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タイガ①

episode ①『4つの依頼・盗賊の捕縛』


──ロケーション『ザグン下水道』。

 ドブの臭いと湿気が立ち入ろうとする者の気を滅入らせる。薄暗く粘ついた下水道通路には足音と会話が響いていた。

「旦那〜、見逃してくださいよ〜」

「そうはいくか、さっさと歩け」

「そこを何とか、お願いしやすって〜」

「……。」

 最初の依頼である『盗賊の捕縛』は既に完了した。腕を縛った青年盗賊を後ろからせっつき、外へと出ようとしているところだ。たまたま入ってすぐ遭遇し、体当たりでノックアウト。盗賊が気絶から目覚めたところまではいいものの、先ほどからずっとこの調子なのだ。

「あっしなんて小悪党もいいとこ。どうです、賞金よりも良い品を差し上げやすから」

「それは盗んだ物だろう。依頼を受けた以上は完璧にこなす、それだけだ」

 それきり黙るタイガ。

「で、でも〜」

 ハイエナ獣人の盗賊は黙らない。

「何でもしやすから〜」

 古びた軽装と貧弱な身体、ヘラヘラと笑ってタイガの同情を引こう声を上げ続ける。

「後生ですって」


 地上へ出る道、より地下へ続く道の二択。分岐点に差し掛かったところでハイエナ盗賊がとっておきとばかりに捲し立てる。

「寝ぐらにはホント、お宝いっぱいですぜ!?喋る魔剣!旦那の斧にも使える炎のエンチャットポーション!絶倫になれる秘薬!よりチンポをでっかくする魔道書!……ど、どんな相手もメロメロにする魔香水とかとか〜」

「…………ッ…」

 どれかが、どれかが冒険者タイガの興味を強く引いたのは確か。

「お!やっぱ“銀の斧”と呼ばれる旦那でも、気になってる子とかいるんですか、いやー隅に置けないですね〜」

「黙っていろ。俺は……エンチャットポーションが気になっただけだ、冒険者にとって武具の強化は欠かせないからな」

 2人の足は地下へと続く通路へと、進む、降りる、下っていく。


 ハイエナ盗賊の寝ぐらは、はっきり言って汚かった。下水道建設の際に荷物置き場に使われていたのだろうか、大量の木箱に囲まれた猫の額ほどの一室。だが確かに盗品ではあるが、タイガでさえ様々な見たこともないようなアイテムの数々。感心してしまうほど。

「大人しくしていろよ」

 壁際の配管にハイエナ盗賊を繋ぐと、タイガは悪いと分かっていながらも木箱を漁り始めてしまう。

「…………ほ、本当にあるのだろうか」

 小さな呟き。

「それならば、俺も……俺だって…!」

 満遍なく見る振りをしつつ、つい片隅に積まれた魔道書ばかり調べてしまう。だがそこにはハイエナ盗賊の罠。実際に彼にそんな魔法技術はなくとも、魔法罠のかけられた本ごと盗み出していたからだ。

 魔導書を開いた瞬間。

「イッ!?ガ、アアアーッ!?」

 タイガならば堪えられるはずの並の電気魔法。だが今の大虎の腹には妖しい呪いが笑っている状態、そんなものにさえ怯んでしまったのだ。

 痺れて無防備な顔面、フルプレートに守られていないそこへ。

「旦那ぁ、隙だらけっすよぉ〜?」

「──ッ!?」

 突然プシュッという音、謎の香水をかけられてしまう。もちろん普段のタイガならば効くはずもない大したことのない代物。だが呪いのかけられた身では。


「ッ……お、俺に何をした!」

 どうやってか縄を解いたハイエナ盗賊へと、唸りを上げる右腕が斧を突きつけた。

「ひえっ………へへっへ、ホントにラッキーっすね」

 心底怯えながらも、心底喜んでいる。ハイエナ盗賊は自分の股座を撫で付けながら、欲情したようなふざけた態度でタイガを見つめているのだ。

「どうやら痛い目に合わないと分からないみたいだな」

「あの“銀の斧”をあっしのモノにできちゃうなんて……!」

「何を……ッ…なんだ、俺は…俺のこの気持ちは……!?」

 睨み付けている相手、ハイエナ盗賊を視界に収めているだけで動悸が治まらない。ドクドクと鳴り止まない心臓の音が、まるで初恋のような甘酸っぱさを込み上げさせてしまうのだ。

 ゆっくりと猛々しい斧が下がっていく。

「だから言ったじゃないですか『どんな相手もメロメロにする』って?」

 足元で転がっている香水の小瓶。間違いなくマジックアイテムの類ということだろう。

「ほら旦那、こっち見てくださいよ」

「……ぁ…ぅ…………馬鹿、な………」

 心臓がバクバクと騒ぎ騒ぎ。斧は石床まで降りてカツンと鳴った。


「この寝ぐらに男連れ込むことになるなんてっ。それもこんな上物、嬉しいっすねえ」

 ハイエナ盗賊は恋人でもエスコートするような素振りでタイガを武装解除。片隅の小汚い布切れベッドへと誘う。

「さあほら、2人っきりっすから……楽しもうぜ?」

 ここぞとばかりに雄の顔でタイガを見上げてそう言えば、大虎冒険者の顔は赤く染まってしまうのだ。

「旦那、脱いでくれやすよね」

「あ、ああ……」

 タイガの屈強な身体は今やハイエナ盗賊の言いなり。売れば家が買えてしまうだろうフルプレートメイルを放り捨て、ズボンと上半身インナーだけの姿になる。

 誰も見たことのない、冒険者タイガのストリップ。

「すげえ体……憧れるっすねえ」

「……あ、あまり見るな」

 貧弱なハイエナ盗賊からしてみれば、夢にまで見るような仕上がった肉体美。

「うっは、こんな図体してると乳首もデカいんすね〜?」

「ッ……うぅ…」

 薄い黒のインナーにぷっくらと浮いた乳首を撫で付けられ、子猫のように小さく震えたタイガ。更にはインナーだって捲られ、見事な虎柄の毛並み、割れた腹筋をさすられてしまうことに。

「あれ!?旦那、厳つい顔してこんな淫紋つけてるなんてぇ」

「い、淫紋なのか、これは……!俺にも知らないうちに、これが……」

 ハイエナ盗賊は小声で「なるほど、こんなチョロいのはそのせいなんすねえ」と悪巧みの顔。マジックアイテムの香水が効くかは賭けではあったが、勝てたのはこの謎の淫紋のせいだと理解したのだ。


 となれば弱者でしかないハイエナ盗賊も、より弱者には強気に出るというもの。

「旦那、下もあっしに見せてくださいよぉ?」

「う、む…………」

 頷き、ズボンを脱ぎ捨てる。ついには裾長の下着、ステテコタイプのそれ一枚だけの姿になってしまうタイガ。

「た、頼む…ここまでで良いだろう……」

 ほんの少し前までは勇猛な顔付きでハイエナ盗賊を震え上がらせていたタイガが、こんなにもしおらしい。両手の爪が食い込むほどにステテコパンツの縁を握り締めてしまっているほどだ。

「冒険者ギルドでも腕利と評判の旦那だ、さぞや自慢の逸物ぶら下げてるんすよね〜?」

 笑いながらも小さく「脱げ」と続けるハイエナ盗賊。

「調子に乗るのも良い加減にッ──あ、う……くそう……やめ、やめろ、やめさせろぉお」

 怒りの声も、抵抗の意思もくだらない香水の魔力によって従えさせられる。自分の腕が、指が、下着をずり下ろそうとする、止められない。

 ハイエナ盗賊は腕組みをし、タイガのそんな様を「脱げ」「脱いじまえ」「チンポ見せろ」と嘲笑うだけ。今にも脱いでしまう、あのタイガが脱いでしまう。


 だがそんな悪趣味なハイエナ盗賊にも想定外。

「……へ?」

 顔を背け、棒立ちで全裸となったタイガ。その股間に揺れる雄の、なんと矮小なことか。いや小さすぎる、成人として失格レベルの哀れな小枝がふるんと揺れていたのだ。

「え、これって、これ…………アーッハハハハハ!旦那ぁ、まさかこんな図体してコレ!何すかぁ〜!?」

 大笑いは止まらない。

「抵抗できないからって、笑い殺す気っすね、うえーっへへっへ!」

「み、見るなぁ……見るなあ!」

「やけに魔導書ばっか漁ってたのはコレのせいっすか。そりゃそうっすよねえ、コレじゃあ!」

 ハイエナ盗賊が指差す。タイガの陰茎は本当に小振りで、睾丸は見事な雄の膨らみを誇っているだけに余計にその小ささが強調されてしまっている。皮だって妙に粗末なちぢれ方をしていて、単なる短小以上にその無様な包茎具合を示しているのだ。

 男らしい厳しい顔、鍛え抜かれた四肢、誇るべき巨躯を持ちながらも、タイガはどうしようもない短小包茎という事実がそこに。

 追い打ちをかけるように、ハイエナ盗賊はタイガにより残酷な真実を告げる。

「さっきの話!旦那を罠にハメる為の大嘘に決まってるじゃないですか、本当なのはあの香水だけっすから〜。残念っすね、チンポをでっかくする魔導書なんて無くて!」

「くそう……ッ!」


 淫紋らしきそれを腹に薄く光らせ、怒りと羞恥で顔を赤くするタイガ。虎柄の尻尾だけは強気にブンブンと振られてはいるが、ただそれだけで恐れるべきものではない。

「でも安心してくださいっすよ、あっしのモノになれば旦那は“こんなの”使わなくっても気持ち良くなれるようにしてやるっすからっ」

 始まる。ハイエナ盗賊の軟弱な腕がタイガを寝床に押し倒した。そっと近付いていくマズルとマズル。

「誰がそんな──ンウゥッ♡」

 ゆっくりとだが有無を言わせないキス。比較的人気がありながらも奥手で初心なタイガにとっては、初めてのディープキス。小汚いハイエナ盗賊の唾液に舌を痺れさせられながらも、身体はそれに屈していく。

「ッ……ン♡……ッア♡ん…ぷぁ……♡」

 指から、拳から力が抜けていく。下半身がジンと熱くなるのを自覚するタイガ。

「ンン……ッ…………ーッ♡」

 牙を舐められ、上顎の裏を舐められると身体が寝床に沈んでしまう。

「……ァ……ゥゥウ♡」

 盗賊らしい巧みさに、タイガはいとも容易く接吻の前に膝を屈してしまったのだ。小さく求めるような口付け、かと思えば口内を暴くような、更には情欲を掻き立てる艶やかな舌のうねり。

 タイガは情けなくも勃起し、腰を揺らし、乳首をツンと立ててハイエナ盗賊を見上げるだけになってしまっていた。


「は、はぁ……はッ………ぅ……あ…………ッ♡」

「へへ、感じちゃって。旦那ってば、こんなガタイしてんのにめっちゃ初心っすねえ」

 獲物を見る目だ。ハイエナ盗賊が見逃すはずもないのはやはり股間。角度的に勃起をしているのは確かだが、サイズなど大きくなったかどうかも分からない代物。真っ直ぐに上を指してはいるが、ぐずついた包皮ですっぽりと覆われている。

「勃ってるんすか、それで?」

 ビクンと震え、タイガは返事などできるはずもない。虎耳をへたり込ませ、長い虎髭もしゅんと下がってしまっているのが答え。

 そんなタイガで遊ぼうと、転がっていたフルプレートメイルの胴体部分に座らせることにしたハイエナ盗賊。指示を出して頭の上で腕を組ませ、股を広げさせれば冒険者タイガの裸体の全てが展望できる。

「ホント、男も惚れちまう身体してんすから」

「ん、触るなぁ……」

「こんなイイ男があっしのオモチャだなんて」

「う…ぐぐ………こ、んなアイテムひとつで、この俺が……」

 三下盗賊にからかうように全身を愛撫されても、抵抗一つできはしない。続けて浅ましくも勃起した両乳首を摘まれ、遊ばれれば声だって漏れてしまうもの。

「ンッううう〜っ♡お、おいぃぃい♡」

「なーんだ旦那、乳首がモロ感とかエッロいすねえ」

「う、くぅ♡……あ、うぅ♡……あ、やめ、ろぉおお♡」

 まるで性感帯の開発。かつては下水道の工事に使われたこの部屋で、冒険者タイガは格下盗賊の手によって淫らな“工事”をされてしまうというのだ。首筋、脇の下、ヘソと、タイガの知らない快感がその身に刻み込まれていく──。


「ぶっとい脚」

「気安く、触る、なあ……!」

 内股を摩りながら、明確な意思をもって鼠蹊部をなぞるハイエナ盗賊。

「バッキバキの腹筋にエロ淫紋が似合ってるっすよ」

「ふ、ーッ……う…ぐ…ぅぅ……!」

 貧相だがテクニックに長けた指先が、タイガの情けなくも固い固い突起に触れそう、いや触れない。窄まった皮先からはトロリとした液体。こんな辱めを受けて、感じていると証明してしまう潮臭い汁。

「可愛いのをヒクヒクさせてどうしたんすか?」

 何歳年上だと思ったのか、こんな笑い方さえも。

「こっちはまだまだ元気なんすね〜」

 だというのに次は子供をあやすような口調。

「ププッ、ちっちゃな皮付きウィンナー」

「…く、そぅ………!…ぐ……ぅ……く…………………さ、触って、くれ…!」

 それでも身体中を淫乱仕立てに開発工事され、焦らされ続けたタイガの喉から出たのはそんな懇願だ。ビクンっとより強く小竿が揺れた、尻尾が揺れた。

「何を触って欲しいんすか、旦那ぁ?」

「お、俺の……チンポを触って、くれと言って、いる……!」

「どこにチンポなんてあるんすか?こんなの『おちんちん』じゃないっすか〜」

「ッ……!」


 生唾を飲み込む。逆らえない。事実だというのがまた情けない。

 たった一撃で倒したような三下相手にどうしても欲情してしまう。ハイエナ盗賊の撫で付ける手の動き、流し目に心身が柔らかくなっていく蕩けていく。

「……お、俺の……俺のおち……おちんちんを‥さ、触ってくれ……!」

「旦那もそんな顔赤くするんすねえ?」

「…………ッ…フーッ……フーッ…………!」

 どうにかなってしまいそうな羞恥。ヒクヒクと短小が揺れ、包皮が震えた。

「あっしも鬼じゃないんで、オネダリ聞いてあげやすって」

 そっと右手が下りる。ハイエナ盗賊の悪辣な笑みと共に、微かな刺激がタイガの巨体から甘えた声を引き出していく。

「ウッ…♡お″………ッ♡ん、むううっ……ふ、うぅう♡」

「ちっちゃくっても感度だけは一丁前っすねえ」

「ん、くうう♡……ん″っ……ふぅうーッ♡……ン、あぁ…♡」

 男らしい喘ぎ声なのか、どうなのか。もどかしい弱い動きでも、今のタイガにとっては嬉しくて全身の毛並みを逆立ててしまうほど。ただほんの少しハイエナ盗賊の右手が動くだけで何も考えられなくなってしまうのだ。

 だから。

「旦那、おちんちん嬉しい?」

「ふ、う″う″♡……く、お″…う、嬉しぃぃ♡」

「旦那、おちんちん気持ちいい?」

「ん″お″ッ♡ん″ぉう″ッ♡きもちぃ、いいっ……いいっ♡」

「旦那、ありがとうございますは?」

「あ、くそうっ♡あ、くううぅ……ありがとう、ござ、いますぅう……♡」

 心から謙ってしまう。こんな雑魚相手に何をやっているんだと理性が叫ぼうが、小さなペニスに全てを支配された間抜けな大虎に選択肢などないのだから。


「立派なフルプレートの下に、こ〜んなエロボディ隠してたなんて反則っすよ、旦那ぁ」

「うる、さ……いぃいッ♡ん、それ、アッ♡ア″ッ♡ン″ッ♡」

「あの“銀の斧”をあっしの手で丸裸にしちゃおうっすね」

 ギルドでも名高い冒険者、二つ名さえもつ強者の戦士。そんな相手が発情顔を晒して小茎を弄られるだけで善がっているのが堪らないとハイエナ盗賊。今度はその内面まで暴いてやろうということなのだ。

 問いかけは恥ずべき事象へのもの。

「見て分かるっすけど、旦那って童貞っすよね?」

「んひ……ンッ♡ど、童貞で悪い、かぁ……♡」

「旦那って、粗チンだって自覚あるっすか?」

「ッ………く…う″ぅぅ………ち、小さくは……な、ないッ……!」

 何もいう必要はないとハイエナ盗賊は含み笑い。発情に濡れた身体からはこんなにも簡単に恥部を引き出せるのかと、楽しくて仕方ないのだ。

「反対に、こ〜んなデカ乳首は弄ってるからっすよね?」

「く″、うぅ♡噛むなぁあ″あ″あ″ぁあ♡そ、そうだ、そうだから、摘むな、あ″あ″ッあ″♡」

 左右の指先で啄むように摘み上げれば、あの冒険者タイガは胸を反らせて悶えてしまう。

「それに〜、チン皮伸びちゃってるのは何でっすかねえ?

「…………そ、そうしなければ慰め、られ、ないから…だ………!」

「てなると、今までずっとそんな風に1人で処理してたってことっすか?誰にも見せらんないっすもんね?」

 頷くしかない。誰にも秘密にしてきた、心の底からの情けない真実。

「こ〜んなびろびろ包茎になるまで盛ってたなんて、相当なむっつりスケベなんすねえ?」

 全部認めるしかない、何度も頷き、自分がどれだけ性的弱者なのかと思い知らされていくタイガ。


 それでも、いやだからこそハイエナ盗賊の素朴な疑問。悪趣味な質問。

「ていうかこれ、シコれるんすか?」

「ッ……で、出来るに決まっているだろう!?」

 つい大声、言わなければ良かったと後悔するのは僅か数秒後。

「じゃあ旦那、見せてくださいっすよ?出来るに決まってるんすよね?」

 香水の魔力、ハイエナの囁き、腹部の淫紋じみた呪いがぐちゃ混ぜとなってタイガに命令を下す。逆らうことなど考えられない、従いたい従いたい。右手が静かに股間へと下りて、濡れた小さな自身に触れる。

「……っ…あ……くそう…ッ♡」

「旦那って手がデカいから全然握れてないっすけど〜?」

「……うるさいぞ……こ、のぉ♡」

 ハイエナ盗賊が笑う通り、言う通り。タイガの動きは一般的な成人男性の行うマスターベーションには程遠い。所謂センズリなどと呼べるような、雄らしい上下運動など出来てはいないのだ。摘み、滑り、握れず、捏ねるのが精々。

「冒険者の初心者講習ではシコシコのお勉強はなかったみたいっすね〜」

「こ、こうして……あ…何で……ン♡」

「なんでって旦那、そりゃあんたがどうしようもない粗チンだからっすよ!?」

 それはつまり、タイガがまともな自慰などしてこれなかった証明。強気に『出来る』と息巻いたところで、その粗末な小陰茎が扱けるほどの大きさになったりはしないから。

 股間を弄くり回しただけ、男と産まれたにも関わらずの大失敗。それはもうハイエナ盗賊を、この冒険者タイガよりも“上”だと誇らせるのには十分だ。

「あっしもこんなお粗末なのは見たことないっすよ、男として1から出直した方がいいレベルっすよ、アッハハハハ」


 ひとしきり大笑いをすれば、むしろ今まで虐げられてきた存在である盗賊青年の闇が垣間見えることにも。

「いや〜、あっしも流石に自分の性奴隷がこ〜んなショボチンじゃ恥ずかしいっす」

「だ、誰がお前の奴隷なんかに──」

 吠えかけたタイガはハッとなってしまう、小悪党の手には盗賊職には欠かせない開錠道具が握られていたからだ。

「これでマッサージしてあげたら、少しはマシになるんじゃないっすか?」

 何を言われているのか、タイガは分かってない。

「内側からの、マッサージっすよ?」

「お、い──イ″ッ♡あ″……そ、んなこと許さな、あ″ッ♡」

 ようやく理解するも、ハイエナ盗賊に包茎を緩く剥かれて悲鳴。伸びた皮をピンクリップで根本にずり下ろされ固定されてしまい、我慢汁でぐしょぐしょの先端部分が露出させられてしまったのだ。

「うっわ、皮剥くと余計ミジメっすね、コレ」

「は、外せえ″ッ♡こ、れをぉお…皮、引っ張られ、てえ……♡」

「うるさいお口は閉じちゃおうっすねえ」

 ハイエナ盗賊が尿道部分に突き込んだのはピッキングキー、繊細な動きながらヌルリと入り込んでいく。

「ン″ン″ン″ゥゥウ″ウ″ウ″ーーッ♡」

 絶叫が部屋を下水道を震わすも、それは誰にも届かない。

「ほーら、ズッポリ咥え込んでエロいっすね〜?」

 素っ裸で自分の大切な鎧に腰掛け大股開き、頭の後ろで両手を組んだ間抜けな格好で雄虐めに叫ぶしかないタイガ。

「あっしがしっかりマッサージして大人のチンポにしてあげるっすから」

 まだ金属棒を挿入しただけ、それなのに泣き顔に近い苦悶の表情を浮かべている大虎。

「……なーんて、虐めたいだけなんすけどね。旦那見てると、抑えらんないっすよ」

 それはきっと妖しくほの光る淫紋、タイガの腹で笑う呪いが誘っているからかもしれない。


 ハイエナ盗賊は鍵開けよりもよっぽど慎重にタイガを弄ぶ。

 その尿道内部をピッキングキーでコネコネと。

「は、ひ″ッ♡ん″ん″ぅうう、ナカはあぁああっ♡

 ねじり、回し、擦ってはクチクチと。

「とめ、止めてく、れ″ぇぇ♡お″か、しく、なるぅう♡」

 ゆうっくりと前後させればヌプヌプと。

「だ、あ″ッ♡あ″あ″ぁあ〜♡ひ″ぃい″ん″ん″ーッ♡」

「あれ〜?こんなすげえ身体してんのに、あっしがちょいと指を動かすだけでヒイヒイ言って。最初の威勢はどこ行っちゃったんすか〜?」

 勝ち誇るような笑みは、負け犬人生を歩んできたハイエナ盗賊には新鮮なもの。こんな高揚感を与えてくれる負け犬、短小で包茎と、男としての遥か格下のタイガが愛おしく思えるほどだ。

「も、やめ……やめ………た、頼むう″ぅぅ…♡」

「なら旦那ぁ、あっしのモノになる?オンナになる?肉奴隷になっちゃいやす?」

 ソコを弄られているからか、タイガの肩は悩ましげに小さく小さくビクンと跳ねた。

 内心の葛藤を見るのも楽しいがもう待ちきれないと、ハイエナ盗賊はピッキングキーをクチャクチャと鳴らして短い陰茎内部を躾けるのだ。

「んひぃん″ん″ッ♡な、な″るうッ♡なってやる、肉奴隷にでも、なんでもなる、から″あ″あ″ッ、もう……や、め……頼む、頼むからああ♡」

 言いながら、尿道内部をかき混ぜられながら、トクントクンとカウパー液が溢れること溢れること。決して言うべきではない奴隷宣言に、これではまるで悦んでいるようではないか。


「はーい旦那」

「……ッ……あ……ひ…………く…ふ……………」

 そっと引き抜かれたピッキングキー。ヌラリと匂い立つ汁にまみれたそれは、離れてなおタイガを怯えさせるもの。敏感になり過ぎた小竿をちいさく震わせ、筋肉の塊であるはずの大虎は子猫のようだ。

「旦那って意外とビビりなんすねえ、そこも可愛いっすけど」

「…く…ぅ………」

「じゃあほら、ご主人様の前へ来るっすよ」

 軽く跳ねて木箱に座り、ハイエナ盗賊は見下すように足元を指さす。

「足開いて」

 よたよたと歩いてきたタイガに指示。

「腰落としてガニ股」

 鎧の上に座っていた時よりも、より滑稽な姿勢。

「頭の後ろで手を組んで」


 そうして冷たく鋭い声で有無を言わせない命令。

「──いつもやってんだろ?チクニーしろ」

 一瞬、タイガの視界が真っ赤に染まったようだ。ゾクンゾクンと血の巡り、恥の快楽が身体を駆け巡っていくのが分かってしまう。獣毛に覆われていない乳頭がツンと上向いて、浅ましい自己主張まで示してしまうのだ。

「…う………は…はい…っ………♡」

 行動でも肉奴隷だと認めてしまう。両手はそっと乳首を貪り始める。

「っ………ん………お″ッ♡」

 大粒の肉の果実だ、その鍛え抜かれた指先に相応しい。

「ふ、お″……ン…………ぅう♡」

 いや、こんな恥ずべきぷっくらとした膨らみに育ったのも強く弄り過ぎたせいか。

「……く…お″…………ほ″…ひ……ッ♡」

 鼻水でも垂らしかねない間抜けな感じ顔、ガニ股で腰をガクガクとさせながら乳首を使った自慰に耽ってしまう。これが“銀の斧”と呼ばれた輝かしい冒険者の今の姿。

「あっしは優しいご主人様なんで、旦那みたいな不能でも、役立たずでも、ちゃんと役目をあげるっすからね〜」

 言い返せもしない。木箱に腰掛けたハイエナ盗賊に見下されながら、男でありながらも乳首で快感を貪っているのだから。本来は快楽器官として機能するはずの雄肉棒は、小さく小さく股の間でヒクヒクとしているだけ。こうまで言われてなお、両手を止められないタイガなのだった。


 そんなタイガへとハイエナ盗賊は右手を見せつけた。

「ほーら」

 何らかの粘性ポーションをローション代わりに、右手をベトベトにしていく。まだまだ乳首で楽しんでいるタイガの元へと降り、そっと股下へと右手を。

「旦那のオンナの部分、あっしが見つけてあげるっすからね〜」

「そ、そこはぁ……ア″ッ……ウゥ…ッ………♡」

 大きな睾丸とむっちりとした会陰、巨大な尻たぶの間にあるのは秘めやかな雄肛門。濡れた指先でそこを撫で付ければ、タイガともあろう者が甘い声。

「あれ〜?男の手で感じてるんすか?才能あるんじゃないっすか?」

「そ、んな才能あるわけが、アァアッ♡指、やめぇ……ンッンン♡」

「ハハッ、能無しおちんちんをヒクヒクさせて、しっかり感じちゃってるじゃないすか」

 誰にも触れさせたことのない場所を愛撫され、小馬鹿にされながらも乳首弄りを止めるどころか加速させてしまうタイガ。

「く……そうぅう♡俺、俺はぁ……く……ウ…撫で、るな″あ″ッ……♡」

 まだささやかな窪みでしかないそこ、粘性をこびりつけさせ、ゆっくりとだが着実に解していくハイエナ盗賊。どんな難解な鍵穴も、こじ開けてみせるという意気込みさえ感じられる、情熱の籠った動きなのだ。


 その熱に絆されそうになり、その指に何処かへ導かされそうになってタイガは声を上げずにはいられない。

「も、もういいだろう……こ、これ以上、はあ″あ″ぁ……♡」

 だが誰が肉奴隷に従うだろうか。誰が明らかに感じて喘いでいる雌猫の声に耳を傾けるだろうか。

「じゃあ旦那、ご主人様の手マンで感じていいすよ〜」

「んお″ぉお″お″……お″……ん″ぅう♡」

 入ってくる。ハイエナ盗賊の雄指が入ってくる。たいした太さも強さもない、たった指一本にさえ勝てないのだと白状するような情けない喘ぎ声。

「…ぅ…お″ん″んっ♡お″っ……ほ″ぉお″♡」

 腰を落とし曲げた膝を限界まで広げ、ハイエナ盗賊の指先に翻弄されるタイガ。

「な、何でぇえ、指こんな…あ″っ……お″ぉ、お″ぉおんっ♡」

 質量的に倍はあろうかという体格差ながらも、からかうような尻ほじりに勝てやしない。

「お″っ……お、俺は男、だぞぉぉお♡」

 そうだと証明できるような男根を持っていないのだからそれは世迷言。

「ケツなんか、でぇえ″ッ♡」

「ニャンニャン吠えながら、ずうっとチクニーしまくってる癖によく言うっすよ」

 まともな男であるならば、乳首を弄りながら尻で感じるはずはない。

「ほら、ほら!ケツマンほじくられてどうなんすか!?」

「あ″ッあ″あ″ぁっ♡き、気持ちい″ッ♡ケツ、指でかき混ぜ、られて″ぇ♡気持ちぃイイッ♡イイ″ィッ♡」

 弾む巨体、そのせいで大きくバウンドする金玉袋。それなのにその上にちょこんとへばり付いた小勃起はただプルンプルンと可愛らしく跳ねるだけ。その狂おしい尻弄りに間抜けな嬌声を上げ続けるだけなのだ。

「こ、んな″はずはぁあぁ♡俺ッ……ケツで感じてる″ッ♡乳首いじんの、止められね″え″ぇ″ッ♡」


 こうまで感じさせているというのに、ハイエナ盗賊は邪悪な笑みで問い掛ける。

「あーああ、善がりまくって!でも良いんすか!?そんなチクニーしまくりながらあっしの手マンにイかされたりしたら、それこそ雄じゃなくなっちゃうっすよ!?」

 そう言われ、ゾクゾクと被虐心が込み上げてしまうタイガ。これまで股間を隠して生きていた自分、男らしさを筋肉や金属鎧に求めてきた自分、そんな今までの努力が無駄になるようなことは──。

「そ、それはあ″ぁあ♡……お、俺は……メスには、メスに……はぁあ″あ″あ″ぁ♡♡♡」

「そんなわけにいかないっすよねえ旦那ぁ!?」

 思いとは逆のこと、ハイエナ盗賊は皮肉たっぷりに指をクンと動かす。既にこの図体だけの雌猫の弱点など看破済みの小悪党だ、鳴かすのなど簡単。果てさせるのなど、オスとして終わらせるのなど簡単なのだから。馬鹿みたいに巨体が跳ね、くだらない小茎がピクンッと跳ねては女陰の快楽に堕ちるのだ。

「んひ″ぃぃ❤︎イ、イグぅうう❤︎デカケツほじられてるぅう″う″ぅっ❤︎ち、乳首とまんこでイ″っちまう″う″う″う″ぅぅぅーッ❤︎❤︎❤︎」

 むしろ『負けられない』と意識することが引き金、大虎冒険者タイガはご主人様の指技に呆気なく敗北してしまう。

「男の手マンッにい、イかされる″ぅう″う″❤︎イグッ、イグッ❤︎ほーけい射精ぇっとまらねえ″え″え″ぇぇっ❤︎❤︎❤︎」

 ちぢれた甘皮の先端から、ボタボタと汚らしい精液の滴り。皮の内部では、ブピュッ、ブピュッ、ビュルウと激しく吐精しているだけに、なんとも男らしさなど欠片もない無様イキ。白目を剥いたタイガは、意識さえ失いながら己の雄性の終わりを受け入れるのだった。



 そうしてあの“銀の斧”がしようもない盗賊の用心棒に成り下がったという噂が立ち、それは事実として人々の知るところとなった。様々な憶測が飛び交ったが、まさか指一本に敗北したとは誰も想像さえできなかっただろう。

 装備させられた凶悪な仮面の下には愉悦の笑み、フルプレートの中には丹念に開発された肉体を収めて、タイガは今日もご主人様であるハイエナ盗賊の後をへこへこと追い縋るのだった。


 <バッドエンド①>

Comments

コメントありがとうございます! 無愛想だけど強くて頼れる虎兄貴のイケナイ秘密!雄負けしちゃえばもうそれこそ……! ゴチありさまです〜。

ねむうさぎ

まさかの○チン属性 雄として解らされてへこへこ従者としての生涯…はぁぁあっご馳走様です!

バウ


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