SamSuka
くろっかす
くろっかす

fanbox


【続編】理想のカップルの崩し方

本編はこちら↓





「──……はい……これで、今日の暗示もばっちり」



莉緒先輩の柔らかい声が、部屋の空気をゆっくりと締めくくる。

重ねていた手がそっと離れ、俺のまぶたが静かに開いていく。


視界にぼやけた天井と、優しく微笑む莉緒先輩の顔が映る。



「……ふぅ……」



隣では楓(かえで)も、小さく息を吐いていた。表情は穏やかで、少しぽーっとしてる。

──“終わった”んだ、という不思議な感覚。

頭の奥がまだ少しふわふわしていて、身体の感覚と現実感にズレがある。

でもそれも、もう慣れた。



「さすがに何回もやってると、スムーズだな」



翔太先輩が壁に寄りかかりながら言う。



「ま、もう5回目……いや、もっとやってたっけ? 最初の頃に比べたら、だいぶ“馴染んできた”よな」

「……え、もうそんなにやってたんですね……?」



思わず俺がつぶやくと、莉緒先輩がクスッと笑った。



「でも、終わった後最高でしょ?ふわふわとして、気持ちのいい感じとか―――」

「ええ、まぁ……」



莉緒先輩の言う通り、セラピーが終わった瞬間の何とも言えない心地よさと高揚感は、受ける回数が増えるたびに癖になってきてしまっている。

このリラックス法を教わってから、俺と楓は毎週のようにこうして相談室の中で“セラピー”を受けている。



莉緒先輩はにこにこと微笑みながら、テーブルの上に置かれた水を手渡してくれた。



「はい、じゃあこれ飲んで、ゆっくりしてね。

水分とると、さらにリフレッシュできるから」

「……ありがとうございます」



俺と楓は、それぞれグラスを受け取って、一口ずつ水を飲んだ。

冷たい液体が喉を滑っていく感覚が、ぼんやりした頭に心地よかった。

楓もまた、目を細めながらおいしそうに水を飲んでいる。


その時、翔太先輩がふっと笑った。



「なー、莉緒。そろそろ次のステップ行ってもいいんじゃね?」

「うん、そろそろいい頃だと思う」



莉緒先輩は、俺たちの方を見て、さらにやさしい声を重ねる。



「ねぇ、颯太くん、楓ちゃん。

今から、ちょっとだけ──“新しいリラクゼーション方法”を試してみない?」

「新しい……?」



俺は思わず聞き返したけど、莉緒先輩の声のトーンは、すごく自然で。

疑問も警戒も、すぐにどこかへ流れてしまった。


 

「うん。ふたりなら、きっとすごくうまくいくと思うんだ。簡単だよ。今のよりも、もっとリラックスできるやつなんだ」



楓は、隣で小さくうなずいている。

まるで、それが当たり前のことみたいに。



「ほら、さっきもちゃんとできたじゃない?私や翔太の声って、すごく心地よくて、安心できるでしょ?」

「……はい」



自然に、俺も楓も声をそろえて返事をしていた。

莉緒先輩は、嬉しそうに微笑んだ。



「じゃあ、まずは簡単なことからいこうね」



彼女はゆっくりと指を立てた。



「いまから私が数を数える間──ふたりは、頭の中を空っぽにして、私と翔太の声だけを頼りにして。何も考えず、ただ、任せる。そうすると、もっともっと気持ちよくなれるから」


 


俺は、一瞬だけ楓の顔を見た。

楓も、俺を見て──ふわりと、笑った。


もう、迷いなんてなかった。


 


「──じゃあ、数えるね。3……2……1──」


 


莉緒先輩の声がカウントするたびに、意識がふわっと沈んでいく。

身体も頭も、まるで誰かに預けたように、重さを失っていった。

翔太先輩の声も、どこか遠くで優しく響く。



「よし、それじゃさっそく……」



その言葉が、妙に遠くに聞こえる。

誰かに任せることが、こんなに楽で、こんなに心地いいなんて──



俺はただ、頷いた。

楓もまた、俺の隣で小さく、こくん、と。

そうして、俺たちはまた、静かに、深く、

莉緒先輩と翔太先輩の声の中に溶けていった。


 


──



次に目を覚ますと、いつものようにふわりとした感覚ではなく、まるで疲れが一気に取れたかのように頭の中がスッキリとした爽快な気分だった。



「どう? 気分は?」



莉緒先輩が柔らかい声で問いかける。

俺は深く息を吐いて、言った。


「……なんか、悩みとかも全部一気に吹き飛んだような感覚で……すごい気分が良いです」



楓も同じようにこくんとうなずいていた。



「頭が、軽いです……」

「ふふっ、それが“呼吸セラピー”のいいところなの。ちょっと脳がリセットされて、素直になれて──余計なものが抜けていくって感じ、でしょ?」



たしかに。

まるで心の中がすっきり洗われたような、そんな感覚だ。

翔太先輩が、俺たちを見ながら軽く頷く。



「よかったよかった。ふたりとも、反応よかったな。素直で安心したわ」

「……ありがとうございます」



その言葉が、なぜか妙に嬉しくて、少し恥ずかしい気持ちを隠すように頭を下げた。



「っし、んじゃそろそろ帰るか。お前らも一緒に帰ろうぜ」



机の上に置いてあったカバンを片側の肩にかけると、翔太先輩は相談室の扉を開ける。

俺たちも自分のリュックやバッグを手に取ると、それに付いていくように相談室を後にする。



相談室の扉を開けて、廊下に出た瞬間、春を過ぎたことを感じさせる生温い風邪が肌に当たる。

 


「……お、そうだ。お前ら”トイレ”とか大丈夫か?行っといたほうがいいんじゃね?」



翔太先輩がぼそっと呟いた。

“トイレ”という単語を聞いた瞬間、俺も、そして楓も、ハッと気づいた。



先ほど、水を飲んだせいだろうか、急に膀胱に圧迫感を覚えた。

楓も、隣で小さくもじもじと足を動かしている。



「そうです……ね。ちょっと行ってきてもいいですか?」

「わ、私も……」

「だよな~。莉緒も行っとく?」

「翔太、あのさ~こう見えても私、女の子なんだから少しは気を使ってよね?」



莉緒先輩は翔太先輩に対して呆れたように笑う。

そして、自然な流れで、翔太先輩が歩き出す。



「んじゃ、まとめて行こうぜ。”トイレ”、ちょうどすぐそこだし」



翔太先輩がそう言うと、さらに尿意が強くなってきたように感じる。

俺たちは、少々小走りになりながら、すぐそこにあるトイレへと向かった。



男子トイレの青い扉を押して開くと、小便器が3つと個室が2つの小さなトイレ。

あまり利用者がいないことを想定して作られたためか、他の棟のトイレに比べると数が少ない。



「そんじゃとっとと済ませちゃいますかっと……」



翔太先輩が入っていくのについていくように、”俺と楓も男子トイレへと入っていく”。


その後ろにいた莉緒先輩が少し吹き出しながら笑ったように聞こえたが、特に気にすることもなく、俺は真ん中の小便器の前に立った。



「それじゃ楓、お願い出来る?」

「うん、分かった」



俺がそう言うと、楓は俺のズボンを足元まで下げて、下着から俺のモノを取り出した。

そして、そのまま楓は、俺のモノを優しく手で包み込み、体を密着させるようにすると、俺のモノを小便器に向ける。



「どう?もうすぐ出そう?」

「あぁ、出るよ」



そう会話を交わしていると、隣に莉緒先輩が現れ、俺たちの様子を動画で撮影し始めていた。



「は~い、2人共こっち向いて~。それにしても、トイレまで一緒なんて仲いいんだね~(笑)」

「あぁいえ……”おしっこをする時はいつも楓に手伝ってもらうのが常識”なので……」

「へ~、そうなんだ~」



莉緒先輩は、リアクションをしつつ、動画の撮影を続ける。

すると、俺のモノから小便器に向かって、じょぼぼぼ……と音を立てながら、黄色い液体が勢いよく放出され始めた。



「あ、楓。もう少し右に向けて。それから、もうちょい上の方が良いかも」

「うん、分かった。こんな感じ?」



楓は、それを小便器に上手く入るように向ける方向を調整してくれている。


その姿を見て、ちょうど小便を終えた翔太先輩がこちらを見ながら微笑んでいる。



「ほらほら2人共、せっかくだしよ、動画だけじゃなくて写真も撮ってもらえよ」

「え……あ、そうですね。莉緒先輩、すみませんけど、お願いします」

「うん、いいよー。はい、2人共笑って~」



俺と楓は、莉緒先輩のカメラに向かってピースをしながら、笑顔を見せる。

そんな姿を翔太先輩は笑いながら見ていた。



「いや~お前らほんっと仲いいんだな」

「ありがとうございます…」



俺がそう返事をするのに合わせるように楓もうなずきながら答える。

その様子もまた動画に収められていく。

その横で莉緒先輩が楽しそうに微笑んでいた。



しばらくすると、俺の小便の勢いも収まり始めた。

残った滴を払うように、楓が俺のモノを振り終えると、楓はポーチからハンカチを取り出し、それで俺のモノを拭いてくれる。



「はい、これでおしまいだよ」

「あぁ、ありがとう」



楓が拭き終わると、俺は下着とズボンを上げ直して、トイレの外に出る。



「あ、ごめん……次は私…」



俺の小便を手伝っていたせいか、既に膀胱が限界に来ているようで、楓は股間に手を差し込みながらもじもじしている。



「あ、うん。ゆっくりしてきな」

「ごめんね……ありがと」



楓はそう言うと、トイレの外に出て、相談室の前まで移動する。

そしてそのまま四つん這いにしゃがみ込み始めた。



「スン……スンスン………うん、大丈夫そう」



匂いを嗅ぐように鼻を鳴らしながら何かを確認すると、その場でパンツとスカートを脱ぎ始める。

下半身丸出しの状態になった楓は、四つん這いのまま右足を上げると、相談室の扉に向かって放尿を始めた。



「んっ……」



じょぼ、じょぼぼ……と音を立てながら、楓のおしっこが床に飛び散っていく。

その様子を莉緒先輩は楽しそうに動画に撮っていた。



「やばっ(笑)本当に犬みたい(笑)」

「おぉこれは……実際見てみると結構興奮するな……」



楽しそうに動画を撮る莉緒先輩の後ろで、翔太先輩は股間を抑えながら、楓の姿を眺めている。



「颯太(そうた)、この絵面、やばくねww」



翔太先輩が、俺に耳打ちをするように声をかけてくる。



「えっ?そう……ですか?ただのトイレだと思いますけど……」



正直、2人がなぜここまで楽しんでいるのか俺には理由が分からない。

絵面と言われても、”楓がおしっこをする時は、犬と同じように片足を上げて外でする”のはいつものことだ。

楓は、足を上げながらおしっこをするときに踏ん張ると力が入りやすいのか、よく「んっ……」と小さく声を漏らしている。

そして、その放尿が終わると同時に莉緒先輩がカメラを下ろした。



「はい、OK!楓ちゃんありがとうね」

「いえ、こちらこそありがとうございました」



楓はそう言うと立ち上がり、さっき俺のモノを拭いてくれたハンカチで自分の股間を拭きとると、パンツとスカートを上げる。

そんな様子を翔太先輩は笑いながら見ていた。



「いや~お前らほんと面白いわww」

「はぁ……別に普通だと思いますけど……」

「ん?あぁわりぃわりぃwそうだったなw」



翔太先輩は、笑いながら俺の肩をポンと叩く。



「んじゃ、そろそろ帰るか」

「はい」



そして俺たちは相談室を出て、帰路につくのだった。


――



あれから──数日が経った。


季節はゆっくりと春から初夏に向かい、

昼間のキャンパスには、緑の匂いが濃く漂いはじめていた。



俺も楓も、いつもどおり授業を受け、

いつもどおりサークルに顔を出して―――

一見、何も変わっていないように見えた。


 

でも、ふとした瞬間に、胸の奥がざわつくことがある。


翔太先輩や莉緒先輩の声を聞いたとき。

──体が、自然と“従いたくなる”。


そんな感覚が、微かに、けれど確実に、俺の中に根を張りつつあった。



今日もまた、講義が終わったあと。

翔太先輩に呼び止められた。



「おーい、颯太、楓。ちょっとだけいい?」

「あ、はい!」

「……はいっ」



俺と楓は、まるで約束されていたかのように、

自然と足を止めて振り返った。



翔太先輩は、にやりと笑う。


「この間の“セラピー”、すげー良かったからさ。もうちょっとだけ、応用してみようと思ってんだ」



その言葉に、心臓が跳ねた。



「でも、今日はサークルの練習が……」

「そんなのどうでもいいだろ。サークルなんかより、俺らと遊ぶ方が嬉しいだろ?」

「は、はいっ!」



俺にはサークルの中でも中心人物であるという自覚がある。

ここ最近、なかなか行けていないサークルの練習に顔を出さなくては…と思いつつ、翔太先輩に予定を伝えたのだ。


──しかし、拒否するという選択肢は、自然と思いつかなかった。



「もちろん、無理にとは言わないけどさ。ほら、お前らも“もっと素直になれる”って気持ちよかっただろ?」



言葉に誘導されるように、俺たちはこくんと頷いた。

翔太先輩の隣にいた莉緒先輩も、ふわりと笑った。



「ね、少しだけ。楽しいこと、してみよう?」


 

その笑顔は、天使みたいに優しかった。


その笑顔を──

俺も、楓も、どうしても裏切りたくなかった。



「──じゃあ、場所、変えよっか」



翔太先輩が先陣を切って歩き始める。 

俺と楓は、何の疑問も持たずに、そのあとに続いた。


──



翔太先輩に続きながら、キャンパスの裏門を抜ける。



「こっち、こっち」



莉緒先輩が手招きする。

その声に誘われるように、俺と楓は、迷いなくついて行った。



──歩くこと数分。

そこは、大学の裏手にある小さな公園だった。

昼間は子ども連れの家族で賑わう場所だけど、この時間帯はすっかり人気もなく、静まり返っている。



「なーんか、ここ落ち着くんだよな~」



翔太先輩がそう言いながら、芝生の広場に腰を下ろす。

莉緒先輩も、その隣に座った。



「さ、ふたりも座って?」

「はい……」

「うんっ」



俺と楓も、素直に従う。


芝生に触れる手のひらが、ほんの少し冷たかったけど、

それすら心地よく思えた。



翔太先輩はカバンから小さなメトロノームを取り出した。

かちっ、かちっ、と小さく鳴る規則的な音が、静かな公園に響く。



「じゃあ、また少しだけ──“リラックス”しようか」



莉緒先輩の声が、ふわっと優しく響く。

俺は楓と顔を見合わせ、ふわりと微笑み合った。

楓の頬も、ほんのり赤く染まっている。



(──大丈夫。ここでは、何をしても大丈夫なんだ)



すっかり頭に沁み込んでしまったその感覚に、俺は身を任せた。


「颯太くん、楓ちゃん。今から私の声だけを聞いてね。……何も考えなくていいから」



かちっ、かちっ、と鳴り続ける音に合わせて、

莉緒先輩がゆっくりと、でも確かに言葉を重ねていく。



「深呼吸して──吸って、吐いて……そう、いい子」

「すぅ、はぁ……」



俺も楓も、言われるがままに呼吸を合わせる。

それだけで、心がふわっと軽くなった。



「ふたりは、これから“かわいい動物さんごっこ”をするよ。颯太くんは“忠実な子犬”。楓ちゃんも“甘えんぼうな子犬”」



その言葉に、身体が自然に反応する。

四つん這いになることに、何の抵抗もない。



「今から、私が合図したら……2人は立派なワンちゃん……服を着ているのもおかしいから、ササっと脱いで……自然と、四つん這いになりたくなるよ。それが、気持ちよくてたまらないの」



かちっ、かちっ、かちっ──



メトロノームの音が、心臓の鼓動と重なっていく。



そして──



「──はい、今」



莉緒先輩の声が響いた瞬間、俺も楓も、何のためらいもなくその場で服を脱ぎ、裸になっていた。



「ワンッ!ワンワン!!」



俺は、服を脱ぐとすぐに四つん這いになり、その場で吠え始める。



「へっへっへっへっ……アオーン!!」



楓も完全に犬になりきり、興奮を抑えきれない様子で遠吠えまでしていた。



翔太先輩と莉緒先輩は、そんな俺たちを見て、にやにやと笑いながらスマホを取り出す。



「ほら、二人ともこっち向きな!」

「は~い、颯太君に楓ちゃ~ん……”おすわり”!」



莉緒先輩―――”ご主人様”にそう言われ、俺と楓はその場にしゃがみ込む。



「かわいいねぇ、ふたりとも(笑)」



莉緒先輩がにっこり笑いながら、手を叩く。

それだけで、胸の奥がじんわり熱くなるのを感じた。



(褒めてもらえる……うれしい……)



自然と、そんな感情が湧いてくる。



「お~すげーww莉緒、お前結構教え込むの上手い感じ?」

「ふふん♪どうせ写真撮るなら、こういう格好の方が良くない?……”ちんちん”!」



俺たちは、背筋を伸ばし、足で全体重を支えるようにしながらその場で”ちんちん”のポーズを取った。



「いい子ね~♡」



莉緒先輩がパチパチと手を叩く。

それだけで、胸の中に温かいものが広がる。



(”ご主人様”に褒めてもらえた!嬉しい!うれしい!!)



俺の頭の中は、”ご主人様”に褒めてもらうことでいっぱいだった。

俺も楓も、興奮のあまり頬を赤らめながら舌を出し、荒い呼吸を続ける。



「は~いそのままね~……はい、チーズ!」



2人は、カメラを構え何枚か俺たちの写真を撮り始める。



「じゃあ、最後に次は『ごろん』できるかな?芝生に、ころんって寝転んで──お腹を見せて、リラックスするの♡」



“ご主人様”にそう言われ、何も疑問に思わず、俺も楓もすぐにその場にコロンと転がる。

ふたりして、芝生の上にお腹を見せて、空を仰ぐ。


──春も過ぎ、少し湿気を帯びた生温かくも心地よい風が、体をくすぐる。



「うん、最高だね♡」



莉緒先輩の満足そうな声が、空に溶けていった。

翔太先輩も、スマホを構えながらニヤニヤしていた。



「こりゃいいわ~、マジでエロすぎる(笑)」



俺も楓も、嬉しくてたまらなかった。


褒められることが、

認めてもらえることが、

こんなに嬉しいなんて。



(──もっと、もっと喜んでもらいたい)



そんな素直な気持ちが、胸いっぱいに広がっていく。



「それじゃ2人共、仲良く遊んでおいで!」



そう言われ、俺も楓も公園内を四つん這いのまま駆け回る。

―――お互いの身体を舐めあい、相手のことをもっとよく知ろうとお尻を嗅ぎ合ったり、お互いに体を密着させながら、砂場で絡み合ったりもした。



その様子を、翔太先輩と莉緒先輩はしっかりとカメラに収めていく。



「すっげ~な、これ。まさかここまで効くとは思わなかったぜ」

「私も(笑)結構才能ある感じ?」



2人の会話もそこそこに聞き流しながら、俺と楓は満足するまで遊びつくすのだった。



――



──数日後。

今日もいつも通り、サークルの集まりに顔を出した俺たちだった。


楓とふたりで部室棟に向かいながら、



(……みんなに会うの、なんか久しぶりな気がするな)



なんてのんきに考えていた。



けれど──

部室のドアを開けた瞬間、

違和感に襲われた。



「──あっ」



思わず小さく声が漏れる。



サークル室の真ん中。

壁に設置されたモニターには──



公園で、俺たちが四つん這いでじゃれ合っている映像。

それに、莉緒先輩のスマホで撮ったはずの、あの日の"芸"をしている俺たちの姿。


──全部。晒されていた。



サークルのみんなは、驚きながらも笑っていた。



「え、これマジ? 颯太と楓ちゃんじゃん(笑)」

「やっば、かわいい~~~」

「何これ? 2人とも犬になっちゃってんの?(笑)」



ガヤガヤと沸き立つ空気。

その異様な光景に困惑しながらも、俺はモニターの前に立つように声を上げる。



「……ちょ、ちょっと待って……!」



楓も、顔を真っ赤にして、袖をぎゅっと握りしめている。



(……なんで、こんな……)



心臓がバクバク鳴る。

 


羞恥。

戸惑い。

焦り。



いろんな感情が入り交じって、体の奥から熱く込み上げてきた。



──でも、そのときだった。



「だいじょうぶ、颯太。楓ちゃん」



背後から、翔太先輩の落ち着いた声が響いた。



「お前らは、みんなを癒してあげるために、ここに来たんだろ?」



その言葉に、一瞬で頭の中がふわりと緩んだ。

莉緒先輩も、すぐ隣でにっこり笑っていた。



「ねぇ?♡みんな、ふたりを見て癒されたいんだよ。ふたりは、それをしてあげられるんだよ?」



柔らかく、甘い声。

その響きが、心の奥にじわりと染み込んでいく。



(……みんなを、癒す……)

(……俺たちが……)



気づけば、反抗心は霧のように消えていた。

代わりに──

胸に広がるのは、ほんのりとした幸福感だけ。



翔太先輩が、手を叩いた。



「じゃあ、ふたり。早速見せてくれる?」



自然な流れだった。

誰も強制なんてしていない。



でも、俺も、楓も──


 

「……はい!」

「……がんばりますっ!」



素直に、頭を下げていた。


サークルのみんなから、わぁっと歓声が上がる。

あたたかい拍手に包まれながら──



「それじゃいつもの”アレ”でどうだ?」



翔太先輩がそう言いながら手を叩く。

頭の中に響くその音を聞き、すぐさま楓が動き始める。



楓は、嬉しそうにぴょこんと飛び跳ねたかと思うと、四つん這いになり、尻尾を振るみたいにお尻を振り始めた。



「わんっ♡わんっ♡」



小動物みたいな高い声が、サークル室に響く。

みんなが大爆笑して、スマホを一斉に向ける。



「ワンワン!……っふぅ~……」



楓は、片足を上げるとすぐその場でおしっこをし始めた。

しかし、まだ服を着ていたせいで、完全に下着やスカートを濡らしている。

それだけでも、周囲の男子からは「うおおお、やべぇ!!」と歓声が上がった。



俺自身も、すぐさまズボンとパンツを脱ぐ。

みんなに見られることを想像してしまったせいか、ほぼ完全に勃起してしまった陰茎を晒しながら、”ちんちん”のポーズでみんなの視線を集める。





―――サークル室の空気は、もう完全に“お遊び”モードになっていた。


みんなが笑い、スマホを向け、

その中心で、俺と楓は、まるでパフォーマーのように動き回っていた。



「キャンキャン♡」

「うわっ!楓ちゃん、スキンシップが激しいなぁ(笑)」

「つ、次は俺も!」



“甘えん坊で発情期のワンちゃん”になった楓は、誰彼構わずサークルのメンバーに飛びついては、顔を舐めまわし、特に男子にしがみついたときは、ここぞとばかりに自身の股間を押し付けているようだ。



「ワンワン!ワン!」

「ねぇねぇ、次はこれ入るかなぁ?」

「いいじゃん!入れてみよ~」



対して俺はというと、他の女子たちが集まり、俺のアナルにたくさんのボールペンやら棒状のものを差し込んでいく。

ちょっとキツめではあるが、”こういうものが大好き”な俺は、さらに陰茎を膨張させていく。



そんな中。

翔太先輩が、わざとらしく咳払いをした。



「──なぁ、颯太、楓」



反射的に背筋を伸ばす俺たちに、翔太先輩は優しく、だけどはっきりと言った。



「お前ら、恥ずかしいこと、好きだよな?」


 


その言葉に、脳がビリリと痺れた。



(……え?)


 


一瞬、戸惑いが浮かぶ。

でもすぐに莉緒先輩が、俺たちに微笑みかける。



「だってね、恥ずかしいことをしてるとき、ふたりとも、すっごく幸せそうなんだもん♡」



莉緒先輩の甘い声が、心の奥にじんわりと沁みていく。



「恥ずかしいって、嬉しいんだよ。だって、“みんなに見てもらえる”んだよ?」

「“愛されてる証拠”ってやつだね(笑)」



(──あぁ、そうか)



すとん、と胸の中に何かが落ちた。



(恥ずかしいって、嬉しいことなんだ)

(みんなに見てもらえるって、愛されてるってことなんだ)



楓も、俺と同じタイミングで、

小さくこくんと頷いていた。


 


顔を真っ赤に染めながらも──

それでも、嬉しそうに微笑んでいた。



「じゃあさ、もっと“嬉しいこと”しようか?」



翔太先輩が、にやりと笑う。

 


「──これからお前たちは、このサークルの”見世物”として過ごすんだ。沢山恥ずかしいポーズを取ってみんなを楽しませてくれよな?」



その提案に、俺たちは迷うことなく動き始める。



「キャン♡キャン♡」

「ワンワン♡ワン!」


「うおっ!二人ともオナニーし始めたぞ!」

「すっげ~!ちょっと動画撮ろっと」

「あ!私も!」



サークルのみんなにカメラを向けられながら、俺たち2人は、残りの大学生活をサークルのみんなを笑顔にするための”見世物”として過ごすことを心の底から誓うのだった……



More Creators