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タイガ⑤

episode ⑤『黒の略奪者』


 4つの依頼は散々な世界線をタイガに味わわせた。どれも現在の世界線ではきちんと解決されているとはいえ、その過程はあまりにも淫ら極まりないものだった。

「……ふう、こういう依頼ならば誰と会うこともないだろう」

 呪いの運命を避けるにはまずは誰とも関わらないようにするしかない。解呪に向けて動くためにも、まずは先立つものをとこの依頼を受けた。

 匿名依頼の怪しさはあれど、高額報酬に釣られたタイガというわけだ。


──ロケーション『ペケノ遺跡』。

 古代文明の研究所といった雰囲気はあれど、何を研究していただとかそういったことは何も判明していないそうだ。入る度に構造が変化する仕様は、探索を困難にさせる。ただし遺物を持ち出す者には得でもある。

 今回のタイガのように、とある物の回収依頼を受けた者にとっては。


 金属と石材の中間のような造りの遺跡を進むタイガ。

「入っている“かもしれない”とは聞いたが、これは骨が折れそうだ」

 所々に転がっているヒトの胴体ほどの透明ケースを覗き込むが、これも外れのようだ。この中に入っている“かもしれない”黒い液体を回収するのが依頼。

 どう探索を続けても、ケースは破損しており完全な物は見つからない。割れたケースの底部に一滴の何かも残ってさえいないのだ。

 どれだけ遺跡を潜っただろうか。かなり探し回ったタイガだったが、ついに研究用の機材から迫り出した透明ケースに黒の色を確認する。

「これは……よし、破損していないようだ」

 抱えて持ち上げると、やはりそれなりの重さ。全てを回収しなくとも良いとのことなので、まずは開封するために蓋部分を掴むのだが。

「グゥ……硬い、なっ……こ、れで──」

 力み過ぎて警戒が疎かだったのかもしれない、まさか無反応な黒色液体としか見えなかったそれが飛びかかってくるだなんて。

「なっ!?」


 これがトラップなのかどうかも分からない。対処法を考える暇もなく、そのブラックスライムとでも呼ぶべき黒色のドロドロとした存在がタイガに纏わりついてくるのだ。

「なん、だこいつは!?」

 頑強なフルプレートアーマーとはいえ、関節の隙間や首元、尻尾の付け根から入り込まれてしまえば用を為さない。

「くそう、離れっ、入ってくるなあぁあ!?」

 上半身のインナーの中、ステテコタイプのパンツの中にまで入り込んだかと思えば、ブラックスライムは妖しい愛撫でもってタイガを責め始めたのだ。

「ンア♡……く!こんなスライム、聞いたことがないぞ……!?」

 外からの攻撃を防ぐ金属鎧は、今ではタイガを閉じ込める快楽の檻。蠢きながら身体中を撫で回し、みっちりと密着していくブラックスライムの動き。

「俺に寄生する、つもりかあ!身体中に広がって……!?」

 いつしか部分部分ではなく、タイガの首から下全てにピッタリと張り付かれてしまっていた。鎧の中、豊かな胸筋から乳首、脇の下から臍、敏感な男性器だって覆われてしまっているだろう。指一本一本から尻尾の先までを、黒いスライムスーツを着せられているような姿にされてしまったということ。


「離れろぉお!あ、ぐ……ンンッ♡」

 どんなに力を込めようとも、自分自身から逃れることはできはしない。むしろ力むほどにいやらしげな圧迫感が襲いかかり、甘い束縛感が癖になってしまいそうなのだ。

 股間全体もそうだということは、人並み以上にそこへのコンプレックスのあるタイガにとっては大問題。

「だ、あああぁ、そんな所までっ……包まれ、覆われて、えぇ………♡」

 もたつく手、ベタつく指先のせいで鎧を脱ぐこともできない。となれば引き剥がすことだって不可能ということ。

「ぜ、全身……包まれ、ぇ………!こ、のう……!!」

 タイガが敵意を向けるほど、ブラックスライムはそれを嘲笑うかのように愛撫で返してくるのだ。獣毛や皮膚の薄いところばかりを重点的に撫で回されてしまば、いかに鍛え抜かれた戦士であるタイガとて甘い声を上げさせられ続けるだけ。

「あひっ♡そ、こはぁあ♡やめッ♡」

「弱い、所ばかりぃ♡」

「俺はお前なんか、にはあぁあ……♡」

 遺跡の奥地でたった1人。間抜けな中腰で嬌声を上げ続け、普段から自分で弄る以上の快楽を乳首に与えられてタイガは悶えるのだった。


 だがそうやって包み込んだのは準備でしかない。

 それが分かったのはゆっくりと男性器、その甘皮を掻き分けてブラックスライムが侵入を果たそうと模索してきたからだ。

「ッ……お、おいまさか、まさかあぁ!?そ、そこは駄目だ、駄目だ、ああ広げ、るな″あ″あ″ぁあ″♡は、入ってくる″な″ぁああああぁあ♡」

 中へ中へ、どんどん入り込んでいく。人体や道具では決して実現できない危険な領域まで、ブラックスライムはその粘性ボディを使って安安と侵入していくのだ。

「不味い、不味い″ぃい″♡」

 しかも癒着して融合していく感覚さえある。自分が何者かへ、何かに変化させられていく感覚は恐ろしくも心地良いもの。

「俺の中にぃい、入って、同化している″♡スライムなんぞにぃ、この俺が取り込まれて、たまるかあ″ぁあ″あ″ーッ♡」

 それに加え、ブラックスライムが尿道を出入りするのが気持ちよくて堪らない。

 どこかの世界線、ハイエナ盗賊にピッキングキーで尿道をこねくり回されたことが想起されてしまう。その余韻がリフレインし、今の刺激を全て快楽と受け取ってしまう。淫虐の呪いの嘲るような仕様が、その身をより暗い深みへと堕としていくのだ。

「離れ、ろお……♡俺をどうする、つもりだぁあ♡」

 ブラックスライムに覆われながらも、染み出すように我慢汁がコポッコポッと溢れる。

 感じて弱々しい反応になったタイガ。だが次の攻撃。その情けない包茎だってスライムスーツと同化しているのだ、よりふざけた柔らかさになっているのだって当然。

「アァア♡そ、んなぁあ″ぁ♡チンポにまで、同化してる″ッ♡ど、どうなってしまう、んだ、ああ……俺、俺はあぁあ………ッ♡」

 勇猛果敢を誇っていた冒険者タイガとはいえ、肉体を侵されるブラックスライムには手も足も出ない。今では犯す器官であるはずの男根、それを犯される度に情けない悲鳴をあげ続けるだけなのだった。


 もちろんそうまで悪辣なブラックスライムだ、雄穴だって無事では済まない。

「う″お″お″………♡そ、んな所までええ♡」

 面全体で暴いてくるという、未知の感覚。丹念に押し広げられていくのは、この世界線においてはまだ穢れを知らない雄門。だが直ぐ、呆気なくそこはブラックスライムに潜り込まれてしまうのだ。

「は″ぁ♡はい″って、くる″ぅう♡広がっ、て″え♡広げ、られ、て″ぇえ♡」

 またしても内部で融合密着。

「あ″っ♡ま、不味いぃい″っ♡ケツん中までえ″ぇえ♡」

 かと思えば、タイガには理解不能ながら危険な脈動を感じる。きっとこれはそう、獲物の体内に何かを産み付ける為のドクンドクンという熱と蠢き。

「ッ♡ア………ア……アァア……!な、何をして……ア″ァア″ァアアア♡」

 どこから来るかとビク付くタイガ。まずはとブラックスライムが卵核めいたものを産卵していくのは膀胱。

「チンポの奥にぃい、やめろおぉ♡お、おかしくなる″ぅう″う″う″♡」

 つまりは先ほどまで弄んでいた尿道を通じて。

「う、嘘だあぁあ♡な、何故だ、俺……こんな気持ち、にい″ぃい♡喜んで、なんかあぁああ♡スライムの苗床、になんかに♡俺、がぁあぁあーッ♡」

 止めるどころか快がってしまう自分が信じられない。そのまま雄肛門にもドクンと大きな震えが走ってしまい、次なる産卵が開始されて。

「あ″、あぁあ♡まだ、産み付けらてるぅうう♡俺、俺がッ……俺の腹ん中にぃい″ぃい″い″い″ぃっ♡」

 宿主として思考さえおかしくさせられてしまったのかもしれない。こうまで執拗に産卵をされても、自分が優良な寄生先と認められたようで嬉しくなってしまうタイガなのだ。


 産み付けられてから僅かな時間も経っていない。それなのにおかしな脈動がタイガの下腹部でバクンバクンと暴れるのだ。

 ブラックスライムの触腕のような粘体ボディが伸び、排泄用の股間プレートを外す。ステテコパンツを千切ったかと思えば、タイガの股間だけが露出させられてしまう。

「あ、が……ま、さか……もう、もうなのかぁあ……!?」

 艶黒に覆われた、どうしようもない短小包茎がヒクンヒクンと。

「や、めろぉお、やめてく、れぇぇえ♡だ、駄目だ、駄目だぁ、堪えきれな──くぅううう、出る出るっ出るうぅううーっ❤︎❤︎❤︎」

 膀胱にたっぷりと詰まったブラックスライムの卵核が、黒い精液と共にぶちまけられていく。酷い包茎具合にも関わらず、卵核はボピュルと飛び出すのだ。一個、二個、数えるのも馬鹿らしい。次々と。タイガは鈴口が閉じ切らなくなるのではないかという産卵射精に耽っていく。

「ひ″ぃい″ッ❤︎チンポ、馬鹿になるぅう❤︎出るっ、出まくるう″う″う″ッ❤︎どんだけ出れ、ばあ″あ″あ″ぁあああぁああっ❤︎❤︎❤︎」

 出して出して、膀胱に産み付けられた全ての卵核が排出するまで、タイガは馬鹿みたいに悲鳴と精を迸らせ続けたのだった。


 微かな視界、意識でタイガは見てしまう。壊れた透明ケースに、今しがたそれされたブラックスライムの卵核が飛び込むのを。割れた核からはやはりブラックスライム、透明ケースを内側から修復して住処にするのを。

「……ハーッ……ハッ………く、そう!まんまと繁殖に利用され、たのか……!」

 もう二度とケースには近づくまいとし、タイガは体力が回復し次第、遺跡から脱出するのだった。


 * * *


──ロケーション『移動式シャオ商店』。

 内外を様々な商品で埋め尽くしている賑やかな魔導馬車。遺跡に入る前はなかったが、入り口近くに停まっているのが目に入る。明らかに商いを示すその外観に、タイガは自分の現状を打開するアイテムを期待せずにはいられない。

「助かった、何か道具を用立てて貰えるぞ」

 店内に入ると、間違いなく魔法なりマジックアイテムの効果で広々とした造りが広がる。スルリと歩いてきたのは東洋風の狐獣人の少年。商人特有の懐こさと、子供特有の馴れ馴れしさが口を開く。

「こんにちはお兄さん、すごい鎧だね」

「あ、ああ………」

「何かお困り事でも?」

 まずは自分で探したかったタイガだが、専門家に聞くのが1番だろう。迷ったが相談することに。

 そっとしゃがみ、今も首から下にへばり付いた密着スライムスーツを小狐商人に見せる。

「これのことなんだが……」

「へえ……!呪いの装備品、いや寄生型スライムの一種かな。なるほど、これは興味深い」

「どうにか出来るだろうか?」

 答えず、小狐商人はニヤリと笑って「奥へどうぞ」と誘うのだ。


 小さな魔導馬車ではあるが、内部は何らかの力で実店舗とそう変わりない広さ。奥の静かな作業室のような所で、タイガは小狐商人に触診をされている。

 鎧を全て脱げば首から下の肢体はスライムスーツ状態。つまりは艶黒色であること以外はほぼ全裸と変わらないということ、股間だけは隠すタイガ。

「身体も素晴らしい、良い鎧を装備しているだけはあります」

「あ、ああ、ありがとう」

「これは…うん………完全に癒着しているようですねえ」

「……そうか」

 鑑定スキルや道具を使いつつ、タイガの体表のブラックスライムを調べていく小狐商人。

「おや?これは淫紋ですか?」

 黒に覆われてはいても、うっすらと光る淫虐の呪いを見つけられ、タイガは悪魔を倒した後の経緯を簡単に説明。

「ううん、弱体化やそれに類する効果があるのかもですねえ、スライムスーツがこんなにも浸食しているのを見るに」

 考えごとをしているせいか、小狐商人の触れ方はやけに親密。大きなタイガを、まるでぬいぐるみでも扱うように撫で続けていたから。


「も、もう少し控えてくれない、か……?」

「いえ、魔紋や魔核がどこかにあるかもしれません、丹念に触診しなければ」

 急に仕事の顔を見せ、タイガの制止を振り切るのだ。

「う、あ……ッ…………ん、んん…」

「何か問題ありますか?」

「いいや、続けてくれ……」

 小さな手がしっとりと黒の裸体を撫で付けるたび、タイガの巨躯はブルルと震えてしまう。どれだけ声を抑えようにも、股間を隠しているせいで身動きも取れないまま甘いそれが漏れてしまうのだ。

「………う……くぅ♡…………んお″ッ♡」

 むちりとした臀部を鷲掴みにされただけ、天を仰いで鳴いた。

「す、すまな、い″ぃいい♡……こ、声が、ア″ッ♡」

 さわさわと脇腹や胸板をさすられただけで、顔に似合わぬ高い声が出た。

 そうして全身を触診と称した愛撫によって可愛がられてしまえば、年端も行かない小狐商人の甘えた手によってタイガば無様絶頂を果たしてしまうことに。

「…ち、違う、んだあぁああ♡…い、つもは…こ、んな″ぁ♡訳、ではぁあ……訳、ではぁ♡お、俺は……こんな、撫でられた、だけで、はあぁあ″あ″あ″ぁああッ❤︎❤︎❤︎」

 両手は必死になって股間を覆う。手の中で跳ねる小さな黒突起がヒクヒク、ビクビクしては真っ黒なスライム精液をボタボタと指の隙間から垂らしてしまうタイガなのだ。

「これもスライムスーツの影響なんでしょうね」

 気にした様子もなくそう冷静に言われる。

「…………あ、ああ」

 まだ小狐商人の意図を図りかねているタイガは、恥ずかしさで消えてしまいそうになりながら股間をギュッと押さえつけることしかできないのだった。


 勿論と小狐商人は言ってくる。

「念のため、そこも見せてください」

「し、しかし……」

「頼ってきたのはお兄さんの方ですよ?」

 どんなマジックアイテムや道具、薬を使うにしても知らなくてはどうにもならない。肩を竦め、子供ながら落ち着いた顔で催促する小狐商人。

 タイガも観念し、黒い精を滴らせながらも両手を離す。黒に染まりながらも完全に露呈した、冒険者タイガの股間事情がそこに。

「う………あまり、見ないで、くれ……」

「おや?」

「う、うう……ぅ……」

「これも淫紋やスライムスーツのせいでこんなサイズにされてしまったんですか?」

 そう不思議そうに尋ねられるのだって仕方がないだろう。

 何せタイガの丸太のような太ももの付け根には、哀れなサイズの陰茎がツンと上向いてるだけなのだから。睾丸こそ三十路獣人の逞しい膨らみを誇っているというのに、その竿部分のなんと頼りないことか。更には包茎具合も成人としてはみっともなく、先端まで覆い被さった皮が弛んでしまっているような有様なのだ。


 先の質問へと、タイガは消え入りそうな声で答える。

「…………だ」

「はい?」

「…………らだ」

「聞こえませんが?」

 本当に聞こえないのだから、小狐商人としては聞き返すしかない。

 次こそタイガ、戦慄く口元で吠えてしまう。全身はスライムスーツに覆われているからか、顔の毛並みだけを逆立てて。

「も、元から……だ……!」

「もう一度お願いします」

「も、元からこのサイズだ!」

 断言してしまった。自分が生まれながらにして短小であると、こんな子供相手に認めてしまったのだ。黒に包まれた裸体がゾクゾクとした痺れに襲われるのは、被虐的な喜びに目覚めてしまったからか。

「それはそれは、苦労も多いことでしょうねえ」

「い、言わない、でく、れ……♡な、撫でるの、も……駄目、だあ……♡」

「調べているのに何を感じているんですか、困りますよ?」

 まるで言葉責めのような小狐商人の問いかけに、小枝をより固くさせてしまっているタイガなのだ。

「……う、あ♡す、すまないっ……だが、今はぁ♡今の、俺はぁ……ッ♡


 それでも撫でるのを止めない小狐商人。何かを待っているかのように、丹念に執拗にタイガを小さな手で追い詰めていくのだ。分厚い胸板の乳首を押しつぶし、臍をこねくる、大きな睾丸を指で転がしては意味ありげな視線で見上げてくる。

 理性が蕩けてしまいそうになりながら、タイガは次第に違和感を覚えてしまう。感じれば感じるほど、恥ずかしくも興奮に濡れば濡れるほどに、腹の中から膨らんでくる感覚が迫り上がってきているからだ。

「ぐ……ぅ…な、ぁあ………腹、がぁ……♡」

 だが大した力も持たない小狐商人の揉みほぐし、撫でる手に逆らえない。

 そしてこの店の支配者である彼はなんてことない口調で、腹をつつきながらこう言うのだ。

「ああ、お兄さんが感じるほどココのスライム卵核が育っていくんですよ」

「ッ……な、なぜわかる、んだ…………」

「それは勿論、ボクがあそこに仕掛けたんですから」

「な、何!?」

 ブラックスライムの明確なトラップ、誘導するように配置された魔導馬車、先程からの小狐商人の言動。点と点が線で繋がり、タイガは目の前の人物こそ謎の依頼人だと理解したのだ。


 淫らに煽られて火照った身体とはいえ、一流の冒険者であるタイガならばこんな小狐商人ごときに遅れは取らない。はずではあるのだが、小狐商人が片手を振るう方がよっぽど早い。小さな魔法の光がタイガを覆うブラックスライム、そのスーツを制御。

「ン″ヒッ♡ア、アアァ……ア″ァッ♡」

 したことと言えば、スライムスーツにタイガの包皮部分を思い切り引っ張らせただけ。首から下の自由を完全に奪われ、間抜けな顔で甘皮の痛みに悶えるタイガ。

「どうです?動けませんよね?」

 簡単な操作魔法でスライムを操っているようだが、体内にまで癒着されてしまっているタイガにはどう足掻こうが抵抗は不可能。

「っぐ、俺をどうするつもりだ……!」

「大丈夫ですって、少しからかってスライム卵核を育てるだけですから」

 商人としての真面目さや勤勉さをかなぐり捨て、唐突に小狐少年は嘲る悪ガキの声音でタイガの股間を指で突っつき回し始めたのだ。

「ほんっと、小っさいね?」

 タイガ自身が一番良く知っている。

「ガキのボクより下だよ?」

 羞恥的興奮で腹のスライムがより育つ。

「こんなので大人だなんて、恥ずかしくないの?」

 勃起してなお小指以下。

「ほらほら、もっと皮伸ばししてあげよっか」

 スライムごと引っ張られ、玩具扱い。

「馬鹿にされて、なにコーフンしてんの?」

 腹筋の割れが乱され、腹部は膨らんでいく膨らんでいく。


 もう十分かと、小狐商人は仮面を被り直すように静かな笑みに戻る。

「いやまさか、初回からこんな上物が釣れるとは思ってもみませんでしたよ」

 全ては仕組まれたこと。小狐商人がスライムを寄生させる相手を、その卵核を産み付ける相手を誘い出すための依頼だったのだ。

「ぐ、ぅう……くそう♡こ、こんなこと、ギルドが許さない、ぞ……!」

「それは許されないでしょうねえ、こ〜んな無様な失敗報告なんてしたら」

 小狐商人の操作魔法、タイガの首元から伸びたスライム触腕が舌にまで絡み付いてしまう。発言までも操られてしまう、腰を無様にもヘコ付かせながら言わされてしまうのだ。

「へ、へへ!お、俺様はアホ冒険者のタイガ!依頼に失敗してスライムに寄生されて粗チンぶら下げて逃げ帰ってきましたあ♡お、俺様の負け犬包茎を見てくれ、ほら、ほらッ♡厳つい顔してるが俺様はミニチンポ見てもらうのが大好きな露出狂なんだぜ♡」

 本人が絶対に言わないであろう言葉使い、あまりにも卑猥な腰の振り方だ。だと言うのに、それに欲情したのかタイガの腹部は恥辱を吸ったスライム卵核でより膨らんでいってしまう。

「ええ……。こんなの言わされても興奮するんですか、お兄さんって真性のマゾなんですねえ」

「違っ……こ、れはお前が──」

「鏡見てくださいって、すごい格好してるんですよ貴方」

「あ……あ…こ、れが俺……こ、ん……な………あ……あ……」

 作業部屋の隅にある大きな姿見をタイガは見てしまう。そこに映っているのは全身をピッタリとした黒のスライムスーツに覆われ、卑猥な体の凹凸を艶に光らせる変態雄虎の姿。パンパンに膨らんだ腹部とむっちりと揺れる睾丸に挟まれた極小ペニスは、今にも押しつぶされてしまいそうな有様。


 タイガが自分自身に絶句するのを見て、小狐商人は頃合いかと頷く。

 手で魔法の光をかざし、タイガの下半身のスライム卵核の分布を調べながら呟く。

「ああ、遺跡の方で膀胱分は産卵したんですか。では、コチラは頂きますね」

 愛らしい細腕が、金属製のバケツをタイガの目の前に叩きつけた。

「ッ……!」

「さあ、どうぞ?」

 本当にごく当然のことを言うような口調。小狐商人は足元の金属バケツに、腹の中で大粒に育ったスライム卵核をひり出せ、タイガにそう告げているのだ。

「ば、馬鹿にするなあ!……す、する訳が…ひ、人前であんな……あんなあ♡だ、出す訳が、ないだろう……!」

「良いんですよ?この格好で帰らせて先程の失敗報告をギルドで披露させてあげても?」

 今までドラゴンにだって怯んだことのない巨躯がビクンと大きく跳ねた。あれを、あんなことを冒険者ギルドで言わされたら、させられたら。考えるだけで下半身が濡れ、熱くなり、しかし情けなさに心は小さく窄まってしまうタイガ。

「ッ…………く…わ、分かった、出す、出すから………そ、れ‥だけは……!」

 僅かに緩んだスライムスーツの支配。タイガはゆっくりと金属バケツの上に跨り、ガニ股じみた中腰で踏ん張る。必死の形相になるのも仕方ない、直腸内で興奮をたっぷり吸って巨大化したスライム卵核は大粒も大粒だから。

「お″……お″……ん″むぅぅう″う″♡……で、出るぞお″…………………!!」

「スライム出産しちゃいなよ、マゾのお兄さんっ」

 年相応の馬鹿にした笑みが、それこそタイガの被虐性を刺激してしまう。


「ッ……う″ぅ♡♡♡」

 汚らしい喘ぎ声だったが、それ以上に汚らしい排出音。ぶぽっ。遺跡内部で尿道から出したそれよりも遥かに育った大きなスライム卵核。たった一個でさえ尻穴が捲れそうになるというのに、それを皮切りに続けて続けてスライム卵核がタイガの肛門から溢れ出ていくのだ。止まらない、止まらない。

「ん″お″お″ぉお″ぉおお❤︎出るぅうう❤︎止まらな、い″い″い″❤︎ケツからスライムの卵、があ″あ″あ″あぁああっ❤︎苗床にされ、ている、のに❤︎俺、イ″ッてる″❤︎感じて、る″っう❤︎出る、出るっ❤︎イグッ、イグ❤︎グゥウウウゥウウーーッ❤︎❤︎❤︎」

 ぶぽっ、ぶぶぽっ、ぼちゅっ、ぶちゅん。醜い排出音と共に黒粘液の卵がぼちゅぼちゅとひり出されていく。タイガの情けない皮被りからも、黒い精液がボタボタと垂れ続け、産卵イキという男失格の吐精を見せつけてしまうのだ。

「うっわ、すっごいなあ……」

 作業室が卑猥な匂いに、異様な光景に包まれようとも、小狐商人はうっとりとタイガの痴態を眺め続けるのだった。


 そして数分間、金属バケツに悪しきスライムの卵を産み落とし続けたタイガ。小狐商人はわざとらしく思い出した風に、指をピンと立てて言うのだ。

「ああそうそう!射精さえしなければそのスライムスーツも自然と脱げたんですけどねえ、あんなにイき狂ってしまえば……ね?」

 可愛らしくニッコリとした笑み。天使のようでありながら、自分の利益の為にタイガをとことんまで利用し尽くさんとする悪魔の微笑みだ。

「明日からずうっとよろしくね、マゾで粗チンのお兄さんっ」



 こうして冒険者タイガは小狐商人専属の護衛として雇われた。少なくとも世間ではそう見られている。まさかこんな愛らしい子供に、ブラックスライム素材の生産道具として酷使されているだなんて、大型愛玩ペットとして虐められ躾けられてしまっているだなんて、傍目からでは分からないだろうから。


 <バッドエンド⑤>


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