組船の、葵たちの潜む甲板下から、舳先の向こふの波間に見へる通報艦。もつと大きな運搬船の類ひを見たこともありますが、お島を封じこめお味方を幾人も困窮せしめしこの軍艦には、全く大きな鱶のやうな恐怖を感じます。見張人や他の往来船を、幾度と竹筒で息を繋ぎ、或るひは全然潜ってやり過ごし、やうやく到着いたしました。舷梯を荷を持つた兄たちの足音が登つていつたかと思うと、当直兵と異国語を二言三言交わすのが聞こへ、やがてしわぶきのやうな『始めろ』の合図です。葵は、忍びの呼吸法を用いひそかに息を整へ、敵方の目につかぬやうに、船底へ船底へと回り込み推進器の方へと向かひます。妹は、爆薬を抱へ私のほんの少し後ろから。
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KENSAN
2018-10-22 11:53:00 +0000 UTCsavaster
2018-10-21 19:02:20 +0000 UTClisenke
2018-10-21 03:58:49 +0000 UTCReader
2018-10-21 03:52:12 +0000 UTC