あれほどまでに離れた所にいる舟へたどり着くのは、途方もないことです。ほんの2尋ほど上に泳げば、さしあたり苦しみを逃れられますが、妹も兄様達もそして私も命はないでせう。なんとしても、なんとしても舟にたどり着かねば。敵方に見つけられぬやうに、船底に沿つて…浮き上がつて仕舞わぬやうに気をつけて…息を使ひすぎぬやうに足ひれで水を蹴つて…苦しみを紛らすために何度も頬に息を溜め直して…駄目、喉が水を…目がかすんで見へない…浮上するわけには…もう、駄目、なず…
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