悪魔の尻尾(5)行きずりの女性から骨格と毛の生え方を吸収する
Added 2023-04-23 03:22:30 +0000 UTCお待たせしまして申し訳ない。悪魔の尻尾、5話目になります。 ――――――――――― 下半身全てが女性のものになった俺は、家に帰れば何度も自分の姿を鏡に映していた。 自分の姿が着実に女性になっている現実を確かめるように、そしてその景観を守るように、俺は何度も自分の下半身を自認するように撫でている。 そして感じるのは、やはり「剃った後の毛の感覚」だ。一日経つと男としてのすね毛が伸びてきて、柔らかな肌にふさわしくないジョリジョリとした感覚が返ってくる。 これが髭ならまだ構わない、そういうものだと理解しているからだ。 だが、やはりこの脚に男としてのすね毛は似合わない。もっと細く柔らかい「女性としての毛」が必要なのだ。 決めた。 次に吸収するべきは、女性としての「体毛の生え方」だ。 勿論他に吸収できる要素があるならばやっておくべきだろう。 大まかにミリィにリストアップしてもらった物が以下のものだ。 ・体毛の生え方 ・骨格 ・ウェスト ・上半身(胸含む) ・腕 ・顔(髪の毛含む) といった所だ。 これを見た時、なるほど確かに骨格の面もあるだろうとは思い至った。 男女での骨格の違いもあるのは昔に学校で習った。今の俺の体は、男性としての骨格に女性の肉体を付けているようなものだ。言ってしまえば規格の合わないものを無理矢理つけているに等しい。どこかで破綻が起きてしまう可能性だってある。 だからこそ、早急に骨格を整えなければいけない。 そんな事を考えながら、俺はスーツを着て、仕事に向かう事にした。 今日は女性用のパンツを履いて仕事をするのだが、男性用のものと違い、衣服と肌着の間にあまり隙間はない。ぴっちりとした女性としてのお尻を見せつけているような感じがする。 あぁ、これから俺はこのお尻を見せつけながら仕事をするのだと思いながら、仕事先に向かうのだった。 …仕事の内容については割愛しよう。正直なことを言えば、俺が女になる事には関係ない事だ。 だが本日降って湧いた仕事に関しては感謝している。別の地方に出張して契約を取ってくる、という内容の仕事だが、これは俺にとって少し有難かった。 俺が女性から要素を吸収する時、どうしても発生してしまうのが「要素を吸収したことで女性が被害を被る」ことだ。女悪魔や尻を吸収したときの女性でわかったのだが、そうされたことで現れる被害は、確実に「吸収された本人」だけにはとどまらない。 被害者は警察や医療関係に駆け込むだろうし、周囲では調査がされるだろう。俺の近辺でしかそれが起こらないなら、必然的に周囲の人間に視線がいくことになる。 ならばどうすればいいのか。どこかへ遠出して、「全く違う場所で事を起こす必要」がある。そうすれば事件の起きた箇所は分散し、真実がわかりにくくなるだろうという算段だ。 俺は行きの電車の中でその事を考えながら、どうやって見知らぬ土地でよさげな女性を見つけるか、を考えていた。 もちろん、契約の関係についても割愛だ。どんなことを契約して締結したかは、俺が女になることには無関係だからだ。 ただ、仕事が終わったのは夜になってからだった。片道3時間かかるとなると、ここから帰宅するのは難しいし、仕事先からは「明日は休みでいい」と言われている。 心置きなく出張先を満喫し、その後帰ればいいわけだ。 だからこそ、余裕ができたのにはありがたい。 これで俺は、今日の夜から明日にかけて女性を物色できるからだ。 とはいえ。骨格やら体毛の生え方やらは、外側から見ていろいろとわかるものではない。正直なところ、物色するも何も、適当な女性を捕まえて吸収してしまえばいいかと思えてしまうほどだ。 そんな考え事をしていると、 「ねえお兄さん、難しい顔してどうかした?」 ふと、俺に声がかけられた。見た目は大学生くらいだろうか、ピンクのブラウスに黒のスカート、胸元には黒のリボンが結ばれており、髪型は黒の二つ結び。 いわゆる「地雷系」とでも称すればいいのだろうか、そんな女性が立っていた。 「何か考え事? 悩んでてもいいことないよ。それより…、楽しいこと、しない?」 考え事をしながら歩いていた影響か、俺は自然とホテル街に足が来てしまっていたようだ。一人で歩いているところを見つけられ、これ幸いとばかりに声をかけてきたのだろう。 ならばちょうどいい、俺はその提案に乗っかることにした。 「わかった、それじゃそのお誘いに乗っかろうかな?」 「やった。…それとね、お兄さん。私ちょっとお腹すいちゃってて…」 そのまま、俺と女性はどちらともなくお互いの名を明かさぬまま食事をし、ホテルへと向かった。 そしていざホテルの中に入り、女性がシャワーを浴びようとしたところで、俺はあることを告げた。 「そうだ、これを言うのを忘れていたんだ」 「なぁに、お兄さん?」 「俺、“無い”けど大丈夫かな?」 そう言いながら俺は女性の手を取り、自分の股間に持って行った。俺の女性器を触った女性は当然のことながら驚き、目を見開いている。 「…何これ。まさかお兄さんじゃなくて、お姉さんだったとか?」 「いや、男だよ。ある理由があって無くしたんだ」 「すっご…。男の人なのに、無いんだ…。…無くしちゃっても、感じるの?」 「もちろん。それに無くても、君と楽しむことはできるよ」 「それもそっか…。…私を楽しませてくれるってことで、いいのよね」 「そのつもりでなきゃ、OKなんてしないさ」 「ならよかった。…それじゃ早速、始めましょうか」 そう言って女性は服を脱ぎ、下着姿になった。 黒いレースのブラジャーに、同じく黒のレースのショーツ。女性の白い肌によく似合う色合いだった。 俺もそれに合わせてスーツを脱ぐ。パステルブルーのショーツが現れると、女性は興味深そうに俺の股間をまじまじと見てきた。 「すごい、本当にないのね。不思議だけど、なんだか興奮してきたかも」 「それはなにより。それじゃ、まずはベッドにいこうか」 そう言いながら俺はショーツを脱ぎ、下半身を女性に見せる。女性の視線は俺の股間から動かず、“ない”箇所を見つめている。 「不思議…。男の人なのに、そこだけ無いなんて…。もしかしてお兄さん、本当は女の人だったりする?」 「そこ、今関係あったりする?」 「うぅん、訊いてみただけ。…どうしよ、女同士なんて初めてだけど、少し興奮してきたかも」 「それなら俺が経験あるから、任せてもらえると嬉しいかな」 さて、ここで不思議に思うところがあるとするなら、「俺の尻尾は女性に見えているか否か」だ。 結論から言うと、見えてしまう。ミリィが言うには隠す手段もあるのだが、人間である俺には使えない手段とのことらしい。 だから俺は背中にぴたりと尻尾をくっつけ、上着を脱がず背中を見せないことで隠している。 俺はYシャツを残してスーツを脱ぎ、女性は下着を脱ぎ捨て全裸になった。 そうしてお互いに体を寄せ合い、お互いの女性器に触れていく。 「ん…っ」 「あ…っ」 男女の声がユニゾンする。同じ「女性器」に触られたことで感じられる感触は、多少の際はあれど同じ事だ。気持ちよさが優先的に来るだろう。 「触りかたがわからないなら、俺の触りかたを真似てみて…」 そう女性の耳元でささやきながら、俺はゆっくりと指を女性器にこすりつけていく。 「あん…、お兄さん、触り慣れてる…?」 「もちろん。自分についてるからね、気持ちよさは君と同じくらいに知ってるはずだよ」 「それなら…、私も知ってるよ? こうすると…」 「お、んっ…!」 反撃とばかりに、女性の手が俺の女性器を撫でてくる。女の指で感じられる女性器の感じ方は、自分の指で触る時とは違う。男の指で感じる大雑把さとは違い、繊細に触れてくる感覚がしてきた。 「ふふ、やっぱり気持ちいいんだね。私もここが好きなんだよね」 「じゃあ、君も好きなところ、責めてあげないとね」 「あん…! もう、お兄さんったら…」 女性に触られた所を、俺も重点的に責めていく。気持ちよさを感じる所は似通っているためか、触る所はほとんど同じだ。 俺と女性の指の動きは、次第に同期していく。陰唇に指をこすりつけ、次第に愛液が漏れ出て来はじめると、指を少しずつ膣内に指し込んでいく。 二人の喉から快感を告げる声が漏れ出ていくと、指先は次第にGスポットを探る動きになり、男女の喘ぎ声に、ちゅぷちゅぷと愛液の交わる音が重なってくる。 「「んんっ!!」」 そして、Gスポットを探り当てた瞬間も、同時だった。指先が触れた瞬間、俺たちは大きな声を上げて気持ちよさを伝え、そしてお互いに気づく。ここが気持ちいい場所なのだと。 そこからは早かった。Gスポットを重点的に責めていき、感覚の違いを伝えるように膣内を指で抜き差ししながら、お互いを絶頂へと登り詰めさせていく。 「ね、ねぇ、お兄さん…、私、そろそろ、イっちゃいそうなんだけど…」 「俺も…、近いな…。…だからさ、最後はここで…、イこうか…」 俺はクリトリスに指を近づけ、伝える。こここそが気持ちいいことは、お互いに知っているからこそ。俺たちは親指をクリトリスに添えた。 「ふふ、いいね、それ…。それじゃ、せぇの…っ!」 ぐりゅっ!! 「んおぉぉぉっ!!」 「あぁぁぁっ!!」 クリトリスを押し込まれ、バチバチとした快感の濁流が脳に流し込まれる。 その瞬間、俺たちはお互いに絶頂し、愛液がどろりとこぼれ落ちてきた。 立っているのが難しく考えられるくらいの気持ちよさに膝が震えながら、お互いに快感に蕩けた顔をしながら、淫靡に微笑みあう。 「…ねぇお兄さん。女同士って、気持ちいいのかな?」 「何度かシたことあるから知ってる。気持ちいいよ」 「ほんとぉ? それならちゃんと教えてほしいな…」 女性は笑いながら、誘惑するようにベッドの上に寝転がる。女性器を見せつけるように脚を広げて、俺を誘惑する。 俺はそれに応えようと女性の広げられた脚に分け入り、女性器同士をこすり合わせようとする。 その際に、横目で女性の脚を見た。男の俺より薄く、細い毛が生えている。股間の部分も同様だ。多少処理はされているだろうが、生え方が男のそれとは全然違う。もうじきこれが俺のものになるのだと思うと、興奮が止まらない。 そのままたらりと愛液がこぼれ出るのを認識すると、俺は女性と股間を密着させあった。 「はぁ、ん…っ!」 くちょ、くちょと愛液同士を絡ませ合いながら、俺は女性と「女同士」を楽しみ合う。 「んっ、これが、女同士なのね…、お兄さん、どうしてこれを知ってるの…?」 「それはね…、俺の心が男で、女が好きだからだよ…」 「じゃあ、お兄さんじゃなくて、心が男のお姉さんだった…?」 「それは秘密…っ、んんっ!!」 「ぅあっ!!」 俺は彼女の追及をかわすように、勃起してきているクリトリス同士をこすり合わせる。そのたびに俺たちは気持ちよさに声を上げていく。 横から見れば、男が上に、女が下になっている普通のセックスに見えるだろう。しかしその股間部分は違う、純然たる女同士のセックス。 俺の下であえぐ女性はこれから要素を吸収される生け贄で、俺はこの女性から要素を吸収する側なのだ。 肌を重ね合い、女性器同士を重ね合う。ぐちょぐちょという音が、吐息に交わり中空に消えていく。ミリィとの行為とも少し違う、気持ちよさ。 「あぁっ! ダメっ、イっちゃ…っ、んぅぅぅぅっ!!」 何度目かのクリトリスが接触したかと思うと、女性が喘ぎ声を上げて絶頂に達した。吹き出された潮が俺の股間に当たり、生温かさを伝えてくる。 それと同時に、俺はこの女性をイかせたのだという、一種の征服欲が満たされていく。 「はぁ…っ、はぁ…」 俺絶頂直前になっていたが、ギリギリの所で理性を働かせて、限界を迎えるのを防ぐ。 本来なら俺もイきたかったのだが、イってしまえば尻尾を隠すことを忘れてしまうのかもしれない。果たしてそれが露見するのが怖かった。 「あぁ…、女同士って、こんなに気持ちよかったのね、お兄さん…」 「気持ちよくなってくれて嬉しいよ。…もうちょっとスるかい?」 「それもいいけど…、ちょっとシャワー浴びてきていい?」 「構わないよ」 俺の了承を得て、女性はゆっくりとベッドから立ち上がり、シャワールームに行こうとする。背中を向けて歩いている女性に向けて、俺はゆっくりと尻尾を動かすと、 「そうして気を抜いてくれて、助かるからね」 一気に伸ばし、女性に突き刺した。 「あぐ…っ!?」 直後、尻尾に命令を下して「要素」を吸収していく。 一度に二ヶ所吸収できるのは、脚と尻の部分で既に実践済みだ。だから俺は今度も、「女性としての肉体の骨格」と「体毛の生え方」を吸収するようにした。 ドクン、ドクンと尻尾を通じて、要素が吸収されていく。それと同時に俺の肉体がゴキゴキと変化していくのがわかる。 肩幅が少しだけ狭くなり、肋骨の幅が狭くなる。骨盤部分が大きくなり、脚の骨格の付き方が変わっていく。 骨格が変化していくのがおぞましく、同時に心地よさに満ちていく。俺の肉体が女性のものへと変化していくのだと言うことを実感できるからだ。 同時に体毛の生え方も変わっていく。男としての太く黒い毛が、次第に薄く綺麗な毛になっていく。 すね毛が細い毛に生え変わり、腕の毛も産毛になっていく。股間の毛も生え方が変わっていき、男の時より整った生え方になっていった。 同時に頭髪もむずむずと新しい生え方に変わっていく感触がする。確かに「女性としての体毛の生え方」なのだから、髪質も変わるだろう。男としての硬めの質感から、女性として柔らかな質感に変わっていく。 そして要素を吸収された女性は、あっという間にくずおれていく。 肉体に「要素を吸収されたもの」が残るのなら、骨だったものが残っているだろう。おそらく肉体を支える事の出来なくなった、骨のような物が体内にあり、そうして立つことができなくなったのだと。 同時に体毛、その中で一番分かりやすい頭髪が、萎れていくのが見える。顔立ちが美人なのは変らないが、髪の毛が萎れて老婆のようになるだけで、こうも違うのかと思ってしまう。 「え…っ、あれ、体が…、動かない…? お兄さん? 私、どうなってるの?」 女性は「肉体の骨格」を吸収されたので体を動かせないが、頭部の骨は無事らしい。どうやら通常通り喋れるようだ。 となれば、最後は後処理だ。 このままだと女性が俺の存在を漏らしてしまう可能性がある。骨格は肉体だけ吸収して、前述の通り喋れるのなら、警察が俺の事を嗅ぎつける可能性がある。 だから俺は先日ミリィから聞いていた「ある要素」をさらに女性から吸収する為、もう一度尻尾を、今度は女性の頭部に刺した。 「あぅっ!」 さらに要素を吸収していく。今までは形のあった物だが、今度は無形の…、「俺と出会ってからの記憶」を吸収していく。 次の瞬間、俺の脳に「女性が俺と出会ってからの記憶」が流れ込んできた。他人の視線から見る俺の顔はこうなっているんだな、という感覚と、女性の方から感じる女同士のセックスという快感が、俺の脳にやってくる。 なるほど、こうして記憶を奪ってしまえば、俺に繋がる可能性は限りなく消える。脚と尻を奪った女性にもやっておけばよかったな。 「…え? あれ? 何ここ、どこなの? 私なんでこんな事になってるの?」 ここ数時間の記憶が消えた女性は、驚き慌てながら状況を理解しようとしているが、当然のことながらできるはずがない。 俺は無言で服を着直し、顔を隠すためのマスクをつけて、ラブホテルの部屋を出ようとする。 (おっと) 女性に聞かれないよう、内心で言葉を言いながら、姿が見られないように女性の頭にタオルをかけて出ていく。 当然ながら、ドアノブや鍵は綺麗に拭いて指紋を消しておこう。 骨格が女のものになり、腰回りがいっそう女性のものになった俺は、嬉しそうにお尻をぷりぷりと振りながら歩く。 男のように見えるが、歩き方は気取った女に見えるだろう。後姿を見れば、ショートヘアの女性のようにも。 (まだ時間があるな、ホテルを探せば間に合うかもしれない) そうして俺は、今日の適当な宿を探しに、夜の街を歩くのだった。