す。


「貫く!」


ロードレスは蒼嵐をさらに凝縮させ、台風の目のような一点に力を集中させる。

その刃はすべてを切り裂くために存在し、迷いのない意志が風そのものを支配する。


闘技場の中心に、二人の意志が激突する。蒼嵐と赫炎、二つの最強の神理が目の前で拮抗する。


ロードレスの蒼嵐は凄まじい勢いで四天王の赫炎を飲み込もうとしているが、四天王の炎はそれを許さない。彼の拳から放たれる赫炎はまるで生き物のようにうねり、怒りと憎悪の炎を吹き荒れさせ、風を遮る。


二つの神理が、互いに対して全力で引き寄せ合い、押し合い、引き合う。光と風、火と空気が激しく衝突し、宙を引き裂く。


「終わりだ!!」


四天王が吠えると同時に、赫炎が一気に暴走する。その炎は彼の身の丈を超えて膨張し、闘技場そのものを包み込む勢いを見せた。燃え盛る火柱はまるで天を貫こうとするかのように上昇し、周囲の空気を引き裂く。四天王の全身に宿った憤怒が、爆発的なエネルギーに変わり、ついに耐えきれなくなった蒼嵐が反発する。


「―――!」


ロードレスが呻く間もなく、蒼嵐の力がそのまま炸裂する。

突如として、風が一気に爆発的に解放され、巻き上がる。風そのものが超音速で暴れ、その衝撃波は一瞬で周囲を圧倒する。


その衝撃波は、空気を切り裂き、大地を震わせ、闘技場の壁を砕く。観客席は全員が身をひるがえし、ガードを取ろうと必死に後ずさる。しかし、逃げることなど不可能だ。


大地が悲鳴を上げる。轟音が耳をつんざく。風と火の衝突が引き起こした爆発の波は、まさに人類の想像を超えた規模だ。闘技場そのものが崩れ落ち、石や土、そして破片が天に舞う。炎と風が渦巻き、完全な混沌の中で、大地が割れ、天空がひび割れるかのようだ。


「うおおおお!!」


四天王の叫びが、絶え間ない爆音の中でかき消される。彼の力は恐ろしいが、同時にロードレスの力も恐ろしい――この二人の戦士が繰り広げる戦闘は、ただの闘争ではない。魂そのものを賭けた闘いなのだ。


ロードレスの目は蒼の嵐が吹き荒れる、蒼い風がさらに膨れ上がる。彼はその場に立ち尽くすことなく、法定を構成し、四天王に立ち向かい続ける。だが、四天王もまた炎の中で一歩も引かない。両者の力が激突し、闘技場が震撼した。

光に包まれる闘技場。


闘技場は、二人の神理が激突する瞬間にまさに崩壊の兆しを見せ始める。轟音と共に、空気がひび割れ、土が揺れる。観客たちの息が止まり、目を凝らしてその瞬間を見守る。だが、すべてを圧倒するのは、その激しい爆発と衝撃だ。


その中でも、最も異常をきたしたのはブル猫だ。彼女は、すでにブル儀式でマジくたばりかけていたが、目の前の爆発的な衝撃によって、変わる。

ブル儀式執行の魔族は衝撃に吹き飛ばされ死亡。


「はにゃああああぁぁぁっ!」


ブル猫もまた、飛ばされ地面にめり込むブル猫!土の中に埋まりながらも、足をバタつかせる。


観客たちは恐怖と興奮で硬直し、呼吸が荒くなる。すべてが爆発的に膨れ上がった瞬間に巻き込まれ、その熱気と衝撃の中で震えるばかり。



爆発の余波が収まりきらぬうちに嵐が姿を現す。

蒼のロードレスだった。


疾風の如く駆ける。

疾走に一切の迷いなく、まるで運命に引き寄せられたかのようだ。


蒼嵐の風の如く周囲の空気をも引き裂くかのように疾走する。


「ガアアアアアアアアア!!」


そして対するは、四天王。全身から炎を灯すその肉体は、まるで地獄の猛者そのもの。真っ向から塵殺するという怒りを胸に、その巨体が闘技場の中央へ向かう。

双方の距離が近づく。


蒼嵐と爆炎の如く、彼らは圧倒的な存在感を放っていた。その眼は燃え盛るような炎を宿し、周囲の空気をも引き裂き燃やし――そして


ドゴオオオオオォ!


激突した。


「しねやあああああああぁぁああ!」


殴り合い、圧倒的殴り合い。

原始的な、あまりにも原始的なステゴロ勝負。


「グアアアアアアア!!」


四天王が、地鳴りのような雄叫びを上げ、全力で拳を振りかぶる。その拳から放たれる炎は、まさに地獄の業火。炎をまとった拳が、ロードレスに迫る。


「!!」


しかし、ロードレスはそれを待っていたかのように、すさまじいスピードで前を駆け四天王の一撃を避ける。そロードレスの体が宙を舞い、爆発的な加速で四天王の懐へと突っ込んでいく。


二人の間に、空気が切り裂かれる音が鳴り響く。まるでタイムラグのように見えたが、その数秒後、互いの拳が衝突する音が闘技場を震わせる


「ドンッ!」


二人の拳が激突した瞬間、まるで世界が震えたかのような衝撃波が起こる。空気がゆらぎ、観客たちはその場で目を見開き、息を呑む。


殴り合う音は、まさに命の音。骨と肉がぶつかり合う音が、あたり一面に響き渡り、その音に合わせて地面が揺れるように感じられる。


四天王の拳が再びロードレスの胸を貫こうとするが、ロードレスはそれを無理矢理に受け止め、膝をつきながらも反撃を放つ。鋭い蹴りが四天王の脇腹に直撃し、その衝撃が周囲の土を吹き飛ばす。


「カッ…!!」


四天王の顔に痛みが走るが、すぐさま顔を歪めて笑う。強者同士の戦いで、痛みすらも楽しむような表情を見せる四天王。その顔からは血が流れ、汗が滴り落ちる。


ロードレスは、全く怯まずにその攻撃を受け止めながらも、強烈な力で四天王に追い詰めていく。拳を振るう度に、その音と共に闘技場の空気が震える。まるで全身で風を切るかのように、その攻撃は四天王を打ちのめしていく。


殴り合い、戦い、殴り合う。

それは原始的な闘争そのものだった。


その戦いを見守る観客たちは、もはや言葉を失っている。その目の前で繰り広げられる衝撃的なバトルに、彼らの心は揺さぶられ、ただただ熱狂の声が響き渡る。


「行けぇぇぇぇ!」 「倒せぇぇぇぇぇぇ!」 「ヴぉおおおおおおおっ!!!」


人類側の観客たちは、ロードレスを応援し、魔族側の観客たちは四天王を応援している。熱狂の声が大きくなり、闘技場全体が一つになったような錯覚を覚える。


踊り子たちは倒れた後も、次々と立ち上がり、歓声を上げながら舞い踊り始める。その一人一人の動きがまるで戦士たちの戦いに呼応しているかのようだ。


そして、ブル猫――。地面から這い出し、踊り子たちと共に「お元気音頭」を踊りながら、再びその小さな体を振りかざして叫ぶ。


「勝チンポオオオオオオオオオオ!!」


人間も魔族も害獣も老いも若きも男も女も。

激闘に魅入っていた。

響く命の音、交わされる拳。


ロードレスと四天王は、もう一度向き合うと、再び拳を交差させる。無駄な言葉はなく、ただ己の体をぶつけ合い、力を示すだけ。


その拳から放たれる破壊力、二人の闘志の衝突は、闘技場の壁をすり抜け、見る者すべてに衝撃を与え続ける。

だが――均衡が崩れる。


「ヴィラ・テンペスト」


瞬間、第六が動いた。

掲げた手から魔性が広がる。


「ヴォオオオオオオオオオ!」

魔軍が四天王を応援する。魔の狂熱を帯びた声援は地響となる。


ヴィラ!ヴィラ!ヴィラ!ヴィラ!!


魔狂の声が四天王を後押しする。

四天王の圧力が徐々にロードレスを追いつめていく。

一撃で何人もを塵殺しかねないほどの激烈な赤の悪魔の連打がロードレスを徐々に後ろに下がらせる。


「くっ」

「やはり……」


駄目だった、やはり駄目だったか、と人類側の観客の声が掠れる。


「政長!このままでは……!!」

「…………」


政長は深く息を吐いた。

(強化がほどこしてあるな)

地割れのような魔軍の大歓声。あれは魔の強化がしかけられている。

精神的なものではない、おそらく物理的な付与。それをなしているのは……

(第六魔王か)

第六魔王から流れる異常な理力。魔軍の歓声とテンションを吸いそれを直接流し込んでいる。積みあがるプレッシャー増大する力がその証拠だ。

力を増す第六魔王四天王。

一方、ロードレスは……

(本調子ではないな)

押される蒼。今までかなりの無理を重ねてきた結果があらわれていた。


「政長!なにか策は……」

必死に問う兵長。悔しさも無力感も全て押し殺し政長に策を求める。


「……政治家の資質はなんだと思う」


「えっ?」

シエトは立ち上がる。そして壇上に上がる。


「欲しい言葉を届けることだよ」


そして立ち上がるゆっくりと歩く。

人類側の民に届くように口を開いた



「皆よ、聞いてほしい」


シエトの言葉が人類側全員に響く。


「今から教える言葉を斉唱してくれ。

……力いっぱいコールしてほしい」


「政長!それはいったい、どんな言葉だい!」

おっさんが政長に聞く。


「魔法の言葉さ。彼にはなによりも……」


声を届かせる、政治家としての彼の唯一のそれだけの力。

だがそれが

「――その言葉が力になる」


十全を発揮する。



四天王のラッシュは止まらない。魔軍の声援が地を震わせる。

ヴィラ!ヴィラ!ヴィラ!ヴィラ!


重厚な連撃が何度もロードレスをうちすえる。

死んでない時点で奇跡で脅威なのだが、それでも天秤は魔に傾いているのが目に見える。


だが瞬間――


「ガっ!」


嵐のような檄音が響いた。

魔軍の地響きを打ち消すような嵐の如く一撃が四天王の肉体に深々と突き刺さる。


「「「……!」」」


――魔軍の声援が停止する。「ヴィラ」の音が止む。


なぜだなにがおこったわからない。

代わりに聞こえてきたのは……


――ニホン


人類側の声援だった。

さらにロードレスの一撃が赤魔に突き刺さる。


――ニホン


声援。

そのたびに目に見えて……


天秤が傾く。


ニホン!

ニホン!

ニホン!


その言葉――ニホン

大歓声が響く。圧倒的、ひたすら圧倒的な日本コールが決戦決闘に響き渡ったのだ。


――ニホン!


人類側の声援が響き渡る。それは徐々に大きくなり、


――ニホン!


さらにロードレスの拳が赤の悪魔に突き刺さる。


ニホン!

ニホン!


その声援が闘技場を支配する。圧倒的な日本コールが決戦の場を熱狂の渦へと包み込んでいく。


「――」


力を増したロードレスの一撃が赤魔に突き刺さる。


ニホン!ニホン!ニホン!ニホン!

ニホン!ニホン!ニホン!ニホン!


歓声が響く。

第六魔王決戦都市の者たち。

異国異界同然の者達が……

ニホン!!

ニホン!


響くニホンコール。世界戦スポーツの応援の類とは比較にならない熱量。負れば応援してる自分含めて全員死ぬのだ必死さが違う熱量が違う――ニホンコール。


――異様、圧倒的な異界光景。


だが彼女達は知っていた、日本人である政長シエトからよく聞かされていた。

古の昔。自分達同様、圧倒的劣勢の中、魔の大陸からの侵攻を神風で防いだ

――日本という国を。


ニホン!

ニホン!


大歓声が響くたびに、ロードレスが力を増すように、赤の悪魔を押し返していく。


「なぜ、だぁあああぁぁぁぁ!」


赤の悪魔が激昂する。押されている圧倒されつつある。その事実に叫ぶ。

なんだこれは頭がおかしいじゃないかイカれてる。

この応援はおかしいだろう何を考えているなぜこれで力がでる理解できないわからない。だが――


ニホン!

ニホン!

ニホン!


人類側のニホンコールが響くたびに


「――」


ロードレスの攻撃が激しくなる。

天井知らずにあがるロードレスの圧力はもはや天外無法の域に達しつつあった。


ヴィラ!ヴィラ!ヴィラ!ヴィラ!


魔軍側の応援も再開されている。ましてゆく赤の力。

だがそれでも――ロードレスの嵐撃は止まらない。


「なんなんだぁ……」


赤魔が吠える。自分は第六魔王四天王、培った信頼がある見知った者達が命を血を欲している。身近な仲間のためにと戦っている。だがこの男は違う……


「なんなんだおまえはあああぁぁぁああああぁぁぁぁぁ!」


悪魔に湧き上がるのはありえないことに――正義。

これは駄目だ。世界のためにこの存在を許してはいけないと赤魔は生まれてはじめての正義の心に目覚めたのだ。

あまりにも危険。


「世界のために――貴様を消す!」


殺す潰す負けられないと赤魔が吠え猛りカウンターの一撃を浴びせる。


熱狂は止まらない――。


激闘の中で、二人の戦士が一撃を放った瞬間、その衝撃は天地をも揺るがすほどの力を持っていた。殴り合いの果て、互いに吹き飛ばされ、しばらくの間、空気が裂け、圧倒的な余波が闘技場を震撼させた。戦場に立つ者たち、観客たち、そして闘技場そのものが、今、激しさの最高潮に達したことを実感している。


二人の戦士の空間をとる。その距離は、まるで運命を決する瞬間を待つかのように、広がっていく。両者の体は傷だらけで、血が絶え間なく流れ、息も荒くなっている。それでも、目はまだ燃えるような闘志に満ちていた。


その時、二人の目が再び交錯する。互いに、すべてをかけた勝負をつけるべく、全身全霊を込めて、理を構成する。彼らの体力は限界を迎えており、痛みも深刻であった。しかし、それでも―――

「「十全明証!」」


その言葉と共に、彼らは同時にその必殺技を引き絞った。絶望的ともいえる瞬間に、命懸けの一撃を放つべく、その神理を解き放つ。


四天王の姿が、今までに見せたことのないほどに膨れ上がり、その身体の周囲に灼熱の炎が渦巻き始める。その圧倒的なエネルギーに、空気が歪み、光すらもその存在を拒絶するかのように捻じ曲がる。


一方、ロードレスもその動きに一切の迷いを見せない。体からは、風の神理が流れ出し、その風は嵐のように巻き起こる。ロードレスの目が鋭く光り、その体から放たれる気は、まさに神域に達していた。

風の神理が全てを打ち抜く勢いで凝縮され、次の瞬間には空間そのものを切り裂こうとしている。


刹那、二人の体から放たれたエネルギーは一気に膨れ上がり、まるで嵐のように巻き起こる。圧倒的な必殺技の圧力が、闘技場を包み込む。観客がその迫力に圧倒され、空気が重く、ひとしきりの静寂を経て―――


「しねええええええええぇぇぇぇ!」


紅の四天王が神理を解き放った。


闘技場の空気が一変した。四天王が全身から湯気のように立ち昇る炎を爆発的に放ち、その炎は瞬く間に広がり、闘技場全体を包み込んだ。炎の神理、「十全明証」による強烈な必殺技が放たれた瞬間、熱風が荒れ狂い、空気が焦げ、闘技場の観客たちが身を縮め、恐怖のあまり動けなくなった。


観客はその猛々しい炎に呑み込まれ、危うく命を失うかと思うほどの勢いで、四天王の炎は全てを焼き尽くすかのように拡大していった。闘技場の一部が崩れ、炎の中に呑み込まれる建物が見え、悲鳴が上がる。目の前の恐怖が現実になり、誰もが絶望的なその状況に震えていた。


だが、四天王は自信満々にその炎を操り、勝利を確信していた。その炎が何もかもを焼き尽くし、ロードレスもその中で消え去るだろうと――。


「終わりダアアアアアアァァ!」


四天王の声は、周囲に響き渡る。しかし、炎の中から何もかもを焼き尽くすような暴風が現れ、突如として強烈な青い風がその炎を打ち消し、空気を変える。そこから姿を現したのは、血にまみれたロードレスの姿だった。青い風に包まれて、火を吐く獣のような強さを感じさせる。


ロードレスは蒼風をまとい、その風が闘技場の中で暴れ、さらに強く突進し、まるで嵐そのもののように迫ってきた。炎を放つ四天王が必死に再度神理を放とうとするが、その力をものともせず、ロードレスはさらに近づいていく。


「なぜ止まらない……!」


四天王の声が震えた。炎の神理を全身から解き放つ力の頂点たる存在である彼が、初めて知る恐怖の感覚。巨大な闘技場を覆う炎が、呑み込むことのできない蒼の嵐に押し返され、無敵と思われた自らの力が無力化されていく。


その言葉を遮るように、ロードレスが低く、しかし明確な声で呟いた。


「国敵討滅――」


その瞬間、世界が静止した。


空間が、時の流れそのものが凍りついたかのように、全てが止まった。

ただひとつ動いているもの――それは、ロードレスの身体だった。蒼の嵐をまとい、彼は全を薙ぎ払う剣と化して四天王に突き進む。炎が風に巻き上げられ、その力が吸収されるように霧散する。


「――捨身断命」


特攻の――神風。


ロードレスの一撃が放たれるその刹那、全てがスローモーションとなる。観客の驚愕に見開かれた目、爆風に吹き飛ばされる砂塵、四天王の巨大な体が徐々に切り裂かれるその瞬間。音が消え、ただ視覚だけが鮮明になる。ロードレスの蒼拳が、蒼く輝く嵐をまとう。


一筋の光が暗闇を裂くように、拳の軌跡が蒼い閃光を描く。迷いも揺らぎもない。ロードレスの全力が込められた一撃は、四天王の巨体を真正面から薙ぎ倒した。


「ガアアアアアアアアアァァァァァ」

響く四天王の断末魔。


爆音が轟き、闘技場全体が揺れる。四天王の体が完全に両断され、その肉体が激しく吹き飛ぶ。炎と血と破壊の残骸が宙を舞い、地面に叩きつけられ闘技場の床が砕け散る。


――勝敗が決した。

そし天に拳を突き上げ

「オオオオオオオオオオオオオオオォォ!」


ロードレスの方向が響いた。血と汗と嵐がまとわりついたその拳は、まるで勝利を刻む旗印。


「………………あ」


静止していたかのような闘技場全体が、いきなり覚醒したかのように熱気を帯びる。


「うっ……」


最初に立ち上がったのは、一人の観客だった。だが、その動きは波紋となり、たちまち千、万の観客が熱狂に飲まれ、座席から総立ちとなった。


「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」


怒涛のような歓声が湧き上がる。震える声援、怒号、喜びの咆哮が一つの巨大な音の塊となり、闘技場全体を揺らし、天を突き抜けんばかりの勢いで響き渡る。


観客の熱狂が最高潮に達した刹那、轟音をかき消すような一際響く声が場内に放たれた。


「勝者あああぁぁぁ!ローーーーーーーーーーーーーーーーオオォォォドレス!!!」


言葉は闘技場の端から端まで染みわたり、観客たちはその名前を繰り返す。


声援の波が幾重にも押し寄せる中、踊り子たちは激情を踊りに乗せ、ブル猫たちも跳ねながら踊りる


観客席はもはや一つの巨大な生命体と化していた。踏み鳴らされる足音はまるで地響きのように響き、拍手の音は雷鳴のごとく轟き渡る。


燃え上がる観客の声が、嵐とともにその身に降り注ぎ、彼の勝利を全力で称え続けた。


闘技場は、もはやただの戦いの場ではない。

神話となった瞬間の目撃者たちの祭壇と化していた。



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